白兎

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女性専用車両が推進される背景について

女性専用車両は誰が(どこが)推進しているのか?

現在の女性専用車両は誰が(どこが)推進しているのかご存知でしょうか?

答えを先に言ってしまいますと推進しているのは一部の政党・政治家・警察組織などです。

中には自ら女性専用車両を進んで導入したJR西日本のような例痴漢対策としてではなく、女性専用車内に鏡を設置するなど、明らかに女性客への人気取りサービスとしてですが…もありますが、実際にはそのほとんどが政治的圧力によって導入せざるを得なくなったものであると思われます。

2005年に首都圏の鉄道事業者の多くで女性専用車両を一斉導入しましたが、実は当初は首都圏の鉄道事業者の多くが女性専用車両の導入を渋っていました。

しかし結局、当時の国土交通省などの圧力によって導入をせざるを得なくなりました(当時の国土交通大臣は公明党の北側一雄氏)。

これについては、2005年5月12日付の日刊ゲンダイ紙に「公明党・国交省握り鉄道私物化」(サブタイトルが「女性専用車両は都議選向けの人気取り」という見出しで大きく取り上げられています。
(現在、記事はなくなっておりますが、こちら に類似情報あり。)

この日刊ゲンダイ紙の記事には

  • (首都圏での)女性専用車両の一斉導入は公明党のごり押しで決まった。
  • 国会でも(公明党の)女性議員が相次いで質問に立ち、北側国土交通大臣に早期導入を主張、北側国土交通大臣が「順次実施を促す」と答える出来レースを重ね、国土交通省内に「女性等に配慮した車両の導入促進に関する協議会」をトップダウンで設置させた。
  • 当時、首都圏の鉄道各社はラッシュ時の混乱の恐れなどを理由に導入を渋っていたが、こうした異論を封じ込め、大臣主導の「女性等に配慮した車両の導入促進に関する協議会」はわずか2回で終了し、(2005年)GW明けの一斉導入を3月に決めてしまった。
  • 女性専用車両の推進は公明党の都議選対策である。

ということが記されています。

上記は首都圏での例ですが、札幌・名古屋・近畿圏の各地下鉄に女性専用車両が導入されたのも市議会等で女性専用車両推進派の議員が導入を推し進めた(交通局に圧力をかけた)ことによるものです。

特に名古屋や札幌ではおよそ痴漢対策のためとは思えないような状況で女性専用車両が設置または拡大されています。

これらのことから分かるように女性専用車両は表向き痴漢対策と言われていますが実際には特定の政党によって政治目的(選挙対策や党の実績作りなど)に利用されていると思われます。

政治目的に利用されている時点ですでに「痴漢対策」からは外れていると思われますが、そんなものを多くの国民は(裏側の事情を知らず)現在も痴漢対策だと思っているのが現状ではないかと思います。

最初から「女性専用車両ありき」の国土交通省報告書

さて、↓は国土交通省が発表した女性専用車両に関する報告書です。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/15/151209/02.pdf

大阪市交通局

その内容は女性専用車両で目立った痴漢件数の減少が見られなくても強引に「女性専用車両は有効」という方向に話を持っていくなど、明らかに「最初から女性専用車両ありき」の姿勢がうかがえるものです。

一方で「女性専用車両以外で痴漢対策できないか?」「公平性確保のため女性専用車両に追加料金を課すべきでは?」「男性の痴漢えん罪も問題だから男性専用車両も必要ではないか?」といった意見については、それに先回りするかのようにこの報告書が発表された時点ではまだ女性専用車両導入路線は比較的限られていました何かと理由を付け、全て全面的に否定しています。

報告書の内容について詳しく述べていくと、非常に長くなるのと報告書の内容そのものに対しては当会の他のメンバーが紹介・批判等を行っているので(これについては当サイト内 マスター 参照)深くは述べませんが、ここでは報告書の中から2005年の首都圏での一斉導入に先立って関西の京阪・阪急で行われた女性専用車両の試験導入についての記載を紹介します。

「痴漢件数増加も女性専用車両の効果」というこじつけ

この報告書の50ページでは京阪と阪急での女性専用車両導入前と導入後の痴漢発生件数を表にして比較し、女性専用車両の効果で痴漢発生件数が減少したとしていますが、これは誤差の範囲のことで女性専用車両の効果とは言えないと思います。

