※このページは「2021年11月 北海道:札幌市営地下鉄南北線 任意確認(非協力)乗車会」からの続きです。
2021年11月1日の朝、地下鉄南北線での乗車会のあとに東西線で大谷地にある交通局を直接訪問し、約45分ほど女性と子どもの安心車両について抗議してきました。
以下その報告です。
札幌市交通局を訪問
朝から地下鉄南北線で任意確認(非協力)乗車会を行った後、私達は地下鉄東西線に乗り換え、大谷地にある札幌市交通局の本局に向かった。
そして午前10時から交通局側と対談することとなった。
私達(当会側)は3名。そして交通局側も3名で対応。
うち2名がこちらの質問等に口頭で回答し、後の1名は「対談の内容を紙に書きとめる役」という形だった。
以下、当会の会員達と交通局側とのやり取りである。
交通局のサイトには「男性が乗車しても声掛けはしません」とあるが…
会員C:よろしくお願いします。
会員C:さっそくお伺いさせていただいてよろしいでしょうか?
交通局のサイトには「安心車両に男性が乗車しても任意によるものなので声掛けはしない」と記載しておられますが、現場の職員などにも声掛けなどはしないよう、指導はしておられるのでしょうか?
交通局A:乗務員には声掛けしないように(指導)しております。
会員C:実際に乗車すると、今でも時々声掛けがあるんですが、それについてはどうなんですか?
交通局A:駅員ですか?
会員C:乗務員(運転士)ですね
会員A:特に南北線だと安心車両が先頭車(※真駒内方面行きの場合)なんで、入る際についでに声かけしてくるパターンが結構ありますね。
会員C:一応任意ということになってて、サイトにも「声かけはしません」と書いてあるのに、声掛けがあるというのは「事実に反する」ということになるので、これは何とかしていただきたいですね。交通局さんの方では実態は把握しておられますか?
(しばらく沈黙)
会員A:交通局さんの乗務員とホーム上に立っている振興社の人間(※2)は別ということですか?
声掛けをするかしないかに関しては・・・振興社の人間は声掛けしてくるが、運転士はしないと・・・
交通局A:同じですね。
会員A:同じですか、声かけはしないということで・・・
交通局A:実際には知らずにホーム(の安心車両位置)に並ばれているお客様もいらっしゃるかもしれないので、その場合は案内させていただく場合はあるかもしれませんが、注意とか指導とか出来ないのは駅員も全員知ってますから・・・
注意とかでなく、「ここはこう言う車両になってまして・・・差し支えなければ」というようなことをやっているのは承知しておりますが・・・
会員A:(交通局さんは)そう思っておられると思うんですよ。
でも、現場だと「乗れないです」っていう人がいるんですよ。
振興社の人(駅員)が「乗れないからあっち行ってください」って。
8月に会員Aが南北線で乗車した時のこと
会員A:あと、さっぽろ駅で過去(2021年8月)に一度あったんですが、あそこは対面式と言うか島式ホ―ム(つまり真駒内行きも麻生行きも同じホームに発着する)なんですけど、そこで麻生行きに乗ったり真駒内行きに乗ったり(つまり、非協力乗車で南北線を行ったり来たり…会員Aは定期券で乗車)していると、駅員が「目的地に迷っているんじゃないかと思って声かけしました」って言いながら安心車両の声掛けをしてくるんですよ。言っている意味わかります?
「安心車両の案内」をしてくるから「なぜ声掛けしたのか?」と問えば、「目的地に迷っていると思って・・・」なんですよ。
迷っていると思うんなら「どちらに行かれますか?」と言えばいいのに(※3)。
会員A:恐らく交通局さんはこういう実態を把握しておられないと思うんですよね。
(しばらく沈黙)
交通局A:現場でこういった声掛けがあるのであれば、これはちょっと、言わなきゃいけない・・・
会員A:で、以前交通局さんにこの件(8月の件)電話したと思うんですけど、南北線のさっぽろ駅の男性のMさんという駅員の方なんですよ。恐らく、新卒でまだ経験ないんでしょうね。
私に「ここ安心車両ですので」と個別に声掛けしてきたから、なぜ声掛けしたのかと聞くと「全員に声掛けしている」と言うんですよ。
「交通局からの指示で個別じゃなくて不特定多数に声掛けする」と…。
「不特定多数に声掛けするというなら、並んでいる特定の個人に声掛けするんじゃなくて、その場にいる全員に声掛けしないとおかしいだろう」と言うと「それはやらない」と…そして声かけについては「交通局からの指示」だと繰り返すばかりで…。
交通局さんとしては不特定多数に声掛けすることを指示しているのか、個人を選んで声掛けすることを指示しているのか、どちらなんですか?
