2025年10月4日に大阪環状線ゆめ咲線等を走る、臨時快速エキスポライナーと大阪環状線で非協力乗車を行いました。
エキスポライナーについては大阪・関西万博(以下、「万博」)が終了する10月13日までの運行ということで、当会としてはこれが乗り納めになりました。
臨時快速エキスポライナー(JRおおさか東線・JRゆめ咲線経由) 新大阪→桜島
今回は10:30にJR新大阪駅の東改札口(在来線改札口)付近に集合。
今回は以下のルートで乗車した。
- 新大阪→桜島
- 桜島→西九条
- 西九条→(弁天町・天王寺・鶴橋経由)→大阪


まず最初に乗車するのは新大阪駅10:45発の臨時快速エキスポライナー桜島行きである。
列車が発車する10分くらい前に新大阪駅2番ホームに到着し、女性専用車位置で並んでいると夫婦と思しき男女が現れ、男性が「ここ女性専用車やで」、女性が「男性は乗られへんやろか?」という会話をしていたので会員Aが「どんな男性も乗れますよ」と伝えると納得したような様子だった。
ホームでは駅員が2回程度「この電車の4号車は終日女性専用車です。ご理解とご協力をお願いします」と案内していたものの、多くの女性客らの中に計10人程度の男性客(恐らくほとんどが日本人)が並びながらそのまま女性専用車に入っていき、そのまま着席した。


しかし駅員の案内では私達のように任意だと承知の上で敢えて乗車している人間ならともかく、そうでない人間はやはり「専用」という文言に騙されて、任意協力なのに強制と勘違いしてしまう可能性もあるだろう。
それで会員Bが駅員に抗議すると、
駅員は「ウソじゃないですし男性は乗るな!とは言ってないですよ」「女性専用車と書かれているからそう案内しただけです」と返答。

女性専用車と書かれている時点で「本当は任意協力」という事実にほぼ反するのだが、それでも何とか無理に解釈すれば【女性専用車という名前なだけで実は専用(強制)ではない】という見方も出来なくはない。
少なくとも「女性専用となっております(「女性専用」の後ろに「車」や「車両」をつけない。つまり「女性専用車という名前なだけ」という解釈が不可能)」と案内する事業者(名古屋市営地下鉄など)よりはマシであるとはいえ、やはり大抵の乗客は「男性は乗車禁止」だと思ってしまいかねない。
それでさらに抗議したところ、最後にはその駅員が会員Bに対して「うるさいな!」と発言。
これは接客する立場の者としては正直どうなのか。(後日、会員Bがその駅員による暴言についてJR西日本お客様センターに抗議したところ、オペレーターからの謝罪があった)
ちなみに車内では女性客からの声かけは全くなく、周囲の女性客グループや家族連れらしき男女も何気ない会話を続けているような状態であった。
また、すでに乗車していた男性客も放送を聞いて降りようとする様子はなく、これは「本当は任意協力」という認識が広まっているからなのか、あるいは遠方から来た人で「女性専用車は平日の朝だけ」と思っている人(乗車会当日は土曜日。土休日まで終日女性専用車をやっているのは関西だけ)なのか、どちらにしてもその点は私達にとっては良かった。
とはいえ、ホームを歩いていた一部の男性客や男女連れなどは女性専用車を避けており、中にはホームを走る人までいた。以前から言っているが、そうした「駆け込み乗車を誘発する」という意味でも安全性には疑問を感じるところである。
やがて発車時刻になり、女性専用車には私達以外にも10人程度の男性客が乗った状態で発車。車内は座席が埋まり、立ち客もそこそこいる程度の乗車率だった。
発車後に鉄橋で淀川を渡り、大阪駅(地上ホーム)に向かうJR京都線と分かれて、こちらは地下に潜り、次のJR大阪駅うめきたホーム(地下ホーム)に到着。ここからは1組の外国人の家族連れと見られる成人男女と男児らが乗車。

再び地上に上がり、大阪環状線と併走しながら西九条駅付近でゆめ咲線に入り、安治川口駅を通過。
次に停車したユニバーサルシティ駅では、全体の半分程度の乗客が降りていった。恐らくそのほとんどがこの駅最寄りのUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に行く人々だろう。
今年4月のエキスポライナー設定直後から当会も何度か非協力乗車をしているが、毎回、終点の桜島駅まで行く乗客よりも、手前のユニバーサルシティ駅で降りる人の方が多い。
エキスポライナーと言いつつ、実態は「USJライナー」になっているような気もする。
関西万博は2025年の10月13日で終了することになっているが、それ以後はエキスポライナーの設定は無くなり、万博以前のダイヤに戻る。しかし万博が終わってもUSJへ向かう人々の需要はありそうな気がする。
しかし、どちらにしても万博やUSJに向かう家族連れや友人・恋人同士の男性が車内で痴漢行為などを働くとは考えにくく、日中のゆめ咲線の列車への女性専用車の設定は正直、「痴漢対策」としてみるならばかなり疑問である。
とはいえ、2011年に女性専用車を毎日・終日に拡大した際に
『これからは「いつでも女性専用車」』
『毎日、終日運行しているからいつでも乗れる』
『行きも帰りも女性専用車。もう私の習慣です』
などと宣伝していたJR西日本のことである。痴漢対策は「世間がそう思っているだけ」で、実際には「表向き痴漢対策ということになっている、女性向け客寄せサービス」ということなのだろう。



