2019年3月 関西本部:JRおおさか東線延伸開業の初日の非協力乗車会(夜の部)

活動履歴

2019年3月16日(土)、JRおおさか東線の放出~新大阪間が開業しました。

当会では開業初日の昼と夜に、それぞれ非協力乗車会を行いました。

ここでは、夕方から行われた「夜の部」について、報告します。


新大阪駅で男性が私達に声かけ

正義漢気取りか?あるいはお節介か?

大阪~新大阪

JRおおさか東線・放出~新大阪間開業初日となる本日、昼間にも乗車会を行い、久宝寺から新大阪まで乗車した後、放出まで引き返して解散したが、改めて本日2度目の乗車会を実施。

今度は大阪駅に18:30集合。

昼間の乗車会とはメンバーが一部入れ替わり、大阪18:40発、JR京都線・普通・京都行に乗車することに。

私達が乗る一本前の列車の女性専用車に、1人の男性客が乗っていくところを確認。

列車が発車したので、18:40発の普通・京都行の女性専用車に乗車すべく、女性専用車位置に4人で並んだ。

近くに警備員がいたものの、私達への声かけは無し。
列車が到着する際、ホームの駅員が女性専用車のアナウンスをしていたが、到着した列車の女性専用車から、1人の男性客が降りてきたのを確認した。

私達が乗ってすぐに車掌が女性専用車のアナウンスをしていたが、その後、外国人らしき男女ペアも乗車。

数分の停車ののち、列車は大阪駅を発車。

大阪駅発車後も車掌がまた女性専用車のアナウンスをしていたが、女性客からの声かけは全くなく、次の新大阪駅で、おおさか東線に乗り換えのため下車。

新大阪~久宝寺

新大阪から会員1名が合流。参加者は全部で5人になった。

新大阪駅で
ホームの女性専用車表示がしつこい

ホームに18:54発、おおさか東線・普通・久宝寺行が停車していたので、その女性専用車に乗車するとすぐ、ホームにいた白髪の男性客が車内に首を突っ込んで、「すみません、ここ女性専用車ですよ!」と声掛けしてきた。

会員の一人が、「法律で決まっていません、あくまでも任意ですので。」と返すと、その男性客は「そうですか…」と言ってそのまま引き下がって行ったが、正義漢ぶっているのか、それともいわゆるお節介なのか…

ホームには駅員が立っていたものの、私達には全く声かけして来ず。

新大阪停車中に、多くの男性客が女性専用車を通り抜け。

車掌は停車中、2回も「この電車の前から3両目は終日女性専用車両です」とアナウンスして、更には発車後にも、3回目となる女性専用車アナウンスをしていた(アナウンスの異様なしつこさからして、先の男性客が車掌に告げ口したのだろうか?)

さらにこの車掌はアナウンスで、「女性専用車にいつもご協力ありがとうございます」などとも言っていた。

車掌の意図は分からないが、敢えて女性専用車に協力しない私達に対する、遠まわしな当てつけのように取れなくもない。

列車は新大阪駅を発車。

昼間は開業フィーバーで、どの列車もかなり混雑していたおおさか東線だが、この時間帯になり少し落ち着いてきたのか、座席が埋まって立ち客が若干いる程度。

列車は南吹田・JR淡路・城北公園通と過ぎていった。

参加メンバーの中には、昼間は仕事で乗車会に参加できず、この夜の部の乗車会に参加して、初めて新規開業区間に乗車した者もおり、「ここ、新しく開業したところですよね?」と言っていた。

JR野江駅で1人の男性客が乗ってきて、そのままドアの側の手すりの場所で立ち、次の鴫野駅でその男性客は座席に着席。

鴫野からは次の放出までJR学研都市線(片町線)と並走。

放出からは学研都市線と分かれ、2008年に開業した、既開業区間に入る。

放出駅発車後に車掌がまた「女性専用車、前から3両目、3号車に女性専用車両を設定しております。ご理解とご協力をお願いします」というアナウンスをしていたが、JR野江駅から乗ってきた男性客は結局、終点の久宝寺までずっと座っていた。

