当会に寄せられたご意見(2019年4月~6月)

ご意見・体験談の紹介

2019年4月~6月の間にいただきましたご意見投稿の中から投稿者が「公開しても構わない」とご回答されたご意見の一部をここでご紹介します。

今回も多数のご投稿、誠にありがとうございました。


静岡県の方からいただいたご投稿

●性別:男性

●初めて投稿させていただきます。

私は静岡県在住の鉄道マニアです。

私は幼少の頃から電車が大好きで、運転士さんや車掌さん、駅員さんなど、鉄道業界に憧れ、大人になったら鉄道会社で働こう!という夢がありました。

高校3年の就活で、JR東日本の東京支社を受験しましたが、不採用という残念な結果になり、小さい頃からの夢がかなわなかったせいか、自暴自棄になったことがありました。(鉄道業界は諦め、現在は警備業に就職)

社会人になってから数年が経ち、私はYouTubeでとある動画を発見しました。

もりやんさんという方の女性専用車両に男性が乗っている動画です。

この時の私は、女性専用車両は男性が乗ってはいけないと思っており、「なんでこの人はわざと女性専用車両に乗るんだろう?」と考えてました。

私はそれから女性専用車両に疑問を持つようになり、いろいろ調べてみることにしました。

そして見つけたのが、女性専用車両に反対する会です。

女性専用車両に反対する会のホームページを見させてもらい、女性専用車両の真実の内容が段々と分かってきました。

他にも、差別ネットワークさんのブログや任意確認乗車や街頭演説の動画なども見て、私も鉄道会社に対して怒りを感じてくるようになりました。

今の私は正直、あの時、鉄道会社に就職しなくて良かったと思っています。

この女性専用車両のウソに気付けなかったら、私は今も鉄道会社から騙され続けていたかもしれません。

昨年2月、差別ネットワークさんの大騒動がニュースで報道され、女性専用車両は任意であることが拡散されましたが、1日でも早く、この女性専用車両問題を解決し、平和な鉄道業界に戻ってほしいと願っております。

鉄道会社は、女性専用車両が任意だという事を隠し、専用と謳ってたせいで、男性は乗れな?い、男性は乗らないのがマナーとか、勘違いした乗客がいます。

一度ウソをつき始めると、なかなか治らないと思います。

痴漢対策は差別に当たらない方法で実施し、(車内に防犯カメラの設置や警備員などを配置)服装に気をつけるなど自衛をしていけば、痴漢に遭う確率も減らす事は出来ると思います。

女性専用車両問題について私はまだ素人ですが、今後も勉強していきたいと思っています。

私は女性専用車両に反対する会の今後の活動に期待しております。

応援しています、頑張って下さい!

当会からの回答

※ご投稿ありがとうございます。

今回初めてのご投稿ということで、今後とも当会サイトをよろしくお願いいたします。

女性専用車両について、特に深い関心のない人々からすると

  • 女性専用と書いてあるのだから男性は乗れなくて当然。
  • 痴漢対策なのだから、あって当然(あるいは仕方がない)
  • 反対する者は痴漢被害者のことを考えていない。

という考え方になりがちですが、実際は「痴漢対策」とはとても思えない、とんでもないウラ側があるのはこれまで当会サイトで度々紹介してきた通りです。

しかし、鉄道事業者は「痴漢対策」という、非常に分かりやすくて、しかももっともらしく聞こえるウソで世間を騙し続けており、またマスコミなども「女性専用車両が任意」であるということは言うようになりましたが、しかしながら当会が指摘してきたような

  • 最初から政治目的で推進されたフシがある。
  • 鉄道事業者の多くが女性専用車両を営利目的に利用している。
  • 導入後も痴漢は減っていないし、男性の冤罪対策にもならない。
  • 痴漢対策以外の理由で女性専用車両を利用している乗客が大半である。

などのことについては、ほぼ黙殺されています。

そのため、今でも女性専用車両に反対する私達のことを「痴漢対策に反対する連中」と思っている人が少なくありません。

また近年では、痴漢対策とは言わずに「女性が安心して乗れるのは大きなメリット」などと、当たり前のように、さも女性専用車両が良いことづくめであるかのように言う者もいるようです。

