当会関西本部では、5月1日に神戸電鉄有馬線と粟生線で非協力(任意確認乗車会)を行いました。
今回はゴールデンウイーク限定販売のGW1dayパスが使えたため、日中の13時から夜20時ごろまで、かなり長時間の乗車活動でじっくりと任意周知を行うことが出来ました。
以下その報告です。
神戸電鉄のほぼ全線で非協力(任意確認)乗車
GW1dayパス(GW限定1日乗り放題乗車券)で神戸電鉄線に乗車
新開地に集合
今回は13時に新開地駅に集合。
参加予定メンバーが集まるのを待って、待ち合わせ場所からホームに移動した。
ルートは、
①新開地〜三田(途中、鈴蘭台・谷上で後続乗り換え)
②三田〜新開地(途中、横山・有馬口・神鉄長田で後続乗り換え)
③新開地〜小野(途中、鈴蘭台で乗り換え)
④小野〜新開地(途中、鈴蘭台で乗り換え)
である。
今回はGW限定販売のGW1dayパスを使用する。
これを使えば丸1日神戸電鉄線に乗り放題で、また折り返し乗車する際も一旦改札を出てきっぷを買い直したりしなくても問題ない。
なお、途中駅で一旦降りて後続列車に乗り換えるのは少しでも多く任意周知をするためである。
神戸電鉄に限らず、女性専用車両を運行している鉄道事業者は、本当は男性が乗らないよう強制出来ない(強制したら公共交通機関での差別になる)から、名前だけ女性専用にして利用客に男性禁止だと勘違いさせることで責任を逃れつつ、差別だと言われても「強制していないので差別ではありません」と言い逃れ出来るようにして、女性専用車両を事実上の強制のようにしているのだ。
だからそういう鉄道事業者のアンフェアなやり方を許さないため、私達は敢えて女性専用車両に乗り「実は女性専用ではない」ことを周知しているのである。
「痴漢対策だから仕方が無い」とか言う人もいるが、当会がいつも言っているとおり「痴漢対策は表向きの理由」である。
ネット上では時々(乗車活動は)「女性に対する嫌がらせが目的だ」と勘違いした発言が見られるが、上記の通り鉄道事業者のウソを許さないための任意周知と女性専用車両の形骸化(最終的には廃止)が目的であるので、乗り合わせた周囲の女性客に用はない。
また、もし高圧的な態度で男性排除を試みる鉄道員や警備員・女性客(たまに男性客の場合もある)などがいれば、それ相応の対応はするが、それが目的で乗車しているのではない。
以上のことを踏まえた上で、この先をお読みいただきたい。
新開地〜三田
新開地駅からはまず13:22発、三木行き普通に乗車する。
13:15頃に入線したので早速乗車して、乗務員や駅員などから声掛けがないか確認する。
車内はパラパラと人が乗っている程度で、うち男性が私達以外に2人。
しばらくして運転士がホームを歩いて通り過ぎたが、何も言って来ず。
発車時刻になり、そのまま新開地駅を発車。
地下を走ってすぐ次の湊川駅に到着する。
ここで結構乗ってきたが、それでも空席が目立つ。
湊川駅の先で地上に出る。外は良い天気だ。神鉄長田駅、丸山駅と停車し、急勾配を登りどんどん高度を上げていく。そして鵯越駅を過ぎると完全に山の中に入る。
しばらくして利用者が少なく廃止になった菊水山駅の跡を通過。
13:35鈴蘭台駅に到着。ここで後続乗り換えのため下車。
しばらく待って13:40発三田行き準急に乗り換えた。車内はところどころ空席もある。
北鈴蘭台駅や山の街駅など途中で人が降りていき、車内はガラガラになった。
箕谷駅を出て谷上駅に着くころには車内の人数は数えるほどになっていた。そして谷上駅のホームには神戸市営地下鉄からの乗り換えと思われる乗客が並んでいた。
ここは神戸電鉄と神戸市営地下鉄の共同使用駅であり、神戸電鉄と神戸市営地下鉄が同一ホーム上で乗り換えることが出来る。
降りる私達と入れ替わりに、ホームに並んでいた乗客達が神戸電鉄に乗車していった。
私達は降りた谷上駅のホームでしばらく待ち、後続の14:06発三田行きに乗車する。
三田行きが到着する直前、神戸市営地下鉄の列車が入ってきた。
神戸電鉄三田行きと連絡するようだ。
神戸市営地下鉄の列車に続いて、私達が乗る神戸電鉄の三田行きも到着、乗車した。