放出から、高井田中央・JR河内永和と過ぎ、久宝寺に近づくにつれて徐々に車内は空いてきて、久宝寺に着くころには女性専用車はガラガラ。

新大阪駅で男性客からの声掛けがあった以外は、他の乗客や鉄道係員からの声かけは全くなく、19:27頃に久宝寺駅に到着。

久宝寺に到着

私達はここで、事前にネットで調べておいた、久宝寺駅近くの飲食店で夕食を取ることにした。

久宝寺駅から少し歩いたが、辺りは住宅地で「こんなところに本当に飲食店があるの?」という感じだったが、その店は住宅地の中にポツンとあった。

私達はそこで食事しながら、各自いろいろな話をして盛り上がった。

先日の神戸での乗車会でのことや、その前の札幌での乗車会など、そして鉄道ファンの会員も多いことから、自然と会話の内容は鉄道関係の話へ・・・

料理の写真を取り忘れてしまったが、ここで出た料理も美味しく、なかなかのものだった。

「今後、乗車会の際などに久宝寺に立ち寄る時には、またここで食事しようか」などと話しつつ、私達はその店を後にした。

住宅街の中にポツンとあった飲食店
味もなかなかのもの

久宝寺~新大阪

夕食を済ませて、空腹を満たした私達は、久宝寺駅まで歩いて戻り、20:50発の普通・新大阪行の女性専用車に乗車するため、ホームの女性専用車位置に5人で並んだ。

やがて列車が入線したが、久宝寺始発のため、だれも乗っていない状態で到着。

私達5人で乗車したが、他に女性客が数名ほど乗車していたのみ。

ガラガラのまま、列車は久宝寺駅を発車。

久宝寺駅発車後に車掌が女性専用車アナウンス。

途中の駅で少しずつ人が乗ってくるが、その中に結構な割合で男性客の姿が見られた。

それは良いのだが、ふと車内の天井を見ると、女性専用車のご案内という釣り広告が目に入った。

車内の釣り広告

これまで、駅の構内やモニターなどで宣伝していたのと同じ内容であるが、車内に釣り広告も出し始めたようである。

女性専用車は、「専用」と名乗りつつ、実際は任意協力でしかない(本当に専用にしたら、法的にも問題)ということは、すでに広く世間に知られてしまっているが、それでも何とかして男性を乗せないようにするため、「女性専用車には、女性と小学生以下の男児・障がい者とその介護者がご乗車いただけます」という、「ひっかけ案内」をして、「男性乗車禁止のように見せかける周知」を行っているのである。

この釣り広告をよく見ていただけると分かる(写真では分かりづらいので、下にも、同じ内容のモニター&ポスターを・・・)が、「女性専用車には、次のお客様(=小学生以下・障がい者とその介護者)に、ご乗車いただけます」とは言っているが、「それ以外の男性は乗車できません」とは、ひとことも言っていない(それ以外の男性」については、「触れていないだけ」である)

つまり、本当は任意協力であり、誰でも乗れるのだが、「小学生以下・障がい者とその介護者の男性は乗れます」と書いて、見る人に、「それ以外の男性は乗れない」と勘違いさせているのである。

また、「障がい者やその介護者が乗れる」といっても、実際には、障がい者であっても男性は出来る限り乗せないようにしている。

これはJR西日本に限ったことではないが、要は「バリアフリーに反する」と指摘された際に「障がい者は男性もOKになっていますので問題ありません」と、上手くかわせるようにするためのものと考えられる。