(なぜなら、確かに6ヶ月間の総数ではわずかながら導入後の方が減っていますが月別で見ると導入前よりも増加している月もありますので)それについてこの報告書では

阪急及び京阪では痴漢被害報告件数は導入当初減少傾向にあった。痴漢件数が増加している月がある点については、両電鉄会社が女性専用車両を導入し痴漢が犯罪である事を利用客に改めて呼びかけ浸透させることにより女性が勇気を持って声を上げやすくなったのではないかという事が考えられる。

と述べています。

痴漢件数が減少すれば「女性専用車両の効果」で、増加すれば「女性の意識の変化で痴漢の逮捕率が上がった」と言うのですからどうしようもありません。

「女性専用車両を設置すると女性が声を上げやすくなり、痴漢の申告件数が増える」というのは一体何を根拠にしているのでしょうか?

第一、「女性が声を上げやすくなったから痴漢件数が増えた」というなら、逆に痴漢件数が減った場合は「泣き寝入りが増えた」ことになってしまいますが…

上記の報告書は女性専用車両実施路線がごく限られていた頃(2003年時点)のものですがこの時点ですでに「女性専用車両を導入しても痴漢は減らない」ということは分かっていたわけです。

それでも、当時の国交省はさらに女性専用車を推進し、その後、先にも述べたように導入を渋る首都圏の鉄道事業者を押しきり、2005年の首都圏での女性専用車の一斉導入となりました。

このように「女性専用車両は痴漢対策を理由にしているだけで、実際には推進すること自体が目的」であったことがお分かりいただけるかと思います。

女性専用車両導入前後の痴漢件数について

ここで参考として女性専用車両導入前後の痴漢発生件数の変化についての資料をいくつか示します。

(参考資料)

  • 朝日新聞(2004.8.13)によると、兵庫県警が検挙した車内の痴漢件数はJR・神戸市営地下鉄などで女性専用車両が導入される前の’02年が80件、導入後の’03年は91件に増加しています。
  • 2003/05/22 の【共同通信】によると、名古屋市営地下鉄東山線でも女性専用車両導入後に逆に痴漢件数が増えたとのことです。

【女性車両導入も痴漢増える 名古屋、一般車両で被害】

(その後の2006年の名古屋市議会議事録においても、「女性専用車導入後も痴漢件数に変化が見られない」との交通局側の答弁が記載されています。)

  • 西日本新聞(2003年夏ごろ)によると、西鉄では女性専用車両導入直後の1ヶ月間での痴漢件数は7件で前年同時期の1ヶ月間の倍以上に増えています。(導入後1ヶ月間で7件・前年度同時期は3件)
  • 日本経済新聞NIKKEIプラス1(2006/5/20)12面のコラム「女性専用車両の怪」の中で、JR東日本お客様サービス室の担当者のコメントとして「導入時の調査で六割のお客様が賛成。ただ痴漢発生件数は減っていません。」との記事が掲載されています。
  • 朝日新聞(2006/8/8)によると、JR中央線では導入前の04年には188件だった痴漢件数が、女性専用車導入後の05年には217件に増加(+29件)。
    京王線でも深夜時間帯のみの実施だった04年には121件だった痴漢件数が、朝・夕ラッシュ時にも拡大した後の05年には、146件(+25件)に増えているとのことです。(JR埼京線では痴漢件数が減少したと報道)
  • 朝日新聞(2006/10/27)によると、東武鉄道では女性専用車設置後、女性客が苦情を申し出る件数が逆に増加したとのことです。
    具体的な件数は記載なし。記事では「女性客が苦情を申し出る件数が逆に増えた」というような記載がされていますが、それに対する東武鉄道側の「(女性専用車設置により)女性が助けを求める声を上げやすくなったからではないか?」という見解が記載されていることから、女性客の苦情申し出というのは、痴漢被害の申し出と考えられます。

上記参考資料の2006年8月の朝日新聞の記事では、JR埼京線で痴漢件数が減ったことについては「(JR東日本が)女性専用車の効果と胸を張る」 と記されている一方、京王線で女性専用車拡大後、痴漢件数が増加したことについては「女性が泣き寝入りしなくなり、犯行が表面化する傾向があるのでしょうか という京王電鉄関係者のコメントが掲載されています。

