2025年3月1日、関西地区のJR西日本各線(大阪環状線や大和路線、おおさか東線など)で非協力乗車を行いました。乗車会の最後の方で女性客から少し声かけがあっただけで駅員や乗務員からの声かけはなく時折、男性客の乗車も見られました。
大阪環状線外回り:京橋→天王寺
今回はJR大阪環状線の京橋駅に18時集合。
以下の順で非協力乗車を行った。
- JR大阪環状線外回り:京橋→天王寺
- JR大和路線:天王寺→久宝寺
- JRおおさか東線:久宝寺→新大阪
- JR京都線:新大阪→大阪
- JR大阪環状線外回り:大阪→天満
まずは京橋駅18:11発の大阪環状線外回り電車に乗車した。
車内は立ち客が少し。
私達が乗車しても特に声かけはなく、列車は夕暮れ時の大阪市内を大阪城公園、森ノ宮、玉造と各駅に止まりながら走って行った。
森ノ宮駅や玉造駅で少しずつ乗車があり、車内にはやや立ち客が増えてきた。

鶴橋駅でややまとまった降車があり、車内が少し空いた。
続いて桃谷駅で男の子2人をつれた家族連れが乗車。
桃谷駅の出発直後に「車内で痴漢などの犯罪に遭われた方、見かけられた方は…」という自動放送が流れた。流されるタイミングは大体決まっているようだ。
過去の乗車会でも桃谷駅付近でこの放送が流されることが多く、特に女性専用車に男性が乗っているからといって流しているわけではないと思われる。
次の寺田町駅ではすれ違った逆方向(内回り)の電車に男性が1人いるのを確認した。
寺田町駅を出てほどなく18:25に天王寺駅着。
天王寺は大阪市内の主要駅の一つでもあり、ここでほとんどの乗客が下車した。
私達も下車。


当会サイトをいつもご覧の方ならご存じかと思うが、JR西日本は女性専用車をわざわざ階段などに近いところに設定している。当会サイトでも過去何度も言い続けてきたが、天王寺駅もご覧の通り(上記左の写真)である。
そして、写真の右の資料は(過去に何度も紹介しているが)2004年にJR西日本が女性専用車を阪和線と大和路線に拡大した時のもので「お客様のわかりやすさとご利用の動線を考慮し…」と記載されており、女性専用車が一番便利な位置に来るよう、車両の位置を決めていることが分かる。
他社路線でも偶然、女性専用車が階段やエスカレーターなどの真正面に来ることはあるが、JR西日本の場合は意図的にそのようにしていることが分かるだろう。
大和路線:天王寺→久宝寺
私達は天王寺駅の大阪環状線ホームから階段を上り、大和路線のホームへ向かった。
そして階段を降りると、こちらもやはり目の前が女性専用車両の停車位置である。


すでに女性専用車の停車位置に乗客が並んでいたが私達はその後ろに並んだ。
次に乗車するのは天王寺18:42発、大和路線の普通王寺行きである。
近くのホーム上で駅員がマイクを持って案内放送をしていたが、女性専用車について「女性専用車の表示のある車両は土曜休日も含めて終日女性専用車です」という「毎日・終日実施であること」を強調するような案内をしていた。
JR西日本の駅員や車掌がアナウンスする際に「女性専用車にどれくらい触れるか」は人によって異なる。ある程度各個人の裁量に任せられているのかも知れない。
この駅員はかなり女性専用車の案内を念入り(?)にしていたが、これは私達が並んでいたからだろうか?
あるいは駅員自身が根っからの女性専用車賛成派なのか?
列車到着の際にもこの駅員はマイクで「足元△印3号車は女性専用車です。ご協力をお願いします」と肉声放送していた。

