3.JR西日本本社抗議
阪急の次は、すぐ近くのJR西日本本社に出向き、こちらでも抗議を行いました。
以下、参加したメンバーからの報告です。
2年前の「御幣島事件」その他についてJR西日本本社で抗議
御幣島事件については謝罪
JR西日本本社へ
阪急本社から徒歩で数分。すぐ近くにJR西日本の本社はある。
阪急本社と同様、こちらもかなり立派な建物だ。
阪急の時と同様、まず福山代表が受付で「女性専用車について、お聞きしたいことや申し上げたいことがある」と伝えると、「しばらくお待ちください」ということで、私達はその場でしばらく待つことにした。
しばらくしてJR西日本の社員2人がやってきて、「こちらへどうぞ」と案内されたのが、仕切り板で仕切った1Fロビーの一角。
どうやら、訪問者があった時にはここで対応することになっているらしく、他にも同様の仕切りが多数あった。
まず挨拶をかわし、話をすることになったのだが、相手方のJR社員が担当者ではなく総務の社員で、担当者と直接話し合うことが出来なかった。
これは今回、事前アポを取らなかったためで致し方ない。
(朝から阪急・JR、そしてこの後南海を訪問する予定にしていたので、事前アポを取ってしまうと、話し合いが長引くなどした場合、約束の時間通りに訪問出来なくなるため、今回は事前アポなしでの訪問としたが、今後は事前アポを散ったほうが良いだろうという話になった)
阪急の時と同様、こちらでも約45分間にわたっていろいろなやり取りを行ったが、長くなるのと、阪急での抗議内容と一部重複することから、以下、JR社員とのやり取りについて、簡略に記す。
今回、JR側に質問及び申し入れを行ったのは、主に以下の件。
●2014年8月の御幣島での一件について
詳しくはこちらをご覧いただきたいが、2014年8月にJR東西線御幣島駅で、JR社員数名が電車を約20分近くも止めて、非協力乗車していた当会メンバー達に執拗に降車を迫った挙句、当会メンバーの腕を掴んで引っ張るなどの行為(刑法208条 暴行罪に該当)に及んだもの。
当会として警察に被害届を提出し、その後当該社員は書類送検されたが、その後どうなったのか、JR側の対応を尋ねた。
●JR西日本の女性専用車が痴漢対策から明らかにかけ離れていることについて
混雑のない昼間や休日まで含め、毎日・終日実施、さらには女性専用車をポスターやモニターなどで売り物のように宣伝。
これはおかしいと思うが、どういうことか?痴漢対策と言うなら、痴漢件数を公開しないのはなぜか? などについて質問した。
まず、御幣島駅の件については、この社員2人は知らなかったようだが、こちらから一昨年の8月にこのようなことがあったということで、詳しく説明すると、「このようなことがあったということならば、お詫びいたします」と、一応の謝罪があった。
結局、先述の通り、対応した社員が総務の社員で、担当者ではないため、その場で直接の回答ができないことから、後日、当会に郵便で回答していただくこととなった。
JR西日本からの回答
訪問から約1週間ほどで、当会あてにJR西日本からの回答が郵便で届いた。
以下、その内容。
福山 博 様
拝啓
新春の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。
いつもJR西日本をご利用いただきました、ありがとうございます。
お客様から頂きましたご質問に関しまして回答させていただきます。
質問の一つ目にございました、御幣島駅の件につきましては、警察もしくは検察にお問い合わせください。
質問の二つ目にございました、終日実施等に関するご質問につきましては、警察からの情報、「お客様の声」、お客様から弊社にいただいた被害報告の状況を分析すると、女性専用車の設定時間帯以外にも多数の被害が発生しており、お客様の「安心」につなげるための女性専用車の設定を全日・終日としています。
痴漢件数について、お客様からいただくご報告は弊社の施策に活かすために導入させていただいており、公表するために行っておりません。
また、公表することを事前にお客様に承認いただいたうえで実施しているものではございません。
今後ともJR西日本をご利用いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
末筆となりましたが福山様の今後益々の御健勝をお祈り申し上げます。
敬具
平成28年1月26日
西日本旅客鉄道株式会社
JR西日本お客様センター
マネージャー 山下 幸男
御幣島駅の件は、警察か検察に問い合わせるとして、2つ目の女性専用車の終日実施について、先の阪急宝塚線乗車会の報告ページでも少し触れたが、「被害」などは建前で、実際には営利目的であることはすでに当会サイトなどで何年も前から指摘している通りである。
詳しくはこちらをご参照いただきたい。
大体、ガラガラの昼間に、ラッシュ時並みに痴漢被害が発生するなど、少し考えればおかしいとすぐわかりそうなものだが・・・
また、JR西日本は今でも、女性専用車のみに女性向け広告を募集して、女性専用車を広告料収入源に利用している。(下の写真)
これは、2016年2月4日にJR京都(東海道)線・高槻行普通列車の車内で撮影したもの。
念のため他の車両の広告も調べたが、やはりこの広告は女性専用車のみで掲出されていた。
この女性専用車両限定広告、JR西日本だけでなく、全国的に多数の鉄道事業者で実施されているが、非女性専用車両の広告に比べ、かなり割高な広告料を取っている鉄道事業者があることがすでに判明している(詳しくはこちら)。
まあ、広告主としてみれば、そういったサービスがあるから利用しただけであろうし、別に広告主を責めるつもりは一切ないが、私達が問題にしたいのは、公共交通機関が、同じ運賃を支払っている男性を、男性であるというだけで事実上排除する女性専用車を、表向き防犯対策を装いつつ、実際は営利目的に利用しているところである。
本当に防犯対策(痴漢対策)であったとしても、女性専用車のようなやり方は問題だが、『お客様の「安心」につなげるため』と称して、自分たちの「営利」につなげるための女性専用車を終日実施しているのなら、なおさら問題である。それこそ男性客を馬鹿にしているのかという話だ。
JR西日本は2015年春で、女性専用車のみに取り付けていた「鏡」を廃止した。
当会で、「痴漢対策に鏡が必要なのか?こういうところからもJRの女性専用車が痴漢対策ではないと分かる」と批判してきたものだが、鏡を廃止したからといって、JR西日本が「改心」したわけではないということは、この女性専用車限定広告を見ても明らかである。
そして、「行きも帰りも女性専用車、もう私の習慣です」「私は乗る、女性専用車」などという、女性の潜在意識に訴えかけて、女性客を取り込もうとするポスターも、(2016年時点では)健在である。
また、痴漢件数についても、
>痴漢件数について、お客様からいただくご報告は弊社の施策に活かすために導入させていただいており、公表するために行っておりません。
また、公表することを事前にお客様に承認いただいたうえで実施しているものではございません。
などと回答して、公開を拒否していることから見て、恐らく女性専用車を導入しても、目に見えて痴漢件数が減っていないのであろう。
いい加減、「同じ運賃を支払えば誰でも公平に利用できる」という公共交通の大原則を、(任意協力を逃げ道にして)事実上完全に無視し、痴漢対策と称する、営利目的の女性専用車は廃止していただきたいものである。
もちろん、こんなものに正規の運賃を支払いながら協力しなければならない理由など一切ない。
JR西日本に対しても今後、継続的に抗議を行っていく必要があるだろう。
続いて、私達は南海電鉄本社に向かうため、地下鉄で難波まで移動することに。
そこで思わぬ展開が・・・