地下鉄から乗り換えの乗客が結構な人数(女性専用車両だけで10数人くらいか)おり、車内には私達以外にも男性が2人いる。いずれも女性とのペアである。
ところどころ空席もあるくらいの乗車率で、特にこちらを気にしているような者はおらず、車内に暖かな日差しが差し込み、和やかな時間が流れていた。
谷上駅からは終点三田まで後続乗車は行わず、一気に乗り通す。
唐櫃台駅を過ぎ、次は有馬口駅である。
ここから有馬温泉行きの列車が連絡しており、ここで少し乗り降りがあった。
私達は引き続き三田行きに乗車。
有馬口駅の次の五社駅を過ぎるとすぐに短いトンネルに入り、それを抜けると今度は視界が突然開け、これまで走ってきた深い山中とは対照的に、平地(盆地?)のようなところを走るようになる。
そして岡場駅に到着。結構大きな駅で周辺は市街化している。
新開地からはかなり走ったが、まだここも神戸市内である。
次の田尾寺駅を過ぎると車内も私達以外に10人くらいになっていた。外は絶好の行楽日和で、車内には引き続き穏やかな時間が流れている。
何だか乗車活動というより、乗り鉄しているような気分になってきた。
公園都市線との分岐点である横山駅を過ぎ、終点の三田駅には14:40着。
三田~新開地
三田駅は終点のため、当然折り返しだが私達はそのまま乗車し続けた。
本来なら折り返し乗車する場合、一旦改札を出て切符を買い直さなければならないが、今回はフリーパスでの乗車のため、車内にとどまってそのまま折り返しても全然問題ない。
なぜ車内にとどまったかというと、声掛けがないか確認するためである。
私達の乗ったこの列車は、三田から折り返し14:53発の普通新開地行きとなる。
しばらくして運転士らしき人物が車内を通り抜けていったが声掛けはなし。
その後、少しずつ人が乗ってきて、発車時刻の時点で私達以外に乗客7人、うち1人は家族連れの男性であった。
そして時刻通り、14:53に発車。
三田から2駅、横山駅で後続乗車のため下車。
横山駅では少々時間があったので、参加メンバー達がホーム上でいろいろ会話していた。
その中で、神戸在住のメンバーの1人(会員Aとする)が「先日、谷上駅で個人的に女性専用車両に乗ろうとしたら、清掃員が声をかけてきた」という話をしていた。
会員Aによると、他の車両に移る意思はないことを伝えても引き下がらず、5回ぐらいしつこく声をかけてきたので氏名をチェックし「本局に抗議する」と言ったらしい。
実はこの清掃員は当会が神戸電鉄と神戸市営地下鉄で今年2月10日に行った乗車会の際も、神戸市営地下鉄の女性専用車両に乗車していた私達にしつこく声をかけ、別の会員に「お目玉」を食らっていたのだが、懲りずにまだしつこい声かけをしているようだ。
しかし、神戸市交通局に会員Aが抗議したところ、後日交通局から返事があり、「当該清掃員を呼んで確認したところ、しつこく声をかけた事実を認めていた」とのこと。
そしてさらに「交通局の方で当該清掃員に女性専用車両の趣旨(任意協力で成り立っている)を説明し、指導した」とのことである。
どうやら、清掃員の個人的判断でしつこく声かけしていたようだ。
まあ、女性「専用」などと書いてあるのだから、本当に女性しか立ち入ってはいけないと勘違いするのも無理はない。
さて、しばらくすると後続の15:12発、新開地行きがやってきたので乗車。車内は空いている。
横山駅から私達以外に2人男性客が乗車。この男性客は岡場駅あたりまで乗車した。五社駅を過ぎ、
有馬口駅で後続乗車のため下車。
ホームでしばらく待っていると、後続の15時45分発新開地行きの列車がやってきた。
GW中のためか、有馬温泉方面からの乗り換え客も多い。その有馬温泉から乗り換え客のグループが「女性専用や」と言ってホームを歩き、他の車両に移動していった。
温泉帰りの乗客も多いせいか、車内は座席が埋まっている。
温泉帰りの乗客を見ていると、時間があれば自分もゆっくり温泉につかって、美味しいもの食って、一日何も考えず温泉旅館の部屋でのんびりしたい・・・などと考えてしまう。