また、2006年10月の朝日新聞の記事にも、上記参考資料の中で触れた通り、(痴漢件数が増加したのは)女性専用車設置により、女性が助けを求める声を上げやすくなったからではないかと(東武鉄道側が)見ている、という主旨の記載があります。

そして、これらのことから当時の鉄道事業者も国土交通省の報告書の内容と同じように「痴漢が増えても減っても、どちらでも女性専用車両が有効」という、こじつけ的解釈をしていたのがお分かりいただけると思います。

上記の資料は2003~2006年頃の資料ですが、それ以後、女性専用車両を導入した鉄道事業者の多くは痴漢件数を隠蔽するようになりました(これについては後述)痴漢対策と言って女性専用車両を導入しておきながら、痴漢件数が減らないとわかると「女性の意識の変化で痴漢の逮捕率が上がったから件数が増えた」などと強引なこじつけ(言い訳)を行い、それ以後は痴漢件数を隠蔽し続けているわけです。

そして今では、痴漢件数がほとんど公表されることなく、当たり前のように「痴漢被害から女性を守るため、女性専用車両をもっと拡大するべき」といった意見が世の中でまかり通るようになってしまったわけです。

鉄道事業者の対応(1)

~女性専用車両で痴漢が減らないと分かれば「女性に安心して乗っていただくため」と導入理由をすり替え、痴漢件数も隠蔽~

上記で述べてきた通り、女性専用車両導入後も多くの路線で痴漢件数に大きな変化はなく、中には増加してしまった路線もあることはお分かりいただけたかと思います。

そして、そのことについて、当時の国土交通省や鉄道事業者が(痴漢件数が逆に増加したのは)「女性専用車両の設置によって、女性が勇気を持って被害を申し出るようになったからではないか?」という、こじつけ的な解釈の仕方をしていたこともお分かりいただけたと思います。

このように、「女性専用車両で痴漢は減らない」ということはほぼ証明されてきたかのような感がありますが、女性専用車両推進勢力や鉄道事業者はこのところ導入理由を「痴漢対策」から「車内における迷惑行為防止」(迷惑行為は男→女とは限らないのですが…)や「女性に安心して乗っていただくため」等、「痴漢対策という言葉を使わない理由」に変化させてきているような感があります。

(あるいは、痴漢対策を理由に出していてもそれ以外の理由と併記することにより「痴漢対策はたくさんある理由のうちのひとつに過ぎない」ということにしようとしていると思われるケースもあります)

また、以前は新聞記事などで各鉄道事業者の女性専用車両導入前後の痴漢発生件数が公表されたりしていましたが「女性専用車両で痴漢件数が減らない」と分かると女性専用車両を導入している鉄道事業者が自社路線での痴漢件数を隠蔽するケースも多々見られるようになりました。

つまり、問い合わせても「痴漢件数の統計は取っていない」と言ってかわすか、または「件数は把握しているが教えられない」「内部情報だ」などと返してくるわけです。

中には個人情報だから公開できないと言って公開を拒否した鉄道事業者もありましたが「痴漢件数」の一体どこが個人情報なのでしょうか。

「痴漢件数の統計は取っていない」という回答については、以前、新聞記事で女性専用車導入・拡大後の具体的な痴漢件数が公表された鉄道事業者の中にもこのような回答をしてきたところがありますのでこれは明らかに「痴漢件数を隠蔽したいがためのウソ」であると分かります。

なぜ、痴漢件数が減らないことがわかっても導入理由をすり替え、導入後の痴漢件数を隠してまで女性専用車両を継続・推進するのでしょうか?

本当に痴漢対策なら件数が減らないと分かった時点で考え直すはずですが…

ここからも「女性専用車両は設置・継続自体が目的で痴漢対策は単なる口実に過ぎない」ということが分かります。

鉄道事業者の対応(2)

~女性専用車両導入アンケートの不可解~

ここまで「痴漢件数が減らないと分かっても導入理由をすり替えたり、痴漢件数を隠蔽してまで女性専用車両を継続・拡大している鉄道事業者の対応のおかしさ」とそこから「痴漢対策というのは表向きの理由に過ぎない」ということを述べてきましたが、鉄道事業者の対応のおかしさはそれだけではありません。

