2026年5月9日にJR東西線、大阪環状線&大阪メトロ御堂筋線で非協力乗車を行いました。今回、車掌の車内放送や駅構内での放送で、女性専用車が「終日運行で休日も設定があること」を妙に強調したアナウンスが目立ちました。
今回のルート
今回は以下のルートで乗車を行った。
- 北新地→京橋(JR東西線)
- 京橋→大阪→西九条(JR大阪環状線内回り)
- 西九条→ユニバーサルシティ(JRゆめ咲線)
- ユニバーサルシティ→西九条(JRゆめ咲線)
- 西九条→天王寺→京橋(JR大阪環状線内回り)
- 京橋→鴫野(JR学研都市線)
- 鴫野→新大阪(JRおおさか東線)
- 新大阪→大阪(JR京都線)
「ゆめ咲線」は愛称で正式名称は桜島線。「JR京都線」も正式には東海道本線の京都~大阪間のことである。
「学研都市線」も愛称で正式には片町線というのだが、こちらはすでに愛称の方が定着しており、正式名称である「片町線」が使われることはほとんどない。
1. 北新地→京橋(JR東西線)
今回はJR東西線の北新地駅に集合。


13:59発の同志社前行きの区間快速に乗車すべく、女性専用車の乗車位置で発車数分前から並んだ。ホームでの自動アナウンスや発車標の電光掲示板にも「この電車には女性専用車があります。ご利用のお客様は足元の女性専用車マークの位置でお待ちください。」等と流されていた。
会員Aが1人で車両中程のドア位置に並び、そのほかの会員B、C、D、E、Fがその隣の乗車位置に並んだ。
すると近くにいた1人の女性客が声をかけてきた。
女性客:(足元の女性専用車マークに指を指しながら)女性専用車ですよ。
会員B:知ってますよ。
会員C:法律上、男性が乗っても問題ありません。
任意協力であってもやはり女性”専用”と表示されていれば女性専用車問題に詳しくない乗客の多くは「男性の乗車禁止」と思ってしまうだろう。
しかしながらこの女性客はそれ以上は何も言ってこなかった。
やがて乗車する松井山手行き快速が到着。
車内は少し立ち客がいる程度で、比較的空いている。乗車してからは特に声かけ等はなく、大阪城北詰駅の先で地上に上がり、京橋駅には14:05頃に到着した。
私達はここで大阪環状線に乗り換えるため、下車。
2. JR大阪環状線内回り:京橋→(大阪経由)西九条
JR東西線の列車から大阪環状線のホームに徒歩で移動し、京橋駅14:10発の大阪環状線内回り列車に乗車すべく女性専用車位置に行くと、男性客も含めて多くの乗客が並んでいた。そして私達もその列の後ろに一緒に並んだ。
列車が到着した際、近くの男性客が車体の表示を見て「女性専用車?」と呟いていたので会員AとBが「どんな男性でも乗れますよ。」と言うと、男子学生らしき2人組と何故か1人の女性客だけは隣の車両の列へ走って移って行ったものの、他の男性客はそのまま女性専用車へ乗車。


車内はやや混雑しているものの押し合いへし合いするほどではなく、また私達以外にも計10人くらい男性客が乗車していた。桜ノ宮駅を過ぎ、天満駅では男性がさらに1人乗車してきた。そして大阪駅で半数くらいの乗客が降りていった。
大阪駅を出た車内は立ち客が減って、座席がほぼ埋まる程度の乗車率になった。私達以外にも何人か男性と思しき乗客の姿が見える。

西九条駅には14:24頃に到着し、ここでJRゆめ咲線に乗り換え。
3. JRゆめ咲線:西九条→ユニバーサルシティ
西九条駅で降りたホームのすぐ向かい側にゆめ咲線の14:34発、桜島行き普通が到着するようだったので、私達はそのままホームに並んだ。
電車が到着すると、女性専用車内から降りてきた乗客の中に男性客2人ほどが混じっていた。

