2025年3月 関東本部:京王線で任意確認乗車会

活動履歴

2025年3月26日の夜、京王線で任意確認(非協力)乗車会を実施いたしました。

京王新宿~調布間で2回行いました。

また、この乗車会の2日後に「女性専用車両は女性を守るためのものであり、優遇ではない」「差別だとの主張は女性専用車両の成り立ちや目的を無視したものであり、批判は的外れだ」という主旨の、非常に賛成派寄りのニュース記事がインターネット上で配信されたので、それについても当記事中で触れ、考察(反論)することにいたしました。


今回の乗車会

過去の乗車会でも女性客からの声掛けや女性客から会員が足を蹴られるなど、関東の路線の中では乗車会の際の事件が多い京王線。

JR山手線を挟んで反対側のTX(つくばエクスプレス)など、私達が乗車しても声かけなどは非常に少ない路線とは対照的である。

今回はそんな京王線に以下の順に乗車を行った。

  1. 新宿20:09発 特急橋本行き
  2. 笹塚20:26発 特急八王子行き
  3. 千歳烏山20:43発 特急橋本行き
  4. 新宿21:45発 急行八王子行き

新宿→笹塚(特急橋本行き)

今回は新宿駅の京王西口の券売機前に20時集合。

京王新宿駅改札
京王新宿駅の駅標


改札を抜け、ホームに向かう階段を降りるとまもなく乗車予定の20:09発、特急橋本行きが入線してきた。

折り返しのため、発車までしばらく時間がある。

私達はこの列車に早々に乗車したわけだが、声かけなし。

京王新宿駅ホームの立て看板
20:09発橋本行き特急に乗車


3分程待って列車は定刻通り20:09に発車。
車内はそこそこ混雑しているもののまだ余裕がある。

京王新宿駅を出ると長い地下トンネル内を走り、ようやく地上に出たかと思うとすぐに笹塚駅に到着。
ひと駅間だが特に何事もなく、ここで下車。

後続列車に乗り換えて少しでも多く任意周知をするためである。

笹塚→千歳烏山(特急八王子行き)

笹塚駅で10分程待って後続の20:26発、京王八王子行き特急に乗り換え。

笹塚駅の駅標
笹塚駅でしばらく待つ

定刻通り到着した特急列車の乗務員室付近の4番ドアから乗車。京王の女性専用車両は下り(橋本・八王子方面)の場合、最後尾の車両であり、ワンマン運転ではないので車掌がいる。
私達が車掌の目の前で乗車したせいか、この特急列車では先ほどの橋本行きの特急と違って女性専用車の案内がしつこかった。
この列車の車掌は女性専用車賛成派なのだろう。

笹塚駅停車中に肉声で2回女性専用車のご協力のお願いの放送をし、さらに笹塚駅~明大前駅間走行中も車内自動放送(プログラムによる既定の自動放送か車掌のタブレット操作かは不明)で女性専用車のご協力のお願いの放送をした。

笹塚駅を出てしばらく夜の街を走って代田橋駅を通過し、明大前駅に到着。

ここでは降りずに乗車し続ける予定だ。明大前駅停車中にも車掌は肉声放送で女性専用車のお願いをし、明大前駅~千歳烏山駅間走行中も車掌のタブレット操作か車内自動放送で女性専用車のお願いの放送が流れた。

列車は下高井戸駅、桜上水駅、上北沢駅と通過しながら夜の住宅密集地を駆け抜け、千歳烏山駅に到着。

私達はここでも後続列車に乗り換えるため下車した。

千歳烏山駅に到着

しつこい女性専用車アナウンスと女性専用車の任意性について

ここまで述べてきたように、京王新宿駅では乗客からも駅員からも直接の声かけは無かったが、私達が笹塚駅から女性専用車に乗車すると車掌が(任意協力であるにも関わらず)まるで男性は乗れないかのように、私達が千歳烏山駅で降りるまでしつこく女性専用車アナウンスを流してきた。

いつも言っていることだが「女性専用車」という名称であっても実際は何の法的根拠もなく、また本当に女性専用(男性乗車禁止)にすると「差別」に当たってしまい、法的にもまずいので名前だけ女性専用にして実際は任意協力にしているのである。

もちろん私達は鉄道事業者が隠している「任意協力であること」を周知するために乗車しているのだから、いくらしつこくアナウンスしようと当然降りるわけはない。しかしこの車掌は女性専用車両(という名前の一般車両)に男性がいる場合、こうすれば降ろせると思っているのだろう。

そしてそれでも私達が降りないから降りるまで徹底的にしつこく案内しているのだろうが、こういうことをしても私達には無駄だ。

こういうと「痴漢対策のために女性専用車を設けているのにそれに従わない男共が悪い。『女性専用』なのだから!」と言い出す情報弱者が必ず現れるのだが、任意協力でしかないばかりでなくそもそも「痴漢対策」という理由自体も極めて怪しい。(何故怪しいのか、詳しくは後述する)