多くの乗客を降ろしてすっかり空いた状態でユニバーサルシティ駅を発車。ここから少し走れば終点の桜島駅はもうすぐである。11:05頃に到着し、一旦改札口から出た。
ゆめ咲線は桜島駅が終点の行き止まりなので大回り乗車は出来ない。だからここで一旦降りる必要があるのである。

JRゆめ咲線 桜島→西九条
桜島駅の改札内に戻り、ホームに停車中の11:20発の普通 西九条行きの女性専用車に乗車。
その際にホームに職員が通りかかったが、何も言わずに去っていった。(対応としては)それで良いのである。

また、ホームの警備員も何か言ってくるような気配はなかったものの、ホームでは自動アナウンスで「この電車の前から5両目・4号車は女性専用車です」と流されていた。
桜島駅を発車。
次のユニバーサルシティ駅からは乗ってきた女性客らの中に親子連れや男児も含めて計4人ほどの男性客が乗ってきた。
過去何度か紹介しているが、ユニバーサルシティ駅には海外からの利用者も多いためか、4カ国語対応の女性専用車案内(告知)が何枚も貼り出されている(下の写真)。ちなみにJR西日本の他の駅ではこのバージョンの案内は確認していないので、恐らくユニバーサルシティ駅オリジナルではないかと思うが、これでは外国人も含め、男性を排除する気満々だと取られても仕方がない。

実際にはそれでも何人かは男性が女性専用車に乗車してはくるが、何度も言うように「本来は任意協力」であり、「任意協力だから差別ではないことになっている」のである。
その次の安治川口駅では3人程度の女性客が乗ってきたのみ。
結局この列車では声かけは全くなく、終点の西九条駅には11:27頃に到着。
この列車はここから桜島行きとして折り返すため、私達も含め乗客は全員降車。
降車する私達と入れ替わる形で、多くの女性客らの中に日本人と外国人らしき男性客10人以上が女性専用車に乗っていった。
しかしその一方で、後から来た男児を連れた3組ほどの母親グループがその女性専用車を避けてわざわざ混雑している隣の車両へ移っていく場面も見られた。
今日の参加者のうち、会員BとCが今回は
「Women-only cars are lie in Japan. Men can also ride. (女性専用車両は日本のウソです。男性も乗れます。)」
と書かれたTシャツを着て乗車会に参加している。
USJには外国からの訪問者も多い。そうした中で「任意協力であること」をこういう形で伝える事ができればとの思いもある。
JR大阪環状線・内回り 西九条→(天王寺経由)→大阪
西九条駅からは大阪環状線の内回り方面(西九条から弁天町・大正の方向)の列車に乗車することに。
11:40発の内回り列車に乗車すべく女性専用車位置に並んでいたが、ホームを見回っていた2人ほどの警備員は私達には何も言ってこなかった。対応としてはこれで良いのである。
しばらくして列車が到着。

私達はそのまま乗車したが、車内で近くにいた女性客グループは私達が乗車しても何気ない会話を続けており、特に私達のことを気にしているような様子はなかった。
そのまま弁天町駅、大正駅…と過ぎ、途中の新今宮駅では1組の恋人同士(?)と思しき男女が座席に座ってきた。女性のほうが「女性専用車…?」と小声で言っていたものの、その男女は座ったまま移動せず。
天王寺駅を出て寺田町駅までの間を走行中、1人の男性客が女性専用車を早歩きで通り抜けていった。
寺田町駅の次の桃谷駅では、近くの階段から上がってきた1人の男性客が乗ってきて、すぐに隣の車両へ移っていった。
JR西日本の駅では女性専用車が階段などの目の前に停まることが多いのでこうしたことがよくある。この男性客は乗車してから移動したが、先ほどの新大阪駅でもあったように女性専用車を避けるため、ホームを走る人もいる。
鶴橋駅で新今宮駅からの男女は降りていき、新たに1組の夫婦らしき男女が乗ってきてから女性のほうが「女性専用やで…」と小声で会話しつつも空いている座席へ2人とも着席した。
それは良いのだが、同じく鶴橋駅から乗車した別の男性客は隣の車両へ移っていった。
森ノ宮駅あたりから大阪城公園の脇を抜け、学研都市線やJR東西線、京阪電鉄などと連絡する京橋駅も過ぎ、特に何事もなく列車は走行し、天満駅で鶴橋駅からの男女は降りていったが、その代わりに天満駅から乗車してきた乗客の中に男性客が2人ほどいた。
天満駅を出ると次は大阪駅。
結局、今回は女性客からの声かけは全くなく、大阪駅には12:16頃に到着し、解散した。