しかし実際には、女性専用車両で不快な思いをしたという、女性のツイッター投稿が後を絶たないわけですが・・・。

そして、そんなもののために男性客はもちろん、高齢者や障がい者の男性まで男性であるというだけで事実上、半ば排除されているわけですが、そんなものをいつまでも続けている今の世の中がおかしいのです。

しかし、そういうところもまた、今のこの世の中ではほぼ黙殺されています。

とは言え、現状表立って女性専用車両に異を唱える人間はまだまだ少ないのが現実です。

そうした中、投稿者様がこうして当会やその他、反対派の主張に関心を持ってくださるのは大変ありがたいことです。

この女性専用車両問題については少しでも多くの人が真実を知る必要がありますから・・・

投稿者様は昔、鉄道員に憧れておられたとのことですが、筆者も子供のころは運転士に憧れたりしたものでした。

しかし結局、筆者も鉄道とは全く関係のない業界に就職しました。

その後、しばらくしてJR西日本での尼崎での脱線事故が起きたのですが、その後明らかになったJR西日本の内部実態、その他もろもろを見るにつけ、鉄道業界を選ばなくて良かったと思うようになりました。

しかしながら元々、筆者も鉄道好きだっただけに、女性専用車両のことも含め、こうした鉄道会社の現状を大変残念に思います。

ちなみに当会には、やはり鉄道好きだという人がとても多いです。

乗車会や集会などのあと、あるいは乗車会の途中で下車して飲食店などに行くことがよくあるのですが、やはり鉄道の話題になると盛り上がるし、話のネタもつきません。

投稿者様は静岡県とのことですが、伊豆地域など東の方なら関東に近く、浜松など西の方なら名古屋に近いので、もしよろしかったら当会メンバー達と鉄道談義してみませんか?

もしお気が向かれましたら、当会入会申し込みフォームよりお願いします。


内部障がい者の方からいただいた、女性専用車両への疑問のご投稿

●性別:男性

●私は貴会の活動に賛成の立場からメッセージいたします。私は内部障害を抱えている身体障がい者です。

内部障害なので外見からは障害がある事が分かりません。

毎日の通学において女性専用車を利用していますが、その度に不快な気持ちになり大変困っております。

一部の女性客や駅員からは個別の声掛けをされて、その度に見ず知らずの人たちに身体障がい者であることを告知しなければなりません。先日は女性客からの声掛けに対して無視したところ、叩かれて警察沙汰になりました。

鉄道会社が「乗れる」と言っている女性専用車を利用しています。それなのにあのような声掛けで不快になるのは非常におかしな話です。なぜ見ず知らずの人たちに、逐一、身体障がい者であるというプライバシーに関わることを説明しなければならないのでしょうか。そもそも女性専用車は一般旅客車両であるが故に、運賃さえ適切に支払えば年収や門地、趣味、趣向、信条、そして当然ながら性別にも関わらず誰でも乗れるというのが基本なはずです。

一部の女性客はステッカーやアナウンスを鵜呑みにして、誤った正義感を放っています。

駅員も駅員で「ご協力」と言えば何でも許される免罪符のように「ご協力」を強制してきます。
こちらが論理的な説明を求めても全く以て誠実な対応がありません。

そもそも現状の女性専用車の運用自体が二枚舌のようなものですから、論理的な説明が出来ないのは当然です。

わざわざ例示としてステッカーやアナウンスで「お身体の不自由な方もご乗車いただけます」なんて言っていますが、実際は身体障がい者であっても男性である限りは易々と利用できるものではありません。

鉄道会社は女性専用車の実施意義について、痴漢対策を挙げていますが、鉄道会社に聞くところによると、導入効果が分かる客観的なデータは存在していないようです。つまり街頭の募金活動において、寄付金の行方が不明である団体が募金の「ご協力」を求めるのと何ら変わりありません。誰がそんなものに「ご協力」するでしょうか。

女性専用車の表向きの理由は痴漢対策かもしれませんが、本当の理由は商業目的であることは車内の中吊り広告を見れば一目瞭然だと思います。女性専用車の中吊り広告は明らかに他の車両と異なります。つまり営利目的です。