交通局A:そこは細かい指示は出ていないですね。
会員A:では声掛けをしろというわけですか?
交通局A:ご協力をお願いしている。
会員A:誰に対して?
交通局A:お客様に対して。
会員A:お客様全員に対してですか?
交通局A:男性のお客様に対して。
会員A:男性というのはどうやって判断されるんですか?
交通局A:それはその、現場で判断するしかないですね。
会員A:現場はそれは社会的に失礼な行為だと認識しているらしいです。
今まで私、何人もの駅員に聞いてきましたが、ほぼ全員「見た目で判断して声かけするのは失礼だ」と認めているんですよ。
そこは私達の見解と一致しているのですが、あなた方(交通局)はそういう、社会的に失礼な行為を推奨されるのですか?
交通局B:トランスジェンダーの方とか、そういう方々に対してということですか?
会員A:それも含めて、見た目だけで男性か女性かを判断して声掛けするのが失礼ではないかということです。
交通局B:それ(見た目判断での声かけ)自体が失礼だと・・・
車両の名称にも疑問
会員B:そもそも名前が「女性と子どもの安心車両」という名前じゃないですか。
これだと「それ以外は安心でなくてよい」とも捉えられるんですが、それはおかしくないですか?
会員C:女性と子どもだけではなく、誰しもが安心して乗れるのが本来ではないですか?
それに、もう一つ言うとあの名前だと…恐らくは「専用」という言葉を避けたのだとは思いますが、今の安心車両という名前も「男性がいないから安心」という風にとれます。
これは男性客に対してかなり失礼ではないですか?
これについてはどうお考えなんですか?
(しばらく沈黙)
交通局B:まあ、その男性一般…一番悪いのは痴漢とかを働く人で多くの方はそのようなことをしないのは我々も承知しております。
この取り組みをもって男性全般が悪者であるということには一切なっておりませんから。
会員C:交通局さんの見解はともかく、世間にそう思っていただけるかどうかはまた別だと思いますが。
会員A:対象は男性全体じゃないですか。男性全体を締め出すような運用だったり案内をしているじゃないですか?
交通局B:あの…出来ませんので、痴漢だけを排除する…
会員A:だったらするべきではないんじゃないですか?
会員C:それに、痴漢対策と言ってもそういう車両を設置するだけが対策じゃないはずですよ。
実際に監視カメラで大きく痴漢件数が大きく減った路線もありますし、専用車、こちらでは安心車両ですが、なぜそれを任意協力にしているかと言えば、憲法などの絡みから本当に強制は出来ないからそうしているわけでしょう?
こういうことは本来、公共交通機関でやるべきことではないのでは?
他に方法があるのだから何もこんなことをわざわざしなくても、と言いたいですが…
安心車両(女性専用車両)は今の時代にそぐわない?
会員B:見た目で声かけするというのは失礼だと思うんですよ。
体は男性でも心は女性という方もいらっしゃいますし、そういう人が(見た目男性だからと)声をかけられたら傷つくと思います。
そもそもあれだけでかでかと(安心車両の)案内を貼っていたら、誰でも気づくと思うんですよ。
あれだけ案内出していて間違えて乗るというのもないと思いますが・・・
会員C:そもそも痴漢対策と言っても、こういう方策を取ること自体方向性が違うんではないですか?
(しばらく沈黙)
交通局B:被害者と言いますか、女性の立場で考えた場合、過去に被害にあったトラウマであったり、それで男性嫌いになっちゃったりとか、怖いとかそう言う人はこの車両があることでそれを避けることが出来るというのは事実だと・・・(※4)
会員A:公共の場でやる必要あるんですか?電車は公共の場ですよね?
