当会名古屋地区主催で、朝の地下鉄名城線で非協力乗車を行い、その後、名古屋市交通局を訪問することにしました。
名城線で駅員が大声で叫んで当会メンバーに恥をかかせて追い出そうとする行動に出るなど、明らかに度を越した排除行為があったことから、その後の交通局訪問の際は強く抗議したのですが、交通局もこちらの抗議をまともに聞こうとせず、わざと屁理屈を並べて、こちらを馬鹿にしたような対応を取ってきました。
以下、当日の参加メンバーからの報告です。
栄駅駅員が暴言
交通局に抗議するも、取り合う気全くなし
名城線西高蔵駅で
今回は名城線・西高蔵駅に集合して、ここから名城線左回りをほぼ一周して金山から名港線に入る予定です。
集合時刻前に西高蔵駅に着いたので、しばらくホームのエレベーターや女性専用車両の位置関係などを見ていたのですが、下の写真のようにエレベーターから女性専用車両の乗車位置に向けて点字タイルが伸びており、かなり悪質と言えます。
今回はこの後、交通局を訪問することになっており、そこでこのような、「バリアフリー < 女性の快適性」となっている具体例を名古屋市交通局に示しながら、改善を促す方に話をしていきたいと思っていました。
しかし、(これは後で詳しく述べますが)訪問した際、名古屋市交通局の担当者にこのような、バリアフリーに明らかに反する具体例をはっきり示しても、
「精神障害の方の中には、他人に危害を加える人もいる。そういう部分で、乗客(女性)を守る意味でも、障害男性の単独乗車のお断りという形になってしまう。精神障がい者とは違う、他の身体障がい者には申し訳ないとは思うが、精神障がい者はだめで、身体障がい者がOKとなると、公平ではない、表示も難しい」
などと、「男性障がい者=危険」というあからさまな男性障がい者への差別意識と偏見を丸出しに、目茶苦茶な論法で男性障がい者排除を正当化し、真面目に具体的実例を出して抗議している当会を馬鹿にしたような対応を取ってきました。
名城線・西高蔵~栄
午前7:20、参加予定者が西高蔵駅に集まり、乗車会を開始しました。
西高蔵駅発車段階では車内は空いていました。
新瑞橋駅で若干乗車があったものの、女性専用車両は空いたまま推移しました。
八事駅から多数の乗車がありました。
女性専用車両もかなり混雑していましたが、両隣の車両はそれ以上に混雑していました。
この際に私が女性客から声かけを受けたものの、その際に「以前、仕事で腰を強打して今もコルセットをまくなど、体に不安がある」と、正攻法で対応して、それ以上何も言われることはありませんでした。
本山駅で乗客が入れ替わり、車内は若干混雑度が低下しました。
本山駅で、小学生の娘さんだけ女性専用車両に乗せて、自分は隣の車両に…という男性客がいました。
これ、子供の安全の観点ではどうなんだろう…と思いました。
ここまで乗車していて思ったのは、やたらにエレベーターの最寄り車両が女性専用車両、という駅が多いことでした。(金山・西高蔵・総合リハビリセンター・八事日赤など)
特に、新瑞橋~大曽根間のほとんどの駅が該当するだけに、これは問題視すべき点ですね。
大曽根駅では予想に反して乗客が少なかったため、女性専用車両は乗車率90%ほどとなって都心部に向かいます。
都心部に向かうにつれて両隣の車両の混雑が激しくなり、女性専用車両との混雑差が浮き彫りになるのは大曽根駅から先、だといえます。
その後しばらくは何もなかったのですが、列車が栄駅に着いた時に、栄駅駅員が車内に入り、大きな声で
「ここは女性専用車です。移動してください!!」
と叫んできました。
私達が拒むと、駅員が隣の車両にも響き渡るような大声で
「この男、女性専用車に乗ってますよ~!!」
と、私達に恥をかかせるかのように叫んだため、前途の乗車を中止し、栄駅で抗議することにしました。
しかし、抗議した職員の対応が、また何とも「なってない」対応で、まず謝罪の言葉が、「ごめんなさい」の一言。
普通、「申し訳ございませんでした」というべきところでしょうが、こちらを軽く見ての対応か、はたまたお役所仕事なのか・・・
そして、形式的に謝罪した後は、私達に女性専用車両への理解(というより服従)を強く要求する姿勢を貫き、私が腰を負傷しているということを伝えても、ほぼ無視でした。
このことからも名古屋市交通局の姿勢は、「体に不安のある男性 < 健常な女性」であることが分かります。
先の西高蔵駅のバリアフリー軽視の点字ブロックと言い、この栄駅の対応と言い、非常に問題であると言わざるを得ません。
恐らく、車内に乗り込んで叫んできた駅員も、その後、私達の抗議に対応した職員達も、「強い態度に出れば、抗議活動など抑え込める」 と思っていたのでしょう。
ちなみに、2015年12月に交通局を訪問した際、当会会員が「女性車両は差別、アパルトヘイト的ではないのか?」と質問したところ、交通局の担当者吉川氏が、「アパルトヘイトと言われますけれども、あくまで協力事項なので、我々は、男性を降ろそうとしたり、女性客から要望が有っても男性に降りるように要請したりはしていませんので」などと回答しています。