仮に本当に痴漢対策であると言うならば、女性専用車を利用しているおばさん連中に対して、男性に個別に声掛けしているのと同様に「あなたは痴漢される恐れがなく、女性専用車の趣旨にそぐわないから、他の車両に移動してください」と「ご協力」を求めなければ筋が通りません。なのに鉄道会社は何故かそのような事はしません。

ましてや痴漢被害は女性だけの特権ではありません。私は男性ですが、私も痴漢被害を受けた経験があります。

私は身体障がい者の立場からも断固として女性専用車に反対します。

1日も早く女性専用車なる男性差別車両が撤廃されるよう貴団体の活動を応援して参ります。

当会からの回答

※ご投稿ありがとうございます。

結局のところ、鉄道事業者は男性の障がい者まで排除してしまうと「女性というだけで男性の障がい者よりも女性の健常者を優先するのか?」「バリアフリーに反する」「男性障がい者への差別だ」などと言われるので、それをかわすために建前上「男性の障がい者や介護者も乗れる」としているだけで、実際には障がい者であっても男性は出来るだけ乗せないようにしているわけです。

つまり、男性の障がい者に配慮しているのではなく、批判や抗議をされた際の逃げ道として、表向き「障がい者は男性も乗れる」としているだけで、鉄道事業者からすれば男性の障がい者が女性専用車両のせいでどれだけ不快な思いをしようが、不利益を被ろうが、それらが表立って問題になりさえしなければ「それでいい」わけです。

こういうところからも、鉄道事業者がいかに男性客を蔑ろにしているかよく分かろうというものです。

いろいろお辛いこともあるかもしれませんが、これからもどうか負けずに乗車はお続けください。

やはり、女性専用車両に表立って異を唱える者がいなくなれば、それは鉄道事業者の思う壺ですから。

そしてもし、乗車していて鉄道会社の職員や他の乗客に何かひどいことをされたりした際には当会や差別ネットワークにご相談ください。


非女性専用車両に乗っていて、「女性専用車に行け」と言われた女性の方からのご投稿

●性別:女性

●今朝の出来事ですが、通勤中にいきなり知らない男性から「女性専用の方行けよ」と怒鳴られました。

その時は素直に降りましたが、混んでてイライラしてたのが原因でしょうけど、すごく嫌な気分でした。

私自身は普段痴漢に遭わない(高校生の時に一度だけありましたが)ので、私には必要ないと思っていたので、普段普通の車両利用していました。

前々から女性専用車両に対しては疑問を持っていましたが、改めて思ったのが女性専用車両って実は男女間の不信感をかえって煽っているのではないでしょうか。

ツイッターでもいろいろ検索したのですが、今回の男性みたいなタイプみたいな考え方が少なくないのに驚きました。

男性=痴漢をする可能性がある 女性=痴漢をでっちあげる可能性がある とでも思っているのでしょうか。

皆様がおっしゃる通り、痴漢問題は別のやり方ですべき(監視カメラなど)というのは納得できます。

他には小池都知事が推奨する「時差biz」がもっと広まればいいのかなと思います。

やはり異常な混雑は様々なトラブルを誘発するでしょうから。

当会からの回答

※ご投稿ありがとうございます。

まずはご不快な思いをなさったこと、心中お察し申し上げます。

当会は「同じ運賃を支払えば、誰でも自由に利用できるのが公共交通機関である」という考えのもと活動しております。

ですから、非女性専用車両に乗る女性に「女性専用車両に行け」などと言うようなことは決していたしません。

また、このような言動を取る男性がいるのは大変よろしくないことだと思っております。

なぜなら、非女性専用車両に乗る女性に「女性専用車両に行け!」というのは、女性専用車両に乗る男性に「男は出て行け!」と言っているのとやっていること自体は(男女入れ替わっただけで)ほぼ同じだからです。

そして、そうした行為は女性専用車両という制度自体への疑問や反対意識ではなく、女性への敵対心からそうした行動に出ていると取られても仕方のないことです。

女性専用車両が原因でこのような男女のいがみ合いが起きるのであれば、これは当会サイトに「男女が憎しみ合わない社会を」と掲げている当会としても、憂慮するべきことであると思います。

