【関西】2025年9月 JR特急サンダーバードで非協力乗車

活動履歴

2025年9月22日にJR京都線 大阪~京都間で特急サンダーバードでの非協力乗車を往復で行いました。

JR西日本は「女性専用席は運送約款に規定されており、男性の利用は出来ない」「運送約款には非公開の部分があり、女性専用席のことはそこに記載されている」等としていましたが、後にそれらが虚偽であることが判明しました。(詳しくはこちらのページを参照)。

しかし、虚偽が判明して女性専用席(と称する、運送約款に規定のないただの座席)に男性がいても何もしてこなくなるだろうと思いきや、驚くべきことにJR西日本は逆に女性専用席を守るための男性対策を【強化】していました。


今回のルート

今回のルートは以下の通りである。

  • 大阪9:41発→京都10:07着(特急サンダーバード9号 敦賀行)
  • 京都14:10発→大阪14:36着(特急サンダーバード22号 大阪行)
特急サンダーバード(大阪駅)

特急サンダーバード9号 大阪→京都

大阪駅で会員Dが参加人数分の特急券をスマホで予約。

会員Dは当会での乗車会の他、個人的に女性専用席に乗車することもあるそうだがその際にみどりの窓口に切符を取りに行ったところ、窓口の職員にいろいろ言われたこともあるらしい。

「今回は大丈夫かなあ」と言いつつ、みどりの窓口に切符を取りに行くと、窓口の職員は特に何も言わず、女性専用席の指定席券を販売してくれた。

このときはまだJR西日本が女性専用席(という名の法的根拠も運送約款への規定もないただの座席)に男性がいた場合の対策を強化しているとは知らなかったので、やはり「女性専用席は運送約款に規定されており、それは輸送約款の非公開の部分に記載がある」などという虚偽が判明して、流石に「男性が『乗車する』と言ったら、もう何も言わないことにしたのだろうか」と思っていたのだが、それはこの後、乗車した車内で見事に裏切られることになる。

私達は特急サンダーバードが発車する大阪駅11番線に向かい、そのまま女性専用席のある3号車に乗車。

大阪駅9:41発
大阪駅ホームに停車中のサンダーバード

乗車した直後、先に会員Aの隣の座席にいた女性客が「ここ女性専用席だけど」と言ってきたものの会員Aが「名前だけで、男性の乗車を禁止するものではない」と説明したところそれ以上は言ってこなかった。

大阪駅停車中の車内から

今回は京都に着くまでそれだけで終わるかと思っていたのだが、発車間際になって通りかかった車掌(以下、I車掌)も声をかけてきた。

そこで声をかけられた会員Aが「女性専用席と名前が付いていても、実際には男性を排除する法的根拠は無いし、JR西日本の運送約款にも載っていない」と答えるも「はい分かりました」で引き下がるのではなく「ここは女性専用とさせていただいてますから」「移動をお願いします」などと食い下がってきた。

以前から何度か特急サンダーバードや特急くろしおで非協力乗車を行っているが、これまでは車掌が声をかけてこないか、または声をかけてきてもこちらが「承知で乗車しています」と言えば、それ以上何も言ってこなかった。

しかし今回のI車掌は妙にしつこい。

このときは車掌個人による対応の差だと思っていたから、会員Aが「そんなに言うなら上に確認してみなさいよ」と言い、I車掌もいったんはここで引き下がった。

ちなみにJR西日本からは文書で以下の回答があり、文中にはっきりと「約款に定めた座席ではございません」とある。

つまり、鉄道会社の強制力を定める運送約款に一切定められていないということであり、これは守らなければならない規則でも何でもない、ただのお願いでしかないということだ。

そしてそのお願いも、まるでかつてのアパルトヘイトを彷彿とさせるような差別的なものであり、到底容認できないものである。「性別」を「人種」に置き換えれば(法的強制力が無いことを別にすれば)アパルトヘイトそのものではないか。

そういうと「やむを得ない防犯対策なんだから仕方が無いだろう。お前ら男が女性に加害し続けた結果のペナルティーなんだから黙って従え!」などと、上から目線で情報弱者丸出しなことを言う(しかも自覚がない)輩が出てくるが、上記のJRの文書をよく見ていただきたい。

女性専用席が防犯対策だとは【ひとことも書かれていない】のがお分かりいただけけるだろうか。

「社会のニーズやお客様の声に合わせ、利用しやすい鉄道を目指す一環」などと書かれているが、女性専用席があることで男性がどう利用しやすくなるのだろうか? お客様の声と言うが、JR西日本にとってお客様とは女性だけのことを指すのか?

