この6月2日より、名古屋市交東山線の女性専用車両が夕~夜間にも拡大されたが、これに関して名古屋市交通局が車両や駅のホームのステッカーの取替え及び、ポスター・チラシの作成等にかかる経費1,000万円を盛り込んだ予算案を、市議会2月定例会に提案していたことが分かった。これは2008年3月12日付の中日新聞で報じられたもの。
この予算案がそのまま通ったのかどうかは現時点では不明だが、もしこのまま通ったのだとすれば1,000万円という、大金といえるような金額が今回の東山線女性専用車両拡大のために市民の税金から歳出されたことになる。
今回の東山線の女性専用車拡大について、これを取り扱ったマスコミ記事はほぼ全て「女性専用車=痴漢対策」であることを前提として取り上げているようだが、実際はどうなのか。
名古屋市議会の議事録を見ていると、推進派議員の
- 痴漢対策というより、女性に安心して乗車していただくため。
- 女性専用車は時代の流れ。
- 他都市では終日やっているところもあるのに、名古屋は未だに導入当初のまま進んでいない。
といった主旨の発言が見られる(平成19年2月定例会3月6日-05号)。また、中日新聞3月12日の記事文中にも、
(3月)11日に開かれた、市議会土木交通委員会でも、女性委員から「酔っぱらった乗客がいる午後9時以降も、専用車両を走らせてほしい」との声が上がった。
という記載がある。(いつの間にか「痴漢対策」から「酔っ払い対策」になっている。「痴漢対策のために、やむを得ず専用車を⋯」 ではなく、「専用車を拡大するために理由をつけている」のではないか?)
名古屋市議会土木交通委員会といえば、昨年4月17日付(No.74)の当ニュースでもお伝えした通り、専用車推進派議員が入っていることなどから、実質上、名古屋で専用車を推進する勢力になっていると考えても良いと思われる。
一方で、名古屋市議会議事録によれば、女性専用車の拡大推進検討状況をただされた交通局からは
- 公共交通機関は全ての人に等しく利用していただくことが本来であるが⋯
- 東山線に専用車を導入後も、痴漢件数に大きな変化は見られないという状況であり⋯
という答弁があったことなどが記載されており、これを見る限り交通局自体は女性専用車の拡大には乗り気ではないようにも見受けられる。(平成18年9月定例会10月17日-21号)
つまり、「深刻な痴漢被害対策のためやむを得ず」ということではなく、少しでも女性専用車を拡大したい専用車推進派議員のごり押しによって、交通局が押し切られ、専用車が導入・拡大されているということではないのか?ということである。
そしてそのために、市民の税金から1,000万円が歳出されたのだとすれば納得行かない人も出てくると思われるが、今のところマスコミ等でも痴漢対策としてしか報道されていないため、東山線の専用車拡大について、こういった事情があることを知る人は現在のところは少ないと思われる。
情報元
中日新聞 2008年3月12日(現在はリンク切れ)
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20080312/CK2008031202094592.html
「名古屋市議会議事録検索」
http://www.gijiroku.jp/gikai/c_nagoya/index.html