入れ替わりに私達が乗車しようとすると、私達の近くに並んでいた若い男性客数人のグループが車体の女性専用車表示を見て隣の車両の位置へ移動。任意協力なのに女性”専用”と表示しているからこういうことになる。
私達が乗車すると、父親らしき男性も含めた1組の家族連れが乗っていた。
さらにその後、家族連れとは別にカップルと思われる外国人らしき男女が乗ってきた。
あとで会員Aから聞いたのだが、このカップルと思しき男女は車体の「Women only」の文字を指さして乗車を躊躇っている様子だったので、会員Aが韓国語で이것 거짓말입니다 남성도OK(これはウソです 男性もOK)と伝えたらそのまま乗車してくれたとのこと。
さらには車内遠くの方に男性が1人立って乗車しているのも確認した。
ここで車掌が肉声でマイクを通して「この電車の前から4両目、車内に女性専用車の表示ある車両は始発から最終まで終日女性専用車です。本日も設定がございます。ご理解とご協力をお願いします。」とアナウンス。
やたら念入りなアナウンスで、しかも「本日も設定がございます」と休日にも女性専用車があることをわざわざ強調していた。以前は私達が非協力乗車していると個別に声をかけてきていたが、個別声かけされるたびに抗議した結果、現在ではJR西日本では駅員や乗務員などによる個別声かけは(たまにはあるが)原則なくなった。
しかしその代わりに、こうして「女性専用車の設定があります」という告知に力を入れているのだろう。
しかしアナウンスが車内に流れても、その家族連れやカップルと思しき外国人の男女は車両を移動しなかった。任意協力だからそれで良いのだ。
発車時刻の少し前には1人の男性客が女性専用車内を通り抜けて行った。
大阪環状線の列車と接続を取り、乗り換え客で車内の乗車率が上がったところで西九条駅を発車。
発車後の車内では特筆するようなことは特になかったが、車内の女性客らは何気ない会話を続けており、乗っている私達や他の男性客のことを気にしているような様子ではなかった。
安治川口駅を過ぎ、14:39頃にユニバーサルシティ駅に到着。
ここで下車して一旦改札口から出た。


先ほど西九条駅停車中の車内で車掌が「本日も設定がございます」とわざわざ強調するアナウンスをしていたが、これまでこのようなアナウンスは聞いたことがなかったので「男性が乗車しないよう対策を強化しているのですか」とユニバーサルシティ駅の駅員に質問してみると「あくまでもご協力をお願いしているだけですので、それでも男性が乗られるのでしたらそれ以上のことは言いません」とのことだった。
しかし、改札を出てしばらくしてから気づいたのだが、改札口近くにあるモニターに女性専用車の案内が大きく表示されていた。そして「小学生以下の男児や障がい者・介護者は男性も乗れる」旨の案内もしていた。
JR西日本も個別の声かけは基本的にはしなくなったが、女性専用車の周知には今も非常に熱心なようだ。

もちろん本当は「ご協力をお願いしているだけ」だから、年齢や障がいの有無に関わらず全ての男性が乗れる。そして誰でも乗れるからこそ「女性専用車は差別ではない」として、現在も公共交通機関でまかり通っているのである。
しかしこの案内では「小学生以下の男児や障がい者・介護者以外の男性は乗車禁止」と誤解する人が出てくるので不適切である。
4.JRゆめ咲線:ユニバーサルシティ→西九条
改札外でしばらく時間を潰した後、ユニバーサルシティ駅に戻り、15:52発の西九条行き普通に乗るためホームに並んでいると、自動アナウンスで「この電車の前から5両目・4号車は女性専用車です。皆様のご理解ご協力をお願いします。」と流れた。
やがて列車が到着し車内に入ってから車内を見渡すと、父親を含めた家族連れが少なくとも2組ほど乗ったことを確認。
発車後も周囲からの声かけ等はなく、15:58頃に西九条駅に到着した。
5. JR大阪環状線内回り:西九条→(天王寺経由)京橋
西九条駅のホームでしばらく待って、16:10発の大阪環状線内回りの普通列車に乗車。