有馬口駅からさらに先ほど通ってきた唐櫃台駅・神鉄六甲駅などを過ぎて、谷上駅に着くと、神戸市営地下鉄への乗り換え客が一気に下車してガラガラになった。
谷上駅を出て、箕谷・山の街・北鈴蘭台の各駅を過ぎても、女性専用車両はあまり乗車率は上がらず、空席が多い状態が続いている。
しかし北鈴蘭台駅を出た時点でふと両隣の車両を見ると、結構立ち客がいるのが見えた。どうやらこの区間、女性専用車両と他の車両で乗車率の差が出来ていたようだ。
鈴蘭台駅で多数下車し、隣の車両もガラガラに。
鈴蘭台駅からは1つ後ろの車両に神戸電鉄の制服を着た職員が乗車してきた。
私達のことを見張りに来たのかと思いきや、どうやらそうでもないらしい。
深い山の中を急勾配で下り、周囲に少しずつ住宅などが増えてきて鵯越駅・丸山駅を過ぎて16:16に神鉄長田駅で後続乗車のため下車。
日中はよく晴れていたが、この時間になって少し日が陰りだし、雲も多くなってきたような感じだ。
ホームで後続を待ち、16:26発の新開地行きに乗車。
やはり女性専用車両はガラガラ。
神鉄長田駅を出ると地下に潜り、湊川駅を経て16:31新開地駅に到着。
新開地駅に着いた時点で、女性専用車両内には私達以外に女性客が6人。
もちろん、終点である新開地駅に到着後、全員降りていったが、私達はまたまたしばらく車内にとどまった。どうやらこの電車は折り返し、粟生線直通の小野行きになるようである。
しばらくすると、清掃員が車内を通り抜けたが、声掛けなし。
その後、運転士もホームをそのまま通り過ぎたので、私達は下車し、ホームを移動して新開地駅16:41発の三田行き準急に乗ることにした。
新開地~小野
三田行き準急は発車時点で車内の座席がほぼ埋まるくらいの乗車率。
この列車で鈴蘭台駅まで行き、そこで粟生線に乗り換える。
湊川駅でわずかに立ち客が出た。湊川の先で地上に上がると、いつの間にか空がどんよりと雲っていた。
神鉄長田駅からも地元の高校生が数人乗ってきた。うち1人は男子学生。
準急なので丸山駅・鵯越駅は通過し、鈴蘭台駅に16:53着。
ここで連絡している16:54発の粟生線・小野行きに乗り換え。
ホームで女性専用車両の表示を見て乗車をためらっている乗客がいたので、会員が「乗っても構わないんですよ」と声をかけるも、結局乗って来ず。
小野行きの車内は立ち客が結構たくさんいた。今日乗った中では一番人が多かったのではないだろうか、といっても、車内を移動できるレベル。高校生の下校時間だからだろう。
鈴蘭台駅を発車すると急勾配を登ってトンネルに入り、すぐ次の鈴蘭台西口駅である。
ここで結構降り、さらにその次の西鈴蘭台駅で多数降りて、車内は空席が目立ち始めた。ここで私達も着席。
車内は私達以外に10数人程度。粟生線は鈴蘭台付近の利用は多いが、その先は利用が多くない。
平日の日中などは閑古鳥が鳴いている列車も多いと聞く。
押部谷駅で地元の高校生が5人ほど乗車。次の緑ヶ丘駅で高校生がまとまって降りた。代わりに3人くらい高校生が乗ってきた。
外を見ると、いつの間にか雨が降っていた。
向こうの空が明るいので、雨は多分このあたりだけだろう。
17:21志染駅に到着。
ここでもまとまった下車があり、もともと空いていた車内はさらに空いて私達以外に女性客が6人になった。
6人中4人は制服を着ているので、通学帰りの高校生だろう。
高校生が主な利用者層というのは、ローカル線にありがちなことだが、このあたりは神戸の都心から電車1本で来れるエリアである。
まあ、バスに客を取られているというのもあるだろうが、とても大都市近郊の路線とは思えない光景である。そして、こんな混雑しない路線になぜ、平日のほぼ終日女性専用車両があるのか。
こういうところからも痴漢対策などただの建前であることがよく分かる。
三木駅に到着。相変わらず向こうの空は明るいが雨が激しい。
大村駅を過ぎ樫山駅あたりで雨の範囲を抜け、夕日が辺りを照らし始めた。
樫山駅で反対方向の列車とすれ違った。ほとんど人が乗っていない。
私達の乗った列車は17:40に終着の小野駅に到着。
小野駅に到着した時点で女性専用車両内は私達以外に女性客が4人だけだった。
