2026年5月22日夜に名古屋市営地下鉄東山線で非協力乗車会を行いました。
最初の方では声かけなどはなかったのですが、乗車会後半になってから女性客や乗務員からの声かけがありました。
このため乗車会終了後、名古屋駅の駅長室で抗議しました。
今回のルート
ルート:
- 名古屋→藤が丘
- 藤が丘→栄
- 栄→高畑
- 高畑→名古屋
3の栄から高畑まで乗った列車内で、名古屋駅から乗車した女性客からの声かけがあった。その女性客とはしばらくやり取りしたが、どうやら「女性専用車両に男性が乗らないのは義務」だと思っているふしがあった。
さらにその列車が終点の高畑駅に着いて折り返し列車になった際、乗務員からの声かけがないかどうかの確認のため私達が車内に留まっていると、ホームを歩いて通りかかった運転士と思われる職員が車内に乗り込んできて(私達のことを外国人だと思ったのか)英語で声をかけてきた。
詳細は後述する。
1.名古屋→藤が丘
今回は地下鉄名古屋駅に19:00集合。地下鉄全線24時間券(1日乗車券)で乗車。
通常の切符やICカードで乗車した場合は、引き返す場合などに必ず一旦改札を出る必要があるが、24時間券を持っていれば、改札を出ずに同じところを何度重複乗車しても問題ない。

24時間券を自動改札機に入れて階段を降りると、帰宅ラッシュ時の名古屋駅ホームは人でいっぱいになっていた。
まず乗車するのは19:07発の藤が丘行き。


女性専用車位置に並んでいると、周囲からの声かけはなかったものの、ホームの自動アナウンスで「女性専用ステッカーのある車両は、女性専用となっております。」と流れていた。
任意協力なのに「女性専用」と言い切ってしまうアナウンスはかなり問題である。
「女性専用車両になっております」ならばまだ「女性専用車両という名前なだけであって、実際は任意協力だ」という解釈もかろうじて不可能ではないが、「女性専用になります」だと、どうやっても任意協力だという解釈はできない。完全にウソを言っていることになるからだ。
当会としても以前から名古屋市交通局に抗議しているが、何年も改善されないままである。
ちなみに他社局では「女性専用車になります」「女性専用車両になります」などの案内をしていることが多い

もちろん「女性専用車(女性専用車両)になります」でも、任意協力であることを知らない乗客なら男性乗車禁止だと思う可能性は高いから、決して良いとは言えないが…
やがて列車が到着し、私達は並んでいた他の乗客と共に女性専用車両に乗車した。車内は混雑しているものの、押し合いへし合いになるほどではない。
この区間(東山線名古屋~栄)は、東海地区の鉄道の中で最も混雑する区間である。名駅と栄という2大拠点を結んでいる名古屋の最重要路線だが、車両はやや小さめでしかも6両編成と大都市の主要路線としては短い。
そのため列車によってはぎゅうぎゅう詰めになるくらい混雑することがある。
栄駅を過ぎてやや乗客は減ったものの、まだ立ち客が多く車内は相変わらず混雑していた。
新栄町駅~千種駅間を走行中に「東山線では女性専用車両を平日の始発から終発まで運行しております。皆様のご協力をお願いします。」という車内自動アナウンスが流れた。車内放送では「女性専用車両」というのになぜ駅の案内放送やホームの乗車位置表示では「車両」を付けず「女性専用乗車口」「女性専用となります」と案内するのだろうか。
星ヶ丘駅あたりから、車内の立ち客は少なくなってきた。
その次の一社駅の先で、東山線は地下から地上に上がる。
上社駅で多くの乗客が降り、停車中に1人の男性客が女性専用車両を通り抜けた。今回の乗車会で初めて確認した女性専用車両内の男性(私達以外)である。
ここまで来ると立ち客はほぼいなくなり、車内を端まで見通せるようになったが、女性専用車両内にいる男性は私達だけのようだ。
列車は引き続き夜の名古屋市内を高架で走り続けて本郷駅を過ぎ、終点の藤が丘駅には19:35頃に到着。
この列車では、鉄道員や女性客などからの声かけは全くなかった。

