去る11月9日、横浜市交通局は、来年春に開業予定のグリーンライン(4号線)には女性専用車両を設置しない方針であることを明らかにした。
横浜市交通局では、現在運行中の1・3号線(ブルーライン、あざみ野~湘南台間40.5㎞)において、平日の朝ラッシュ時に女性専用車両を運行している。また全車優先席(全ての座席が、高齢者・障害者などを対象とした優先座席)も実施している。
グリーンラインは、中山~日吉間約13.1㎞の新規開業路線として開業することになっているが、列車は4両編成で運行される予定になっており、短編成のため女性専用車両の導入は難しいという見解のようである。なお、全車優先席はグリーンラインでも実施される予定。
かつて、女性専用車両を導入した鉄道事業者は、反対意見に対し、「深刻な痴漢被害に対し、他に有効な手段が見つからない中、女性専用車両を導入した」というような説明をしていたが、そんな中2005年8月に開業したTX(つくばエクスプレス)では、開業後すぐに女性専用車両が導入され、「痴漢被害が深刻であるというデータがあるわけでもないのに、いきなり女性専用車両導入とはどういうことか?」という批判の声も出た。
今回、横浜市交では、新規開業路線に開業当初から女性専用車両が導入されるということはとりあえず回避されそうな見通しだが、現在、横浜市交の他にも路線の新規開業を予定している鉄道事業者がいくつかあり、今後も鉄道事業者の動向を注視して行く必要がある。