Red Bear

Case2.反対多数は「組織票」(横浜市交通局)

「横浜事件」といえば史上最大の言論弾圧事件の名称として有名であるが専用車問題においても「横浜事件」と呼べる“言論弾圧”が存在した。いや、存在している。

2003年3月24日、横浜市交通局が市営地下鉄で専用車を試験導入した(平日初電~9時)。

関西では各主要事業者が次々と専用車導入を進めている段階であったが、首都圏ではまだ専用車は京王電鉄とJR埼京線にしかなく、また両者は深夜時間帯の設定であるため、首都圏初の朝ラッシュ時間帯の専用車実施となった。

横浜市交通局でも名古屋市交通局同様に自サイトで賛否を問うアンケートを行なった。

私はそのアンケートの存在を2ちゃんねるの書き込みで知ったのだが、アンケートのリンクと回答を呼び掛ける書き込みは鉄道板・男女板を中心にかなり多く見受けられた。

このアンケートは随時中間報告が行なわれていたので2ちゃんねるではそれに対するリンクも貼られていた。

時々それを覗いてみると女性は賛成が過半数で落ち着いているようだが、男性からの回答は賛成・反対共に20~30%前後で推移し、反対の数が上回る時もあるという感じであった。

それまでに他の事業者や機関が行なってきたアンケートでは圧倒的賛成多数というケースが多かったため、「さすがに専用車が問題視されるようになったか。」「反対がある程度多いとなると、完全撤廃とは行かないまでも何らかの修正くらいはあるだろう。そうなればアンケートで専用車が縮小される初めてのケースとなる。」という認識でこの経緯を見守っていた。

6月下旬のある日、ネットアンケートが打ち切られたという情報が2ちゃんねるに載っていた。

「6月一杯はアンケートを行なうはずなのに早目に終わるんだな」とは思ったがこれは単なる誤差レベルの終了時期程度にしか思っていなかった。

そして2,3日後、横浜市交通局のサイトにアンケート発表の結果が出ていたという情報を受けてサイトを見てみると「女性専用車両を本格導入します」という告知だった。

そして詳細を見てみると、名古屋市交通局と同様でネットアンケートでは賛成・反対が共に40%前後で拮抗していたので“意見を詳しく知るため”に対面調査を行なったらしい。

そして「賛成多数(男性6割,女性8割)となったので実施内容はそのまま本格導入に移行する」とあった。

更に後の報道によると、横浜市交通局はネットアンケートでの反対票の多さは2ちゃんねるで「反対を呼び掛ける書き込み」が横行してそれに影響された者が面白半分に反対の回答を送ったのが原因と見たらしい。

つまり、2ちゃんねらーの組織票というわけだ。

しかし、私が見た限りでは呼び掛けの内容は反対を誘導するものではなかったし、アンケートフォームにメール欄もあったのだからそれで同一性の確認も出来たはずである。

名古屋市交通局と同様に本格導入ありきの「反対しにくい調査方法」や「専用車を正当化する強引な解釈」をやっているとしか思えなかった。

名古屋市交通局の時と違い、自分もネットアンケートに書き込んだことやこの時期に関西の事業者が次々と専用車を導入している状況に疑問を感じていた頃だったのでこの時には私も大きく落胆した。

この頃から、専用車が例え試験的にでも一旦始まってしまえば決して覆ることはないことを悟った。

そしてその考えはほぼ同時期に専用車を試験導入した阪神,近鉄,西鉄が次々と本格導入を発表したことでますます強まった。

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