藤が丘駅到着後、しばらく車内に留まって、折り返しのために乗務員が反対側の運転席に移動する際、私達に声をかけてこないかどうか確認するつもりだったが、この列車はそのまま高畑方面に折り返すのではなく、車庫に引き上げるというアナウンスが入ったので、私達も全員下車した。
2.藤が丘→栄
藤が丘駅で下車した後、折り返し19:46発の高畑行に乗車することにした。
しばらくホームの女性専用車両位置で並んで待っていると、電車が到着する際にホームの自動アナウンスで
「女性専用ステッカーのある車両は、女性専用となっております。」と流れた。

しかし私達以外にも1人の男性客が乗車して着席。
車内はラッシュと逆方向でしかも始発駅のためか、乗客の姿はまばらだった。
発車直前に車内の自動アナウンスで「東山線では女性専用車両を、平日の始発から終発まで運行しております。皆様のご協力をお願いします。」と流れたが、その男性客は移動せず。
ドアが閉まり、列車は藤が丘駅を発車。
高架区間をしばらく走って本郷駅に到着。男性はここで降りて行った。
本郷駅を出発。女性専用車両内はまだ空席が多いが、隣の車両はすでに立ち客が出始めていた。
次の上社駅を過ぎ、線路は高架から一気に地下へ。
地下に潜ってすぐの一社駅で1人の男性客が乗ってきたが、すぐに隣の車両へ移動。
一社駅を発車して、次の星ヶ丘までの間を走行中に車内にまた「東山線では女性専用車両を、平日の始発から終発まで運行しております。皆様のご協力をお願いします。」と自動アナウンスが流れた。
星ヶ丘駅あたりから女性専用車両内にも少しずつ立ち客が出てきはじめたが、私達の近くにいた女性客グループは私達のことを特に気にするような様子はなく、何気ない会話を続けていた。
千種駅で3人の男性客が乗ってきた。会話を交わしておりどうやら知り合い同士のようだ。そのうちの1人は乗車後すぐ隣の車両に移って行ったが、残る2人の男性客はそのまま女性専用車両に留まった。つまり女性専用車両と承知の上で乗車していることになる。
もちろん「女性専用車両」という名前なだけで実際には任意協力であるし、任意協力だからこそ法的な問題には引っかからず、公共交通機関でこのようなものが存在することがまかり通っているのだから、男性もどんどん乗れば良いのである。
「任意協力」ということにしながら「女性専用(男性禁止)」だと勘違いさせるようなやり方で、法に引っかからないようにしながら事実上男性を排除するやり方に協力する必要はない。
ここまでは声かけなどはなく、栄駅には20:08頃に到着。
ここで一旦下車し、後続の電車に乗り換えることに。