現在ではもう既に女性専用車両が定着したと見なされているためか、女性専用車両が導入・拡大される前にアンケートが取られることはほとんど無いようですが2000年~2003年頃(関東では2005年頃)、まだ女性専用車両が導入され出して間もない頃は鉄道事業者が自社路線での女性専用車両導入前に「女性専用車両の導入に賛成か反対か」などを利用者に問うアンケートが盛んに実施されていました。

しかし、これらのアンケートがまた「おかしい」の一言に尽きる、なんとも不可解な物だったのです。

詳しくは当会のRed Bearが こちら で述べているのでそちらも参照いただきたいのですが、具体的には日本全国の鉄道事業者で以下のような対応がありました。

  • アンケートを取って「反対多数」の結果が出ると何か理由を付けて「このアンケートは不適当」ということにして、再度アンケートを取り直し「再度アンケートを取り直した結果、今度は賛成多数の結果が出ましたので女性専用車両を正式導入します」と言って本当に女性専用車両の正式導入を決定。
  • 女性専用車両の利用客に重点的にアンケート用紙を配るなど、最初から「賛成多数」の結果を出そうとしていると思われるようなアンケートの取り方をして「アンケートの結果、大多数のお客様が女性専用車両の導入・拡大に賛成しました」と発表し、女性専用車両の正式導入を決定。
  • アンケートの結果が反対多数でも「(アンケートの結果以外の要素も含めた)総合的判断により導入・拡大を決定しました」と言って反対多数のアンケートの結果に関わらず、女性専用車両の正式導入を決定。

利用者の賛否を聞いて女性専用車両を正式導入するかどうか決めるためのアンケートなら反対多数の結果が出た時点で正式導入は取りやめにするのが普通でしょう。

ところが、実際にはこのようなおかしな対応をとってまで鉄道事業者が女性専用車両の正式導入・拡大を強引に決めたことなどから、これはアンケートの結果以前に「最初から」女性専用車両の正式導入(または拡大)が決まっていたとしか思えません。

つまり、女性専用車両の正式導入・拡大を行うかどうか決めるためのアンケートではなく、最初から「賛成多数」の結果を出して「きちんと利用者の意見を聞いた上での導入・拡大なのだから、やり方としても間違っていない」と世間に思い込ませるためのアンケートだったのではないか(いわゆる”出来レース”だったのではないか)と思われます。

こういうところからも、女性専用車の導入にあたって鉄道事業者に政治的な圧力がかかっていたこと、そして「痴漢対策」と言いつつ、実は痴漢対策などではなく、導入そのものが目的であったことがお分かりいただけるかと思います。

しかしながら、女性専用車両も導入され始めてからかなり年数が経過し、導入当初の頃のこうした経緯は世間から忘れ去られようとしています。

そして、そうした経緯のあったことを知らない者が反対派に対し「反対する前になぜこんな車両を導入せざるを得なくなったのか考えろ。痴漢を撲滅するのが先だろう」などと言ってくるわけです。

反対派の皆様(とくに現在10代・20代の若い方々)には過去のこうした経緯もよく調べ、知識として知っておいていただきたいと思います。

女性専用車両に痴漢冤罪防止効果はない

「女性専用車両の設置=男女分乗」ではない

よく、「女性専用車両は痴漢防止になるだけでなく、男性の痴漢冤罪防止にも効果があるのだから男女双方にとって良い。だからどんどん拡大するべき」などということを言う人がいます。

ではお聞きしますが…
「女性専用車両で痴漢冤罪が何件減ったのか、何%減ったのか、具体的な数字を挙げられますか?」

この質問にはっきりと答えられる人はまずいないと思います。

なぜなら、女性専用車両導入によって痴漢冤罪が何件減ったとかいうデータ(根拠)など全く存在しませんから

つまり、「女性専用車が痴漢冤罪対策になる」と言っている人は何の根拠もなくそのように信じ込んでいるということになります。

そこにあるのは「女性専用車両が設置されれば多くの女性がそちらに行き、男女の乗り分けが出来て痴漢も痴漢冤罪も減る」という「根拠のない思い込み」です。実際には女性専用車両があっても利用しない女性客が非常に多い

