2009年8月 西鉄福岡駅での抗議活動の報告

活動履歴

当会では、去る8月8日に福岡において、「福岡集会」を開催いたしましたが、その中で西鉄福岡駅において、女性専用車両についての抗議を行いましたので報告いたします。

以下、その報告です。


まずは西鉄福岡駅の案内窓口へ・・・

会員:すみません。お忙しいところ恐れ入ります。
女性専用車両のことについてお伺いしたいのですが、西鉄さんは女性専用車両の位置づけをどう考えておられるんでしょうか?

窓口の女性:位置づけ? ・・・位置づけ??
義務でやっているか、ということですか?

・・・どのような経緯でやることになったとか??
(↑どうもこちらの質問の意味が良くつかめなかったようである。)

会員:まあ、導入の経緯も聞きたいのですが、まず、乗客がきっぷ・定期を買った時点で西鉄との運送契約が成立したということになると思うんですが、その契約上の義務の1つとして「男性は専用車に乗らないこと」ということになっているのでしょうか?

それとも「出来れば乗らないで欲しいが、義務ではなく、あくまで任意」ということなのか?

ということなんですが・・・

窓口の女性:分かりました。ちょっとお持ち下さい。(と言って、奥の事務所に下がっていく)

このあとしばらくして奥の事務所から助役が対応に現れたのですが、窓口の女性が奥の事務所に行ってから助役が出てくるまで、結構時間がかかっていました。

恐らく、西鉄は今まで女性専用車両についての抗議を受けたことがほとんどなかったものと思われます。

そのため、どのように応対したらよいのか分からず、躊躇しているようにも思えました。

西鉄福岡駅の助役登場

西鉄福岡駅・M助役(以下、助役):こんにちは。

会員:お忙しいところ恐れ入ります。お時間とって申し訳ありません。

助役:いえいえ、私は福岡駅の助役の●●と申します。
女性専用車の件ということなんですが、その部分の設定とか、そういう話になると本社の旅客サービス係というのがございまして、そちらに聞かれた方が良いと思います。

会員:各現場の駅では分からないということですか?

助役:設定しているのは西鉄(本社)になりますので・・・

会員:それを実際に運用していくのは現場の駅員なり乗務員なりということになりますね。
ですから質問に対しては本社の方に聞いてくれということで良いと思うのですが、各駅の職員さん達がきっちりと「専用車の定義づけはどうなっているのか」、「男性客が乗車した場合どう対応するのか」が、共通理解になっていなければ・・・

助役:女性専用車に男性が乗車しようとしている場合は注意いたします。

会員:それはどういう風に?声かけだけですか?他社では身体をつかまれたという事例もあるようなんですが、西鉄さんではそういうことはないですか?

助役:まあ、身体をつかんだりしますと、暴力とかになりかねませんからね。でもお客様のモラルという部分で・・・

会員:今、モラルと仰いましたが、他社では導入理由を「痴漢防止」「女性に安心して乗っていただくため」としており、西鉄さんも恐らく同じようなことを理由にされているのではないかと思いますが、女性にも犯罪者はいるので、女性だけなら絶対安全とはいえないと思います。
男性の一部が悪いことをするかもしれないといって、善良な男性まで一律に排除するというのは人権問題ではないかと・・・

助役:女性専用があって男性専用が無いという声かもしれませんが・・・

会員:男女別になっても、エレベータ前が男性専用車になったら、おばあさんなどがそこに乗れないという問題も生じますので、混雑緩和していって車内犯罪を起きにくくするのが本来ではないかと。
失礼ですが、ダイヤ見せてもらったら、まだ余裕があると思うんですが・・・費用はかかるでしょうけれども。

助役:まあ、そのあたりのダイヤの運用関係となりますと、営業と運転の方とございますので、ダイヤ改正等を行う時に(本社で)種々検討しておると思うんですが、そのあたり含めて本社の方に投げかけていただければと思いますけれども、現場では「こういう経緯でこうした」とかの詳しい部分はお答え出来かねますので・・・

現場での共通認識は出来ているのか?

会員:先ほども申し上げましたが、現場に共通認識が出来ていなければ、駅によって、職員によって対応が違うということが起きてくると思うのですが・・・

助役:いえ、ですから平日の大牟田発の何時何分から最後部1両が女性専用という・・・

会員:そういうことではなく、例えば先ほど申し上げた、「運送契約上の義務として設定されているのか、任意協力なのか・・・」ということとかですが・・・
また、先ほど、マナー(モラル)ということをおっしゃいましたが、専用車両に協力するのがマナーだとは私達は考えていません。

助役:マナーというよりもまあ、ご協力ですよね・・・

会員:約款・法律に基づくものであるのかどうか、各現場で答えられないというのは、共通理解が出来てないということですかね?

助役:まあ私共はですね、営業列車の最後部1両が女性専用であるということで、やっておりますので、そのあたりの現場周知は徹底できておりますよ・・・

会員:では、それに乗ろうとした男性がいた場合に、法律に触れるのかどうかという共通理解は出来ているんですか?

