2020年9月 関西本部:JR線(大阪環状線&ゆめ咲線&おおさか東線等) 非協力乗車会

当会関西本部では9月19日にJR線で乗車会を行いました。

このところ、声掛けが復活してきていると思われるJR西日本ですが、今回も新大阪駅で乗車している私達に、駅員がわざわざ車内に乗りこんできて声かけしてきました。

以下その報告です


新大阪駅で職員がわざわざ乗車してきて声掛け

男性排除に熱心な新大阪駅

今回のルートは以下の通り。

今回は7本の列車を乗り継いだ。

①京橋~西九条(大阪環状線内回り)

②西九条~ユニバーサルシティー(ゆめ咲線)

③ユニバーサルシティー~西九条

④西九条~大阪(大阪環状線外回り)

⑤大阪~新大阪(JR京都線)

⑥新大阪~鴫野(おおさか東線)

⑦鴫野~京橋(JR学研都市線)

京橋~ユニバーサルシティ

今回は19:00にJR京橋駅集合。

19:09発のJR大阪環状線内回りの普通列車の女性専用車が到着。

その際にホ―ムにいた駅員がマイクで「この電車の4号車は女性専用車です。ご理解とご協力をお願いします。」とアナウンスしていた。

車内は座席がほぼ埋まっているものの、特に混雑はしていなかった。

若い女性客が多かったが、私達のことを特に気にしているような様子はなく、ただ何気ない会話に華を咲かせていた。これで良いのである。

途中の天満駅で男性客2人組が乗ってきて、そのまま着席。

更に私達から少し離れた所にも1人の男子学生らしき乗客が座っていることを確認。

大阪駅で多くの乗客が入れ替わり、その際に計3人ほどの男性客が乗ってきて、うち1人は男女のペアとして乗ってきてそのまま着席。残る男性客2人組はドアの近くでそのまま立って乗車。

声かけなどは全くなく、19:23頃に西九条駅に到着。

私達はここでゆめ咲線(桜島線)乗り換えのため降りたが、その際に私達と入れ替わる形で、外国人らしき男性客数人を含めた男女のグループがそのまま女性専用車に乗車していった。

今日は土曜日というのもあるが、なかなか男性の乗車が多く、私達からすれば良い傾向である。

後続の19:27発のゆめ咲線桜島行きに乗り換える時にホームの女性専用車の位置で駅員がアナウンスしていたが、私達がその駅員の近くで並んでいても特に何も言ってこなかった。

やがて桜島行が到着。

こちらの車内は空いており、車内では特に何事もなく、19:32頃にユニバーサルシティ駅に到着。

ここで一旦改札から出ることにした。

改札の外は恐らくUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)帰りと思われる人々で賑わっていた。

今年は新型コロナウイルス感染症の流行で一時、街から人の姿が消えたこともあったが、時間が過ぎ、致死率の低さなどから、当初言われていたほど恐ろしいウイルスではないということが知れ渡ったためであろう。

もちろん、当面は気をつけるに越したことはないが、この先、完全な収束と経済の復活を願うものである。

ユニバーサルシティ駅の駅前風景

ユニバーサルシティ~大阪

ユニバーサルシティ駅の改札では、いわゆる三密を避ける観点からか入場制限がかけられていたが、他車両の混雑を上げると思われる女性専用車はそのまま。

JR西日本は普段からダイヤが大幅に乱れてもまず女性専用車の中止は行わない会社である。

入場制限のため、改札前で並ぶ人々

過去(2019年1月)にユニバーサルシティ駅の英語・韓国語での女性専用車案内の表示を紹介したことがあるが、その案内表示もやはり健在。

USJがある関係で、いろいろな国の人々が観光に訪れることからこの案内を出しているのだろうが、これでは世界中に「日本はこういうアパルトヘイトまがいのことをする前時代的な国」と自ら情報発信しているようなもの。

ユニバーサルシティ駅の女性専用車案内
韓国語の「여성 전용 차량」は「ヨソン ジョニョン チャリャン」と読み、意味は「女性 専用 車両」

こう言うと、物事のうわべしか見ない賛成派が「それは日本の男が痴漢するから悪い」などと自信満々に言ってくるのが目に浮かぶが、JR西日本が女性専用車を「ただの営利目的サービス」としてしか捉えていないのはこれまで当サイトでも繰り返し述べてきたとおり。

非常に公共性の高い鉄道事業者がこれでは論外である。

いつも当サイトをご覧の皆様には繰り返しになってしまうので、にわかには信じられないという方は当会の過去の活動報告などをお読みいただきたい。

ユニバーサルシティから19:42発の西九条行きの女性専用車に乗車。

USJ帰りの乗客で車内は結構な乗車率だった。

こちらも周囲には若い女性客が多かったのだが、やはり私達のことを気にしているような様子は全くなく、ただ何気ない会話に華を咲かせているだけだった。

女性専用車両に乗っていると、私達に声をかけてくる女性客はその多くが中高年である。

「若い女性客は人生経験豊富な中高年女性と違って、男性が怖くて声をかけられないからだ」という人もいるかもしれないが、ここまで読んで下さった方なら分かるだろう。

大阪環状線で近くにいた若い女性客も、ゆめ咲線のUSJ帰りの若い女性客も、単に私達のことを「気にしていないだけ」である。(もちろん若い女性客がすべてそうだとは言わないが)

