4.地下鉄御堂筋線 非協力乗車&なんば駅抗議
JR西日本の次は、南海電鉄の本社にも抗議に行く予定にしていたため、梅田から地下鉄御堂筋線で4駅先の難波(なんば)に移動することにしたのですが、その際、女性専用車両を平日終日実施している御堂筋線でも非協力(任意確認)乗車することにしました。
が、そこで思わぬ展開に・・・
女性客がドクター差別氏に移動要求
なんば駅で、ドクター差別氏が助役に猛抗議
梅田から難波へ
JR西日本本社での抗議を終え、続いて私達は南海電鉄の本社に向かうことにした。
阪急・JR西日本と、いずれも梅田に本社があるが、次に向かう南海電鉄は難波に本社がある。
キタと呼ばれる梅田周辺と、ミナミと呼ばれる難波周辺では、約5キロの距離があり、私達は地下鉄御堂筋線で難波に向かうことにした。
ご存知の方も多いとは思うが、地下鉄御堂筋線は平日・終日女性専用車両を実施している。関西はこの御堂筋線のほか、阪急京都線も特急のみだが平日終日実施で、神戸電鉄も平日はほぼ終日実施である。
さらにJR西や神戸市営地下鉄に至っては、土日も含めて年中無休で毎日終日実施である。
JR西も神戸の地下鉄も、日中はガラガラのことが多いが、この辺からも痴漢対策という理由がいかに嘘臭いか、よく分かろうというものである。
JR西日本本社での抗議を終えた時点で、関西の会員1名と福岡の会員Y氏が離脱し、私達は6人に。
Y氏はこの後、神戸の状況を見てくるとのこと。
他の地域の人にも是非、関西の異常な実態を見て頂き、女性専用車両の問題性に対する認識を新たにしていただければと思う。
JR西日本の本社から徒歩5分ほどで地下鉄御堂筋線の梅田駅に到着。
先に述べた通り、御堂筋線は平日終日実施のため、移動がてら、なんば駅まで私達6人で任意確認乗車することにした。
梅田~なんば間の車内で・・・
ホームの女性専用車両位置に並び、私達は電車を待った。
御堂筋線は日中でも数分おきの運転で、しばらく待っているとすぐ列車がやってくる。
やがて、私たちが待つホームに中百舌鳥(なかもず)方面行きの列車が到着し、そのまま全員乗車。
車内は座席が埋まり、立ち客がちらほらいる程度。
梅田から淀屋橋・本町と過ぎ、特に何もなかったが、座席が空いたのでドクター差別氏が座席に座ったところ、横にいた女性客(以下、女性客A)が、「ここは女性専用車です」と声掛け。
ドクター差別氏は無視したが、何度も「ここは女性専用車です」と言ってくる上、さらに「女性専用だから乗っているのに」「隣の車両に行って下さい」などと言うので、ドクター差別氏が一言「嫌!」と返すと、露骨に嫌な顔をした。
この女性客Aは恐らく、「自分の権利を侵害された」と思っているのだろうが、実際は正規の運賃を支払っている以上、男性であっても女性専用車(と名の付く一般車両)に乗車する権利はある。
というか、むしろきちんと女性と同じ運賃を支払っている男性を、男性であるというだけで特定の車両から排除する方が、(男性客の)権利の侵害と言われても仕方ないであろう。
このページを以前からご覧の皆様はすでにご承知の通りだと思うが、女性専用車両という名前がついているからといって、「女性だけが乗る権利がある・男性を強制排除できる」というものではない。
公共交通機関で同じ運賃を取っている以上、鉄道事業者は男性だからというだけの理由で、特定の車両から乗客を排除することは出来ないのだ。
もちろん鉄道事業者の輸送約款にも、「女性専用車両に男性が乗ってはいけない」などとは一言も書かれていない。
よく、「女性専用車なのだから男性が乗らないのがルール」などと主張してくる者がいるが、これは女性専用車両という名称から、そのようなルールがあると勝手に思い込んで主張しているだけのことである。
しかし、鉄道事業者は意図的に事実と異なる「女性専用」という表記を出して、このように乗客を勘違いさせている。
仕方がないので、ドクター差別氏が女性専用車が本当は女性専用ではないことや交通局自体が裁判で任意であることを認めていることを述べ、そこに近くにいたレノン氏も参加。
2人で抗議ならぬ「講義」を始めたが、そこへ近くにいた、やたらと体格の良い大柄な女性客(以下、女性客B)が近づいてきて、「2人で責めてる」と言って、間に割って入ってきた。
その、大柄な女性客Bからすれば、「変な輩に絡まれた女性客Aを助けた」つもりなのだろうが、実際は、最初にドクター差別氏に移動を要求した女性客Aが自分で蒔いた種である。
さらに、難波駅到着直前になってもう一人、別の女性客Cが「駅員に注意してもらう」などとしゃしゃり出てきたが、駅員を呼んだところで無駄である。
