当会会員の申入れにより、2012年4月より東京メトロの表記が改善されました。
以下、申し入れしたメンバーからの報告です。
東京メトロの「女性専用となります」というウソ表記が撤廃される!
「女性専用車両」に「誰でも自由に乗車できる」というのは、国土交通省、及び東京メトロ他各社局の一致した見解であり、客観的事実である。
ところが鉄道事業者の中には、「女性専用となります」という表記を公然と行うものも存在する。
「女性専用車両」は「女性がもっぱらに用いる車両」の意であり、男性は乗車できないとの誤解を招く可能性の高い、著しく不適切な名称ではあるが、鉄道事業者が固有名詞として名づけることが絶対に不可能であるとまでは言えない。(※下記)
一方「女性専用となります」という表記は固有名詞と解釈する余地はなく、女性以外の乗車が禁止されているというルールを伝達するものとしか読めない。
しかし、冒頭に述べた通り女性専用車両には一般男性も乗車できるのである。
したがって「女性専用となります」という表記は完全に事実に反するものであり、女性専用車両の性質を熟知した鉄道事業者がわざと表記している以上、「ウソ」と言わなければならない。
また、消費者基本法5条1項2号では「事業者の責務」として「消費者に対し必要な情報を明確かつ平易に提供すること」を要求している。
乗客にとって、どの車両に乗車できるのかが「必要な情報」であることは言うまでもない。
しかし「女性専用となります」という表記から伝わってくるのは、「女性以外は乗車できない」という事実に反する情報だけである。
東京メトロ(東京地下鉄株式会社)は、東西線や千代田線など女性専用車両導入路線の「電車内ステッカー」では「女性専用車となります」と表記しているが、駅のホームには「女性専用となります」という表記を行っていた。
これに対し当会会員の一人が、2012年1月下旬、2回にわたって東京メトロの駅事務室でこの「女性専用となります」というウソ表記の撤廃を申し入れた。
話を受けた東京メトロの某助役は本社担当部署に連絡、本社は約一週間検討した上で「女性専用となります」という表記の撤廃を決めた。
2012年4月、ついに東京メトロは「女性専用となります」から「女性専用車になります」と表記を改めた。
小さな一歩ではあるが、東京メトロという関東の大手がウソ表記を改めたのは、確かな一歩であると言えよう。
今後も私たちは、日本からこの「女性専用となります」というウソ表記を一掃すべく取り組んでいく。
(※)例えば、「ワンダ モーニングショット」(アサヒ飲料)という缶コーヒーは「朝専用」と謳っており、缶の下部にも「朝専用」と書かれているが、朝以外の時間帯に飲むことを禁止している訳ではなく、どの時間帯に飲むかはその人の自由である。
よって、ある意味では「不適切」な名称と言える。
このように、「朝専用」というのは一種の商標・固有名詞に過ぎず、それ以外の何物でもない。
単に「朝専用」という名の商品を販売することが可能、というだけである。
「女性専用車両」という名称の意味もまた、この「朝専用」缶コーヒーと同じようなものである。