別にお客様は神様だなどと言うつもりは無いが、JR西日本はあまりにも男性客を軽視しすぎではないだろうか。

また、「社会のニーズ」と言いつつ(2025年9月時点で)日本で実際に特急列車の指定席に女性専用席を設けているのはJR西日本だけである。

さらに、女性専用席導入時(2007年)の宣伝文句が「『あったらいいな』からできました」(下左)である。

そしてもう1つ、同じJR西日本の特急「らくラクはりま」の女性専用席の宣伝ポスターもその隣に貼っておく。

「『あったらいいな』からできました」という文言からは「やむを得ない緊急的な防犯対策」ではなく、「女性客に喜ばれることをすれば増収につながるだろう(男性に不利益を与えても大した問題にはならないだろう)」という意図が見えてはこないだろうか。

「いや、それは考えすぎだろう」と思う人はその隣に出した、らくラクはりまの宣伝文句も見てほしい。

「”らくラクはりま”にはもちろん女性専用席あります!」という文言はどう考えても女性客を引きよせるための宣伝文句であり、JR西日本が女性専用席を「客寄せのための”ウリ”」にしているとしか解釈できない。こういうところからもJR西日本の女性専用席が防犯対策を主目的にしていないことが分かる。

つまり、女性客を優遇して利用増につなげようとする「営業戦略」の一環であり、やむを得ない防犯対策などでは決してないと考えられるのである。当然「防犯対策なんだから優遇じゃない」という、女性専用車(席)賛成派お得意の「差別の正当化」も通じない。

これでは「目的のために手段を選ばない営業戦略」と言われても仕方がないだろう。こういうと「企業経営の自由」などと言い出す人も出てくるかも知れないが、公共性の非常に高い鉄道(公共交通機関)がこのようなアパルトヘイトまがいのことを、営業戦略として行うことが果たして正しいことなのかどうか、よく考えていただきたい。

なお、JR西日本はサンダーバードとくろしおに女性専用席を設けたのと同時に車内SOSボタンを設置し、さらに現在は車内防犯カメラも設置している。「SOSボタン」と「防犯カメラ」は防犯対策であり特に差別にも当たらないので賛同は出来る。「SOSボタン」と「防犯カメラ」だけなら防犯に対する企業努力として私達もJR西日本を評価していただろう。

しかしその一方で「女性専用席」がSOSボタンと同時に設置というのは何だか引っかかる。

特急くろしおとサンダーバードの「車内SOSボタン」と「女性専用席」は、かつてサンダーバード車内で起きた乗務員への暴行事件の直後に同時にサッと設けられたのだが、SOSボタンはともかく、女性専用席についてはJR西日本自身がサンダーバードでの事件とは直接関係ないが防犯対策に効果があるかも知れないと導入時のマスコミ取材に対してコメントしており、最初から防犯対策という考えはなかった事が窺える。

それを防犯対策であるSOSボタンと同時に、しかもサンダーバードで事件が起きた直後に素早く設けたのは、女性専用席も防犯対策の一環だと利用者に印象づける狙いがあったのでは?と勘ぐりたくなってしまう。

JR西日本は23日、北陸線の特急「サンダーバード」など北陸と南紀方面の特急列車の指定席に「女性専用席」を導入すると発表した。

(中略)

JR西は6月に女性利用客を対象にアンケートを実施。約8割から専用席を利用したいとの回答を得ていた。JR西は「もともと元々女性客の要望があり、(サンダーバードでの)事件と専用席は直接関係ない」と説明したが、抑止に効果があるかも知れない」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070823-00000923-san-soci(現在はリンク切れ)

しばらく走って列車は次の停車駅の新大阪駅に到着。ここでは特に何事もなく発車した。

発車してしばらくしてから自動音声の車内放送が流れ、その中で「3号車の一部の座席には女性専用席を設けております。女性専用席にはピンクの座席カバーをかけております。皆様のご理解とご協力をお願いします。」と女性専用席をしっかり告知していた。

以前はこういう放送は無かったと思う。その後、英語でも自動放送で女性専用席の案内が流れた。

岸辺駅を通過

その後しばらくして、一旦引き下がっていたI車掌が私達のところに再び戻ってきた。

I車掌:運送約款には記載しておりませんが、対象として女性のお客様、もしくはそのお連れ様が小学生以下のお子様の場合となります。

会員A:(通勤列車の)女性専用車と一緒でしょう?