粟生線はまだこの先、粟生駅まで伸びているが、今回は粟生までは行かず、ここで一旦改札を出て市内の飲食店で食事することになっている。
駅からしばらく歩いて、台湾料理の店で飲食しながら、メンバー達でいろいろ話をした。
食事を終え、歩いて小野駅に戻ると、すっかり日も暮れ暗くなりかけていた。
しばらくホームで待っていると、小野駅19:00発の鈴蘭台行きが夕暮れのホームに折り返しで入ってきた。
もちろんここでも乗務員などによる声かけは無いか確認したが、声かけは無かった。
車内は小野駅発車時点で私達だけ。次の樫山駅で女性客2人が乗ってきたが、両隣の車両も含め、車内はガラガラ。樫山駅ですれ違った反対列車も空席がちらほらある状態。
三木駅でも反対列車とすれ違ったが、やはり空いている。
三木駅で女性2人が下車し、再び私達だけに。
恵比寿駅でふと見ると、いつの間にか女性専用車両内に若い男性客が乗車していた。
志染駅で女性客1人乗車。
緑ヶ丘駅でその女性客が下車し、別の女性客が乗車してきた。
そして、恵比寿駅で見た男性客はいつの間にかいなくなっていた。
緑が丘駅にいる時点で、小野寄りの隣車両は座席が半分以上埋まっているが、新開地寄りの隣車両は0人。私達が乗っている女性専用車両も、私達の他は女性客が1人だけ。
木津駅で女性客1人乗車。
いつのまにか新開地寄りの隣車両は、空席がありながらもそこそこ乗っている状態になっていた。しかし、女性専用車両は私達と女性客2人だけ。
西鈴蘭台駅で女性客が7人乗ってきた。小野駅からここまで、私達以外に女性客が1人~2人という状態が続いていたのだが、ここへ来て初めて女性専用車両にもまともに人が乗る状態になった。とはいえそれでも車内は私達以外に10人ほどである。
しかも、この列車の終着駅である鈴蘭台まではすでにあと2駅である。ますます女性専用車両の存在意義に疑問を感じざるを得ないが、当会ご意見投稿フォームにご意見投稿くださった外部の方によると、神戸電鉄に日中の女性専用車両の利用が少ないこと(つまり、女性専用車両の必要性がないと思われること)を伝えると、「沿線の高校などに女性専用車両の積極的利用を呼びかける」などという、トンチンカン極まりない回答をしたそうである。
もちろんこれは外部の方からの情報であり、当会が直接確認したわけではないので、どこまで正確な情報かどうかは当会の方で改めて確認する必要があるが、この話がすべて真実だとすれば神戸電鉄は女性専用車両を守ることしか頭にないようである。
西鈴蘭台駅を出て、次の鈴蘭台西口駅を出ると終点鈴蘭台である。
鈴蘭台駅で19:50発、急行新開地行きに連絡。こちらも車内は空いている。
急行なので鵯越・丸山・神鉄長田の3駅を連続で通過して、神鉄長田駅の先で地下に潜り湊川駅に到着。
そして湊川駅を出てすぐ新開地駅に20:02に到着。今回はここで終了とした。
神戸電鉄のサイトには「男性が乗車していたら声をかけることがある」とは書いているが、今回乗車してみた限りでは乗務員などからの声かけは無かった。
もちろん任意協力であるから声かけがなければそれで良いのだが、すでに何度も言っている通り、神戸電鉄はわずか4両編成中の1両が(早朝を除き)ほぼ終日女性専用車両である。
これは全国の他社局と比べてもかなり時間帯も割合も非常に多い。
しかも日中などガラガラで走っている列車も多く、常識的に考えておよそ痴漢対策とは言えない状況と言えるだろう。
(これは神戸市内を走っている、神戸市営地下鉄海岸線なども同じような状況と言える)
しかし現在、神戸電鉄が平日早朝の間だけ女性専用車両を設定していないのは導入当初に4両で完全終日導入した結果、利用者からの強い抗議を受けたからである。
抗議によって女性専用車両が縮小された事実もあるのだ。
任意協力と言いつつ、実質強制のように思われている女性専用車両の形骸化を進めるためにも、神戸電鉄沿線及び、神戸市やその周辺の方で当会に入って共に活動したいという方がもしいらっしゃれば(もちろんそれ以外の地域の方の新規入会も随時受け付けているので)是非とも入会申し込みフォームよりお願いしたい。