2025年6月3日の朝、西鉄柳川駅から西鉄福岡駅(天神)まで非協力乗車会を行いました。
過去の活動報告をご覧いただければお分かりいただける通り、西鉄は男性が非協力乗車すると駅員(助役)がぴったり最後までついて来ますが、今回はどうだったかご覧ください。
西鉄柳川駅で
6月3日朝7時過ぎ、西鉄柳川駅周辺はあいにくの雨模様である。
今日はここから西鉄福岡駅(天神)まで西鉄電車に非協力乗車を行う。


参加予定の会員が揃ったので、改札口を抜けてホームに降りると既に通勤通学の人々がホームに並んでいた。
この後、7:18発の急行に乗車する人々だ。
私達はこの列車には乗らず、もう1本後の7:29発の西鉄福岡行き急行に乗車する。
この7:29発の急行は柳川駅始発の列車である。


7:18発の急行が発車してホームに人が少なくなったところで私達はホームに並んだ。


西鉄の女性専用車両は7両編成の最後尾にある。
つまり端のほうということになるが、西鉄柳川駅のホームの端のほうには屋根がない。
まだ小雨がポツポツと降っていたため、傘を差しながら並んでいると「この列車の最後尾の車両は女性専用車両です。皆様のご理解とご協力をお願いします。」という肉声放送が流れた。
しばらくすると、大牟田側から私達の乗る7:29発の急行が到着。柳川駅始発のため、当然だが誰も乗っていない。
ドアが開き私達が着席すると、しばらくして1人の女性客が他の席からわざわざこちらに来て「女性専用車両です」と言いにきた。
会員の1人が「知ってます」と返すとその女性客はすぐ元の場所に戻っていったが、ここでもし女性客が引き下がらなかったりすると大きなトラブルに発展することもある。
しばらくして車掌が「この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。皆様のご理解とご協力をお願いします。」と肉声でアナウンスした。
わざわざ「この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております」を2回繰り返すなど何とかして私達を移動させたいようだが、任意協力である以上、私達に移動する義務はない。
発車時刻になり、車内にわずかに空席のある状態で柳川駅を発車。
西鉄柳川→西鉄福岡(天神)
柳川駅を発車してしばらくしてから「ただいまから車掌が車内へと参ります。」という車内アナウンスが流れ、車掌が車内を巡回しにきた。そして座席にいる私達の目の前を通り過ぎたが、声かけはしてこなかった。
また、先ほど柳川駅停車中に声かけしてきた女性客も私達が乗っていることを車掌には申告しなかったようである。
急行は柳川駅を出ると次は大善寺駅まで停まらない。大牟田駅から久留米駅までの間は急行も特急と停車駅は同じ(大牟田→新栄町→西鉄柳川→大善寺→花畑→西鉄久留米)である。
雨が降る中、列車は次々と駅を通過して大善寺駅に到着。ここでややまとまった乗車があり空席が埋まった。特に声かけなし。
大善寺駅発車後しばらくして車掌が再度肉声で「この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。皆様のご理解とご協力をお願いします。」とアナウンスした。
またも「この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております」を2回繰り返しアナウンスしたわけだが、私達は承知の上で敢えて乗車している。私達を移動させるためというより、私達が乗車しているのを見て他の男性客が乗ってこないようにしているのだろうか。

大善寺駅発車後はラッシュ時で列車が詰まっているのか、それとも他に理由があるのか、これまでのような快調な走りではなく速度を落として走行。
津福駅では反対方向の大牟田行きが行き違い待ちをしていた。
大善寺駅からこの先の聖マリア病院前駅(旧:試験場前駅)までの間、線路は単線である。
天神大牟田線は大部分が複線だが久留米以南ではまだ所々、虫食いのようにこのような単線区間が残っている。
今走っているこの区間は久留米市の中心部にもほど近く、利用も決して少なくないと思われるが線路際まで住宅などが建て込んでいるところもあり、複線化は難しそうだ。
九州新幹線の高架下をくぐり、こちらも高架に上がって久留米市の中心部へと向かって行く。

