校閲用(記事タイトルは省略)

<質問1>
首都圏で女性専用車両をめぐる事件(東京メトロ千代田線における緊急停止等)が起きてニュースになったことにより社会問題になったり、COVID-19(以下、新型コロナウイルス感染症)で混乱しているこの時期にわずか2両編成の列車に女性専用車両をなぜ試験導入したのでしょうか。

【回答】
市電車内で痴漢や盗撮等の迷惑行為が毎年発生しており、その被害を受けるおそれのある女性のお客様に対し、少しでも安心して利用できる環境を提供するために導入いたしました。

<質問2>
当初どのような経緯で 「女性専用車両」を導入しようという話が持ち上がったのでしょうか。 外部(政党など)から犯罪対策として「女性専用車両」の提案、要請があったのでしょうか。 また、いつから「女性専用車両」が検討されているのでしようか。

【回答】
女性優先車両の導入については、日頃、利用者と直接応対する乗務員から提案があり、 令和2年度 に入って検討を行い、9月14日から試験導入することといたしました。 なお、外部(政党)からの提案、要請はございません

<質問3>
他事業者ではラッシュ時などでの安全確保の問題や車両による混雑差が激しくなるなどの理由から、短編成での導入はしていませんが、貴局がわずか2両編成の列車における導入でも問題ないと判断した理由は何でしょうか。
また、昨今では様々な場面で「三密」防止策について試行錯誤しているところなのに、明らかに「三密」を招くと思われる「女性専用車両」の導入について貴局内では疑問や不安の声が出なかったのでしょうか。

【回答】
車両による混雑状況の不均衡については、事前に車内カメラで確認したところ、男性と女性の乗車人数が概ね均衡していたことから、導入によって混雑差が相当激しくなることはないと判断いたしました。
ただし、導入前に懸念された課題の確認や利用者ニーズの把握を行う必要があるために試験導入いたしました。

<質問4>
貴局のHPでは新型コロナウイルス感染防止対策の一環として過去の「混雑度状況」をまとめた一覧を閲覧出来るようになっているが、これは列車内の混雑度と新型コロナウイルス感染症増加の危険性のつながりを認識しているからではないのでしょうか。

【回答】
新型コロナウイルス感染防止のためには、咳エチケットや手指衛生等に加え「密閉」「密集」「密接」のいわゆる3密を避けることが重要だと認識しております。
公共交通機関においては、社会的距離を保つことは困難であることから、乗務員の体調管理やマスク着用をはじめ、車内換気や定期的な消毒など様々な感染予防対策に取り組み、お客様が安心して利用できる環境づくりに努めているところです。
車内の混雑状況の公表については、時差出勤やお客様自身で混雑を回避したい場合の参考情報とてご活用いただくために公表しております。 今後も、車内の抗菌 抗ウイルスコーディングや抗菌吊手の導入、一部車両の座席改修など、 更なる感染防止対策に努め、お客様が安心して利用できる環境を提供してまいります。

<質問5>
後述のデーターをみれば、性別によらない犯罪防止策が重要であると思うところですが、女性専用車両により隣の車両が混雑すれば男性の性被害を増やす恐れがあると考えられるが、そこはどのように考えておられるのでしょうか。
男性の性被害を生まないようにする為の施策の考えはあるのか?

『「青少年の性行動全国調査報告書2011」』より
(電車の中などで身体を触られる迷惑行為を受けた男性) 男子中学生1.2%/男子高校生2.5% /男子大学生 6.4%

【回答】
車両による混雑状況の不均衡については、事前に車内カメラで認したところ男性と女性の乗車人数が概ね均衡していたことから、導入によって混雑差が相当激しくなることはないと判断し、試験導入を行いました。
試験導入期間中の調査結果では、車両による混雑状況の不均衡については導入前後で大きな変化はありませんでした。
性別にかかわらず、痴漢や盗撮等の迷惑行為防止対策については、全車両に車内カメラを設置しており、利用者に車内カメラの搭載について強く認識してもらえるようわかりやすい表示に改めるとともに、車内放送を活用した防犯啓発にも取り組んでまいります。