助役:そこまでは出来ていないと思いますが・・・

会員:して頂かないと困りますね。

女性専用車は任意?強制? 西鉄の見解は?

会員:私どもの方で国土交通省の方に問い合わせをしたんですよ。
で、こういった回答をもらっているんですよね(と言って、「女性専用車は任意協力である」という、国土交通省からの回答文を見せる)あくまでも任意協力で、法的根拠はなく、性差別になりますから強制は出来ないということで・・・現場の方は、こういった認識はされているんですか?

助役:注意はしますね。ここは女性専用ですよと。でも強制的に降ろしたりはしないと思います。

会員:「注意」というと、何か悪いことをしている人を注意しているかのように聞こえますが・・・優先席と一緒(任意協力)ですよね?そこに若い健常者の人が座っても注意しますか?

助役:まあ身体の不自由な方とかが立っておられる場合には、「代わっていただけませんか」と・・・これもご協力なんですよ。

会員:女性専用車も「ご協力」とお考えですか?

助役:本省がこのような回答を出しているのであれば、うちもそれにならって行かないといけないですね。

会員:女性専用という名称はおかしいと思いませんか?「専用」と言うことは一般の人から見ると、「男性は乗ってはいけない」と思うと思いますが、実際には任意協力です。
「女性優先」ならまだ分からなくはないですが・・・

男性の障がい者の専用車への乗車について

会員:あと、もう一点なんですが、男性の障がい者が乗る場合は「介護者が女性である場合のみ乗車できる」とありますが、これは「女性の見張りが無ければ障がい者の男性が何か悪いことをするかも」という前提があるんですか?

助役:「障がい者と介護者が乗車される場合」というのは、「障がい者お1人では乗車できかねる場合もあるであろう」という部分からなんですよ・・・

会員:介護者だったら男性でもいいのですよね?

助役:男性でもよろしいですよ。障がい者の介護者というのは・・・

会員:でもホームとかには「障がい者・介護者のどちらかが女性の場合、乗車可能」という表記があるんですよね?

助役:ああ、いや、で、ですから・・・
(↑ちょっとあわてた様子。)

会員:「両方男性ではだめ」という事を言っているんですよね?
ということは、障がい者も介護者も男性の場合、そういう人達が改札に近いところを利用しようとしても遠回りしなければならない・・・

助役:女性専用車として設定しておりますので、そこはご協力を・・・

会員:そういう言い方をするなら、「障がい者男性と女性の介護者の場合」でも移動をお願いしなければならないはずですよね?

会員:障がい者の男性より健常者女性を優遇しているということですよね?要は。

会員:そうですね。障がい者の方でも、自分で移動するのが困難な人ですと一両分移動するだけでもかなり負担になると思いますが、そのあたりを置いておいて、健常者女性を障がい者男性よりも優先しているのはおかしいと思いますが。

助役:駅の作りとしましてですね、まあ、中央から降りていく・・・

会員:そうとは限らないですよ。

助役:作りで種類がありますね。入口の関係とかですね・・・

会員:例えば、大牟田の駅でしたら一番向こう側(福岡駅から見て終点側。福岡行き列車の最後尾側)にしか出入り口がないですね。
ということは、女性専用車両がちょうど改札口の位置に来るということですから、障がい者の男性は(女性の介護者がいなければ)イヤでも1両分余計に歩かなければならないですね。

助役:ですね。

男性の障がい者の乗車以外の問題点

会員:それから、健常者の男性でも女性専用車を避けようとして駆け込み乗車することも考えられます。
それで他の乗客と衝突するということも、実際に他社では発生しているんですよね。
それとか駆け込み乗車でドアに挟まれたりとか、いろいろ危険なことも起こっていると思うんですよ。
しかし根本的には、善良な男性まで男性だからということで一緒に排除してしまうのは、人権上の観点からも許されないのでは?

助役:そのあたりの話はですね、私も現場の助役ですから、そのあたりの話になりますと・・・

会員:では現場としては、女性専用車に私(男性)が乗ったら、止められるわけですか?

助役:注意はします。

会員:軽く言って、それでももし「協力したくない」ということであれば、そのまま乗れるわけですか?助役:実力行使は出来ないですよ。

会員:では、西鉄では一応乗れるわけですね?

助役:いや、それは私の口からは言えないですよ。ご協力をお願いしたいと・・・

会員:優先席と一緒ということですか?そういう扱いでいいんですか?

助役:うちの今の・・・女性専用車にしている部分では男性の方はご遠慮いただきたいと・・・

会員:会社によっては、「お願いだ」と言いながら(男性客が)降りるまで、電車を発車させないというところもあるようなんですが、西鉄ではそういうことをなさる場合はありますか?