しかも女性専用車両を導入しても痴漢は減らないことが多い。

京王線でも2005年春にそれまで京王新宿発23時頃以降の下りのみだった女性専用車両を朝の上りにも新設した上、下りも夕方(18時頃)から終電までの設定に拡大したが、拡大してから痴漢が逆に増えてしまった(拡大導入前2004年121件→拡大後2005年146件 情報元:2006年8月8日朝日新聞

一方、2009年にJR埼京線で導入された車内防犯カメラは(他の記事でも言及したが)痴漢の認知件数を半分以下にまで減少させるという素晴らしい効果を発揮した。しかも女性専用車のような差別の問題も生じない。

「女性専用車は痴漢対策だから差別じゃない」と詭弁を弄する者もいるが、そういう人には「なぜ女性専用車が『女性専用』と言いつつ任意協力になっているのか」をよく考えていただきたい。

「痴漢対策だから差別じゃない」が通用するのなら、女性専用車を「専用と言いつつ任意協力」にする必要など無い。

京王線でも車内防犯カメラの設置は進んでいる。しかし防犯カメラがJR埼京線に導入された当時、他の多くの鉄道事業者は当初(JR埼京線の痴漢6割減の実績があるにも関わらず)「防犯カメラの設置は費用が莫大だから出来ない」などと言ってなかなかやろうとしなかった。これはつい先日の活動報告でも触れたとおりだ。

(そしてその後、地方の赤字ローカル私鉄が車内防犯カメラを導入し始めたため、「費用の問題で出来ない」がウソだとばれてしまったのも先日の活動報告の記事で述べたとおり)

また、これも先日の記事でも触れたのだが「痴漢がいるのだから女性専用車はやむを得ない」「女性専用車に反対するなら他に有効な痴漢対策を出してからにしてください」と言っていた女性専用車賛成派が、(有効な痴漢対策である)JR埼京線の防犯カメラのことを知った途端「カメラごときに何が出来る」などと一斉に防犯カメラ叩きを始めた。

本当に効果的な痴漢対策を望んでいるならJR埼京線で実績を出した車内防犯カメラに飛びつきそうなものだが、そうではなく「女性専用車両が防犯カメラに取って代わられては大変」とばかりにカメラ叩きを始めたのである。

つまり、女性専用車両賛成派が実は効果的な痴漢対策など望んでおらず、女性専用車両を正当化し維持するために痴漢やその被害者の存在を口実にしているだけだったということが露呈してしまったのだ。

現在では多くの鉄道事業者が車内防犯カメラの設置を推進しているが、鉄道会社が防犯カメラを設置してもその代わりに女性専用車両を廃止しないと分かって女性専用車両賛成派も安心したのか、カメラ叩きはしなくなった。

しかし、これだけ見ても女性専用車両賛成派の中に「女性専用車両がほしいだけ」の者がたくさんいることがよく分かる。

「女性専用車両は痴漢対策だから差別ではない」という世論誘導

そんな中、つい先日も「女性専用車両=痴漢対策」を絶対に疑いのない当然の前提として「女性専用車両は女性を守るためのものであり、優遇ではない」「差別だとの主張は女性専用車両の成り立ちや目的を無視したものであり、批判は的外れだ」という主旨のニュース記事が掲載された。

「女尊男卑って本気で言ってる?」 女性専用車両は優遇?差別? 吉原さんNewsPicks発言が問う公共交通の本質! 男女対立を超え、冷静な議論が求められるワケ(Merkmal) - Yahoo!ニュース
「女尊男卑って本気で言ってる?」コントユニット「ダウ90000」の吉原怜那氏が、YouTube番組「NewsPicks」に出演し、女性専用車両など女性を巡る制度について語った際の言葉が、SNSを

【魚拓】

要は「女性専用車両=痴漢対策」を拠り所にして女性専用車両反対の声を駆逐しようとしているわけだが、女性専用車両問題についての知識を持っていない人だと「まさにその通りだ。女性専用車両を差別だとか優遇だとか言う人は何も分かってない!」と思ってしまうことだろう。

しかし女性専用車両賛成派が

「女性専用車両は女性を守るためのものであり、優遇ではない」

「差別だとの主張は女性専用車両の成り立ちや目的を無視したものであり、批判は的外れだ」

などと言っていたとしてもそれが信用に値するかどうか、先に述べた「痴漢対策として効果的な防犯カメラ」が出現したときに「カメラ叩き」をした賛成派の反応などからよく考えてみてほしい。そしてその上でもう一度上記リンクのニュース記事を読んでみてほしい。