I車掌:女性専用車は… えー(しばらく思い出すように考え込む)

会員A:誰でも乗れる

I車掌:女性専用車は「法的な強制力は無く、お客様にご協力をいただいている」ということです。指定席として販売している女性専用席の場合は対象者に販売しているものなので…

ここで少し離れた席に座っていた会員BとCがやってくる。

会員A:男性も乗れるというこはこの間確認しましたから、大阪駅で2025年2月~4月 JR西日本特急の女性専用席について参照)

会員B:しましたね。

I車掌 :申し訳ないですが、それは大阪駅のほうのご案内の間違いではないかと思います

会員A:間違い?

会員B:どこがどう間違いなんですか?

I車掌:その「男性が女性専用席にご乗車いただける」というのは

会員B:じゃ「男性は利用できない」ということですか?男性の利用を禁止する規定があるんですか?

I車掌:規定は無いです。

会員A・B:無いでしょ?

会員C:「男性が乗れない」と言うなら運送約款に載せたらどうですか?何で載ってないんですか?説明して下さいよ。

I車掌:それは…申し訳ない。私は分からないです。

会員C:あなた車掌でしょ。車掌ならそれくらい知っとくべきでしょう。

会員A:それはあまりにも道理が通ってないのと違います?「男性が乗れない」というなら強制的に腕を引っ張ってでも移動はさせないんですか?

I車掌:それは出来ないです。

会員B:出来ないでしょう?

会員A:「男性が乗れない」と言うなら京都に着いてから警察に通報したらどうですか?

山崎駅付近の車窓(別の日に撮影)

会員A:私達は知識があるからここまでやっているんです。男性も実は乗れるのに乗れないような案内をしてきますよね。JRさんだけでなく阪急さんとかもそうですが。これはおかしいでしょう?実質騙しているわけですよ。

I車掌:いえいえ

会員C:虚偽ですよ!

会員A:まだ移動しろと言われるんですか?もしそう言われるなら、訴訟するにしても警察呼ぶにしてもちゃんとそれだけの手段を取っていただきたい。私達は(任意協力であると)聞いて安心して乗っている。大阪駅で運送約款も見せていただいて…ですからJRさんも道理を通していただいたらいいじゃないですか。それなら納得だ。

会員A:(女性専用席と案内していたら)他のお客さんも「男性は乗れないもの」と思われる。私達だったから移動しませんでしたけど、(任意協力だと)知らない人だったら今頃移動している。この女性(大阪駅停車中に声をかけてきた女性客)も最初私に声かけてきたんですよ。

会員D:(I車掌に)見た目で男性と判断して声をかけられたんですか?だとしたら失礼ですよ

I車掌:申し訳ございません

会員A:駅の窓口と現場(車内)で意見が異なるのも困るじゃいですか、大阪駅と言えばキーステーションじゃないですか、そういうところでも(職員は)教育も受けられていると思うのでちゃんとその辺、何とかしていただきたい。

I車掌:また、あのー、しっかり言うときますので、申し訳ございません。

会員C:トラブルになった場合は非常ボタン押すこともあります。

会員A:暴力とか、何かされた場合はね。押させてもらいます。警察にも届けます。これからこういう声掛けはやめて下さい。それをお願いしたいんです。私達でなくても。それで移動されたら他のお客さんが勘違いするから。私らは移動することはないけど。…女性専用車でも同じ。移動することはない。

会員C:運送約款にも載ってない。

会員A:(女性専用車に強制力無いのは)大阪高裁で判決出てるからね。これ(女性専用席)についても約款に無いというのは分かっているから。だからもう声掛けはやめると言うことを約束していただきたい。無理ですか?

I車掌:それは上に確認させていただきます。ここで「(約束)出来る」というのは言えないので。私の判断では出来ないので。

会員A:また大阪駅でも確認はさせてもらうけどね。約款だって変わる場合もあるし、こっちも絶対的なことは言いませんから。

会員C:それだったら「約款に載せてください」とは言いますね。

会員A:今日はこのまま座り続けます。移動はしません。

I車掌:はい。

I車掌は去って行った。

その後も列車は走り続け、京都駅の近くまで来ると「まもなく京都です。京都を出ますと次は終点敦賀に停まります」と車内アナウンスが流れ、10:07に定刻通り京都駅に到着した。