<質問6>
9月11日付のFNNプライムオンラインの記事によれば「それまで一緒に乗っていた男女が別々になるだけ」「他の時間に利用していた女性が女性専用車両に乗りたいと考えることで、女性専用車両の混雑率が上がるかも知れない」という貴局のコメントがありますが、これらのコメントは事実ですか。 事実であれば、既に導入された路線で女性専用車両があるために他の車両が混み合うことが問題視されていたのを知らなかったのでしょうか。

【回答】
記事のコメントについては、交通局で回答したもので間違いございません。 既に導入された路線での混雑状況について、詳細までは把握しておりませんが、車両による混雑状況の不均衡については、事前に車内カメラで確認したところ、男性と女性の乗車人数が概ね均衡して いたことから、導入によって混雑差が相当激しくなることはないと判断し、試験導入を行いました。

<質問7>
また前述の質問から、女性専用車両を設定すると他の時間帯に利用していた女性客がわざわざ乗る時間帯を変えてまで乗りたがり、女性専用車両が混雑すると本当に考えていたのでしょうか。

【回答】
女性優先車両を運行している時間帯において、市電は約3分間隔で運行しております。 そのため、女性優先車両の前後をご利用いただいている女性のお客様が、時間をずらしてご利用される可能性もあると考えておりましたので、試験導入期間中に一部の電停カメラで確認したところ、 到着した電車を1本見送り、次の女性優先車両にご乗車されているお客様を確認しております。

<質問8>
女性専用車両導入の目的について、痴漢対策(貴局ホームページより)と言いつつ実は女性のみの満足度向上サービスとして捉えているのではないでしょうか。

【回答】
導入日的についでは、質問1の回答のとおりです

<質問9>
当局において、女性専用車両の導入の前後での痴漢被害の認知件数の増減について公表する予定で しょうか

【回答】
市電車内における痴漢、盗撮等の迷惑行為の年度別推移について公表する予定です。

<質問10>
近年、性的少数者(「LGBT」などと一般的に呼ばれています)の人権を尊重しようとする動きが広まっており、熊本市においても「熊本市パートナーシップ宣誓制度」を開始し、文化市民局人権推進部において「性的マイノリティサポートハンドブック(「サービス業向け」及び「医療従事者向け」)」を作成するといった動きがあります。

「LGBT」の「T」にあたるトランスジェンダー(性自認と身体的な性が一致していない方)の方の中には、性自認が女性である一方で身体的な性別が男性であること等により女性専用車両に乗ること、および女性専用車両そのものに強い抵抗感がある方もいます。昨年には、女子大学が戸籍上男性であっても性自認が女性である人を受け入れることに対して、一部のフェミニストを名乗る人物により、「女性専用スペースに入ってくる「生物学的に男の人物を排除しよう」などと、トランスジェンダーの人々に対する攻撃が行われるといった問題がありました。

熊本市が作成した前述のサービス業向け性的マイノリティサポートハンドブックにおいて、「こんなことばを使ったり聞いたりしたことはありませんか?あの人って、男なの?女なの?」といった記述があり、また「だれでもトイレ」の確保や「性別限定のサービスの見直し」といった対応を求める記述がありますが、いわゆるトランスジェンダーの方の中には、女性専用車両を利用するうえで性別を詮索され、本人のプライバシーを毀損するといったことも考えられます。

貴局において、女性専用車両の導入にあたり、性的少数者、とくにトランスジェンダーの方々の人権についての議論は行われたのでしょうか。

【回答】
痴漢などの被害にあうのは女性だけでなく、男性や性的マイノリティの方もいることから、今回の女性優先車両の導入で全ての痴漢犯罪を抑止できるわけではなく、それぞれの性的志向によって、男性と女性という分け方をするだけでは、対応が充分でないことは理解しております。