少し戻りますが、先の女性専用車両導入前後の痴漢件数比較を思い出してください。

2008年6月6日の朝日新聞に載ったJR中央線の例で考えてみましょう。

JR中央線では2005年に女性専用車両を導入しましたが、その前年に188件だった痴漢件数が女性専用車導入後の2005年には217件に増加しています。

つまり、年間30件近くも逆に増加してしまったわけです。

しかも、女性専用車両ができて、痴漢の発生する可能性のある車両が一両減っているにも関わらず、全体の痴漢件数が増えているわけですから女性専用車両以外の車両1両あたりの痴漢発生率は大きく上昇しているということになります。

これらのことから、女性専用車両以外の車両では以前にも増して痴漢や痴漢えん罪が発生しやすくなっていると見ることが出来ます。

女性客が女性専用車両へシフトしていない上に女性専用車両の設置により女性専用車両以外の車両の混雑が増していることも原因として考えられます。

そんな状況でなぜ「女性専用車両は痴漢冤罪防止に役立つ」と言えるのでしょうか?

実際、女性専用車両設置後も痴漢冤罪事件は起き続けています。

女性専用車両では痴漢も痴漢冤罪もなくならないのです。

男性の方で「女性専用車両のおかげで自分(男性)も冤罪から救われている。ありがたい」などと言っている(思っている)人は「実は、嬉しく騙されているだけ」であるということに早く気づいていただきたいものです。

女性専用車両は任意協力であることについて

「任意協力」は憲法14条の規定に触れないようにするため。

女性専用車両に反対する人の中には「女性専用車両は憲法14条違反ではないか?」とのご意見を持っておられる方も多いようですが、どうやら制度として男性が乗車することを禁止(強制)しない限りは憲法14条には触れないようです。

また、鉄道事業者も「女性専用車両は強制なのか?」という質問に対し、当初(2002~05年頃)は質問に答えなかったり、回答してきても「この回答は他には漏らさないように」と、厳重に口止めしたりしていましたが、この頃ではすぐに「女性専用車両は任意協力であり、強制ではない法的強制力はない」という回答をしてくる鉄道事業者が多くなりました。

しかし、実際には「任意協力」と言っておきながら女性専用車両にただおとなしく乗っているだけの男性乗客を駅員や警備員が強制的に排除するケースが後を絶ちません。

つまり、「強制ではない」といいながら実際には「任意協力である」ということを利用客にはほとんど公表せず、強制であるかのように思わせて、なおかつ女性専用車両に乗る男性には出て行くように言ったり、場合によっては強制排除する一方、裁判などで憲法14条違反について問われれば「強制ではないので法律上問題ありません」と言い逃れをするという、実に汚いやり方のように思われます。

「任意協力」と分かると「男性が乗るのはマナー違反」と言い出す賛成派

最近ではネットなどの情報から「女性専用車両が実は任意協力に過ぎない」ということが広く世間にも知れ渡り始めていますが、それでも何とかして男性を乗せたくない一部の専用車両賛成派からは「任意だからと言って男性が女性専用車両に乗るのはマナー違反」とか「法律で決められてないからと言って何をやってもいいのか」という声が聞こえてくるようになりました。

「法律で禁止されていないから男性が女性専用車両に乗っていいと言うのなら車内で携帯電話を使って大声で会話したり、座席に横になって寝たりするのも法律で禁止されていないからやっていいことになります。公共のマナーぐらいきっちり守りましょう」 などと言ってくるのですが、この意見には1つとんでもない間違いが含まれています。どこが間違っているか分かりますか?

答えは「車内での携帯電話の会話や座席で寝そべったりすること」等の自分の選択の行動であることと自分の選択の行動ではない「属性による乗車制限」を同列に扱っていることです。

車内で寝そべったり、携帯で大声で通話するような行為は本人の意思でそれをやめることは出来ますし、やめないのなら「迷惑行為・マナー違反」と言われても仕方ありませんが「性別」という、本人の意思ではどうすることも出来ない、生まれ持った属性(生来属性という)を理由に公共の場から男性を排除するのならこれは「人種」という生まれ持った属性を理由に黒人を排除したアパルトヘイトと同じことになってしまいます。

女性専用車両が「専用」と名乗りながら実際には「任意協力」になっているのも任意協力にしておかないとアパルトヘイトと同様の「公共の場における、属性を理由にした差別」になって、憲法14条に抵触してしまうからです。

「女性専用車両に男性が乗らないのがマナー」などと言うのは「白人専用車両に黒人が乗らないのがマナー」などと言っているようなものです。

そして、言うまでもありませんが ❝法律 > マナー❞ です。

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