男性が存在するのも当然じゃないですか?わざわざそこでやる必要あるんですか?
男性が存在して当たり前の場所にわざわざ自分から出てきているわけですよ。
それで男性が怖いというのは通らないんじゃないですか?
男性も誰だって望んで今の性別に生まれたわけではないですよ。
そういう生まれつきの属性を理由に公共の場から排除しようとするというのは違うんじゃないですかね?
(しばらく沈黙)
交通局B:これは、いただいたご意見として・・・
会員B:男性が女性になりたい、あるいは女性が男性になりたいといってもなれないじゃないですか。
会員C:本人の努力でどうすることも出来ない生まれつきの属性で扱いに差をつけるようなことには本来慎重でなければならない。
まして公共交通機関ですからなおさらだと思いますが、こういう車両をもう10何年も続けていらっしゃる…なぜなんですか
交通局B:2007年…
会員C:はい。
会員A:2007年と今だったら当然(世間の)考え方も全く別ですよね。
交通局B:トランスジェンダーというのが・・・まあ、この15年くらいで社会の考え方も変わって来ていると思いますから、あの、まあ見直すきっかけに今後なっていくのか、それはちょっと今すぐ結論は出ないんですけど、もし痴漢対策を今後、札幌市交通局としてしていくことがあればですね、こういう性的な配慮っていうのは当時、15年前よりはですね、また少し違った側面も見ながら考えていく必要があるのかなというのは、感じたことはありますね。
あまり男・女と言うのを前面に出してやってしまうというのは確かに時代としては違うのかな、というのは感じていますね。
会員A:現状の案内はそうですよね。男性が、女性が、とよく仰ってますよね。
交通局B:まあ15年前の取り組みを、ひとまずは継続はしています。
会員C:何か、ずっと継続しなければならない理由でもあるんですか?
会員A:公明党さんおっかないですか?やっぱり。そんなことないですか?
(しばらく沈黙)
交通局B:「無くせ」という声を強くいただくことは、そんなにはないですね。
まあ我々もいろいろな苦情をいただきますけども、逆に東豊線は編成が少ない(※5)ので安心車両がございませんけど、高校生とかこういう若い人が多いので、たまに「東西線・南北線と同じように安心車両をつけてほしい」と言うのをいただくんですけど、そっちのほうがお声としては多いですね。
交通局B:ただやはりそれを導入することで、その代わりに不便になる部分、それは男性の方が残り3両を選ばざるを得なくなるという制限も出ますから、それはちゃんと見極めて勘案しなければならないということで、すぐに導入するという話にはならないですね。
会員C:先ほども申し上げましたが、何も痴漢対策と言えば専用車(安心車両)だけではない、他にもいろいろあるんですから、そういうところで「きちんと痴漢対策しています」というアピールは出来ないんですか?
監視カメラはもちろんですが、それだけじゃなくて例えば警備員を増やすとか、どうしても乗車するのが怖いという方には私服警官の付き添い乗車とか、何なりと方法はあると思うんですけどね。
女性は「交通弱者」として「最優先」なのか?
会員C:交通弱者と言われる人々がいますが、痴漢被害者だけでなく、足腰の弱った高齢者なども交通弱者と思います。
女性と子どもの安心車両などと言っていますが、これに足腰の弱った高齢の男性なども含めて、交通弱者のための車両にするとかできないんですか?
さらにその車両については他よりも警備を重点的にするとかすれば、男だから乗るなとか…実際には任意協力といいつつ、事実上排除みたいな感じになっていますが、そう言うのは避けられるんじゃないですか?
交通局B:車いすスぺースという、車椅子・ベビーカー用のそういう方のために空けていただく場所を設けています。全部の車両ではないんですが。
会員A:東豊線だけじゃないですか?南北線ついてますか?
