当会関西本部では2023年11月17日に大阪メトロ御堂筋線とJR京都・神戸・東西線で乗車会を行いました。
今回乗車した区間のほぼ全てで私達以外に男性の乗車が見られた一方、女性専用車と両隣の車両の混雑差が酷い区間もありました。
以下その報告です。
大阪メトロ御堂筋線とJR線で非協力乗車
大阪メトロ御堂筋線 梅田~新大阪
今回は大阪メトロ梅田駅に20:00集合。
今日のルートは大阪メトロ梅田駅から新大阪駅まで御堂筋線に乗車し、そこからJR線に乗り換えてJRの新大阪駅からJR京都線・神戸線で尼崎駅まで向かい、JR東西線に乗り換えて北新地駅までの予定である。
平日夜の大阪メトロ梅田駅ホームは多くの乗客で賑わっていた。
御堂筋線の梅田駅は大阪キタの中心部に位置し、地下鉄の駅としては日本一利用者が多い。
列車が到着する度に大勢の人が降りてくる。
そんな中1人、また1人と参加予定者が集まり、私達は20:02発の千里中央行きに乗車することにした。
列車が到着してドアが開くと同時にたくさんの人が降りてきてホームはみるみる人でいっぱいになった。
女性専用車両から降りてきた人々の中に何人か男性がいたのを確認。入れ替わりにホームで待っていた乗客が乗車した。
私達も一緒に乗車。
車内は立ち客もちらほらいるが、梅田駅で多くの人が降りた後で、それほど混雑はしていない。
しかし、両隣の車両は明らかに混雑しており、女性専用車両との混雑差が生じていた。
私達は1カ所に固まって、全員立って乗車したが周囲の女性客は特に何も言ってこなかった。
梅田を発車してしばらく進むと中津駅。御堂筋線では比較的利用者の少ない駅である。
中津駅の先で地上に上がり、新御堂筋(道路)と併走する。そのまま橋梁で淀川を渡ると西中島南方駅。西中島南方駅を出ると、すぐに次の新大阪駅である。
新大阪駅には20:07に到着。
結局、御堂筋線内では何事もなく終わった。これで良いのだ。
JR京都線・神戸線 新大阪~(大阪)~塚本
御堂筋線の新大阪駅からJRの在来線へは改札を出てから通路を100mほど歩く。
JR新大阪駅への通路も仕事帰りの時間帯のためか、やや人が多めだった。
JR新大阪駅の改札に入り、階段でJR京都線の大阪方面のホームに降りる。
ホームも仕事帰りと思しき人々が多くいたが、ここからも会員が合流する予定である。
しばらくするとその会員から連絡があり、ホーム上で合流することが出来た。
しばらく待って、20:23発の新三田行き普通が到着したので乗車。
私達以外にも5人ほど男性の乗車を確認した。
車内は立ち客がそこそこいるものの、車内で移動しようと思えば出来る程度。
私達以外にも男性の乗車が複数見られ、良い傾向だなと思ってふと両隣の車両に目をやると、そちらはかなりの混雑になっており、女性専用車との混雑差は一目瞭然だった。
「女性専用車と名乗りつつも実は任意」であるということがかなり知れ渡ったとは思うが、やはり「女性専用車」などと書いてあると乗りにくいものであろう。
両隣の混雑を見ていると、「女性専用車を避けて乗車している男性もまだまだ多いのだな」と改めて実感させられた。
先ほど御堂筋線で渡った淀川を今度はJR線で再び渡り大阪駅へ。
先の大阪メトロ御堂筋線の梅田駅とJR大阪駅は駅名こそ違えど実は全く同じ場所にある。
梅田から御堂筋線で新大阪まで行き、JR線で元の場所に戻ってきた格好である。
ここまでJR京都線を走ってきたが、大阪駅から先はJR神戸線となる。(なお正式名称は神戸までいずれもJR東海道本線である)
大阪駅で大半の乗客が降りて座席が空いたので私達は全員着席した。
入れ替わりにホームにいた乗客が一斉に乗車してきて、車内は先ほどよりも乗車率が高くなった。とはいえ、押し合いへし合いするほどにはなっていない。
両隣の車両はどうかと思ったが、女性専用車内の立ち客が多くてよく確認できなかった。