車内は立ち客がちらほらいる程度。私達が乗車しても声かけは無し。
途中の新今宮駅から父親を含む親子連れが乗ってきて着席。この親子連れは次の天王寺駅で降りていったが、その代わりに別の(父親らしき男性も含む)親子連れが乗ってきて、そのまま着席した。
天王寺を発車。2駅先の桃谷駅停車中に、1人の男性客が女性専用車を通り抜けた。
鶴橋駅からは近鉄からの乗り換えと思われる乗客が多数乗車してきたが、その中に男性客が2人ほどいることを確認。
さらに玉造駅からも1人の男性客が乗ってきた。
結構な数の男性が女性専用車にいる状況だが、周囲の女性客らは何気ない会話を続けており、男性客のことを特に気にしているような様子はなかった。
女性専用車は任意であり「事実上の強制」にしないためにも、もっと男性が乗るべきだと考える当会の立場からすればこれは良いことである。しかし多くの他社局では土日祝日の女性専用車の運行はないため、もしかしたら他社局と同じように土日は女性専用車ではないと思っている人もいるかも知れない。
だからこそ先ほどの西九条駅でのアナウンスのような「本日も設定があります」などというアナウンスをする車掌もいるのだろうが、果たして土日にまで女性専用車が必要なのか、この状況を見るにつけ改めて疑問に思う。言ってみればそれくらいにJR西日本の女性専用車設定が異常なものになっているのである。
しかし、混雑しない土日や昼間の女性専用車を正当化しようとすれば、痴漢対策では無理がある。だから「快適」とか「(何となく)安心」とか、そういった理由が必要になってくる。実際SNSなどでは近年、女性専用車賛成派のそうした意見が散見される。

結局「痴漢対策」は反対意見を抑え、なだめるための「うまい方便」だったということだろう。
この投稿者のような「快適」だから必要などと言っている者のために女性専用車に協力しようという気になれるわけがない。表向き「痴漢対策」と言って反対意見を抑え込んでおきながら、その実態はこれである。
もちろん女性の中には女性専用車を避けている人もいるので、これが女性の総意ではないことは承知だが…。
列車は大阪城公園駅を出て、京橋駅に16:39頃に到着。ここでJR学研都市線に乗り換え。

6.JR学研都市線:京橋→鴫野
京橋駅大阪環状線ホームから階段を降りて学研都市線のホームに移動。学研都市線のホームは列車を待つ人々でいっぱいだった。
ほどなくしてやってきた16:45発の松井山手行き普通列車に乗車。

京橋駅で2分程度の停車時間があったが、そのときに車掌が肉声で「電車は7両で繋いでおります。この電車の前から3両目・5号車のピンク色のステッカーに女性専用車の表示のある車両は、土曜休日を含めまして終日女性専用車です。皆様のご理解とご協力をお願いします。」とやたら念入りにアナウンスをしていた。
ここでも(西九条駅の時と)言い方は若干異なるものの、土休日にも女性専用車があるということをわざわざ強調している。
JR西日本では2011年から土休日も含め、始発から終電まで毎日女性専用車を終日設定しているのだが、2012年頃からJR西日本の各駅でなされていた告知がこれ(下記の画像)。
明らかに客寄せ策になっているのがお分かりいただけるだろう。



他社との競争を有利に運ぶための切り札として、当時のJR西日本が女性専用車に非常に熱心になっていた様子が窺える。そもそも痴漢対策なら混雑しない日中や土休日には必要ないだろう。
そして、そういうことをするから他地域の女性専用車賛成派が土休日にも終日運行の女性専用車を欲しがったりするし、またそういう賛成派の要求を自らの支持や票につなげようとする政治家も出てくる。(なお、JR西日本は他社局と違って自ら女性専用車を推進しており、政治絡みではない)

