【札幌】札幌市営地下鉄任意確認(非協力)乗車会

活動履歴

2025年1月15日の朝に札幌市営地下鉄東西線および南北線で女性と子供の安心車両に任意確認のため乗車会を行いました。

交通局サイトには「任意によるものなので、拒否することは出来ない」「男性が乗車しても、乗務員が直接注意を行うことはない」とありますが、途中、さっぽろ駅で駅員が乗車しようとした私達に声掛けしただけでなく、腕を伸ばして制止しようとしました。

以下その報告です。


大通駅からスタート

朝7時20分に大通駅に集合。

まだ朝ラッシュには少々早いためか、改札口付近に人影はまばらであった。

まずは自動券売機で地下鉄専用1日乗車券を各自購入。

大通駅の改札。まだ人影はまばらである
1日乗車券

他の地域の1日乗車券と同じく、これを持っていれば改札を出ずに同じところを何度重複して乗車しても問題ない。

1日乗車券を購入している最中に突然自動放送で「地下鉄では平日の始発から午前9時まで女性と子どもの安心車両を運行しています。皆様のご協力をよろしくお願いします」と安心車両の案内が流れた。

今回は

①東西線:大通→宮の沢

②東西線:宮の沢→大通

③南北線:大通→麻生(途中さっぽろ駅で任意確認のため後続乗り換え)

④南北線:麻生→大通

⑤東西線:大通→大谷地

の順で乗車した。

東西線 大通→宮の沢

大通駅改札口から中に入り階段を降りると南北線のホームである。ここを歩いて通り抜け、さらに階段を下りて東西線ホームに。

7:26発宮の沢行に乗車。車内は座席が埋まり、立ち客がわずかにいる程度。

停車中に男性客が数人通り抜けて行ったが、パッと見た感じ車内にとどまっている男性はいないように見えた。しかし次の西18丁目駅で下車した乗客の中に1人男性がいるのを確認した。

車内の様子

円山公園駅で空席が出たので私達も着席。その次の西28丁目駅で乗客がさらに下車して車内は空席が目立つようになった。

琴似駅手前で男性が車内を通り抜け。琴似駅でもさらに降りて車内はガラガラに。

終点宮の沢駅には7:41着。宮の沢駅に着いた時点で私達以外に女性客が6人乗っていただけだった。

宮の沢駅に到着(車内より撮影)

東西線 宮の沢→大通

私達が乗ってきたこの列車は宮の沢駅からそのまま折り返し7:47発の新さっぽろ行になる。

私達がホームに降りるのと入れ替わりに、ホームで待っていた乗客が一斉に乗車。

一旦ホームに降りた私達も再度、新さっぽろ行となったその列車に乗車。

今回、1日乗車券を使用しているので、改札を出ずに折り返し乗車をしても問題なし。

車内では周囲からの視線は感じたが、声掛けはなし。少し空席があったので私達も着席した。

しばらくして、折り返しのため運転士が車内を通り抜けて先頭車両まで移動。着席している私達の目の前を通ったが何も言ってこず。

その後男性が1人乗車して着席。さらに他にも男性の通り抜けがあったものの、着席した男性客は安心車両だと気づいたのか隣の車両に移動してしまった。

発車時刻近くなると、女性と子どもの安心車両にも立ち客が出始めた。そして時刻通り7:47に宮の沢駅を発車。

次の発寒南駅でさらに立ち客が増えて車内は見通しが利きにくくなってきた。宮の沢駅から1駅走っただけだが、やはり都心に向かう列車はかなり混雑するようだ。

その後も各駅で次々乗ってきて、本格的なラッシュになった。時々車内に高齢者や障害者向けの専用席(他の鉄道会社で言う優先座席のことだが、なぜか札幌市営地下鉄では優先座席ではなく専用席になっている)のアナウンスが流れるが、ここまで安心車両の車内アナウンスはない。

かなりの混雑のまま8:03頃に大通駅に到着。ここで乗客の多くが一斉に降り、ホームはあっという間に人でいっぱいになった。

人でいっぱいになった大通駅東西線ホーム

南北線 大通→麻布

東西線ホームから階段を上り、南北線のホームに。

南北線ホームに移動

そこへやってきた8:07発、南北線麻生あさぶ行に乗車。車内は混んでいるが、大通駅で多数下車したためか、押し合いへし合いするほどにはなっていない。

大通駅から1駅だけ乗車して、次のさっぽろ駅で下車した。

後続列車に乗り換えて少しでも多く任意周知するためである。

さっぽろ駅でいったん下車

トイレ休憩を挟んで8:17発の麻生行に乗車しようとすると、ホームにいた駅員A氏が「こちら安心車両です」と言って声掛けしてきた上、私達の前に腕を伸ばして制止してきた。