ドアが開き私達も乗車したのだが、車内は立ち客が多く混雑していた。押し合いへし合いするほどではないが、車内での移動は不可能なくらいの乗車率だった。
周りを見ると、私達の他に男性と思われる乗客が1人いるのを確認。
大和路線の列車の多くは天王寺駅で数分ほど停車する。この列車もしばらく停車したままだったが、停車中に車掌が「この電車の前から3両目、3号車は終日女性専用車です。ご理解ご協力をお願いします」と念入りにアナウンスした。この車掌も賛成派なのだろうか…
世間は痴漢対策と信じ切っているが、およそ女性優遇客寄せ策としか思えない女性専用車に私達は協力などするわけはない。
こう言うと
「女性専用車は痴漢対策に決まってるじゃない」
「お前らが勝手に『痴漢対策ではない』と言っているだけ」
という人が現れるだろうから、JR西日本が過去に女性専用車をどのように宣伝していたか(これも過去何度も紹介しているが)ここに貼っておくことにする。





JR西日本が女性専用車を「女性向け客寄せサービス」と位置づけているのがお分かりいただけるだろう。
「痴漢のせいでこうなったのだから男の責任。男が悪い」
「女性専用車両は差別だけど痴漢がいるから仕方がない」
等と言っている人間は、こういう実態もよく知っておくべきだ。
そもそも土日祝日ダイヤの日などは平日のラッシュ時と違って男女のグループや家族連れなどが多いし、また混雑もしないから「痴漢対策」と称して導入した建前上、多くの鉄道事業者では女性専用車両を平日朝ラッシュ時に限定しているのである。
しかし、平日の朝限定の路線でも女性専用車両を女性向け広告を出すための媒体にして割高な広告料を設定して商業利用したり、あるいは都営大江戸線のように「感染症(COVID-19)の流行による外出控えで混雑率が下がって導入しやすくなったから」と(痴漢は混雑が激しくなると発生しやすくなるという法則に逆行して)導入した例もあるなど、およそ痴漢対策とはかけ離れていると言わざるを得ない。
ましてやJR西日本のように土日祝日まで含めた毎日終日実施した上「365日いつでも女性専用車」などと宣伝しているのは、もう「痴漢対策とはかけ離れている」というレベルではなく「痴漢対策とは似ても似つかない別物」と言っても過言ではないだろう。
とは言え、女性専用車を自分の既得権益と捉えてそれを守りたいがために「痴漢、痴漢」と言っているような女性専用車賛成派はこういう実態を知ってもそれをスルーして、
「痴漢被害者のことを考えろ!」
「そんなに反対するなら代替案を出せ!」(←こういう人間に限って代替案を出すと今度はそれを全力で潰そうとする)
などと言い出すのかも知れない。
ちなみに今ではJR西日本も他社同様、女性専用車については「車内における迷惑行為防止の観点から、安心してご利用いただける環境を提供するため」を表向きの理由にしていて、なぜか「痴漢対策」というワードを一切使わずに言い換えている。
痴漢対策のために設けたのなら「痴漢対策」と言えば良いのになぜ「(痴漢対策以外の意味も含む)迷惑行為防止の観点から」などと言い換えるのだろうか?
過去にJR西日本に対し「女性専用車導入で痴漢は減ったのか」と当会から質問したところ「公表するために女性専用車をやっているのではない」などと回答してきたことがある。(詳しくは2016年1月 関西本部:阪急宝塚線で非協力乗車会と阪急・JR西日本・南海本社訪問の報告③参照)
要は答えられないような結果しか出ていないのだと思われる。
女性専用車が痴漢減少に効果的であるならば、それを前面に出してくるはずだ。
また、他社でも多く採用されている「女性専用車限定広告」なるものがJR西日本でも実施されており、これは「女性しかいない場所に女性向け広告を出すと広告効果が高い」ということで、他の車両とは別枠でかなり割高な広告料を設定し、広告主を募集しているものである。
女性専用車限定広告で儲けているのが鉄道事業者とは限らない(関連会社等の場合もある)が、少なくとも女性専用車がビジネスの道具になっており、痴漢対策などとは全くかけ離れているのがよく分かるだろう。
「女性専用車を無くしたいなら痴漢をなくせばいいだけ。差別、差別とわめく前にお前ら男が痴漢をなくすように努力しろ」などという賛成派がいるが、これは完全な的外れである。
痴漢を完全になくすことは事実上ほぼ不可能だから、こう言っておけば反対派をギャフンと黙らせることが出来るだろうと思っているのだろうが、痴漢対策が建前に過ぎない以上、痴漢をなくしても女性専用車はなくならない。
そして反対派は賛成派のこうした言動に対し、ビシッと反論できるようにこうした情報も知っておく必要がある。
さて、混雑した車内で数分が過ぎたが周囲の女性客は特に何も言ってこなかった。
発車時刻になり、ドアが閉まって列車は天王寺駅を発車。
次の東部市場前駅ではあまり乗り降りはなく発車。
続いて停車した平野駅ではホームのスピーカーから「車内対応お願いします」という肉声放送が流れてしばらく停車した。
誰かが「男が女性専用車に乗っている」などと告げ口したのか?と思ったが、その後「車内対応完了」という放送が流れて列車はそのまま発車した。どうやら私達のことではなかったらしい。
平野駅の次の加美駅でまとまった下車があり、車内が一気に空いた。
そして入れ替わりにここから男性が1人乗車した。
加美駅を出てすぐおおさか東線の高架が左から近づいてきて大和路線と合流するとほどなく久宝寺駅である。
久宝寺駅には18:52に到着。おおさか東線に乗り換え。