そこで、熊本で活動するLGBT団体(セクシュアルマイノリティにとっても住みやすい熊本にするために活動する団体グループ)に対し、女性優先車両についてのご意見を伺ったところ、女性が被害者になる可能性が高い性暴力から守るために設置に至ったということについて理解しているとの意見をいただきました。
また、性的マイノリティの観点では、トランスジェンダー女性は性暴力被害を受けることが多いため、法律上の性別だけでなく、性暴力被害を受けやすい方が安心して利用できる対応をお願いした との意見もいただきました。

そこで、試験導入期間の延長に合わせて、任意協力とわかりやすい女性優先車両に表現を改め更に、車内にカメラを設置していることを利用者にわかりやすく表示したり、車内放送等を活用した防犯啓発にも併せて取り組んでいくことで、女性優先車両を利用される方も、利用されない方も性暴力を受けることなく、安全、安心に利用できる市を目指してまいります。

<質問11>
過去の事例から「女性専用車両」に協力するのは当然とする人達が様々な理由にて「女性専用車両」に乗る男性乗客への侮辱や暴言暴力などの加害行為を行ったり、盗撮してSNSに拡散するなど 大衆へ批判を浴びせるように仕向け、場合によっては名誉毀損や差別、最悪個人情報を特定し脅しをかける恐れは十分に考えられます。
そのことについては貴局はどう考え、どう対処されるおつもりでしょうか。

【回答】
他人に対し、侮辱や暴言、暴力などの加害行為等については、刑法、軽犯罪法、各都道府県迷惑行為等防止条例等の規定に反する行為であると認識しています。 交通局では、女性優先車両の全車両に車掌(職員)を配置し、車掌には、女性優先車両は任意のご協力のもと成立しているものであり、強制ではないことを車内アナウンスすることや女性のお客様が男性のお客様に対し、車両を移るなどの声かけを行った場合は速やかに女性のお客様を制止することなどを指導しております。
また、名称についてもより任意協力とわかりやすい女性優先車両に表現を改めます。

<質問12>
近年は「何をもって男性/女性とするのか」という部分で多様性が重要であると考えられ 外見的な部分でも配慮が必要であるとされる中、一口に「障がい者」といっても、貴局がイメージしている障がい者は「身体障がい者」であるようにしか見えない。
身体障がい以外にも知的障がい、発達障がい、 難病の人など、種々のハンデを持つ人が存在し、妻による介助が必要な高齢男性、小さな子供を連れた父親などもハンデを持っていますが、そうした人々の存在への配慮について、 どう思われていますでしょうか。

【回答】
交通局では高齢者・障がい者・体調不良者・妊婦・乳幼児連れのお客様など様々な方が安心してご利用いただけるよう全車両に優先席を設置するなどの対応を行っております。

<質問13>
貴局ではアンケートを取って本格導入するかどうか決めるとのことですが、アンケートを取った結果、どのような基準で本格導入の有無を判断するのでしょうか、「賛成反対がそれぞれ過半数を越えたら」なのか、もしくは他に基準があるのか、または特に基準はないのでしょうか。 また、アンケートはどのような形式で、どのような対象(人数・男女比・乗客のみか、それ以外も合めてか)に対して行うのでしょうか。

【回答】
利用者アンケートについては、11月に実施し、別紙のとおりの結果となっております。 なお、今回、女性専用車両の試験導入については、当初、令和2年(2020年)12月28日(月)までとしておりましたが、本格導入に向けてさらに多くの利用者のご意見を伺い検討を深める必要があると判断し、試験導入を令和3年(2021年)3月31日(水)まで延長することといたしました。
また、延長にあたっては、これまでいただいたご意見を踏まえて、より任意協力とわかりやすい「女性優先車両」に表現を改めます。加えて、女性優先車両の導入だけで迷惑行為を防止することは難しいため、車内カメラの搭載について、利用者に強く認識してもらえるようわかりやすい表示に改めるとともに、車内放送等を活用した防犯啓発にも取り組んでまいります。 なお、本格導入については、利用者アンケートにより半数以上の賛成が得られる事を一つの目安として、利用者の意見等を踏まえ総合的に判断することとしております。

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