札幌市交通局のサイトには「任意によるものなので、拒否することは出来ない」「男性が乗車しても、乗務員が直接注意を行うことはない」とある。(下記画像)https://www.city.sapporo.jp/st/subway/anshin_syaro/anshin_syaryo.html

しかし、私達に直接声をかけてきている時点で、サイト上の「男性のお客様が乗車されましても、乗務員が直接注意を行うことはありません」という記載に反しているし、ましてや声掛けだけでなく腕を伸ばして制止しようとしたのなら、これはサイト上に「拒否することは出来ません」とあるにもかかわらず「乗車を拒否しようとした」と取られても仕方がないのではないだろうか。

(今回声をかけてきたのは乗務員ではなく駅員だが、声をかけてきたのが乗務員だろうと駅員だろうと「安心車両が任意によるものであること」に変わりはないだろう)

なお、声掛けの件とは少し外れるが、上記ページの下部には「女性と子どもの安心車両導入の背景について」という項目もあり「アンケート調査において利用者の半数以上が「本市における女性専用車両の必要性」を感じている結果であり…(中略)…本格導入することといたしました」

などとあるが、実際には一度アンケートを採って「反対多数」の結果が出たので再度アンケートを取り直している。(詳しくはこちらを参照)

つまり、利用者の多くが賛成しているかどうかには関係なく、最初から女性専用車両(安心車両)の導入は決まっていたのである。そして、アンケートは交通局が「女性専用車両の導入は正当なんです。ちゃんと利用者にも意見を聞いて多数が賛成しているので…」と言えるようにするために採られた「出来レース」であった可能性が高い。

上記の事実に加え、札幌においても公明党が交通局に女性専用車両の導入を強く迫っていたことも考え合わせれば、女性専用車両(安心車両)が「痴漢被害から女性を守るためにやむを得ず採られた措置」などとは似ても似つかない代物であることがよく分かる。

「痴漢対策」とか「女性を守るため」とかは建前なのだ。

「男が痴漢するから女性専用車両が出来た。だから男が悪い。そんなに女性専用車両が気に入らないなら差別だ何だとごちゃごちゃ言ってないで痴漢を撲滅すればいいのにそんなことも分からないのか!」などと反対派に上から目線で言っている人は、自身が単なる情弱(情報弱者)であることを自覚した方がいい。

さっぽろ駅で私達に腕を伸ばして乗車を制止しようとした駅員A氏もおそらく「女性と子どもの安心車両」にこんなウラや過去があるなんて、全く思いもよらないことだろう。

もちろん私達は協力するつもりはないということを駅員A氏に告げ、構わず乗車した。

車内は座席がほぼ埋まる程度。次の北12条駅で空席が出たので私達も着席。

都心から離れていくため乗客が減っていき、北24条駅の時点でガラガラに。

終点の麻生駅には8:29着。

南北線 麻生→大通

麻生駅に到着したが、1日乗車券があるので下車せずそのまま引き続き乗車。列車は折り返し真駒内行きになる。

しばらくして折り返しのため運転士がホームを歩いて移動していった。私達への声掛けはなし。

真駒内行となったこの列車は8:31に発車。

麻生駅発車時点で車内は立ち客がそこそこいる状態。

朝はやはり都心に向かう列車の方が混むようだ。そして次の北34条駅で多数の乗客が乗り、車内は早くも混雑し始めた。

そこで「青色の座席はお年寄りや体の不自由な人の専用席になっています。ご協力をお願いします。」と専用席の自動アナウンス。

安心車両のアナウンスは車内では流していないようだ。

列車は混雑した状態のままさっぽろ駅に到着。ここで多数下車。

替わりに乗って来たのが少しだけだったので、車内が一気に見通せるようになった。

本当はこのまま南北線で真駒内まで行くつもりだったのだが、先ほどさっぽろ駅で麻生行に乗ろうとした際の駅員の対応があまりにも問題なので、予定を変更して大通駅から東西線に乗り換え、大谷地駅前にある札幌市交通局の本局を急遽訪問することにした。