つまり、本来痴漢対策が最も必要と思われる層の乗客達が、痴漢対策として享受していない感があるのだ。

こちらでも声かけ等はなく、19:47頃に終点の西九条駅に到着。

西九条駅のホームでしばらく待って、19:56発のJR大阪環状線・外回りの普通列車の女性専用車に乗り替えると、既に1人の男性客が座席に座っていた。

この電車の車内は空いており、こちらでも声かけ等は全くなく20:02頃に大阪駅に到着してから下車。

大阪~新大阪(JR京都線)

大阪からは20:10発の普通京都行きの女性専用車に乗車。

駅員がマイクで「この電車の前から3両目は女性専用車です。」などとアナウンスしていたが、私達がその駅員の目の前でそのまま並んで入っていっても、その駅員は私達には何も言ってこなかった。

最近は大阪駅で男性が女性専用車位置に並んでいると声掛けされることが多かったのだが、ここ何度かは女性専用車前に並んでも声掛けはされていない。

乗車の際、近くに家族連れがいたものの、父親と思しき男性だけが隣の車両に移っていこうとしていた。

しかしその男性は暫く経ってからこちらの車両に戻ってきて、妻と思しき女性と子供の所まで合流。

恐らく女性専用車の表示を見て父親が移動しようとしたものの、妻や子供が移動しなかったので戻ってきたのだろう。

この家族も女性専用車が「実は任意」だということは知っていたのだろうか?

任意だと知りつつ、父親が「やっぱり居づらい」と移動しようとしたのを妻が「任意なんだから別にいいじゃない・・・」ということであれば、それはそれで(任意だと知れ渡っているという意味で)良い傾向ではあるが・・・

女性専用車が本当に痴漢対策であるというのなら、家族連れやカップルの男性客まで排除する意味が全く分からない。

普通に考えて、彼女や家族の目の前で痴漢するなど通常ありえないからである。

だからこそ鉄道事業者は「男性がいると不安な女性が安心して乗車できるようにするため」などと理由をすり替えてくるのだ。

JR西の場合、毎日・終日実施で混雑のない時間帯も常に女性専用車をやっているので、そういう意味でも痴漢対策では説明がつかない。

先ほども申し上げたが、JR西日本は女性専用車を痴漢対策と捉えているとは到底考えられない。

大阪駅を発車後に車掌が肉声でいつも通りに「この電車の前から3両目、5号車は女性専用車両です。ご理解とご協力をお願いします。」とアナウンス。

こちらでも声かけ等はなく、約数分で次の新大阪駅に到着。おおさか東線に乗り替え。

新大阪~鴫野(おおさか東線)~京橋

新大阪駅から20:24発の普通・久宝寺行きの女性専用車に乗車。

清掃員や乗務員らしき職員が近くを通りかかったものの私達には何も言ってこず。

ただ、新大阪駅ホームの女性専用車の位置の柱には、最近見かけなくなった「男性は障がい者と子どもしか女性専用車に乗れない」と勘違いさせるためのひっかけ案内ポスターが、でかでかとこれ見よがしに貼ってあった。

新大阪駅おおさか東線の女性専用車
女性専用車位置の柱にでかでかと貼り出されている「ひっかけ案内」

新大阪駅は女性専用車に男性を乗せないよう、重点的に力を入れているようだ。

「痴漢対策などどこ吹く風」の「ただの男性排除」を維持するため、反対派に対し非常に挑戦的な態度を取っているようにも見える。

おおさか東線は新大阪駅が始発のため、私達が乗りこんでから発車までかなり時間があったが、このまま何事もなく発車しそうだと思っていたら、発車寸前になって突然駅員が車内に入ってきて「すみません、こちら女性専用車になりますよ」などと言ってきた。

会員の一人が「わかってますけど?」と答えるとその駅員はすぐに引き下がっていったものの、男性を見つけるとわざわざ車内まで乗りこんで来て言いに来るところを見ると、やはり新大阪駅は女性専用車に男性を一人たりとも乗せないようにすることにかなり御熱心なようだ。

昔のような、「電車を止めてまで、降りると言うまで徹底的に声掛けする」・「それでもだめなら力づくで引きずりおろす」というようなことはなくなったものの、「声をかければ十中八九は降りる」と見込んでの個別声掛けについては、駅や路線にもよるが、JR西では最近増えつつあるようだ。