3.栄→高畑
栄駅から次に乗車するのは、20:13発の高畑行。
ホームの「女性専用乗車口」(乗車口まで女性専用なのか?)で並んで待つことにした。

栄駅でもやはり電車が到着する際にホームの自動アナウンスで
「女性専用ステッカーのある車両は、女性専用となっております。」と流れていた。
「本当に女性専用」で「男性は乗車禁止」だと勘違いさせるアナウンスだ。
しかし到着した列車の車内には既に2人の男性客が着席しており、さらに栄駅からも私達以外に計3人の男性客が女性専用車両に乗車した。
つまり、確認しただけで私達以外にも計5人の男性客が乗っていることになる。
車内は混雑していたが、押し合いへし合いになるほどではなかった。
次の伏見駅では男性客が2人降りて行った。伏見駅発車後、名古屋駅に向けて走行中にまたまた「東山線では女性専用車両を、平日の始発から終発まで運行しております。皆様のご協力をお願いします。」と自動アナウンスが流れた。
女性専用車両の周知はかなりきっちりと行っているようだ。
名古屋駅で多くの乗客が下車し、車内はまだ立ち客がいるものの乗車率は大きく下がった。ここまで立って乗車していた会員AとBが2人で座席に座り、会員Cは少し離れた場所に乗車していた。
すると座席に座っていた会員AとBに名古屋駅から乗ってきた高齢の女性客が声かけ。
女性客:日本人?外人?
会員A:日本人ですが何か?
会員B:I ’m Japanese.
女性客:ここ女性専用車両ですよ。
会員A:知ってますけど。
女性客:えー!?
そこでその女性客が引き下がったが、今度は車内を移動して少し離れたところにいた会員Cのところに行った。
声は聞こえなかったが何やらやり取りしているようだ。
あとで会員Cに話を聞くと、このとき女性客が先に声をかけてきたのではなく高齢の女性だったため会員Cが席を譲ろうとしたとのこと。
会員Cによると、女性客とは以下のような会話をしたらしい。
女性客:あの人達(会員A・B)、女性専用車両なのに乗っている。女性専用車両に乗るなんてどうかしている。
↑ちなみにこのとき女性客が話していた会員Cも男性である。
会員C:あくまでも任意のご協力ですので。(防犯対策なら)車内に防犯カメラ付いてますよ。
女性客:エスカレーターも左右に乗るのが義務化されたはずなのに…
会員C:女性専用車両は協力事項です。男性にもいろいろな人(見た目で分からない事情を抱えた人など)がいますからね。
名古屋市ではエスカレーターに乗る際には片側を空けるのではなく、横に2列に並んで歩かずに乗ることが条例で義務づけられたようだが、この女性客は女性専用車両もエスカレーターと同じように「男性が乗らないことが条例などで義務づけられている」と思い込んでいるようだ。
こういう勘違いが起きるのも、任意なのに「女性専用」などと案内するからである。
途中の本陣駅から1人の外国人らしき男性客が乗ってきて、2駅先の中村公園駅で降りて行った。
中村公園駅あたりから空席が出はじめ、その次の岩塚駅ではまとまった降車があった。
そのため女性専用車両内は一気に空席が多くなってきたものの、両隣の車両を見るとまだ立ち客がおり、混雑差が明らかに。
終点の高畑駅には20:32頃に到着。
他の乗客は全て降りたが、列車はこのまま藤が丘行きとして折り返すため、私達は乗務員からの声かけがないかどうかを確認するため車内に残った。

しばらくして運転士と思しき男性の職員(H氏とする)が、ホームを歩いて通り過ぎようとしていたが、私達を見てわざわざ車内に乗り込んできて、私達のことを外国人と思ったのか英語で声をかけてきた。
H氏:Sorry, This area women only.
会員B:Men can …
H氏:(車内の女性専用車両ステッカーを指差しながら)Men……えーと、男性……ダメ!(と言って手で×印を作る)
↑私達のことを「日本語だけでなく、英語も通じない外国人」だと思ったのだろう。
会員A:女性専用車両とか言ってるけどこれは強制なんですか? …任意協力じゃないの?
H氏:すみません!(と焦ったような雰囲気で立ち去っていく)
つまりこのH氏、女性専用車両は任意協力だと知っていながら、私達がそれを知らないと思って声をかけてきたということだ。
そして私達が女性専用車両に承知で乗っていると分かったため、慌てて逃げ出したのだろう。
とんでもない話である。
この後、一旦ホームに降りてこの藤が丘行きは見送り、私達全員で話し合って「(乗車会終了予定の)名古屋駅で駅長室に抗議に行こう」という話になった。
4.高畑→名古屋
ホームでしばらく待って、20:43頃に到着した列車に乗車した。20:48発の藤が丘行である。

その電車が到着する際にもやはりホームの自動アナウンスで「女性専用ステッカーのある車両は、女性専用となっております。」という「嘘アナウンス」が流されていた。
さらに乗車してから高畑駅停車中に「東山線では女性専用車両を、平日の始発から終発まで運行しております。皆様のご協力をお願いします。」とこちらも自動で女性専用車両の告知アナウンスが車内に流された。
しばらく経ってから、この列車の運転士と思われる職員がホームを歩いて行ったものの、先ほどのH氏とは異なり、車内に目をやることもなく、そのまま歩いて通り過ぎて行った。
発車直前に1人の男性客が乗ってきたものの、すぐに隣の車両へ移動。
車内は私達以外ほとんど誰も乗っておらずガラガラである。
そのままほとんど人が乗ることもなく何駅か過ぎ、名古屋駅1つ手前の亀島駅を発車後、走行中にまた車内の自動アナウンスで「東山線では女性専用車両を、平日の始発から終発まで運行しております。皆様のご協力をお願いします。」と流れた。
この列車では声かけはなく、名古屋駅に21:00頃に到着。
ホームには多数の乗客が列をなしており、私達が降りるのと入れ替わりに、ガラガラの車内へ乗客が一気に流れ込み、車内は結構な混雑となって、藤が丘方面に発車していった。
駅長室で抗議
その後、名古屋駅の駅長室に向かい、先ほど高畑駅での乗務員の対応や、女性客から声掛けがあったことなどについて、抗議することにした。

