7/1読売新聞 茨城県版より
朝夕のラッシュイメージ向上で乗客獲得
首都圏新都市鉄道(本社・東京都台東区)は、秋葉原―つくばの58.3㎞を結んで8月24日に開業するつくばエクスプレス(TX)に、女性専用車両を導入する方針を決めた。朝夕ラッシュ時間帯に、6両編成のうち、ロングシート車両となっている両端いずれかの1両を女性専用とする。首都圏の第3セクター鉄道では、JR埼京線と相互直通運転を行っている東京臨海高速鉄道(本社・東京都江東区)に次ぐ導入となる。
6月24日開かれた同社の株主総会で、木村誠之専務が明らかにした。現在、導入する時間帯や本数などの詳細を詰めている。車両には「女性専用」と分かるステッカーを、ホーム床面にもシールを張るなど、乗客へのPR方法も検討している。
女性専用車両は、満員電車での痴漢事件多発を受け、2001年3月に、京王電鉄(本社・東京都多摩市)が深夜時間帯の急行、快速電車に初めて導入。利用者から「安心して乗れる」「冤罪(えんざい)に巻き込まれずに済む(※)」と好評だった
国土交通省や警視庁が鉄道各社に積極導入を求め、JR東日本と東京臨海高速鉄道が今年4月4日、東京近郊の私鉄・地下鉄11社も5月9日以降に導入している。
TXは、東京、埼玉、千葉、茨城の1都3県と沿線市町村などが出資して建設され、「首都圏最後の新設鉄道」と言われるが、沿線には開発途上の地域も残され、通勤・通学客の獲得が経営安定化への至上命題となっている。このため、株主である自治体側からも、「イメージ向上策に女性専用車両はぜひ導入すべきだ」と要望が出ていた。
※女性専用車両を導入しても痴漢がそれ以外の車両で悪事を働くことから、男性の痴漢冤罪の防止には全く役に立たない。
つくばエクスプレスが8月24日の開業時点から女性専用車両を実施した場合、開業時から女性専用車両を実施する初の事業者となる。
情報元:
2005年7月1日 読売新聞 茨城県版