実施区間:(京王線)新宿~調布 (埼京線)大崎~赤羽
2014年12月13日、当会関東本部メンバーによる、京王線・JR埼京線での任意確認乗車会が行われました。
京王では、事実に反する「女性専用となります」との車内アナウンスがあった為、その点について抗議し、その後JR埼京線で行った乗車会では、私達以外にも多数の男性客が女性専用車両に乗車しているのが確認できました。
以下、当日参加したメンバーからの報告です。
京王に抗議。JR埼京線はザル状態
京王では事実に反する車内アナウンスと、調布駅主任の不適切な態度に抗議
埼京線では女性専用車両に男性客が多数乗車
京王線新宿~調布
私達は京王新宿駅20:20発の特急に乗りました。
途中、車内放送で、「いちばん後ろ10号車は、調布まで女性専用となります」という放送を複数回していました。
すでに多くの方がご存知の通り、女性専用車両は「任意協力」であり、男性の乗車を禁止するものではありません。
公共交通機関で本当に男性の乗車を禁止したら、そちらのほうが法的にも非常に問題なわけで、女性専用車両も、「単なる”名称”で、実は男性であっても、誰でも乗れる車両」だから、この世の中でまかり通っているのです。
「調布まで女性専用車となります」なら、まだ「本当は女性専用ではなくても、そういう名称の車両だから」ということで言い逃れができますが、「女性専用となります」と言ってしまえば、これは完全に、「男性は乗れない」という意味になってしまい、乗客に対しウソをついていることになります(詳しくは下記のページを参照)。
活動報告2012年4月 関東本部:東京メトロの表記改善に関する報告
このように、「朝専用」というのは一種の商標・固有名詞に過ぎず、それ以外の何物でもない。単に「朝専用」という名の商品を販売することが可能、というだけである。
「女性専用車両」という名称の意味もまた、この「朝専用」缶コーヒーと同じようなものである。
調布到着後、私達は車掌に抗議しました。
しかし車掌も、その場にいた駅員も「ご協力をお願いしています」としか答えませんでした。
車掌は発車時刻があり、その駅員も途中でいなくなってしまったため、私達は調布駅の詰所に行くことにし、そこで強く抗議しました。
そして責任者を呼んでもらったところ、主任が出て来ました。
男性が乗れるのか、乗れないのかを質問しましたが、こちらが「男性が女性専用車両に乗れるのか乗れないのか」を二者択一で聞いているにも関わらず、この主任は「ご協力をお願いします」の一点張りで全く回答になっておらず、日本語が理解できないのかと思うほど会話が成立していない状態でした。
「ご協力をお願いします」というのは鉄道事業者の願望であり、利用者としては、「乗れるか乗れないか」が重要なのです。しかし、いくら問いただしても、「ご協力をお願いします」の一点張りだったため、「旅客営業規則」を持ってくるよう要請しましたが、これも最初はしぶっていました。
その後、しぶしぶ持ってきましたが、もちろん女性専用車のことなど書かれているはずがありません。
その後も問いただしましたが、その主任はなんと「明日以降お客様センターへ聞いてください」などと言い出す始末。
開いた口が塞がりませんでした。
これでは、まるで責任者失格です。
京王に限らず、どの鉄道会社も「女性専用車両は任意で男性でも乗れる」ことを乗客に一切周知しません。
本当のことを周知すると、女性専用車両に男性がどんどん乗車してしまい、女性専用車両の意味がなくなってしまうからです。
そのため聞かれても曖昧にして、なおかつ男性を一人も乗せないよう乗客にウソをつき、自社が導入した女性専用車両を正当化し維持しようとしているのです。
この主任は「会社に忠実」という面からすれば、会社としては適任な人材なのかもしれません。
しかし、接客業という職種である以上、接客面においては完全に失格です。
近くに部下の若い駅員が2名いましたが、こんな無能な上司の下にいたのでは、まともな接客教育など受けられないでしょう。
このあと、私達は新宿まで戻り、新宿駅の詰所で助役を呼んでもらい、事の一部始終を話したところ、助役は男性が乗車できることを認めた上で、当該部署に指導する旨約束し陳謝しました。