数分ほど大阪駅で停車したあと発車。
発車後、すぐに車掌が肉声で「この電車の前から5両目、5号車は女性専用車です。お客様のご理解ご協力をお願いします」と女性専用車アナウンスを行った。
「ご理解・ご協力」のお願いについて、私達は「あくまで任意協力であり、実は誰でも乗れる」という事は【理解】しているし、敢えて空いている女性専用車に乗ることで混雑を少しでも均等化することにも【協力】している。
しばらくして先ほど新大阪駅を出てすぐ渡った淀川を再度長い鉄橋で渡る。つまりJR東海道線(京都線・神戸線)は新大阪~塚本間で淀川を2度渡るのだ。
淀川を渡ってしばらくすると、大阪駅の隣駅である塚本駅に到着する。
今回私達はここでいったん下車し、後続の列車に乗り換えることにした。
理由はいつも言っている通り、少しでも多く任意周知するためである。
JR神戸線 塚本~尼崎
塚本駅は各駅停車しか停まらない駅であり、新快速や快速はすべて通過する。
しかし、大阪の市街地の中にあることや近くに他の鉄道路線の駅がないことなどから、ここで降りる人は結構いる。
女性専用車からは私達と共に数十人程度が下車した。
列車が到着した直後は降りた人でホームが少し賑やかになるが、しばらくして列車が発車していくと塚本駅のホームはガランとして人がいなくなる。
ホームでしばらく話していると、快速列車が通過していった。
そんな中、今度は年末年始の終夜運転について「JR西日本は大晦日から元旦にかけての終夜運転の時も女性専用車をやるのだろうか?」という話になった。
ご存じの通り、JR西日本は関西圏の路線のほとんどで土休日も含め毎日通年で、始発から終着まで女性専用車を終日実施している。他の鉄道事業者と異なり、女性専用車が解除になる日や時間帯が存在しないのである。(ただし、列車の車種や編成両数によって女性専用車の設定がない場合がある)
そこで、この後下車する尼崎駅で聞いてみようという事になった。
やがて20:42発の西明石行きが到着。
列車から降りてきた女性客の中に乗車しようとホームに並んでいる私達をじろじろ見てくる女性客がいた。私達に文句があるのだろうか。
まあ、女性専用車は任意協力だし、それを承知で私達は乗っているので、仮に文句を言ってきたとしても言うだけ無駄だが・・・
車内は先ほどの新三田行きと同じくらいの乗車率だった。
特に声をかけてくる者もおらず、約4分走って20:46頃に次の尼崎駅に到着。下車した。
JR東西線 尼崎~北新地
尼崎駅で下車した私達は早速、駅の改札口まで行き、そこで年末年始の女性専用車について駅員に尋ねてみた。すると「終夜運転中も女性専用車は実施」とのことだった。
全国に女性専用車をやっている鉄道事業者は数多いが、年末年始の終夜運転中も女性専用車を実施するのはJR西日本くらいのものだろう。
ホームに戻って20:54発のJR東西線経由同志社前行き普通に乗車。車内は空席が多くガラガラ。停車中に夫婦っぽい男女が乗車し着席した。その他にも男性客が1人、女性専用車内に着席。
JR東西線は尼崎駅を発車してしばらくは地上を走るが、次の加島駅の手前で地下に潜る。JR東西線は国鉄が分割民営化された後、JRになってから建設・開業した比較的新しい路線のため、京橋駅の手前までほぼ全区間が地下である。
加島駅でも男性が1人乗車し着席。
御幣島、海老江と過ぎ、新福島駅でも男性が1人乗車。着席。
この時点でもまだ車内は空席がある。
新福島駅を出ると、次はJR東西線の主要駅である北新地駅である。
大阪キタの中心部にあるのは梅田(JRは大阪)駅だが、この北新地駅も場所的には大阪駅や梅田駅にほど近いところにある。そのため利用が多い。
列車が北新地駅に差し掛かると、ホームには多数の乗客が列をなしていた。