交通局B:全線についてます。あとは専用席(※6)とか、そういう困難を抱えている人たちのためのスペースというのは今もあるんですが…
会員C:身体障がい者については「介護者も含め(安心車両に)ご乗車いただけます」とは案内されていますが、高齢男性については少なくとも安心車両の案内の上では完全に「蚊帳の外」ですよね。
会員A:それになぜ英語表記示が、「Women only」なんですか?
なぜonlyという表現を使うんですか?・・・限定句ですけども。
会員B:結局それは「専用」ということを意識しているってことですか?
会員C:あれを見る限り、任意だという解釈は出来ないですね。
会員A:なぜこの表記を採用するに至ったんですか?
交通局B:導入当時の…決定の経緯は記録していないんですけど、まあ、あくまで制度上何かに基づいた、強制力のあるものじゃないというのは、かねがねこちらも存じておりますが、一方でメッセージとしてお客様に伝えなければならない、しっかり表示しないと何のためのものかわからなくなると思いますから、そういう意味では主旨がわかるようにある程度明確な意味合いをもって出すしかない。
男性も乗っていいですよということも併せて書いてあると、使う側からすれば「何なの?」と思いますから。
会員A:私達とあなた方(交通局)って、運用者と客の関係ですから、鉄道約款に基づいて契約するわけで、言ってしまえばそれ以外は「知ったことじゃない」ではないですか。
私達が運賃払って地下鉄に乗りますよ、そして交通局は乗っけて運びますよと。
それ以上でもそれ以下の関係でもないわけじゃないですか。そういうものですよね。
安心車両に法的根拠があるなら、それに基づいて運用するのは結構ですが、現状はそうじゃないですよね?
交通局B:お客様には同一料金をお支払いいただいている中で、男性のお客様には任意のお願いでご協力をいただいているというものでしかないので、少しご不便をおかけしてしまっていますが、申し訳ないということで…
任意と言いつつ実態は・・・
会員A:「任意のご協力」でどつかれたりとか、犯罪者扱いされたりとか「あっち行け」なんて言われなければならないんですかね?
交通局B:そこの言い方がちょっと我々も気になっているところでもあるので、ここは適切な形でご案内を…まあ今冒頭に私が申し上げた言い方・ニュアンスってものが本当のところなので、そこを間違えてしまうと不快に思うお客様がいらっしゃるのも当然かと思いますので、ここは現場のほうに伝えなければいけないと…
会員A:駅に交通局の人います?基本的に振興社の人間ですよね。だから振興社に言ってもどうしようもないんですよ。言ってしまえば業務委託じゃないですか。
だから交通局さんはこうやって(現場に伝えなければと)仰ってますけど、現場は全然なんですよ、実態としては。
(交通局さんを)呼んでいいですか?現場へ。そういうことがあれば…
たまにですけど、乗ろうとすると声掛けする人いるんですよ。こういうことがあったら(交通局の方を)呼んでいいですか?
今まで、僕4年間(地下鉄に)乗車してますけど、改善してないんですよ。4年前と。
そして振興社に言ってもどうしようもないなと分かったんで、交通局の方をお呼びしていいですか?大谷地から…
それを要望していいですか?
(しばらく沈黙)
会員A:有形力の行使って強制じゃないですか。言葉で言うだけならまだしもですよ。
実際に有形力行使されたこともあるんですよ。呼んでいいですか?
交通局B:いえ、あの呼ぶというよりは、事実を確認して注意指導…
会員A:その結果が現在ですよ。4年経ってます。変わってないです。
交通局A:実際にこう…体を使って止められるということですね。
会員B:それって、イジメですよね。
会員C:いじめと言うより、下手したら暴行罪ですよ。これ。
会員A:110番していいですか?
交通局A:今は時代も変わっているので、声掛けとか、そういったことのないよう周知しまして…
会員B:こういうことをするのはイジメじゃないですか?
