2024年9月12日朝、大阪梅田駅から神戸三宮駅までの間を1往復しました。
開始早々車内でトラブルになったほか、途中合計で4回女性客からの声掛けがあり、さらに往路(神戸三宮行)の塚口駅から神戸三宮、さらにそこから大阪梅田(復路)まで、車内に助役と思われる職員がずっと付いてくるなど、先日行われたJR線での乗車会とは対照的な状況となりました。
以下その報告です。
大阪梅田~神戸三宮(往路)
今回は朝の7:05に大阪梅田駅に集合。
平日の早朝だが、集合場所には筆者と会員A、B、C、Eの計5人が集まり、さらに神戸三宮からは会員Dも合流する予定である。
最初に乗車するのは大阪梅田駅7:13発、通勤特急神戸三宮行きである。
参加予定者全員の集合を確認し、私達は集合場所からホームに向かった。
大阪梅田駅停車中の車内で
改札を抜けて神戸線ホームに向かうと、乗車する7:13発の通勤特急がすでにホームに到着していた。
ラッシュと逆方向ということもあり、車内はガラガラだった。
すでにホームに到着していたので、乗車したところ先に乗車していた女性客が「ここ女性専用車両」と言ってきた。
こちらからは「知ってます!」「車両名の紹介やめてもらえますか?」などと返したが、女性客は早速近くにいた助役?と思しき職員を連れてきた。
さらにそこにやってきた運転士と思われる職員も加わり、2人で「女性専用車両なので移動お願いします」と言ってきた。
当然こちらは拒否したが、助役と思しき職員はそれでも引き下がらず「降りて話をしましょうか」と返してきた。
なぜ降りる必要があるのか? 降りたら向こうの思うつぼである。
そもそも人権侵害に当たるので本当は「男性だから(または男性に見えるから)」という理由で降ろすことは法的にも許されない。
「男性」を「黒人」に置き換えて考えてみれば、これがいかにとんでもないかよく分かるだろう。法的に強制されていないことを除けば、ほぼ完全にアパルトヘイトだからだ。だからこそ女性専用車両には強制力を持たせずに「任意協力」ということにしてあるのだ。
こちらからは「降りる義務はありますか?」と返すなどしたが、
女性客は職員達に「警察呼べば?営業妨害だし・・・」
はぁ? 営業妨害??
私達はそもそも「女性専用車両」という名前なだけで「実は誰でも乗車できる車両」に正当な運賃を支払って乗っただけであり、これが営業妨害になるはずがない。
女性客がこちらに何も言わずに放っておけば、何事も起きないし列車も遅れないのに、自分で騒ぎを起こしておいて「営業妨害だから警察呼べ」とは・・・
もちろんこちらからは「通報しても無駄ですよ」と返しておいた。
当会の活動で鉄道係員から降りるように求められたのは今年5月の京王電鉄線の乗車会以来であるが、なぜ男性に見えるからというだけの理由で降車を要求されなければならないのだろうか。
いつも言っているが、痴漢対策は表向きの理由であるし、仮に百歩譲ってこれを痴漢対策だと認めたとしても「痴漢対策なら差別をしても良い」というものではない。
大阪梅田→西宮北口
結局、発車時刻から少し遅れて大阪梅田駅を発車。
車内には私達の他に男性客と思しき乗客が1人いた。
中津駅を通過して十三駅に停車。ここで「列車の到着が遅れましたことをお詫びします」と車掌が肉声放送。
ドアが開き、座席がほぼ埋まる。
十三を発車してすぐ自動放送で女性専用車両の案内が流れた。
列車は神崎川駅と園田駅を通過。
両駅とも大阪梅田方面のホームに多数の乗客が列車を待っているのが見えた。
次の停車駅の塚口駅に到着。特急は通過する駅だが通勤特急は特急の停車駅の他、この塚口駅にも停車する。
ここでも少し立ち客が出た程度でそれほど乗ってこなかった。
ここで助役(大阪梅田駅の助役と思われる職員とは別人)と思われる職員が女性専用車両に乗ってきた。
恐らく大阪梅田駅から連絡を受けていたのだろう。