聖マリア病院前駅を通過し、ここからは複線区間に。
信号が赤なのか線路上でしばらく停車。再び動き出すと西鉄久留米駅の1つ手前の花畑駅に到着。
多数の乗車があり立ち客が一気に増えた。花畑駅を出てすぐ隣の西鉄久留米駅にも停車。ここでもややまとまった乗車があり、車内は混雑し始めた。
特急は西鉄久留米駅を出ると西鉄二日市駅まで一気に駅を通過して行くが、急行はここからほぼ1~2駅おきくらいに停車するようになり、特急よりも圧倒的に停車駅が多くなる。
次に停車した宮の陣駅でもまとまった乗車があり、立ち客で車内が見通せなくなってきた。
西鉄小郡駅では降りていく人もそこそこいた。車内は相変わらず結構な混雑。急行はこまめに停まるが駅間ではかなり飛ばす。恐らく時速100kmは出しているだろう。
列車は三国が丘駅、筑紫駅、朝倉街道駅と停車。それぞれの駅で乗り降りがある。西鉄二日市駅でもまとまった乗車があった。
西鉄二日市駅発車後に車掌がまた女性専用車両の案内肉声アナウンスを流した。
しばらく走って、次の停車駅の下大利駅に到着。比較的最近(2022年)に高架化されたので駅はきれいである。
白木原駅を通過し、さらに高架を走り続けて春日原駅に到着。ここも下大利駅と同時期に高架化されたため駅はきれいだが、混雑した車内に次々と人が乗車して混雑がさらに増した。
福岡市内に入り、昨年新しく開業した桜並木駅を通過。さらに雑餉隈駅、井尻駅を通過して大橋駅に到着。ここからもまとまった乗車があり、車内はもう少しで押し合いへし合いになる状態である。
急行は本来なら大橋駅を出ると薬院駅まで停まらないが、この急行はイレギュラーで大橋駅から西鉄福岡(天神)駅まで各駅停車になる。
車掌が「お客様にご案内いたします。この列車、大橋から福岡天神までは各駅に停まります」とアナウンス。本来急行が停車しない高宮駅、西鉄平尾駅にも停車して薬院駅に到着。
ここで「本日、この列車は5分ほど遅れて到着しております。朝のお忙しい時間に列車遅れまして申し訳ございません」とアナウンスが入った。先ほど西鉄久留米駅を出てから、駅間でやたら飛ばしていたのは遅れを取り戻すためだったのか。
もちろん今回は柳川駅で女性客が一言声をかけてきただけで特に大きな問題はなかったので私達が原因ではない。
そういえば大善寺駅を出た後、花畑駅までノロノロ運転したり駅手前で止まったりしていたが、ラッシュ時で列車間隔が詰まっていたからではなく、そこで何かあったのだろう。
薬院駅で多数の人が降りて車内はやや混雑が緩和された。薬院駅を出ると次は終点の西鉄福岡駅である。
辺りはビルが建ち並び、完全に都会の風景である。ここで再び車掌のアナウンスが入り、「本日約8分遅れで福岡天神駅に到着いたします。本日は列車遅れまして申し訳ございません」とお詫びがあった。
そして8:39頃、西鉄福岡駅のホームに到着した。


少し前に実は…
今回、車内アナウンスが少々しつこかったものの、駅員や乗務員が声をかけてくることはなく、また以前のように途中駅から助役がずっとついてくるということもなかった。
実は今回の乗車会よりも以前に関西のある会員が個人的に九州に旅行に行き、そこで地元福岡の会員と共に西鉄福岡駅の案内所を訪問して「女性専用車両は任意協力か?」「男性が女性専用車両に乗車したら声をかけるのか」等を尋ねたことがある。
対応した職員の答えは「任意協力であり、男性の乗車を禁止するものではない」だった。
そこで会員が「以前、男性が女性専用車両に乗車すると、駅員(助役)が一緒に乗車してきて付いて来たりしていたが、今もしているのか」と尋ねると、「現在はしておりません」とのことだった。
もちろんこれは九州に旅行に行った会員が旅行先で福岡在住の会員と会い、個人的に行ったもの(その日が祝日だったため、女性専用車両の実施がなく乗車活動は出来なかったらしい)で、会としての正式の活動ではなかったから活動履歴として記事にはしていない。
しかし、そのときに西鉄職員の言っていた「現在はしておりません」という言葉が本当かどうか、今回の乗車会で検証するような格好になった。
今回は西鉄柳川駅を出たところで車内を巡回してきた車掌が私達の目の前を通り過ぎながらも一切声掛けしてこなかったことや、さらに途中の停車駅から助役などが乗り込んでこなかったことなどから、西鉄福岡駅の職員の言葉は本当だったと見て良いだろう。
とは言え、任意協力であるにも関わらず『女性専用車両』という名前で現在も列車が走り続けている以上、今後も継続して任意周知を行う必要はある。
福岡やその周辺にお住まいの方で入会してみようと思う方(もちろん福岡以外でも全国的に会員は随時募集している)は是非当会まで入会申し込みいただきたい。