さっぽろ駅を出て大通駅には8:43着。

ここで東西線に乗り換え。

再び東西線へ

東西線 大通→大谷地

先ほどは大通駅から宮の沢方面に向かったが、今度は逆方向の新さっぽろ方面に向かうことになる。

ホームに8:45発新さっぽろ行きが到着、ホームに駅員がいたが声掛けはなく、私達以外にも男性が1人乗車。

安心車両は立ち客がわずかにいる程度だが、隣の車両はそこそこ混んでいる。次のバスセンター前駅で多数下車し、安心車両は空席が出始め隣の車両も立ち客が減った。数駅進んで東札幌駅あたりからはガラガラに。

結局この列車では特に何事もなく、交通局のある大谷地駅でちょうど午前9時になり安心車両は解除。私達もここで下車した。

大谷地駅に到着

交通局を訪問

大谷地駅に降り立った私達は、まず改札を出てとりあえず交通局の総務課に電話を入れた。

今回は事前にアポを取っていたわけではなく急遽だったので、まずは対応していただくことは可能かどうか確かめておく必要があるからだ。

こちらから「女性と子どもの安心車両について、いろいろとお聞きしたいことがある」と伝えると、電話に応対してくださった総務課の職員は「それでしたら業務課の方へ行っていただけますでしょうか」とのことだった。

札幌市交通局

「ありがとうございました」と言って電話を切り、ここで業務課に行く前に札幌市交通局のサイトを確認し(安心車両に男性が乗車しても)「任意によるものなので、拒否することは出来ない」「男性が乗車しても、乗務員が直接注意を行うことはない」

という記載が現在もサイト上にあることを事前に確認した。

業務課は建物の4階である。エレベーターで4階まで上がり、対応に出た業務課の方2人に

突然すみません先ほど交通局さんの総務課にお電話させていただきまして『女性と子供の安心車両について、担当者の方にお話を聞きたい』と伝えたら『業務課に行っていただけますか』とのことだったので、こちらに来させていただきました」と、これまでの事情を話すと、担当者の方が出てきてくださり対応下さった。

担当者に約35分にわたり抗議

会議室のようなところに通され、まず挨拶を交わした後、まずはさっぽろ駅で駅員から声掛けされたり手で制止されたことは言わずに、個別の声掛けはするのかどうか尋ねてみた。

会員A:安心車両に男性が乗車していたとか、あるいはしようとしている場合、

交通局さんとしては(現場の方々に)声かけするように言ったりはしているんですか?

担当者:女性と子供の安心車両についてはあくまでもお願いをさせて頂いている立場でございますので、

ご協力のお願いをさせていただくことはあります。

↑「ご協力のお願い」と言っても、これでは放送によるお願いなのか、個別に声をかけてお願いするのかが分からない。そこで個別声掛けをするのかどうか確認した。

会員A:乗客個人に直接声をかけることは無いんですか?

担当者:お声を掛けることに関しては、あのー、放送等でのご案内はさせていただきますが、あのー、できる限り直接の声掛けというよりは、放送等での声掛けをさせていただいいているところになります。  

【できる限り】直接の声掛けと言うよりは放送等で…」とのことだが、これは言い換えれば「場合によっては個別に声掛けもする可能性がある」と言っているようなもので、『乗務員が直接注意を行うことは【ありません】』と言い切っている交通局サイトの記載とは明らかに食い違う。

「男性が乗車していても直接注意することはない」とサイトに明記されているのだから担当者もはっきりと「放送等でお願いすることはありますが、個別にお声を掛けることはありません」と言えばよいのだが、担当者はなぜそう言わないのか。

会員B:大通駅では自動アナウンスをしていましたが、それだけしかしていないんですか?

担当者:ご案内は放送でさせて頂いているということですね。

会員A:直接の声掛けに関して、交通局さんは(現場の職員に)「するな」と言っているのかそれともそういうことは言ってないのでしょうか?