おおさか東線:久宝寺→新大阪
次に乗車するのは19:01発のおおさか東線経由大阪行きである。
しばらく時間があるのでホームで待つことにした。

しばらくして列車がホームに入ってきた。
私達含めホームにいた乗客が乗車したが、久宝寺駅始発のためか車内はガラガラ。
車内はクロスシート(特急や新幹線のような、向かい合わせで座る座席)である。
私達は二手に分かれて数人ずつそれぞれ別のボックス(4人掛け座席)に座った。
クロスシートのため車内の混雑状況などが分かりづらいが、JR長瀬駅辺りで座席はほぼ埋まったようだ。
JR俊徳道駅ではわざわざ女性専用車を避けて隣の車両に乗車した男女のグループがいた。
JR河内永和駅辺りで少しだが立ち客も出始めた。
放出駅で学研都市線の列車と連絡。若干の乗り降り、乗り換えあり。
その次の鴫野駅でも男性客が避けて隣の車両へ行くのが見えた。
19:34に新大阪駅に到着。ここでJR京都線に乗り換え。
JR京都線:新大阪→大阪
新大阪駅でJR京都線(大阪・神戸方面)のホームに移動。

ホームの女性専用車の停車位置に駅員がいてマイクで案内放送していたが、女性専用車位置に並んでいた私達には声かけなし。
しばらくして19:38発の普通新三田行きが到着。私達の並んでいた前に男女のペアがいたのだが、車体の女性専用車ステッカーを見てホームを移動。何も移動する必要はないのだが…
車内は立ち客が少しいる程度。
近くにいた女性客は私達のことは気にならない様子で何気ない会話をしていた。
淀川を渡り、市街地に入って大阪駅に到着した。


大阪環状線:大阪→天満
大阪19:48発、大阪環状線内回り列車に乗車。
大阪駅に着いた時点ですでに3人ほど男性が乗っていた。
さらに大阪駅から私達以外に5人くらい男性客が乗車してきた。
車内は立ち客がちらほらいる程度。
座席に座った会員の1人に隣の女性客が「ここ女性専用車ですよ」と言ってきたが、会員が無視しているとそれ以上言ってこなくなった。
私達もトラブルを起こすのが目的で乗車しているわけではない。
大阪駅から2分で次の天満駅に到着。
先ほど、おおさか東線のJR俊徳道駅で女性専用車の表示を見て隣に移動した男女連れがいたが、ここでも女性専用車の表示を見て女性専用車から隣の車両に移動していく男女がいた。
今回の乗車会はここ天満駅で終了のため私達は下車したが、私達以外に乗車していた他の男性客を乗せたまま列車は発車していった。
私達は列車を見送った後に改札を出て解散した。