塚口駅を発車。乗車してきた助役と思われる職員はドアひとつ分離れた位置からこちらを監視するかのようにじっと立っている。
この職員は私達がこの後に西宮北口駅で降りた際に一緒について降りてきて、さらに乗り換えた後続の列車にもついて神戸三宮まで乗車してきた。
結局、私達が神戸三宮から折り返して大阪梅田に到着するまで(つまり最後まで)ずっと付いてきたのだが、こんなことは2019年に福岡の西鉄に乗車したとき以来だ。
やがて列車は武庫之荘駅を通過。ここもやはり大阪梅田方面ホームに多数の乗客が・・・
7:29頃西宮北口駅に到着。後続乗り換えのため私達は全員ここで一旦下車した。
先述の通り、助役と思われる職員も一緒に下車。
西宮北口→神戸三宮
次にやってくる女性専用車両設定列車は西宮北口7:45発の通勤特急神戸三宮行きである。
私達は西宮北口駅の階段を上って隣のホームに移動した。
この辺りでもラッシュ時の人の流れはと言えば、神戸よりもどちらかというと大阪に向けて流れるのではないかと思われるが今、私達がいる神戸三宮方面のホームも結構人がいる。
私達がホームで次の列車を待っている間、私達に付いてきている助役?は少し離れた場所でどこかに携帯で連絡をしていた。
多分私達のことを報告しているのだろう。
やがて7:45発の通勤特急が到着する時間になり、駅構内に到着アナウンスが流れた。アナウンスの最後に「一番前の車両は女性専用車両です」の一言。
私達が乗車しようとすると、ホームにいた女性客が「女性専用車両ですよ!」と言ってきたので、
「知ってます!」
「そんなに言うなら110番して!」
と返し、そのまま乗車した。
車内は立ち客が多いがまだ余裕がある。
西宮北口駅のホームでどこかに連絡をしていた助役?も、この列車にもしっかり乗車してきていた。
西宮北口駅を発車してすぐ女性専用車両の自動案内放送が流れた。
次の夙川駅ではあまり乗り降りは無し。
さらに次に停車した岡本駅でも特に何もなく、列車は好天のもと、背後に六甲の山々がそびえる前に市街地が広がる神戸らしい風景の中を快調に飛ばしていく。
最後の通過駅である春日野道駅を過ぎて神戸三宮駅には8:00頃到着した。
神戸三宮~大阪梅田(復路)
私達は切符を買い直すため、一旦改札口から出て再度入り直した。
神戸三宮駅のコンコースでまた、私達に付いている助役と思しき人が携帯でどこかに連絡をしている。
神戸三宮駅から会員Dが合流。これで参加メンバーが6人になった。
神戸三宮→西宮北口
ここからは6人で神戸三宮8:10発の大阪梅田行き通勤特急に乗車。
車内はそれほど混んでおらず、少し空席もある。
向かいの座席の女性客が「女性専用車両です」と言ってきたが、大阪梅田駅からここまでですでに声掛けは3回目。
参加メンバー達もさすがに相手にするのもうんざりしてきたのか、誰もその女性客を相手にしなかった。
発車してから近くを見ると、やはりあの助役と思しき職員が立っている。
先ほど通ったルートを引き返し、次の停車駅の岡本駅に到着。
ここで乗車してきた女性客がまたもや私達に「女性専用車両」と言ってきた(これで4回目)ので、会員Cが私達に付いて乗車してきていた助役?に「任意だと言わないから(女性客が)声をかけてくるんだろう」と、強く抗議。
またその助役?に対し、隣にいた会員Dが「(私達が)女性専用車両に協力しない旨をこの人(女性客)に言って下さい。」と言った。そしてその助役?から女性客に対し、私達が女性専用車両に敢えて協力せず乗車している旨を言っていただいた。
さらに助役?から女性客に「女性専用車両には本当は男性も乗れる」と言っていただいたので、その女性客も一応「すみませんでした」と謝罪した。
助役?には任意協力である旨を伝えていただいたし、女性客も任意協力だと知らなかったようなので当会としてもここでは敢えてそれ以上のことは言わなかった。