今回の乗車会はこの北新地駅で終了なので私達はここで下車したが、それと入れ替わりにホームにいた多くの乗客が乗車し、車内は一気に賑やかになった。
私達はしばらくホームから車内の様子を見ていたが、女性専用車内に若い男性が1人つり革をもって乗車しているのを発見。
良い傾向だと思ってみていたら、どうやら本人は気づかずに乗車していたらしく、途中で気づいて慌てだし、必死の形相で周囲の女性客をかき分けて隣の車両に移動していった。
「何も、移動せんでもええのになぁ」
「ほんまは誰でも乗れるの、知らんのかな」
などとホームで会話していたのだが、まあ私達のように任意協力だと知っている人間にすれば「女性専用車」などと表示されていても何のことはない。所詮はいつ飲んでも構わない「朝専用缶コーヒー」のようなものだが、そうでない人間にとってはやはり強力なプレッシャーになるのかもしれない。
しかしながら今回乗車したJR京都線・神戸線もJR東西線も、そこそこ男性の乗車が見られ、少しは形骸化が進んできたのかなという気はした。
またX(旧ツイッター)などを見ていても最近は「女性専用車に男性がいることが増えた」というポストが目立つようになってきた。
一方、そうした中で鉄道事業者に対し「女性専用車に男が乗っている、何とかしろ」とクレームをつける女性客もいる。
そしてこれ↓はJR西日本にそのようなクレームを付けた女性のものと思われるポストである。
このスクリーンショットではちょっとわかりにくいかも知れないが要は
「女性専用車に男が乗っているから何とかしろとクレーム付けたのに『心が女性と称する男性が乗れる』んなら女性専用車の意味がない。ふざけるな!」
と女性専用車を当然の権利のように勘違いしてJR西日本に怒りをぶつけているのである。
わかっている人には説明の必要はないかもしれないが、そもそも「同じ運賃を支払えばだれでも平等に利用できる」公共交通機関で男性立ち入り禁止の「女性専用」の車両は設置できない。だから鉄道事業者は車両の名前だけ「”女性専用”車両」にして、実際には「任意協力で誰でも乗れる車両」なのに、あたかも「女性しか乗車出来ない、男性は立ち入り禁止のもの」であるかのように見せかけて、そのまま乗客をだまし続けようとしているのである。
しかし、実は任意協力であることがだんだん世間に知られてきて、また当会をはじめとする反対派の運動によって、鉄道事業者も男性が乗車していても声をかけにくくなってきた。
近年、男性の乗車が増えてきたのもそのためであろう。
一方、任意協力であることを知らない(または知っていてもそれを軽視する)女性客がこうやってクレームをつけてくるのだが、いくらクレームをつけたところで、現日本国憲法下では差別は禁止されているため、男性を強制的に排除する「本当の」女性専用車、つまり「名実ともに女性専用」の車両は作れない。
鉄道事業者もすでに女性専用車の「女性専用」はウソであることはもうバレバレなのだから、いつまでもこのようなものを続けていても、今後もこういうクレームに対応せざるを得なくなるだけである。
痴漢対策は別に行えばよいことであって、このような車両は廃止するべきである。
(痴漢対策は「表向きの理由」であるという事は、これまで当サイトで繰り返し述べてきたことなので、ここでは詳細は述べない)
あるいは「女性専用車を廃止すると女性客に逃げられる」という強迫観念でもあるのだろうか。
やがて列車は北新地駅のホームから去っていき、私達は北新地駅のホームから長いエスカレーターで改札口のある階まで上った。
本当に長いエスカレーターだが、先にも少し触れた通りJR東西線は平成になってから大阪キタの市街地の真っただ中に作られたため、非常に地下深いところを走っているのだ。
エスカレーターを上りきると改札口に出るが、まだここも地下である。
改札口を出たところで、私達は「お疲れさまでした」と終わりの挨拶を交わし、ここで解散した。