会員B:「するな」と言っているのか、個人の判断に任せているのか、どちらですか。

担当者:うーん…。そこに関してはちょっとあのー、なかなか…

そうですね啓発活動を兼ねて行っているところになるので「するな」っていうような完全に控えてもらうというようなことはしていないですね。

↑この担当者の発言内容だと「啓発活動を兼ねているので個別の声掛けを容認している」とも取れてしまう(もしそうだとすれば、交通局サイトの「男性が乗車していても直接注意することはない」という記載と話が違うということになる)。

少なくとも交通局が「個別の声掛けをしないようにという指導は特にしていない」とは確実に言えるだろう。

ここで、交通局のサイトに「個別の注意はしない」と記載があることを担当者に伝え、さらにさっぽろ駅の駅員が声掛けしてきただけでなく、手を伸ばして制止しようとしてきたこと、そして駅員の氏名なども伝えた。

そして「乗車しようとしたら手を伸ばして制止するのは乗車拒否ととられても仕方ないのではないか」とも伝えた。

これについては、後で改めて駅員本人に事情を聞くとのこと。

この後も話が続くが、全部記載すると長くなりすぎるので、ここからはすべての発言をそのまま記載するのではなく、大体の話の流れを記載する。

会員C:性別は選べないです。本人が選べない属性を理由に排除しようとする女性専用車両(安心車両)は小中学生のいじめレベルだと思います。女性と子供の安心車両という名前で運行してますけど、女性と子供以外は安心でなくても良いのですか?

会員A:人に迷惑をかけたり不安に陥れたりするのは、男性とは限らないわけで、先日も神戸で女が刃物を振り回す事件があったり、過去にも名古屋の地下鉄の女性トイレで女が殺人事件を起こした(※2010年9月5日に、名古屋市営地下鉄金山駅の女性トイレで23歳の女がたまたま近くにいた81歳の高齢女性を突然刃物で刺して殺害する事件があった。)こともありましたが『安心な車両を作る』といいながら一方的に男性を排除しようとするというのはあまりにも男性を悪者にしすぎだと思います。

強制したら差別になるからと言うことで、女性しか利用出来ないように思わせながら「実は任意協力」みたいなことをするのは、言い方は悪いかも知れませんが、これでは利用客を騙しているようなものじゃないですか?

担当者:ご理解頂きたいのは、私達も悪意を持ってこの取り組みをしているのではないということはご理解頂けるかなと思いますが、あの、どうしても女性の方ですとか子供のお客様ですとか比較的に身体的に体の線が細かったり骨格が細かったり、満員電車に乗ったときに例えば圧迫されてしまうとか、そういったことを考えたときに、やはり男性の方より比較的に体として弱い部分はあるというのは皆様男性の方になりますので分かるかなと思うんですけども…

↑世間では女性専用車両(安心車両)=痴漢対策ということになっているが、いつから「女性は身体が弱いから満員電車で潰されないようにするためのもの」に変わったのだろうか?

もはや女性専用車両(安心車両)は「あるのが当たり前」という前提になっていて、設置されている理由の方が曖昧になってきているようにも取れる。もちろん最初から「痴漢対策」という導入理由自体が怪しかったのは先述の通り。

また「女性は弱いから保護する必要がある」と考えているのであれば、これは「慈悲的差別」に当たる可能性がある。

会員A:それは傾向の話であって、若い健常者の女性と足腰もおぼつかない高齢の男性ならどちらが弱者なんですか。そもそも痴漢対策ならほかの方法を取るべきであり、こんな「任意協力であること」を隠さなければならないようなことを公共交通機関がしてよいのですか?まして交通局さんは公営ですよね。

会員B:加えて今はご存知かと思いますが外国人観光客が多くなっておりますね。アメリカやイギリスや台湾などのような先進国では女性専用車両は性差別ということで廃止されましたので、外国人には性差別を意識しておられる人が多いと思われます。

さらに、車内防犯カメラやそれ以外の方法で、女性専用車両(安心車両)によらなくとも痴漢対策は出来るという話をした。車内防犯カメラについては一部の列車にはすでに設置されているが、まだすべての列車に設置されているわけではないとのことだった。

そして最後は「お忙しいところ、お時間を取っていただきありがとうございました」と述べて交通局を後にした。

乗車会・訪問を終えて

今回、交通局を訪問したことでおそらくしばらくの間は安心車両に男性がいても声掛けされることは無くなるだろう。

しかし、これは札幌に限らないが、しばらく活動を行っていないと声掛けは復活するし、さらにそのままだといつしか「任意協力であること」すら忘れ去られてしまう。

札幌市やその周辺にお住まいの方で、活動したいという方は是非当会に入会申し込みをしてほしい。

もちろん札幌市周辺以外でも、15歳以上の方(中学生不可)であれば老若男女を問わず大歓迎である。

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