首都圏では、警視庁が鉄道事業者に対し、女性専用車両を導入するよう「異例の」要請をするなどしてきたが、各鉄道事業者とも女性専用車両の導入には消極的であった。
しかし、ここに来てJR東日本が女性専用車両の拡大を検討していることが明らかになった。
以下、毎日新聞の記事より引用。
JR東日本:痴漢対策など女性守る具体策検討へ
電車内の痴漢や盗撮などに歯止めをかけるため、JR東日本は8日、首都圏の朝夕のラッシュ時間帯を中心に女性を守る具体策を早急にまとめることを明らかにした。同社は埼京線で平日の深夜に限って女性専用車両を導入しているが、他の路線やラッシュ時にも拡大する方針だ。私鉄各社は、警視庁などの要請にもかかわらず、他の車両が混雑するなどの理由から専用車導入には消極的で、JRの対策は影響を与えそうだ。【斎藤正利、月足寛樹、青島顕】
女性専用車両の拡大について、JR東日本も「混雑に拍車をかける」と消極的だった。しかし、警視庁のまとめで痴漢などの路線別検挙件数が1位埼京線、2位中央線、3位総武線、5位山手線と、JRが上位を独占する事態となり、方針を転換した。 具体策としては、通勤・通学時間帯に混雑率の高い線区を対象とした女性専用車両の導入や、駅ホームに女性専用の乗降エリアを設ける--など。それぞれの線区や駅を調査し、実態に即した対策を打ち出す。
JR東日本では、現在、埼京線で平日の午後10時50分以降に、女性専用車両を導入している。大塚陸毅社長は「何らかの形で取り組みを強化する必要はあり、女性専用車を増やすことを含め、効果的な対策を早急にまとめたい」と話している。
一方、日本民営鉄道協会によると、首都圏の主な私鉄各社は京王電鉄を除いて女性専用車両を導入していない。専用車両を導入すると他の車両の混雑が進む恐れがあるためと、相互乗り入れが進んで単独では導入しにくいからだ。 東京メトロは「女性専用車両を導入するとさらに混雑に偏りができ、安全上の問題が生じる恐れがある」と話す。京浜急行や都営浅草線などと相互乗り入れをしている京成電鉄は「各社間の調整が難しく導入の予定は現在はない」と言う。 一方、平日の午後11時以降に新宿駅発の急行など9本が専用車付き運行の京王は「導入当初のアンケートで男性の6割・女性の8割が賛成しており、支持されていると考えている」と話す。