もちろん、私達が女性専用車両に乗車するのは鉄道事業者のウソ(「任意協力」なのに事実上強制したり、「女性専用」と表示するなど)を許さないようにするためであって、女性に対する敵対心からではありません。

今後も地道ではありますが、おかしなものはおかしいと言い続けていきたいと思います。

そして、もしよろしければ今後とも当会サイトをよろしくお願いいたします。


当会への依頼

●性別:男性

●お願い。

毎日JR東日本総武線各駅停車を使ってるのですが、一般車両に比べ女性専用車両の混雑率が低いことが非常に納得がいきません。さらに駅によっては女性専用車両のホームに駅員を配置し強制的に男性を排除しています。このような行為は間違いなくそちらの会が主張している男性の女性専用車両に乗る権利を侵害してます。

特に予定が迫っている状況で女性専用車両にしか乗るスペースがない時には男性だからと言うだけで女性専用車両に乗れず、予定に間に合わない事がありました。もちろん家を早く出なかった自分に非がありますが、女性であればその電車に乗れて予定に間に合ったと思うと辛いです。

女性専用車両を廃止したいのですが、私の力ではどうにもできないので是非そちらの会が行っている女性専用車両への非協力乗車を女性専用車両が設定されている朝夕の時間帯にJR東日本総武線各駅停車にて行っていただけませんか?

突然の意見(依頼)を謝ると共に、混雑緩和や男性の権利保障の為に是非お願い申し上げます。

当会からの回答

※ご投稿ありがとうございます。

当会への「お願い」とのことですが、あなたご自身は非協力(任意確認)乗車するなどの活動は行っているのでしょうか?

あるいは、「一人ではちょっと乗車するのを躊躇しているが当会や差別ネットワークがついてくれたら一緒に乗車したい」ということでしょうか?

投稿内容からして恐らく一人では女性専用車両への乗車はなさっておられないと思いますが、もしあなたが「一人ではちょっと勇気が必要なので当会とともに乗車活動したい」ということであれば検討はいたします。

しかしながら少々厳しいことを言わせていただければ、もしあなたが「自分は何もしないが、反対する会には総武線で乗車活動してほしい」ということでしたら、それはちょっとお受けいたしかねます。

当会がいつも言い続けているように、少しでも多くの人が動かないとなかなかこの運動は先に進みません。

まだまだ人手不足なのです。

そんな状況の中で反対派の間に「反対する会や差別ネットワークがやってくれるだろう・・・」という、「他人任せ」な空気が蔓延すればどうなるでしょうか。

私達も人数や各メンバーの活動可能な日時などに制限がある中、今出来ることを何とかやっているというのが現状です。

もし本当にあなたが女性専用車問題を何とかしたいとお考えなら、当会に入会するなど、ご自身も積極的に動いていただきたいと思います。


以前、ご投稿くださった方からのご投稿

●性別:男性

●以前「考察」という形で、貴サイトに紹介していただきました。

その際は、非常に丁寧にご対応いただいたと記憶しており「ネット空間にもしっかりとした言論の場があるのだな」と思わされました。

(注:この方は過去の2018年4~6月分で「女性専用車両とそれをめぐる議論について、考察くださったご意見投稿」として、ご投稿を掲載した方です)

さて、私の居住する広島ではいまだに女性専用車両の導入はされていませんし、今後もしばらくはされる様子はなく、安堵しています。

※女性専用車両の実物を見たい気もしますが、見たくもない気がします。

新しい「令和」の時代には、多少なりとも「ステレオタイプ」が解消される方向に行くことを祈ります。

また、貴会の継続的でかつ詳細な活動内容にも頭が下がります。

ただ、読んでいて少し疑問に感じる点もありましたので、何点か付け加えさせてください。

1.「欲求」の前に「正義」はどこまで有効か

女性専用車両賛成派の方の中には「男性と一緒にいたくない」という「シェルター論」を持ち出される場合もあるのは、貴会も重々承知のことと思います。それが何に対するシェルターであるにせよ、それは何らかの法的根拠を持たない「欲求不満」であると思っています。

例えば女性にとっては「男性が嫌である」「女性だけだと何となく安心できる」というものかもしれませんし、鉄道会社としては「広告収入で儲けられる」というものかもしれません。