今回は助役?が同乗していたことで良い方向になったと言えよう。
ただここで不思議なのが、こういう男性客に声掛けしてくる女性客らは「不正乗車している」「不審者がいる」と思われる乗客がいると思った場合(もちろん私達は不審者ではないし不正乗車などもしていないが)に、見渡せば近くに職員がいたとしても真っ先にその職員に通報するのではなく、なぜ自ら直接声をかけに行くのかということだ。
声掛けする相手が合法な活動を徹底している私達だからまだ穏便で済むものの、声掛け相手が悪ければ大惨事になりかねない。
確かに「女性”専用”車両」などと表示されていれば、誰もこれが任意協力だとは到底思わないだろう。
「男性は乗車禁止であり、強制的な力を持つもの」であるかのように錯覚させる名称であり、それが女性客などによる声掛けの原因のひとつになっていると思われる。
次の停車駅の夙川駅では特に何もなく発車。
芦屋川駅を通過すると往路で後続乗り換えを行った西宮北口駅である。西宮北口駅には8:25頃に到着。
この列車(復路)でも西宮北口駅で後続乗り換えを行った。
もちろん付いてきている助役と思しき職員も一緒に下車したが、列車の最後尾まで行って列車の車掌に口頭で何かを伝えていた。
列車は大阪梅田方面に向けて発車していき、私達はそれをホームから見送った。
ここでもやはりその助役と思しき職員がホームで携帯を使ってどこかに連絡している。
西宮北口→大阪梅田
次の通勤特急は8両編成で女性専用車両の設定がない(阪急神戸線で女性専用車両があるのは10両編成の通勤特急のみ)ので、もう一本待って西宮北口8:42発の通勤特急に乗車した。
ここまで全員ほぼ一か所にまとまって乗車してきたが、ここから大阪梅田駅までは二手に分かれて乗車することにした。
車内は立ち客がまばらにいる程度。時間からしてすでに最ラッシュ時は過ぎたのだろう。
もちろん、助役と思しき職員も付いてきたが、こちらでは車内では特に何も無く、8:57頃に大阪梅田駅に到着した。
阪急本社を訪問
今回、最初の列車でいきなり女性客からしつこい声掛けがあったことや、対応した大阪梅田駅の職員が「降りて話をしましょう」と私達を降ろそうとしたこと、さらにその後も女性客からの声掛けが相次いだことなどから「これは本社に行って抗議しよう」という話になり、大阪梅田駅近くの阪急本社に行き、担当者の方と1時間ほど面談を行った。
話した内容をすべて書くと長くなるので、ここでは全部は書けないが、要約すると
●最初の大阪梅田駅の職員の「降りて話しましょう」は不適切な対応であり、そのことについてはお詫びする。
●しかし、阪急としては女性専用車両に乗車する男性への声掛けをやめるつもりはない。
●「女性専用車両」という名称が問題だと思うなら、例えば「女性優先車両」に変えてほしいとか、そういう要望を出してほしい。
●皆様方(当会メンバー)からの要望(「女性専用車両以外で痴漢対策するべき」等)は上に伝える。ただし、すぐに何かが変わるわけではないことはご了承いただきたい。
という感じであった。
面談を終えて最後に「お忙しいところお時間を取っていただきありがとうございました」と伝え本社を後にした。
上記の通り「降りて話しましょう」など不適切な対応があったことはお詫びしていただいたが、声掛けは今後も相変わらず「する」とのこと。
ただ、一応任意であると付け加えることは言っていただいた。
本当にそうするのであれば少しは進歩はあったと感じるが、しかしJR西日本が今ではほとんど声掛けしなくなった一方で、阪急電鉄は今後も声掛けし続けると言ったことには疑問を感じた。
とはいえ、JR西日本についても未だに性別に関する差別を続けていること自体は見過ごすことはできないが・・・
帰り道では会員同士でいろいろ話したが、結局「ならば今後も阪急には引き続き実際に乗車して任意周知していこう」という話になった。