先日、名古屋市交通局の公式サイトにて名古屋市営交通事業経営計画(2015-2018)平成28年度の実施状況が発表された。
この中で、施策「CHALLENGE①誰もが利用しやすい快適な市バス・地下鉄の環境づくりに挑戦します。」「子どもや女性にも安心してご利用いただける環境づくり」の中に女性専用車について「運行時間帯の拡大(東山線)および他路線での拡大の検討」という事業名での記載があった。
また、この経営計画に関する有識者意見においても「女性専用車の設定が徐々に拡大されてきていることはよい取り組みである。しかしながら今後も、犯罪防止の観点から路線や曜日・時間帯別の状況を把握し、さらなる拡大の検討も必要である」というものがあった。
当会は女性専用車が属性による差別の具体であるとして強く反対しており、とりわけ男性障がい者に対して常軌を逸したと言えるような差別的視点にとらわれたままで、女性専用車に男性障がい者の乗車を認めないまま女性専用車を運用し続け、そして拡大していった名古屋市交通局に対しては、これまでも何度も抗議をしてきたところだが、そんな中でさらなる拡大の検討を堂々と公表した名古屋市交通局の姿勢は看過できないものがある。
さらに看過できないことは、有識者意見に「犯罪防止」と謳われていることである。
女性専用車が性犯罪の減少に寄与していないことはこれまでに明らかになっているにも関わらず、それでもなお「犯罪防止」の言葉を使っているのは、まさに男性差別の部分から目を逸らそうという意図が見えてくる。
こういった男性(特に男性障がい者)差別の強行ともいえる今回の経営計画に対しては今後とも注視していく必要があろう。
情報元:
名古屋市営交通事業経営計画(2015-2018)