確かに「欲求不満」を否定するのは簡単です。

法的な方面のほか、宗教的、倫理的、あるいは生物学的といった観点からも批判しようと思えばできるでしょう。

しかしながら、とりわけ「正義(公平、公正)」といった点からの批判は、時として無力であると思うことが多々あります。

とりわけ「好き・嫌い」といった生理的な欲求が、経済的利益と結びついた場合などは、その実相が意図的な誤謬によって隠蔽されがちです。

そして「女性専用車両反対論」のみがなぜか「政治的」な発言に見え、「ノンポリ」層からの関心が薄れてしまうのではないか、ということも恐れています。

※ノンポリの「政治性」についても言いたいことはあるのですが、割愛します。

こういった動きに対するためには日本人の「みんなやっているから、自分もやってよい」という不道徳性(≒道徳性)に訴えかけることしかないのではないか、と考えています。

※あるいは、各鉄道会社の株主になって(株主総会などで)資本主義の側面から改革するのもありだとは思いますが・・

この点について、貴会はどのようにお考えですか。

私は、かつて「マキャベリ」について読んだことがあるのですが、状況の変革のためには、多少狡猾な部分があるくらいでなければだめだと思っています。

一方で、貴会が「公平・公正という正義を訴えかけ続ければ、わかってくれるだろう」という純粋な側面を強調されるのであれば、そこが私との一番の違いだと思います。

2.性別の多様性と女性専用車両

この前、世田谷区議員でトランスジェンダーの上川あやさんの『変えていく勇気』という本を読み、二者択一というわけではない男女の多様性という点について考えさせられました。

実は、私自身も自身の中の男性性と女性性について悩む時があり、それと女性専用車両は最悪の組み合わせでした。

女性専用車両は、非常に公共的でかつ日常的な空間で、「男女二元論」を体現するものだとみています。

そのため、LGBTといった観点からしても、女性専用車両は不適だと思います。

また、当然ですが各人には生まれてくる性別を選べない(女性専用車両のために性転換というのもおかしいと思います)点も加味する必要があります。

貴会のHPのすべてに目を通しているわけではないのですが、性同一性障害と女性専用車両の関係性についてはどのように評価されていますか。

3.準「公益性」というフレームワーク

貴会は、よく電車と個人の邸宅の違いとして「公共性」や「公益性」という概念を持ち出されます。

個人的には、(実態や歴史などを見ても)もっともだとは思うのですが、純粋な法律や憲法の議論として、より多くの理解を得るためには「何か」が足りないような気もしています。

それは、JRが現在民営化されているということに尽きるでしょう。

そこでJRが「女性専用車両」というサービスを「選択」する自由を批判するためには、既存の法体系のみで十分だとお考えでしょうか。

また、新たな立法がなければ「ご理解とご協力」の側面からてこを入れていくしかないとお考えでしょうか。

私はもし既存の法体系で行くのであれば準「公共性」というフレームを(実務や学説の世界でも)定着させる必要があると思っています。ただ、理想は立法で明確に禁止することだとも思います。

以上になりますが、もしよろしければお返事お待ちしております。

当会からの回答

※ご投稿ありがとうございます。

1.「欲求」の前に「正義」はどこまで有効か

「公平・公正という正義を訴えかけ続ければわかってくれるだろう」と、私達が純粋にそう思っているわけではありません。

実際はそれ以前の問題で、まずこれを言わないと、分かってくれる・くれない以前に私達のような主張ははなから相手にすらしてもらえません。

世間では、まだまだ女性専用車両のことを痴漢対策だと思っている人が大多数です。

そんな中で反対を唱えても「痴漢被害者のことも考えてやれない情けない奴らの戯言だろう」で片付けられるのがオチです。

ですから、まずは私達がそれなりの考えがあってこうした活動を行っているということを言う必要があるわけです。

その上で、分かってくれるかどうかの話になるわけですが、今のままでは不十分なのは承知しております。

しかし、だからといってどんな手でも使えば良いというわけにも行きません。

筆者はマキャベリの思想について詳しいわけではないのですが、大雑把に言えば「目的を果たすための方法がたとえどんなに汚い・あくどい方法であったとしても、結局は目的を果たしたものの勝ちだ」ということですね。

