今年(2024年)2月に当会会員が神戸市営地下鉄の名谷駅停車中の女性専用車両内で女性客から暴行を受ける事件がありました。
女性専用車両で当会会員に暴行した女性客が現行犯逮捕されるまた、今年6月にも妙法寺駅付近で女性客が会員に降車を要求してトラブルになった事案もありました。
神戸市営地下鉄でまたトラブルさらに、今回(2024年8月14日)またも妙法寺駅付近でトラブルが発生しました。
今回は会員と女性客の直接的なトラブルではなく、女性客から申告を受けた助役2名が車内に乗り込んできて会員に降車するようしつこく声をかけ、それでも会員が降車に応じなかったために会員の体に触ったという事案です。
しつこい声掛けだけでも問題(任意協力といいつつ事実上強制に近い)だが、乗客の体に触れる行為は刑法208条暴行罪に該当する可能性があり、言語道断である。
助役が会員の体に触れたため会員が強く抗議、トラブルとなり列車が約6分遅れた。
そしてこの列車の車掌は遅れの理由を「安全確保のため」と放送した。
本来であれば女性客から申告があったとしても「強制は出来ない」「男性の方も利用する場合がある」と言えば良いことである。
そもそも任意協力なのに【❝女性専用❞車両】などと称して運行するから女性客からクレームが付くのである。
私達のような明確な反対派でない男性客なら「女性専用車両なので移動してください」と言われればすぐに移動してしまうだろうし、鉄道事業者側はそれを表向き「男性が自分の意思で移動されたので強制ではありません」と体よく片付けてしまえるだろう。
しかし、当会は鉄道事業者が任意協力の車両(法的にも強制できない)に女性専用車両という名前をつけて強制的なもののように思わせ、半ば乗客を騙す形で法的な問題に触れないようにしつつ、体よく男性を排除してしまうということを知っているので、声をかけられても移動はしない。
神戸市営地下鉄も女性専用車両を導入したのは2002年と、日本の鉄道事業者で現在運行されている女性専用車両の中では比較的初期のものであり、まだ世間に女性専用車両が任意協力だという事実があまり知られていなかった頃に導入されたものである。
神戸市交通局に限らず、当時の鉄道事業者は恐らく「女性専用車両は任意協力であり法的にも強制できない」という事実を世間には知らせないまま、世間に「女性しか乗れない車両」と誤認識させたまま運行し続けようと考えていたのではないかと思われる。
きっと当会のような団体が現れ、実際に乗車する活動を継続して行うなど、全くの【想定外】だったのだろう。
しかし、それでも女性専用車両という名称を改めず、また女性客からのクレームに対しても任意協力であるということを知らせず、男性を半ば騙すことで降ろそうとするからトラブルにもなるし列車も遅れるのである。
2月の暴行事件を受け、当会では5月21日に暴行事件の当事者会員と当会代表、さらにもう1名の会員の計3名で神戸市交通局の本局を訪れて「(2月の事件は)本来は任意協力で、男性の乗車を禁ずる強制力がないにも関わらず『女性専用車両』という、強制力を持っているかのような名称で運行しているがために起きたトラブルである」として抗議をした。そして今後はこうした事象が起きないよう『❝女性専用❞車両』という名称をやめるか、出来ないなら男性が乗っているとクレームしてきた女性客に対しては「任意協力であること」をきちんと伝えること等を申し入れた。
しかしその後も先述の通り、6月に任意だと知らない女性客が会員に降車をしつこく要求して警察が出動するトラブルになり、そして今回の事案である。
しかも今回の件は無知な女性客ではなく、女性専用車両が名前だけで「実は任意協力」であることを恐らく知っているであろう助役が会員にしつこく降車するよう声掛けした上、移動しないからと体に触れたものである。
交通局は当会の申し入れを現場の職員に伝えていなかったのだろうか?
5月に交通局を訪問した際には、対応した交通局の職員が「女性専用車両をさらに厳格に運用してほしいという要請も多数受けている」というようなことも言っていたが、制約により強制には出来ず、またそれゆえ法的な根拠もなく、ただの名称でしかない女性専用車両を「厳格に運用」するとはどういうことか。
「男性が乗らないよう常に監視を強化しろ」ということか。
神戸市営地下鉄やJR西日本は土日祝日を含め毎日終日女性専用車両を運行しているが、未だにそれを続けているところを見ると、神戸市営地下鉄やJR西日本は女性客に対する下心でもあるのではないかと疑ってしまう。
特にJR西日本はかつて『女性専用車乗ってますか?』『毎日終日運行しているからいつでも乗れる』『行きも帰りも女性専用車、もう私の習慣です』などと客寄せとしか思えないような女性専用車の宣伝をしたり、女性専用車を駅の階段やエスカレーターなどの目の前に停まるようにするなど、どう考えても痴漢対策ではない。
また神戸市営地下鉄海岸線は4両編成中1両が毎日終日女性専用車両であるので不公平感が最も強い。
女性専用車両に「女性専用車両限定広告」として割増な広告料で女性向けの広告を募集していることも正直どうかと思う。
公共交通は同じ運賃を支払った者は公平に利用できなければならないのが本来であるし、公営の事業者なら尚更だが、表向き痴漢対策と言いつつこのような形で特定の性別を冷遇すること自体が公共性や中立性から著しく逸脱する。
加えて鉄道という特性から消費者は、自宅からの最寄り駅や目的地の駅によっては利用する会社も選べない。何より人としての「尊厳」があるのだ。
女性客から「男性を乗せないように」という要請があったとしても、公共交通機関が「厳格な運用」と称して乗車している男性に半ば移動を強制するような「厳格な対応」をとることは(神戸市交通局のような「公営」の鉄道事業者では特に)憲法上からも出来ないはずである。
結局は女性客(正確には女性専用車両支持・推進派)からそうした「厳格な運用の要請」を受けているとして、それを理由に「任意協力だと知らない男性を半ば騙して排除」すること(あるいは「任意だと知っていても声をかけられたら降りてしまう男性に降車を迫る」こと)に力を入れようとしているだけではないのか。
本当に交通局に「女性専用車両の運用を厳格化しろ!」という意見が山のように届いているのか、それとも交通局が男性排除の言い訳に「そういう声を多数頂いている」と言っているだけなのかについては何とも言えない。
しかし、本当に女性専用車両支持・推進派が神戸市交通局に「女性専用車両を厳格に運用しろ」という声を多数上げ続けているのだとしても、あるいは単に交通局が男性排除の言い訳をしているのだとしても、どちらであろうと反対派としては徹底して乗車し続けるとともに「任意協力」であることを世間に忘れ去られてしまわないよう、強く主張していかなければならないだろう。
そうしないといつしか「任意協力である」という前提すら事実上「無いも同然」にされかねない。
当会がいつも言っているとおり「女性専用車両は専用と名乗りつつも、任意協力だから差別には当たらないとして存在できている」のである。
「痴漢対策だから存在できている」のではない。「任意協力だから存在できている」である。
このページを読んでいる方々の中にも女性専用車両を快く思っていない人はいらっしゃるかと思うが、女性専用車両を事実上の強制にさせないためにも、そして事実上強制しながらその差別性を問われたときだけ「任意」を理由に「差別ではありません」とうまく逃げるというような狡いことをさせないためにも、1人でも多くの方に当会のような反対運動に参加していただきたいと思うところである。
情報元:
当会会員からの報告
当日の音声(音声のみ。動画はイメージです)