助役:それはないでしょう・・・これは運転のほうにお尋ねいただくか、それか旅客サービス係というのがありますが、そちらのほうにですね・・・
今日は土曜日で居ないと思いますが、平日の9時30分から18時20分が営業時間になっていますので、そちらに聞いていただいたほうが明確なお答えが出来ると思いますけど・・・

会員:あと、女性を専用車に誘導したりとか、女性が他の車両に乗ろうとしたら、なるべく専用車をご利用くださいと言ったりとかはされるんですか?

助役:それはないですね

会員:今見てますと、全国的に導入しているところはどこでもそうなんですけど、「男子禁制車両」になってて、男性がそこに乗るなというのは非常にうるさく言われるんですけど、「女性は一般車に乗らずに、出来る限り女性専用車両に乗ってください」という案内をしている会社は無いんですね。
それから高齢者の男性について乗車可能と言っている会社もないんですね。
助役さんというお立場では、そういう会社全体の制度をどうすることも出来ないとは思いますけど、そのあたりやはり非常に不条理だと思います。

助役:はい

会員:本気で(痴漢等の)被害をなくそうとしているとは思えないんですよね。
何か国交省から言われたからやっている・・・みたいな。

会員:あ、そうそう、西鉄さんの専用車の案内が(国交省の)九州運輸局になぜかあったんですよね。
(西鉄での)導入時期が確か2003年なんですが、その時期は(関西の)南海とか阪神にも導入が拡大した時期でして、関東はまだ京王とかほんの一部しかやっておりませんでした。
専用車の拡大にはちょっとした流れがあることは事実でして、2002年頃から関西から始まりまして、その中で名古屋やここの西鉄さんも巻き込んだという流れはあったみたいです。

そして今度は東京でもやろうみたいな感じで、・・・実はある政党が絡んでいるんですが、国土交通大臣がその「ある政党」の人間になったときの2005年に、関東の方でも導入がされまして、いたるところで拡大されて今日に至ります。
国策が絡んでいることはほぼ間違いないですが、そのあたりはご存じなかったですか?

助役:いや、私は知らなかったです。

会員:そのあたりですね、導入した西鉄のトップの方が何をお考えだったのかはわかりません。
どういう経緯で決まったのかは・・・西鉄単独で決められたのか、それともウラで何かあったのか・・・

会員:女性専用車が任意であるということが周知されていないから、関東では特にそうなんですが、専用車に男性が乗ると女性客のほうから文句を言ってきてトラブルになってしまうんですよね。

会員:女性客の中に特権意識のある人がいますね。

会員:女性どうしでも年配の女性が女性専用車に乗ると、「あなたみたいな人が痴漢にあうの?」みたいな冷たい目で見られると、だからと言って一般車に行くと、男性から「それでなくても混んでいるのだから、女性は専用車に行け」みたいな冷たい目で見られるということで、女性同士でも揉め事というか気まずい思いをすることが起こっているんですね。
これは、関東に住んでいる私の知り合いの女性が実体験として言っていたことなんですけども、女性専用車を設ければ全て女性が安心快適になるかといえばそうではないということも是非知っていただきたい。

会員:結局女性も鉄道会社も、専用車に協力する男性に対して「親切な協力者」という考えがないんですよ。
「協力して当然、しなければとんでもない奴」なんですよね。

会員:(車内アナウンスで、男性客に協力の)お礼は言うんですか?
助役:あの、申し訳ないんですけど、私どもの方では分かりかねますんで・・・

会員:ここの駅で放送しているかどうかも分からないですか?

助役:ホームではしてないですね。

会員:理由はあるんですか?

助役:理由は無いですね。朝の案内放送というのは基本的にあまりしていないんですよ。
列車遅れのダイヤ乱れの部分で案内しますけど、案内放送の簡易化とかですね・・・

会員:会社としては男性客に負担をかけているというのは認識しておられますか?

助役:ご協力いただいておりますから、(申し訳ないと)思っておりますよ。

会員:それを表には出さないと?

助役:出さないというかですね・・・

会員:そしたら(専用車乗車の男性に)「注意」なんて言い方は出来ないと思いますよ。

助役:お願いですね。

会員:女性専用車両が出来てまだ10年そこそこ(かつての婦人子供専用車とは別)経たないくらいなんですが、小さな子供達が女性専用車両を見て今、育ちつつあるわけです。

そうすると、男=悪だと刷り込まれていくわけです。

これは事実かどうか分かりませんが、小さな女の子が父親に「お父さんも痴漢するの?」と聞いたと・・・実際その「男=悪」を刷り込まれた女の子たちが大人になって社会を担うようになった時どういう社会になるのか?

あるいは、男=悪と刷り込まれた男の子達がどういう劣等感を持ってしまうのかと考えると凄く恐ろしいことだと思います。

・・・このような感じで約50分間にわたり、この他にもいろいろな話をさせていただきました。

最後は私達の方からM助役に「長時間真摯に話を聞いていただいてありがとうございました。」と礼を述べ、窓口を後にしました。

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