駅長室に入り、対応に出た職員に「今お時間よろしいですか?」と尋ねてから会員Aが
「女性専用車両は強制力があるのですか?それとも任意協力ですか?」とストレートに質問してみた。
これについては「女性専用とはなっていますけど、ご協力をお願いしているもので、強制力はございません」とのこと。
以下、駅員と会員達とのやり取り。
会員A:もし男性が乗ったら声かけはするものなのですか?
駅員:声かけは一応します。女性専用車両には(男性の乗車は)ご遠慮いただくようお願いはしますね。
会員B:男性やそれっぽく見える人が乗っていると、何か不具合でもあるのですかね。
駅員:女性専用なので、女性が安心して乗っていただけるよう設定されておりますので…
会員A:では何で任意協力になっているのかという話なんですが。
駅員:うーん、まあ、本来は必要とされる方。例えばお子様ですとか介助が必要なお客様等は、乗っていただいても構わないということにはなってますけども。
会員A:で、それ以外の男性が乗る場合も、任意ですよね?
駅員:そうですね。はい。…任意というか専用と謳っているので「移動してください」ということはしますね。
会員A:任意協力と言わずに「ここ女性専用です」といったら、任意協力だと知らない人は自分の意思に関係なく移動してしまいますよね。あくまでも任意ということは「乗客の意思で協力するかしないかを決めるから任意」ということであって、だからこそ女性専用車両は日本国憲法14条の「法の下の平等」にも反しないということになっているんですけども、任意協力であることを知らせずに「女性専用です」といったら、これは言い方は悪いかも知れませんが騙していることになりませんか?
会員B:先に「任意」だと言わないと筋が通らないですよね。実は先ほども高畑駅であったんですけど、私達が女性専用車内にいたら運転士が「women only」とか言ってきたんですよ。私達のことを外国人だと思ったみたいで。
駅員:あー、それは失礼な対応ですね。
会員B:それよりももっと失礼なのは私達が男性だからという理由で声をかけてきたということですね。
会員A:要は見た目で判断したと言うことですね。世の中には性同一性障害などを抱えている方もいますが、そういう方には性別とか見た目とか結構センシティブなことなんですよね。
駅員:あーなるほどね
会員C:女性の方に安心してって言われますけど、男性がいると不安だから女性専用車両って、それ差別じゃないですかと。日本人専用車両とか作れますか? 外国人が怖いとか、最近もありましたよね。外国人の方の迷惑行為とか。でもだからって日本人専用車両を作るのはNGですよね。それと同じ事だと思います。
会員A:確かに悪いことをする外国人もいますけど、だからって全ての外国人がそういうことをするわけじゃない。男性も同様で全員痴漢かというとそんなことはない。それを一律に男性だから排除というのはおかしいだろうと。
会員C:大体そういう人たち(痴漢)って、1人で複数の犯行とかしてるじゃないですか。犯罪者とは無関係なのに男性だから乗れませんと。まあ任意だというのは知ってますけど、そもそも「女性専用だけど任意」って、日本語としておかしいじゃないですか。
会員B:名古屋市交通局さんは駅のホームやホームドアにも「女性専用乗車口」と表示を出しておられますが、これも任意協力という事実に反するのではないかと。あと放送でも「女性専用ステッカーのある車両は女性専用になります」とか。そういう表示や放送についても改めることをご一考願いたいですね。
会員A:特に交通局さんは公営ですからなおのこと憲法とかそういうのは守らないといけないと思うんですよ。公共交通機関でもありますし。そういう意味でも防犯対策自体は必要ですが、女性専用車両でなければならないのか、もう一度よく考えていただきたいと思います。まあ、組織の話ですので、ここで言ってもすぐ変えられるものではないですが、上の方にお伝えいただければ…
会員B:こういう意見があったということで、上の方に伝えていただけたらと思います。
駅員:ではご意見としてこちらの方、伝えさせていただきます。
会員一同:お願いします。
このような感じで駅員とやり取りし、最後は「ありがとうございました」と駅員に礼を述べ、駅長室を後にした。