恐らく本社の指示だろう(過去の乗車会で駅に抗議した際、助役が「声かけは上からの指示」とはっきり認めていた)。

またまた2020年1月の報告ページになるが、こちらのページにそのことも記載されている。

もう一度言うが、少なくともJR西の女性専用車に関しては「痴漢対策など完全な建前」である。

そして、男性の乗車を任意にしているのは、「強制していないので、差別ではありません」と言い逃れできるようにするためである。

そしてその上で、声をかけたら大半が降りるだろうと「任意であること」は一切知らせずに声掛けして降ろして、「男性が自分の意思でご協力くださったので一切強制はしていないし、なにも問題ありません」と、片付けているのである。まさにアンフェアそのものだ。

アンフェアである上、意志や努力で如何ともしがたい性別という属性によって不公平なサービスになっている(男性というだけで、善良な一般市民が差別されている)。

こんなものに素直に従う必要はない。

そしてこれに対抗するには、もっと男性が敢えて乗車する必要がある。

ごく一部の「実際に行動する人間」だけが頑張っても、それだけではこうした鉄道事業者のやり方に充分な対抗が出来ない。

これからは人数が必要なのだ。

女性専用車には疑問や不満があるが、自分から一人で乗車するまではちょっと・・・という人もいるだろう。

そういう人は黙って見ているのではなく、是非当会の入会申し込みフォームから、ご入会いただきたい。

そしてまずは乗車活動に慣れたメンバーとともに乗車活動に参加してほしい。

なお、世間には「乗車なんかするから非常識だと思われる。

手紙やメールで抗議するのが筋」などと言う人がいるが、手紙やメールだけでは鉄道事業者は痛くも痒くもない。

鉄道事業者からすればテンプレート回答するなどして、適当にやり過ごしてしまえばいいのだ。

そして、適当にやり過ごしておけば、そのうち抗議の手紙もメールも来なくなる。

鉄道事業者も恐らくそれは分かっているのだろう。

一方、実際に乗車する活動は、時間さえあればいつまでも続けることが出来る。

実際に乗車されれば、鉄道事業者はイヤでも対応せざるを得なくなるし、かといって強制的に排除するわけにもいかない(そんなことをすれば、更なる大問題になるだろう)。

そして何も知らない女性客が「男性が乗っている」と文句を言ってくれば、それにも対応せざるを得ない。

手紙やメール・電話などで抗議するにしても、実際の乗車活動と組み合わせて行わなければ、効果的とは言えない。

また、こういう活動をすることによって、反対派の存在を世間に改めて知らせることが出来る。

個人でメールや電話などをしても、それだけでは「鉄道事業者と個人のやり取り」であって、それだけでは世間には全く知られることはない。

反対運動の存在自体が世間に全く知られないのでは、いくら運動したところで影響力はほぼ皆無である。

こうした活動を世間に広めることで、それを非常識だの何だのと批判する者は一定数いるが、一方で支持する意見も実は少なくない。

またこうした活動があることを知って、当会や差別ネットワークなどの団体に入会したり、あるいは個人でも乗車活動を始める人もいる。

「乗車すると非常識だと思われるから乗らない」というのは、実は鉄道事業者の思う壺なのだ。

本来、公共交通機関で男性を男性であるというだけで排除すること自体が非常識なのだから。

それを「男性は乗らないのが常識」と思わせるために、実は女性専用ではない車両に「女性専用車」という名前をつけ、さらに「痴漢対策」などともっともらしく聞こえる理由をつけて世間を騙して反対しにくいようにしているのだ。

その女性専用車で実際は金儲けや人気取りをしているのである。

だから、女性専用車に少しでも疑問や不満のある方は、是非当会までお越しいただきたい。

・・・モヤモヤした気分を引きづりつつ、新大阪駅を発車。

車内では特に声掛けなどはなく、20:37頃に鴫野駅に到着。学研都市線に乗り換え。

鴫野駅
この時間になると人影もまばらである

鴫野駅からは20:42分発の普通・西明石行きの女性専用車に乗車。

2分ほどで次の京橋駅に到着し、下車した。

その際、近くにいた女子高生2人組がこちらを見ながら小声で「女性専用…」と呟いていた。

女性専用車が初めて登場したのが2000年暮れの京王で、JR西日本で女性専用車が設置されたのもそのすぐ後である。

つまり、今の女子高生からすれば生まれた時からすでに女性専用車は当たり前のように走っていたことになる。

電車で通学する彼女達にとって、女性専用車は「あって当然」という感覚かも知れない。

そして、女性専用と書いてあるのだから「男は乗れなくて当然」と思っているかも知れない。

もちろん、「痴漢対策など、女性専用車を当然のものと思わせるための方便で、実は人間を属性で排除しようとする差別に自分たちも加担してしまっている」という認識は全くないだろう。

しかし、今は「女性専用車は痴漢対策」とさえ言っておけば「そんなものを差別と言うほうがおかしい」で片付けられる世の中である。

そして、ずっとそんな世の中で育ってきたのだから、そう思っていたとしても仕方がないといえば仕方がない。

女性専用車の存在は教育的に考えても非常に良くないと言える。

「今後も回数を増やして乗車していかなければならないな」などとメンバー同士しばらく話した後、解散した。

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