会員C:特定の属性を持ってそういうこと(乗れなくする・乗りにくくする)をするのは良くないと思います。
会員A:さっきも仰ってましたけど、男性も実は乗れるとは書いてないですもんね。ポスターとか駅で見るもの…
たまに駅のポスターに「男性のご協力によって」云々と書いていることがありますが、基本的には列車表示のやつ(車体・車内のステッカーなど)には書いてないじゃないですか。それを信じる乗客もいっぱいいるわけですよ。
それを盲信して、男性は乗車禁止なんだと思いこんで、変な正義感を発揮して声かけしたりだとか…乗客なんで向こうも。
あなた方のような事業者ではないので普通に有形力とかも行使したりするんですよ。
「乗れないから出ていけ」とか、変態とか、犯罪者とか言うわけですよ。
表記にも問題があるんじゃないですか?
交通局B:ああ、お客様が…
会員A:女性客が私とかを見かけたら、そうやってやってくるんですよ。
交通局B:ああ…専用っていう風に思ってらっしゃる方もいらっしゃる。
会員A:そこは交通局さんの周知不足ですよね。
こういう表記をしているんだから乗客が勘違いするのもしょうがないですよね。
会員B:日本国憲法14条1項、法の下の平等…
それで(男性は)乗れないみたいな言い方するのはおかしいですよね。
会員C:ポスターやステッカーも車内や駅構内にたくさん貼っていますが、イラスト付きで「以下の方にご乗車いただけます。女性・子供・障がい者とその介護者」って書いてありますけど、知らない人が見れば「これ以外、乗ってはいけない」と思うと思うんですね。
そこのあたりも誤解を招かないようにできないものかと。
会員B:乗れないと思わせるようにしようという意図があるんですか?
会員C:騙す意図がなくても結果的に騙してますよね。
会員A:ヤクザと一緒じゃないですか。
乗れるといってないけど、乗れないとも言ってねえよって、汚くないですか?
会員C:これ札幌に限らず、全国的にそうなんですが、何か男性が乗ってはいけないような雰囲気を出しておきながら、もし問題になったら「これは任意協力で強制はしていませんので」となるんですよね…
交通局A:痴漢抑止という明確な主旨はある取り組みですから、男性が自由に乗れるとなれば効果が下がってしまうし、元も子もない。
一方、法的な根拠に基づいていないのでそこは難しいかなと、制度としては曖昧なものになってしまっているんですが・
まあ、なんというか、誤ったものではないと。
会員C:本当に痴漢対策なんですか?
会員A:なぜ(”協力”するのが)男性だけなんですか?
交通局B:一般的に性犯罪と言うのは、たいてい男性から女性であって、逆は少ないですよね。
正確な数字は持ち合わせておりませんが・・・
会員A:男性がよく性犯罪するからですか?犯罪者の割合としては、という話ですか?
交通局B:そうですね。
会員A:では、黒人のほうが犯罪の加害者になることが多いから(排除してよい)という話になるじゃないですか。
「黒人と白人ではどちらが犯罪を起こすか?」という統計あるんですけど。
交通局B:肌の色と性別では…
会員B:一緒ですよ。
会員C:どちらも生まれ持った(本人の意思や努力では変えられない)「属性」です。
会員A:だから、黒人のほうが加害者になる割合が多いから白人専用車両を設けますというのも通るんですよ。交通局さんの理論だと。
そういうことでよろしいですか?
交通局B:性別というよりは、性犯罪・痴漢問題というのが存在するというのがありますから。
後から性別というのが来ているというだけであって…
女性であるために痴漢に遭いやすいということは、女性からしたら避けられない、生まれ持った社会的な状況というのがありますから。
会員A:それは女性全体が弱者と言いたいんですか?
交通局B:個人差はあると思います。
しかし性犯罪に遭われた方が地下鉄に乗りづらいと言うのは間違いなくあると思いますので。何かしらする必要はあるだろうと…それは先ほど「安心車両以外での形で」というご意見もいただいたので、それ以外にもいろいろと事業者として考えていく責務はあるだろうと。
被害に遭われた方がなるべくこう…
快適にというか地下鉄を使いやすくするための取り組みだと考えています。
本当に「痴漢対策」か?
会員C:ここまでいろいろ話してきましたが、LGBTとか差別とか非常にデリケートな問題を含んでいるものであるにもかかわらず、なぜ他の施策ではなく安心車両(女性専用車両)をあえてやるのか、そしてもう一つ言いたいんですけどこれ、本当に痴漢対策なんですか??