こうして見ていくと「痴漢対策なんてどこ吹く風」であり、「痴漢対策を表向きの理由にして女性専用車を増やしたい賛成派」と「それを利用している一部の政党・政治家」という構図が見えてくる。また鉄道事業者の中にもJR西日本のように女性専用車を客寄せサービスと捉えているとしか思えないようなところが存在する。
こんな状況があるにも関わらず、未だに反対意見に対して「痴漢被害があるからこういう車両があるんでしょうが」「そんなに文句を言うんだったら痴漢を無くしたら?それとも痴漢したいの?」などと言っている人間は、情報リテラシーゼロの情弱(情報弱者)といわれても仕方ないだろう。
あと、「女性専用車ができたのは『御堂筋線事件』という悲惨な事件があったから」などと言っている者が散見されるが、御堂筋線事件は女性専用車の導入とはほぼ無関係であり、これもデマをデマと見抜けていない情報弱者である。
「女性専用車両の導入は御堂筋線事件がきっかけ」というデマについて
もっとも一部メディアが「御堂筋線事件が世論を喚起し、女性専用車導入の気運を高めた」などというような報道をしていることも、このようなデマが未だに言われ続けている一因ではあろう。
実際には、現代の女性専用車が導入されだした頃(2000年代前半頃)の女性専用車に関する数々の資料や当時のマスコミ報道、さらには女性専用車を強力に推し進めてきた政党の議会などでの発言を調べてみても、御堂筋線事件のことは全く出てこない。
もし本当に「御堂筋線事件が女性専用車導入の気運を高め、それが女性専用車の導入・拡大に繋がった」のなら、当時の様々な資料や報道、議事録等に御堂筋線事件のことが度々出てくるはずである。
つまりその頃(=女性専用車が導入されだした2000年代前半頃。1988年の御堂筋線事件から10年以上経っている)には御堂筋線事件は世間から忘れ去られており、当時の公明党などが御堂筋線事件とは無関係に女性専用車を推進していたと見るのが妥当であろう。
上記リンクのページでも記載しているが、「女性専用車は御堂筋線事件がきっかけ」と言われ出したのは、御堂筋線事件から30年近くも経った2017年の11月以降である。
発車時刻になり、列車は京橋駅を発車。
車内はやや混雑していたものの、女性客からの声かけ等はなく、次の鴫野駅に16:47頃に到着。
ここでJRおおさか東線に乗り換え。


7.JRおおさか東線:鴫野→新大阪
鴫野駅のホームでおおさか東線の列車を待っていると、自動アナウンスで「この電車には女性専用車があります。ご利用のお客様は足元の女性専用車マークの位置でお待ちください。」と流れた。
しばらくして16:51発の大阪行きの普通列車が到着。乗車すると既に1人の男性客が座席に座っていた。
途中の城北公園通駅からも1人の男性客が乗ってきてそのまま着席。


結局、この列車では声かけ等はなく、17:04頃に新大阪駅に到着。
JR京都線に乗り換え。
8.JR京都線 新大阪→大阪
新大阪駅から17:14発、西明石行き普通に乗車するためホームに並んだ。ここでもやはり自動アナウンスで「この電車には女性専用車があります。ご利用のお客様は足元の女性専用車マークの位置でお待ちください。」と流れていた。
すぐ近くを駅員が通りかかったものの、私達への声かけは無し。
しかし電車が到着時、その駅員が肉声でマイクを通して「足元5番の乗車口は終日女性専用車です。ご理解とご協力をお願いします」と、こちらも「終日」を告知するアナウンスをしていたものの、私達の後ろに並んでいた外国人らしき(父親を含む)家族連れと、他にもう1人の男性客も私達に続いて女性専用車に乗ってきた。
車内でも声かけ等はなく次の大阪駅には17:18頃に到着し、ここで解散。乗車会は終了とした。

会員がJR西日本お客様センターへ電話
のちに会員BがJR西日本お客様センターに電話をかけてオペレーターに「女性専用車にはどんな男性客が乗れるのか」そして、「カップルや家族連れまたは単独であっても健常な成人男性が乗れるのかどうか」を聞いてみると、最初は「(中学生以上の健常な)男性のお客様からのご協力をいただいております。」としか答えなかった。
(「男性のお客様からのご協力をいただいている」も何も、勝手に設定したのはJR西日本側だが…)
また会員Bが(毎日運行なのを知らないふりをして)「今日は土休日ダイヤなのに車掌が女性専用車のアナウンスをしていましたが?」と言うと、オペレーターは「毎日、設けております。」と回答。
途中、会員Bが「法的な強制力はあるのですか?」と聞いてみたのだが、その質問をするまでオペレーターが「任意」であることを隠そうとしていたことが引っかかったので、そこを突っ込むと「先に任意であることをお伝えせず申し訳ございませんでした。」と謝罪してきた。
もちろんこのオペレーターに限らず現場の鉄道係員も、法的な強制力があるのかどうかをこちらがしっかり聞くまでは「任意」であることを隠し通そうとするような企業体質であることには変わらないのだが…(そして、これはJR西日本に限ったことではない)
結局、女性専用車を運行するにしても「先に任意である」という案内をしないのは筋違いだということと、男女平等が言われるこの時代、本来は女性専用車を廃止すべきだという意見を上層部に伝えていただくように言い、通話を終えた。