痴漢対策と言っておけば実態が優遇であっても「優遇ではない」と正当化できるのだ。

少なくとも「くさいオヤジが居なくて快適」とか「空いててラク」等と言っている女性客は明らかに女性専用車両を(痴漢対策ではなく)優遇と捉えていることだろう。

あと、もう一つ言っておくと「女性専用車両の成り立ち」は痴漢対策のためではない。

上記ニュース記事では全く触れられていないが「痴漢対策を表向きの理由として、一部の政党・政治家が選挙対策や実績作りのために推進したから」である。

そして当時の国土交通省が動いたのも「痴漢被害が深刻だから」ではなく、ある政党が女性専用車両導入を呼びかける署名を集め国土交通省に提出したからである。

(なお「御堂筋線事件がきっかけで女性専用車両が出来た」というのは【デマ】

※議員の方のポストについては、公人のため氏名や画像を隠す処理を行っていません

また、女性専用車両には女性向け広告媒体として、商業目的の手段となっている側面もある。

その辺の事情を無視して「(差別だとの主張は)女性専用車両の成り立ちや目的を無視したものであり、批判は的外れだ」と言うのはそれこそ「的外れ」だろう。

あと、当会は弱者男性の団体ではない。いろいろな立場の人がいるし、既婚者も普通にいれば女性の会員もいる。また女性専用車両に「感情的に反発している」のでもなければ、女性を敵視しているのでもない。

あくまで女性専用車両やそれを運行する鉄道事業者に対し、意見を述べ活動しているだけである。

当会の活動対象は「鉄道事業者」と「女性専用車両を推進している者」であり、「女性」ではない。

任意確認(非協力)乗車会も鉄道事業者が「任意協力であること」を隠して女性専用車両を運行しているから行っているのである。

つまり、鉄道事業者が男性を(しつこい声掛けなどで)排除しにかかって来ても、私達が断固として応じない(=降車しない)ことで、乗り合わせた乗客達に「男性も乗れること」を周囲にアピールするとともに「排除にかかっても無駄」だということを認識してもらうために行っているのであって、女性客に抗議することが目的ではない。

よって乗り合わせた女性客には何の用もないし、女性客から私達に文句を言ってこない限りはこちらから女性客と「論争」するようなこともしない。

これは言っておかないと、このニュースを真に受けて「女性専用車両反対派は自分たちの恵まれない立場から感情的になって吠えている哀れな弱者男性どもの集まりだ」などと本気で思い込んでしまう人も出てくるかも知れない。だから今ここで言っているのだ。

そして弱者男性というと、そこから所謂「インセル」を連想する人もいるだろう。

インセルとはご存じの方も多いかと思うが、自分が女性に相手にされないのを「自分(男)を見る目がない女どもが悪い」などと逆恨みし、場合によっては殺人事件なども起こしてしまう男性のことである。

もちろん当会はインセルなどとは一切無関係である。

当会が「会の活動趣旨を理解し賛同して下さる方であれば、性別にかかわらず入会可能(女性も入会可能)」としていることからもそれはお分かり頂けるだろう。

当会が「女嫌い・女性憎悪の会」なら女性の入会を可能にするわけがない。

もちろん今このページをご覧の皆様のような「メディアリテラシーのある人」ならばここまで言わなくても分かると思うが、世の中そういう人ばかりとは限らないので、敢えてここで言わせていただいた。

千歳烏山→調布(特急橋本行き)

さて、防犯カメラやネットニュースの話が長くなったが、乗車会の報告に戻ろう。

千歳烏山駅でも10分程待って後続の20:43発、特急橋本行きに乗車。

千歳烏山20:43発に乗車


この列車の車掌は私達が乗車するのを見るとすぐ(千歳烏山駅停車中に)肉声で女性専用車のご協力のお願いをした。

ただ、この列車ではさっきの列車の車掌と違って千歳烏山~調布駅間走行中には肉声でも自動でも女性専用車の案内はなかった。

列車は再び夜の街中を走りながら仙川駅、つつじヶ丘駅、柴崎駅を通過し国領駅の手前から地下に潜る。

調布駅到着直前に「女性専用車が調布で終了する」旨の自動放送が流れたが、結局この列車では千歳烏山駅での肉声放送とこの自動放送のみ。

特に声かけなどは無く、列車は定刻通りに調布駅に到着した。

調布駅

もう一度任意確認乗車をするため、調布駅から上り列車(女性専用車無し)で京王新宿駅に戻った。

京王新宿→調布(2回目)

京王新宿駅まで戻って21:45発の急行京王八王子行きに乗車。

京王新宿駅停車中の急行京王八王子行き
京王新宿駅21:45発

女性専用車も隣の車両のどちらも非常に混雑していたが、混雑率に若干の差があり女性専用車の方はやや余裕があったように思う(誤差の範疇かもしれないが)。

京王新宿駅を時刻通り発車したが、時間も遅くなってきていることから1回目のような「途中駅で降りて後続列車に乗り換える作戦」はとらず、そのまま女性専用車の設定が解除となる調布駅まで乗車した。

今回は調布駅まで特に声かけは無く、女性専用車が解除になったためか調布駅から乗車する男性の姿もちらほら見られた。

昔に比べると、鉄道事業者の女性専用車への熱量も少しは下がったのだろうか。

やはり完全に廃止となるまで、こういった主張は続けていかねばならないと感じた。

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