正直疑問なんですけど。
会員A:痴漢する人間は人ごみに紛れてやろうとすると思うんですが、安心車両から流れた男性で混雑した他の車両でドサクサに紛れてやることになると思います。そうしたら他の車両の女性が守られない。
会員C:結局、痴漢する人間は「安心車両があっても何も困らない」ということではありませんか?
(しばらく沈黙)
会員C:私達だって、痴漢対策をすることそのものには反対しませんが、安心車両は本当にそのためのものなんですかと。
2007年頃の札幌市議会の議事録などでも、公明党が強く働きかけていますし、本当は別の目的じゃないかと…
何度も言うように痴漢対策自体には反対しませんが、こういう車両を設けるのは違うんじゃないの?というのが私達の言いたいところです。
交通局A:今すぐここで答えは出ないので・・・
声掛けはしないと改めて約束してもらいたいのだが・・・
会員A:一番最初のほうで「声掛けはしない」と仰ったではないですか。
このことを明言された書類を送っていただくことは出来ます?
書類にまとめて送っていただきたいんですよ。
「交通局としては声かけはしません」ということで。
交通局A:過去のものではなく、現在の日付けで…
会員A:10何年前の書類を持ってても…と言うか持ってますが。
交通局B:昨年、情報公開請求されました?
会員A:はい、それ僕がしました。
それだと15年前のものじゃないですか。
現在の交通局のスタンスを私から質問させていただくので、その回答を郵送していただくことは出来ないですか?
交通局B:「今でもスタンスは変わってませんよ」と今ここで改めて確認することで良くありませんか?
事実変わってないんですよ。ずっと同じですよ。
会員A:でも現状そうじゃないじゃないですか。
一時期私、駅員とかにそういうものを見せたりしてたんですよ。
でも「10年以上前のものなので…」とか言うんですよ。
なので2021年付の…もう22年になりますけど、その日付けで書いたものを送ってほしいんですよ。
振興社の人間(駅員)もそうですし、運転士もそうですが、私に声掛けしてきたときに書類見せて「あなたそれ違うんじゃないの?」と言うんですけど、「10年以上前なんで、今と状況違いますよ」という人がいるんですよ。
交通局A:交通局と振興社の認識のずれが現場レベルであるかもしれない。
交通局B:我々(交通局)の考えているのは変わっていません。
会員A:それは結構なんですけど、現場ではそういう言い分をする人間もいるので…
私としては現在の書類が欲しいので検討してください。
(しばらく沈黙)
会員Aが交通局に最新の日付での書類を求めているところだったが、沈黙しているうちに終了時刻になってしまう。
会員C:あの…そろそろ時間なので、よろしいですか?
本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
まとめ
結局、会員Aが改めて最新の日付で「声掛けはしない」旨の書類を求めても交通局側は応じようとしなかった。
交通局サイトにも「男性が乗車していても任意のご協力によるものなので声掛けはしません」と記載されているのだから、何も改めて書類を出すことを拒否する理由はないはずである。
まさかとは思うが、交通局も『任意協力なので声掛けをしません』を「過去のお話」にしてしまう気なのだろうか。
このページをご覧の方ならすでにご存知の方も多いと思うが、女性専用車両(安心車両)は本当に男性禁止にすると差別だとして憲法云々にもなりかねない代物である。
だからこそ「任意協力で男性の乗車を禁止するものではない」ということにして、罷り通らせているのだ。
しかも「本当に痴漢対策なのか?(痴漢対策は「建前」ではないのか?)」とこちらが疑問を呈すると「ここでは答えは出ませんので…」と逃げるだけ。
まるでこちらが諦めるのを待っているかのようだ。
これに対抗するためには「任意協力と言いつつ、事実上強制」というようなやり方を許さないよう、この先も男性が実際に乗車していくしかない。
しかし実際に敢えて女性専用車両(安心車両)に乗車する男性は、まだまだ数が少ないのが現状である。
札幌かその近辺に在住の方で普段からこの車両に疑問を抱いている方は入会申込フォームより是非お願いしたい。