このように女性専用車は、数々のウソやごまかしの上に成り立っているのだ。

そして、JR西日本がなぜここまで、女性専用車を守ろうとするのかといえば、これまでからも繰り返し述べている通り、女性専用車はJR西日本の「営業戦略」だからである。

決して痴漢対策や、女性のことを思いやってのことではない。

にわかには信じがたいという方は、この辺のことを過去の活動報告で詳しく述べているので時間があれば改めて読んでいただきたい。

さて、列車は放出駅に到着。停車中に車掌がまた女性専用車アナウンスをしたため、乗車してきた年配の男性客がすぐに隣に移動してしまったが、そのあと別の老夫婦が乗ってきてそのまま優先座席に座り、更には隣のホームに到着してきた学研都市線の快速から乗り換えてきた乗客の中からも、1人の若い男性客が乗ってきてそのまま座席に着席。

更には城北公園通駅発車後に若い男女のペアが隣の車両からこちらに移ってきたり、その次のJR淡路駅で若い男性客2人組が乗ってきたりと、中々良い傾向だった。

途中の南吹田駅発車時点では、女性専用車には私達以外にも男性客が5人乗車していて、私達と合わせ、男性客が10人いたのに対し、女性客は1人だけという状態に・・・。

そして21:25頃、新大阪に到着。JR京都線に乗り換え。

新大阪駅ホームの様子
新大阪駅コンコース

新大阪~大阪

新大阪21:30発の普通・新三田行に乗車。

女性専用車には既に1人の男性客が乗っていた。
乗客やJR職員などからの声かけは全くなく、21:34頃に大阪駅に到着。解散した。

今回は往路の新大阪駅で白髪の男性客からの声かけがあったものの、女性客やJR職員・警備員などからの声かけは全くなかった。

しかし、午前中に行った乗車会でもそうだったが、このところJR西日本は男性客に直接声掛けはして来ないものの、しつこい車内アナウンスで、乗車していた男性客を(高齢者も含め)移動させたり、駅構内でのポスター・モニターに加え、車内の釣り広告でも「男児と障がい者以外の男性は乗車禁止」と思いこませるような告知をかなり積極的に行うなど、「任意協力であることを知らない男性」を乗せないようにすることに大変力を入れている。

もちろん、先ほど述べた通り、痴漢対策としてではなく営業戦略のために、である。

これまで何度も述べてきたことであるが、JR西日本は女性専用車を「女性により多く乗車していただくためのもの」(つまり、増収増益のための営業戦略)と位置づけていると思われる。

過去に「毎日・終日実施しているからいつでも乗れる」「行きも帰りも女性専用車。もう私の習慣です」などと、ポスターやモニターなどで盛んに女性専用車を売り物のように宣伝していたことや、他の車両に比べて、一枚当たりの広告料が4倍も高い女性専用車限定広告で女性専用車を広告料収入源にしていることからも、それはお分かりいただけるだろう。

しかし、そんなものを世間の人々は今でも、痴漢対策だと思っているのである。

「民間企業なのだから、利益を上げるために取り組むのは当たり前だろう」などという人もいるかもしれないが、鉄道は公共交通機関である。

公共交通機関は法的にも公平性が強く求められており、「民間だから何をやっても良い」というものではない。

いや、実際には民間企業であっても、例えば外国人入浴禁止にした公衆浴場が、差別だとして訴えられ、敗訴した例もある。

「女性専用車は痴漢対策のためのやむを得ない措置なのだから、公共交通の公平性に反するところがあっても、それは仕方がない」という建前でまかり通っている女性専用車だが、実態はこの通りである。

こんなことがまかり通ってよいのだろうか?

私達は「女性だけ優遇されててずるい!」などという、くだらない理由で反対運動を行っているのではない。

そして何度も言っているが、私達は「痴漢対策など名ばかり」で、公共の場での差別に当たる女性専用車には反対しているが、痴漢対策・防犯対策そのものにはまったく反対していない。

私達とともに、この問題を真剣に考え、活動に参加くださる方は是非、入会申し込みフォームより、当会への入会申し込みをいただければと思う。

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