調布駅の主任の対応についても謝罪がありました。
新宿駅の助役は低姿勢でメモを取っており、男性が乗れることを認めていたため、強い口調では追及しませんでした。
ちなみに、新宿駅にある「(これより先)女性専用車」と書いてある立て看板は、本社の指示で出しているとのことです。
男性排除要員の警備員も本社が手配しているようですが、いずれも新宿駅単独の判断ではどうすることもできないようです。
結局、新宿駅では「男性が乗る場合があること」を表記することなどを要請し、詰所を出ました。
JR埼京線
京王線での乗車会・抗議を終えた後、私達はJR大崎駅の埼京線ホームに再び集合し、22:54発の川越行に乗車しました。
りんかい線からの直通で、ここで乗務員が交代します。
我々が並んでいたためか、待機していたJRの車掌が、電車到着前に「10号車は女性専用車となります」と肉声で案内していました。
やがて電車が到着。すでに男性が2~3人乗っていました。
我々が乗車すると、乗務を終えたりんかい線の車掌から声かけがありましたが、車内に入ってくることはありませんでした。
りんかい線の車掌が声掛けした時に、私のとなりに座っていた50代くらいの男性は、「えっ、女性専用車両?」と小声で言いましたが、私達がそのまま乗っていたためか、他の男性も含めてそのまま乗っていました。
結局、その50代くらいの男性は、私達が新宿で降りるまでそのまま乗っていました。
新宿で降りた私達は、次の新宿始発に乗車しました。
次の新宿始発は、階段のすぐ側に専用車があり、警備員が配置されていることがよくありますが、なぜかこの日はいませんでした。
我々が乗っているのにつられてか、男性が次々と乗車し、発車時にはほぼ満員になりました。
池袋に到着。
池袋駅に着くと、警備員が3名ほどいて、大声で何度も「こちらは女性専用車両です。ご協力をお願いします」と叫んでいました(直接の声掛けはなし)。
しかし、これに屈して降車して移動する男性客はあまりいなかったような感じでした。
埼京線の(非女性専用車両の)混雑は半端ではありませんし、移動したら大変なことになりますから、埼京線の混雑を知っている人は移動など到底できません。
電車が発車すると警備員は声が小さくなったもののやはり同じことを繰り返していました。
これは明らかにJRが男性排除目的で手配した警備員でしょう。
このためか、電車を待つ行列も女性専用車両と隣の車両では列の長さが全然違いました。(下の写真)
しかし、電車が到着して乗車すると、隣の9号車は乗り切れないほどの混雑となっていました。
私達が新宿から乗った電車も、女性専用車両は何の問題もなくドアが閉まったものの、9号車は押し込まないとドアが閉まらない状態でした。
そのため、男性客がどんどん女性専用車両に乗り込んできて、警備員があれだけ騒いでいても、結局「ザル状態」で池袋駅を発車しました。
私達の乗った電車は赤羽行でした。私達はこれに終点の赤羽まで乗車しました。
近くにいた男女のグループ(夫婦や恋人かどうかは不明)が、「あれ、(男性が)乗っていいの?でも、いっぱい乗ってるよね」などと話していたため、誰でも乗れる車両であり、女性専用車とはウソ表記であることなどを説明(任意周知)しました。
最近の埼京線は、以前とはだいぶ様子が変わり、男性の乗車も珍しくなくなってきたようです。
このため、女性専用車と隣の車両との極端な混雑差も、以前に比べれば解消されているようです。
やはり、駅員や乗務員による「個別の」声かけを止めさせることがいちばん重要と言えます。
終点の赤羽駅に到着すると、引き続き大宮方面に向かう乗客は、そのまま自分の乗っていた乗車口の後ろに並んでいました。
女性専用車両に乗っていた男性客も同様です。
警備員が点検のために空になった電車に入りましたが、その後どこかに行ってしまい、女性専用車両乗車口付近には警備員の姿がありませんでした。
下の写真は、赤羽駅で撮影した後続の大宮行きの発車直前の様子です。
混雑に格差があり、9号車は乗り切れていない状態ですが、10号車は女性専用車両実施時間帯とは思えないほど男性客だらけで、女性客の姿が見えません。
これを見届けた後、解散しました。