つまり、「差別ではないのか?」と抗議を受けたら「強制はしていないので差別ではない」と逃げ、実際には、ほぼ強制することがまかり通っているという実態が浮彫りになりました。
今後、「反対する会・名古屋地区」としてもさらに人数を集め、徹底的に乗車しなければなりません。
名古屋地区の反対派の皆様、女性専用車両は痴漢対策ではなく、一部政治家の人気取り政策であり、痴漢対策は建前です。
「痴漢対策だから仕方ない」などと諦めたり遠慮する必要はありません。
そして、普段から女性専用車両を不満に思っていても、思っているだけでは何も変わりません。入会申し込みフォームよりどんどんご入会ください。
交通局訪問・・・しかし
先にも触れた通り、乗車会のあと、予定通り私達は交通局を訪問しました。
過去の名古屋市交通局訪問について、紛らわしいので、ここで整理しておきます。
- 2015年4月の訪問時:アポなし。当会メンバー7名ほどで、ドクター差別氏と共に訪問。
担当者(吉川氏とは別の担当者)が「女性専用車導入は市議会の圧力である」ことを認める。 - 2015年12月の訪問時:事前アポを取った上で、主に名古屋地区メンバーが訪問。担当者吉川氏が、「女性専用車は強制ではないのでアパルトヘイトではない」と逃げを打つ。
- 2016年12月の訪問:今回の訪問。対応したのはやはり吉川氏。「男性の精神障がい者は女性に危害を加える恐れがあるし、精神障がい者だけダメというわけにもいかないから男性の障がい者は全部お断りするしかない」などと、女性専用車両からの男性障がい者排除を正当化。
2015年4月に差別ネットワークのドクター差別氏などとともに交通局を訪問した際には、事前アポなしで訪問したため、たまたまその場にいた担当者(吉川氏ではない)が対応し、その担当者自身も、恐らくは女性専用車両やその進められ方について、相当疑問(というか不満)を持っていたらしく、私達に対して、「公営交通だから平等にという意見をいただきましたが、逆の意味ではないんですけど、それは結局、公営だから議員さんの力というか意見が反映されてしまう。言い訳ではないんですけど、公営交通の弱いところが、逆に出ているような・・・」(=議員の力があるので、女性専用車両を導入・推進せざるを得ない)とまで言いましたが、ここ何回かは、先に紹介した2015年12月の訪問も含め、事前にアポを取って訪問しているためか、いつも同じ担当者(吉川氏)が出てきます。
この吉川という人物ですが、先にも少し触れた通り、「男性の精神障がい者は女性に危害を加える恐れがあるし、精神障がい者だけダメというわけにもいかないから、結局男性の障がい者はお断りするしかない」などと、公務員でありながら、男性障がい者に対する差別と偏見を丸出しに、男性の障がい者よりも健常者の女性を優遇する女性専用車両を正当化する発言を平然と行ってくる人物であり、これは大いに問題にする必要があります。
今回も当会メンバーと交通局の吉川氏との間で、いろいろなやり取りが行われましたが、それらを全部書くと長くなりすぎるのと、要点がぼやけてしまうので、要点だけを以下に紹介します。
吉川氏とのやり取りの概要
今年4月に施行された、「障がい者差別解消法」については、吉川氏も知っているようでしたが、「今後も男性障がい者の単独乗車を認める予定はない」とのことでした。
その理由として、
「精神障害の方の中には、他人に危害を加える人もいる。そういう部分で、乗客(女性)を守る意味でも、障害男性の単独乗車のお断りという形になってしまう。精神障がい者とは違う、他の身体障がい者には申し訳ないとは思うが、精神障がい者はだめで、身体障がい者がOKとなると、公平ではない、表示も難しい」
とのこと。
これは、かなり差別的な考えに基づく、「障がい者男性お断り」であり、障がい者差別解消法の趣旨から全くかけ離れています。
そして「精神障がい者以外の身体障がい者に申し訳ない」などとは、恐らく微塵も思っていないでしょう。
もう一度言いますが、これは「公務員の発言」です。
全国の他の鉄道事業者では(一応ですが)すでに、「男性の障がい者は乗車OK」ということになっており、名古屋だけが、「男性の精神障がい者は危険だし、他の障がい者と区別するのは不公平だから、
男性は障がい者と言えどもお断りしなければならないし、表示も難しい」と言うのは明らかにおかしいですね。
さらに、もう一つ付け加えておけば、以前、当の名古屋市営地下鉄金山駅で、精神障がい者の女が他の女性客を刺し殺すという事件が発生しており、「精神障害の方の中には、他人に危害を加える人もいる。そういう部分で、乗客(女性)を守る意味でも、障害男性の単独乗車のお断りという形になってしまう」 というのも、まったくのデタラメです。
乗客を守る意味であるならば、男性だけを排除する意味は何なのでしょうか?