「任意協力」である以上、駅員(鉄道員)であっても、乗車しているだけの男性を強制的に排除することは出来ないし、強制的に排除しようとすれば、JRの御幣島の件のように問題になる。
まあ、実際に駅員が来れば、結果的に周囲の女性客にも、「女性専用車両は実は名前だけ」という事実が知れ渡るだけであり、こちらとしては好都合だが、近くに駅員がいなかったのか、駅員が実際に呼ばれて来ることはなかった。
また、私達も最初からなんば駅で降りる予定にしていたので、ここで降りた。
地下鉄なんば駅で助役に抗議
当初の予定では、なんば駅到着後、どこかで昼食を取り、それから南海電鉄本社に向かうことにしていたが、こういうことがあった以上、これは抗議しないわけには行かない。
そこで、レノン氏が改札にいた助役に抗議した。
しかしこの助役、途中で業務が入った為その場からいなくなり、しばらくして戻ってきた際に「ここで話を聞く」とのことだったので、ドクター差別氏が、大阪市交通局(の現場)では女性専用車が任意協力として扱われているのかどうかを確認することにした。
ドクター差別氏が、「女性客が『女性専用車に男性が乗っている』と言ってきたら、どういう対応をするのか?」と質したところ、「男性にご協力をお願いする」などと言ったので、ドクター差別氏が、「その女性に『女性専用車には男性も乗れます。ご協力をいただいているだけです』と言えば済む話だ。わざわざ私らに言いに来たら、電車が遅延する」と返した。
しかしこの助役、女性専用車が任意協力であることを知っているのか知らないのか、なかなか納得しないので、ドクター差別氏の抗議も次第に語気が強くなってきた。そして、騒ぎを聞きつけたのか、他にも駅員が2人ほど出てきた。
結局、ドクター差別氏が、大阪市交通局が女性専用車両を設定したことで訴えられた裁判の判決文の要旨を印刷した紙(下記)を出し、「大阪市交通局自身が裁判で、『女性乗客にも男性乗客にも乗車車両について運送契約上の義務を負わせることはない』と主張しているのだから、任意協力であるはずだ」と主張すると、この助役、「確認します」と言ってどこか(多分、交通局本局)に電話をした。
「女性乗客にも男性乗客にも乗車車両について運送契約上の義務を負わせることはない」
「男性が女性専用車両に乗車しても、運送契約違反になることは無く、一般車両に移動する義務もないうえ、何らの罰則もない」
(注)大阪市交通局及び、JR西を被告とする裁判の判決文からの一部引用
ドクター差別氏が助役に渡した紙の内容
しばらく電話をして結局、どうやらドクター差別氏の言っていることが真実であると確認が取れたらしく、この助役も一応は納得したようだったが、助役が「自身の所属する交通局が過去、女性専用車両が任意であることを裁判で主張していた」と知らなかったということで、もっと現場にも、女性専用車両反対派の存在や主張を意識していただく必要がありそうだ。
なんばウォーク(地下街)で差別ネット歩行&昼食
当初の予定からちょっと遅くなったが、昼食を取るため、なんばウオーク(地下街)のどこかで良さそうなところを探すことにした。
今日は朝早くから阪急宝塚線で乗車会をやり、阪急・JR西の本社に抗議し、さらに御堂筋線での抗議とこなしてきて、参加メンバーもだんだん空腹してきたところである。
差別ネットワークでは、差別ネットワークの法被を着て外を歩くことを「差別ネット歩行」というが、今回は大阪の地下街で差別ネット歩行である。
昨年4月には名古屋でも行った。
これは少しでも団体の存在を、世間に知っていただくという目的がある。
どんな専用車反対運動をするにも、まずは反対派の存在を知って頂かなければ、運動自体がなかなか世間に認知されない。
だから、まずは少しでも知名度を上げる取り組みとして差別ネットワークが行っているものだ。
しばらく地下街を歩き、私達は「膳や」という定食の店に入ることにした。
この時点で6人だったが、少し昼食の時間帯を過ぎていたためか、店内に空席があり、6人ですぐに入ることが出来た。
全員一通り注文して待っている間、メンバーどうし、今日のこれまでの活動の話などで盛り上がった。
そして、ドクター差別氏・レノン氏と、当会の関西メンバー達との繋がりがまた一つ、深まった。
私達は、「膳や」のおいしい定食で腹ごしらえを済ませ、次の目的地である南海電鉄本社に向かうことにした。
昼食を済ませた後、私達はそこから徒歩で、昨年(2015年)12月に高野線の女性専用車両を拡大した南海電鉄の本社に向かいました。