京都駅に到着
JR京都駅前の京都タワー

特急サンダーバード22号 京都→大阪

京都市内で昼食を取るなどした後、再び会員Dが人数分の座席の予約を行い、京都駅のみどりの窓口に指定券を取りに行った。先の大阪駅と同じく、窓口では特に何も言われなかった。

次に乗車するのは京都駅を14:10に発車する特急サンダーバード22号大阪行きである。

京都駅14:10発に乗車

しばらくホームで待った後、列車がやってきたので乗車した。

乗車してすぐ、自動音声による車に放送が入った。

その中でやはりしっかりと「3号車の一部の座席には女性専用席を設けております。女性専用席にはピンクの座席カバーをかけております。皆様のご理解とご協力をお願いします。」

と女性専用席の案内をしていた(その後に英語でも放送)。

この列車では女性客からの声かけは無かったが、列車が向日町駅付近にさしかかったあたりだろうか、通りかかった車掌(以下、A車掌)が「女性専用席です」と声をかけてきた。

そして、具体的に「前の5番〇席から△席に移動していただきます」と言ってきた。

会員A:お断りします。これ大阪駅で約款も見せていただいて確認取ってるんですよ。

ここから、先の敦賀行きのI車掌と交わしたのと似たような内容のやり取りになる。

「法的根拠も無ければ、運送約款にすら記載が無いのになぜ移動せよというのか?

「女性専用席という名前であっても、運送約款に記載が無いということは、(通勤列車の女性専用車と同じく男性の乗車を禁止するものでは無いはずだ」

というようなことを会員がA車掌に言うが、A車掌もなかなか引き下がらず。

会員からはさらに

「男性の乗車がだめだというなら警察に通報してくださっても良いですよ。警察官の前で女性専用席(車両)に乗りますから。捕まえるんなら捕まえて下さればいい」

「そんなに言うなら後で大阪駅で話しましょう、あなたの上司も含めて私達と三者で」

と伝えるがそれは拒否。

今年の5月に特急くろしおとサンダーバードで天王寺から京都まで(復路は京都から大阪まで)乗車したときはどちらの車掌も女性専用席に乗車している私達には何も言ってこなかった。

2025年5月 特急くろしお、サンダーバードで非協力乗車

また、それよりもさらに前(2025年1月)に特急くろしおで天王寺と和歌山を往復したときも、車掌が声をかけてきたもののこちらが承知の上で乗車していることを伝えるとそれ以上は言ってこなかったし、あとでなぜ声をかけてきたのか尋ねると「知らずに乗車しておられる男性の方がたまにいらっしゃるので」とのことで、今回のI車掌やA車掌のように何とか移動させようとしつこく食い下がってくるようなことは無かった。

2025年1月 JR阪和線で非協力乗車

そこから言えるのは今回たまたま先の敦賀行きのI車掌や、このA車掌が個人の判断で移動を要求するような対応をしたのではなく、上からそういう指示が出ている可能性が高いということである。おそらくだが【女性専用席に男性がいたら、移動を要求し、座席の指定を車内で取り直す】というマニュアルが作られているのだろう。

JR西日本も「女性専用席は運送約款に規定されており、男性の利用は出来ない」「運送約款には非公開の部分があり、女性専用席のことはそこに記載されている」といった虚偽の回答をしていたことが明らかになり、国土交通省から指導を受けて、さすがに女性専用席の運用については及び腰になるかと思いきや、驚くべきことに逆に開き直ったかのように女性専用席を守る対策を強化してきていたのだ。

今回は行き帰りとも私達が拒否したから移動させられるところまでは行かなかったが、これでは私達のように意図して乗車している者ならともかく、そうでない者は男性の利用禁止だと思って移動させられてしまうだろう。

こういうことを「仕方が無い」「もう抵抗しても無駄だ」と諦めてしまうと、これはJR西日本が「運送約款に非公開の部分があり、女性専用席はそこに規定されている」などと虚偽の回答までした、アパルトヘイトまがいの(しかも防犯対策とは思えない)女性専用席を黙認することになってしまう。

世間では「女性に対する男性の加害があるからこういう座席がある」と思っている人が少なくないと思われるが、実際には後にこのA車掌も自分の口ではっきりと言ったのだが「男性が嫌いな女性のための車両」だということである。