地下鉄駅で81歳女性、女に包丁で切られ死亡
読売新聞(現在はリンク切れ)9月5日(日)9時20分配信
5日午前7時55分頃、名古屋市中区金山1、市営地下鉄名城線金山駅の改札口近くの女子トイレ前で、30歳代の女が、同市港区辰巳町、奥田トシさん(81)をいきなり包丁で切りつけた。
奥田さんは右肩などから多量に出血し、救急車で市内の病院に運ばれたが、同9時20分頃、死亡した。
愛知県警中署によると、女の身柄はすでに確保しているが、女自身も手に軽いけがをしており、市内の病院での手当てが終わり次第、殺人容疑で逮捕する方針。女は奥田さんと面識がないといい、同署は通り魔的な犯行とみている。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASFD05001_V00C10A9000000/
※リンク先は読売新聞の記事がなくなったため、日経新聞の同事件の記事に差し替えました。
「精神障がい者はだめで、身体障がい者がOKとなると、公平ではない」などという、どこからどう見てもデタラメな論法で、精神障がい者の存在を口実に、それ以外の男性障がい者まで排除することを正当化するなど、これは当会だけでなく、「男性の障がい者すべてをバカにしている」と言っても過言ではないでしょう。
「男性の精神障がい者はだめで、女性の精神障がい者はOK」のほうがよほどおかしいし、公平でもありません。
また、当会の会員が、「エレベーターの正面に女性専用車両が停まる駅で、車椅子の男性客がいた場合はどうするのか?」と問うと、吉川氏は、「車椅子は場所を取るため、混雑した車内では危険が伴う可能性があるので、両端の車両にある車椅子スペースにご案内する」と回答して来ました。
そこで、当会会員が、「もし車椅子の客が女性であっても同じ対応をするのか?」と問うと、お茶を濁すだけで回答になりませんでした。
つまり、吉川氏の言っていることは「ただの屁理屈」なのです。
「障がい者まで含めた男性を排除すること」を正当化するために後から理由をつけ、理屈をこね回しているだけなのです。
当会が男性の障がい者を排除していることに対し、(先の西高蔵駅のような)具体的な事例をあげ、問題を真面目に指摘・抗議しているにもかかわらず、それを屁理屈で適当にあしらって全くとり合おうとせず、こちらが諦めるのを待っているわけです。
交通局がそういう態度で来るなら、私達が今すぐ取れる手段はただ一つ。
さらに人数を増やして、徹底的に非協力乗車を行うしかありません。諦めたら交通局の思う壺です。
よく、この女性専用車問題を十分に知らない人間が、うわべだけを見て、「女性専用車両に無理やり乗って、他の乗客や現場の職員に文句を言ったってしょうがないだろう。女性専用車両に文句があるなら、鉄道事業者に直接文句を言えばいいのに、なぜそんなことも分からないのか・・・」などと言ってくることがありますが、これまで述べてきたように、鉄道事業者(交通局)に直接抗議しても取り合う気ゼロですから、実際に(それも頻繁に)乗って、鉄道事業者が何らかの対応をせざるを得ない状況に持っていくしかありません。
法律上、男性の乗車を禁止することは出来ない(女性専用車両は、鉄道営業法34条2号の適用範囲外)ため、実は鉄道員といえども、男性を強制排除することは出来ず、また、交通局側が男性が乗車することを問題にしようとすれば、任意なのに強制のように装っていること、つまりは「利用客をだましていること」がますますバレるので、そういう意味で、非協力乗車活動というのは有効なのです。
そういえば、吉川氏は「白杖を持っている方など、明らかに障害男性と分かる方が仮に単独で乗車していても、そういう場合は声掛けなどはしない。当然そういう配慮はしている」などとも言って、「精神障がい者の存在を口実に、それ以外の男性障がい者まで排除していること」をごまかすような発言もしていました。
しかし、ここまでお読みくださった方ならもうお分かりと思いますが、「配慮はしている」などと言ってもこれは信用できませんね。
配慮していなくても、「配慮している」とウソをつくことはいくらでも可能ですから・・・