確かに女性専用車賛成派の中には世論を自分たちの有利に持っていくために、巧妙なウソをつく者がいます。

つい最近もツイッターで「女性専用車両は1988年に痴漢を注意した女性が逆にレイプされた、御堂筋線事件がきっかけで出来た」などというデマを流した者がおり、それを一部のマスコミが事実であるかのように取り上げ、拡散されました。

つまり、某政党の実績作りや女性票集めで推進され、また鉄道事業者もそれを営利目的に利用している女性専用車両のことを「痴漢被害者が声を上げ、勝ち取った正義の車両だ」と世間に思い込ませ、真実を見えなくさせる狙いがあったと思われますが、だからといって私達が同じように世論を誘導するためのウソ・デマを故意に垂れ流すわけには行きません。

そもそも当会を含め、反対派は世間に理解されにくいことをやっているわけで、私達のような主張をする者が信用を得て、広く世間の理解を得ようとすれば並大抵ではありません。

賛成派・推進派は少々ウソやデマを(故意に)流したりしてもそれで信用を失って何もできなくなってしまうということはまずないと思われますが、私達はそうは行きません。

たとえ地道でもフェアプレーに徹しなければならないと、そう考えております。

もちろん、単なる「バカ正直」になってしまってもいけませんが、実際のところなかなか難しいものだなと思います。

株主総会については過去に実際に鉄道会社の株主になって株主総会に出た会員もおりましたが、鉄道会社を動かすのはそう簡単ではなさそうです。

過去に(当会とは無関係ですが)西武鉄道に対して「男性専用車両を設けよ」と提案し、必要な数の賛同も集めたのにも関わらず、会社(西武)からそれを拒否された株主がいました。

当会は男性専用車両にも反対の立場ですが、恐らく仮に当会メンバーの中に鉄道会社の大株主になれる人がいたとしても、そして「女性専用車両を無くせ」と提案しても、恐らくはこれと同じような結果になるのではないだろうかと思われます。

2.性別の多様性と女性専用車両

当会が発足して既に15年以上経ちますが、当時はまだ今ほど性的少数者のことについて議論される世の中ではなかったように記憶しています。

当会も発足当初はそのような観点はありませんでした。

しかし現在、性的少数者のことが世間で議論されるようになり、実際に当会にもそうした人々が入会してくるようになりました。

当会の(自身も性的少数者の)あるメンバーは「性別は自分で選べない。自分にとって女性専用車両はいじめみたいなものだ」と言っています。

今の世の中、高齢者や障がい者に対してもそうですが、それらの人々に「配慮するべき」という世論はあるものの、なぜかそこに「女性」が絡むと、たとえ障がい者や高齢者であっても「男性は後まわし」になってしまうんですよね。

本当におかしな世の中だと思います。

3.準「公益性」というフレームワーク

もちろん私達の立場からすれば、明確にJRをはじめとする鉄道事業者が女性専用車両・席を導入することを禁止する法律などが出来ればそれに越したことはないですが、まずそれは(少なくとも近いうちには)ないのではないでしょうか?

結局は既存の法体系の下で、てこ入れしていくしかないと思います。

しかしながら、いくらJRが民営化されているといっても、やはり鉄道は生活インフラであり、またその公共性の高さゆえ、一般の商店などと同じように見なすわけには行かないでしょう。

ただ、女性専用車両の問題については世間ではやはり、うわべだけを見て「痴漢対策なのだから」と、深く考えず容認している人がまだまだ多いのではないかと思います。

そうした状況の中ではなかなか「公共性の高い鉄道において、女性専用車両のようなものが痴漢対策を理由にして、当たり前のように営利目的で運行されているのはおかしい」という方向に世論は向いて行きません。

あなたの仰る、「準「公共性」というフレームを(実務や学説の世界でも)定着させる必要がある」というのはまさにその通りだと思います。

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なお、コメントが当会にご意見・ご回答を求められている内容の場合には当会はコメント欄での返信は行わず、別途「ご意見・体験談の紹介」ページで当会公式の返答として掲載させていただく場合がございます。

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