つまり、やむを得ない防犯対策では無く、一部女性の「男が嫌い!」という「対男性ヘイト」を利用して客足を伸ばそうとする、倫理的に疑問符が付く旅客サービスなのである。

だからこそ運送約款にも規定が無いし、ましてや法制化などとても出来ないのではないだろうか。

ちなみにこれは「痴漢対策」ということでまかり通っている女性専用車にも言えることである。

実際、「痴漢が怖いからじゃなくて、男が嫌いだから乗っているんだよ」と平然と言い放つ女性もいる。

当会が過去に行った乗車会でトラブルになった女性の中にも「男が嫌いだから乗っているのに…」などと言ってきた者が何人かいた。

SNSなどでは女性専用車を利用する女性の「男は臭い」とか「態度が悪い」などのポストが散見されるが、実際には「臭い」とか「態度が悪い」などと理由をつけていても、それは恐らく本当の理由ではなく「男が嫌い」の言い換えだろう。

女性にも体臭や香水などですごい匂いをさせている者もいれば、態度の悪い者もいるのだが、それにも関わらず、いかにも男性だけが「臭い・態度が悪い」かのように言う時点で、これは「臭い・態度が悪いから文句を言っている」というより「男が嫌い」という感情の現れであると考えられる。

ここで「女が男を嫌うのは男のせい、男が悪い!」と反射的に返そうとした者はいわゆる「他責人間」である。また、その理屈で行くと、インターネット上などで女嫌いな男性が女叩きをしているのも「男が女を嫌うのは女のせい、女が悪い」で正当化できてしまう。

そしてこのような「男が嫌いだから女性専用車(席)が必要」という理屈が通るのなら、これは社会のあらゆる場所に防犯対策とは関係なく、いくらでも女性専用を設置することが出来てしまう。

これで男性サイドから文句が出ても世間は防犯対策だと思ってくれているから「やむを得ない防犯対策なんだから男は黙って我慢しろ」「男が犯罪を犯すのが悪いんだから男が反省しろ」などというデタラメな理由でいくらでも無力化できるし、しかもそうやって男性を差別しておきながら平然と被害者ぶって逆に男性を叩くことが出来る。

だからこそ私達はこのようなものには断固反対しなければならないと考えているのだ。

「隣の車両に行けば良い」とか「座席(車両)のグレードに差は無いのだから、さっさと女性専用席(車)以外に移動すれば良い」という話ではないのである。

ここでもし私達が「はいわかりました。移動します」とやってしまうと、それは鉄道事業者に「女性専用席(車)に不満や異論を持つ男性がいても全然問題にならない」と思わせてしまうことになるし、また女性客もそれに味をしめて、以後、他に男性を見かけた場合にもどんどん声をかけ排除行動に出るようになる。

そうして「防犯対策を表向きの口実にした、男性をヘイトする女性のための女性専用領域」がどんどん拡大される土壌をさらに作り上げていくことになるのだ。

しかも、建前上は「任意協力」になっているから、差別だと主張しても【問題ない】で片付けられる上になぜか「任意協力」なのに事実上完全に強制になってしまうのである。

だからこそ「出て行け」「移動しろ」という要求には絶対に応じてはいけないのだ。

結局、列車は14:36に大阪駅に着いたが、A車掌の対応は納得できないため大阪駅のホームでA車掌に抗議した。

大阪駅に到着

以下、大阪駅ホームでのやり取り。

A車掌:くだらん事はやめろ

会員A:くだらん事はやめろと言われたよ

会員D:何でですか?

鉄道でアパルトヘイトまがいのことをやっているからそれを指摘したら「くだらん事」とは…

「運送約款には非公開の部分があって女性専用席の事はそこに書いてある」などとウソをついていた会社の対応にも驚いたが、A車掌の対応もまた驚きである。

A車掌:そんなくだらないことしたってしょうがないじゃないですか。世の中いろいろあるのにそんなちっぽけなことにこだわってもしょうがないじゃないですか。男性が嫌いな女性の方もいるんですから。

会員D:逆もいるじゃないですか

なるほど、A車掌にとっては(人種を性別に置き換えただけで)かつての「バスの白人専用席」とほぼ変わりない女性専用席に異を唱えることが「くだらないこと」というわけである。一体どういう人権感覚をしているのだろうかとこの時は思った。

こういうと「アパルトヘイトは黒人に対する許しがたい差別だが、女性専用席は女性を男からの加害から守るためのものだから差別じゃない。一緒にする方がおかしい」などと反論する者もいるかも知れない。しかしA車掌は「女性を守るためのもの」とは言わず「男性が嫌いな女性もいるんですから」と言っている。

防犯対策ならここで「防犯上の措置なんですから」と言えばよいのになぜ「男性が嫌いな女性もいるのだから」と言うのかよく考えてみるべきである。

さらに先ほど紹介した、「”らくラクはりま”にはもちろん女性専用席あります!」という、特急らくラクはりまのポスターの宣伝文句も思い出してほしい。これのどこが防犯対策なのか。

もっとも、仮に防犯対策を理由にしていたとしてもそれは差別であることを隠蔽するための「理由」であり、「防犯対策だから差別してもいい」(もしくは「防犯対策だから仕方ない」)と言っても通るわけがない。

通勤列車の女性専用車もそうだが、車両名を【女性専用】車両としつつ、なぜ強制ではなく、任意協力になっているのか(強制できないのか)考えればよく分かる話である。つまりは「差別に当たるから」である。

それを「くだらない事」と言ってしまうのには全くもって驚くほかなかった。

A車掌:(最初の方聞き取れず)…何でもいいんですか。

会員D:任意確認乗車です。

会員A:ちゃんと法律というか憲法がありますからね。それで認知してもらうために英語とか中国語で書いて…(このとき、会員AとDは「女性専用車は日本のウソです」と、日英中韓4カ国語で書かれたTシャツを着ていた)

A車掌:(最初の方聞き取れず)…無理だよ。世の中生きていけない。うち(自分)も世の中に対して「コレおかしいよね」って思うことはありますよ。

会員A:それに流されたら駄目じゃないですか。

最初は私達に対する悪意で「くだらない」などと言っているのかと思ったが、どうやらこのA車掌、悪気ではなく本当に女性専用席のことを「くだらない問題」だと考えているようである。

いかりや長介さんではないが「だめだこりゃ…」と言いたくなってしまった。

「悪気で言っているよりはマシ」という見方も出来なくはないかも知れないが…

A車掌:結局(小さな事を気にしていたら)生きていけない世の中なんだから、頑張って選挙で変えていかなければ。

JR西日本の場合は女性専用車も女性専用席も政党などから言われるまでもなく、JR西日本自身でどんどん導入していった経緯があるので、選挙を頑張ってもあまり変わらないと思われるが…

会員B:選挙と言ったって、JR西日本は政党じゃないですからね。

こんな感じでA車掌への抗議は終わった。

JR西日本の本社に抗議に向かったが…

これは現場だけでなく本社にも抗議する必要があると判断した私達は大阪駅から徒歩で10分ほどかけてJR西日本の本社に抗議するべく向かった。しかし受付の女性に用件を話すと「こちらにはそのような対応をする部署がないので」とあっさり断わられてしまった。そしてJR西日本のコールセンターの電話番号を書いた紙を渡された。

以前、JR西日本の本社を訪問した時は総務部の方が対応してくださったのだが…。

JR西日本本社

これでは、こちらとしても今後も引き続き乗車し続けるしかない。

よく当会のご意見フォームなどに「女性専用車に無理やり乗車するようなことをせずに、ちょっとは鉄道会社に直接電話で抗議したらどうですか?」などと、こちらが鉄道会社に直接抗議していないかのように勝手に決めつけて当会に文句を言ってくる人間がいるが、当会は電話での抗議はもちろん、場合によっては本社(公営事業者の場合は本局)に直接赴いて抗議したりもしている。

しかし、電話やメールの抗議だけで非協力(任意確認)乗車など実際の活動をしないのであれば、その場で聞き流されて終わりになる可能性が高いため実際に乗車して活動することも必要になるのである。

鉄道会社に電話やメールなどで抗議しているだけではいつまで経っても鉄道会社の対応は変わらないし、女性専用車(席)が任意協力で実は何の強制力もなく、誰でも利用できるものだという事実が世間に知れ渡ることもないだろう。

鉄道会社が常態的についている「任意協力なのに『女性専用』と表示・案内するウソ」が世間に知れ渡らなければ当会の活動の意味がないのだ。

以下のコメント欄では当会会員以外も、どなた様でもコメントができます。

なお、コメントが当会にご意見・ご回答を求められている内容の場合には当会はコメント欄での返信は行わず、別途「ご意見・体験談の紹介」ページで当会公式の返答として掲載させていただく場合がございます。

※不具合が解消され、コメントが[返信]できるようになりました。
※投稿コメントに[返信]がついた場合にも通知はされませんので、返信が気になる方は適宜見に来てください。
1 コメント
新しい順(降順)
古い順(昇順) 「いいね」の順
インラインフィードバック
コメントをすべて表示