ウクライナ鉄道に女性専用車両が導入されていた

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2023年6月30日のAFPBB Newsによると、戦時下のウクライナ鉄道において女性客を狙った性犯罪を撲滅するためとして、長距離列車の4路線に女性専用車両が導入されたとのこと。

日本では女性専用車両が一部政党の選挙対策や実績作りのネタになっていたり、一部の鉄道事業者の女性客寄せ策やイメージ戦略等と化しているものの、マスコミや鉄道会社がそのことに触れることは全くなく、表向き「痴漢対策」「性犯罪から女性を守るため」でまかり通っている。

しかしながら、こうしたことが起きるのは「日本が平和だからである」と考えたくなるが、実はウクライナでも似たようなことが起きていたのである。

2022年2月からウクライナはロシアからの侵攻を受け、戦時下の状況にある。日本とウクライナの女性専用車両を単純比較することはできないかも知れないが、この記事に書いてあるように「女性専用車両があると知り、安全と快適さを重視してすぐにチケットを購入した。」「着替えもできるし、夜も眠れる」「閉ざされた空間なので、男性と一緒だと落ち着けない」という理由での女性専用車両導入であるならば、これはおよそ戦時下の国のやるべきこととは思えない。

列車内でセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)や痴漢、さらにはレイプが横行しているとして、すべての長距離列車の少なくとも1両は女性専用にするよう求めるオンライン署名が政府のウェブサイトに掲載された。2万5000筆以上の署名が集まり、ウクライナ鉄道は導入に踏み切った。

とのことだが、はっきり言って戦時中にそんなことをしている場合だろうか。

もちろん、ウクライナが戦時下なかったとしてもこの記事には問題がある。

男性からは一種の「男性差別」だとする主張や、潜在的な性犯罪者と見なされることに憤慨する意見もみられた。

 キーウ市内の駅のプラットホームにいたアンドリーさんは、女性専用車両は「いい案」だと思うとしながら、男性専用車両も取り入れるべきだと指摘した。「それなら、チェスもできる」と笑った。

一見、「男性差別だとする主張」や「潜在的な性犯罪者とみなされることに憤慨する意見も見られた」と、女性専用車両を快く思わない声も取り上げ、公平に報道しているように見えるが、それらの声はこの記事の中で全て「女性専用車両が性犯罪対策であり、正しいもの」という前提で紹介されていることに気づかれた方はどれくらいいるだろうか。

記事を作成した書き手にその意図がなかったとしても、これでは

「女性を性犯罪から守るための正当な施策なのにそれを理解できない男性が一部にいる。そして、そういう男性が『男性差別だ』とか、『潜在的性犯罪者とみなされている』などという不満を口にする」

という印象を与えてしまうことには繋がらないだろうか。

先述したが、少なくとも日本の女性専用車両は「痴漢対策」から外れており、しかもそのことをマスコミや鉄道事業者が触れないようにしているため、今でも多くの国民が「女性専用車両は痴漢対策」と思っている状態である。

そしてこの記事はウクライナの鉄道の紹介ではあるが、日本語で書かれていることからも分かる通り、これは日本人向けの記事である。つまり日本の女性専用車両反対派に対する世間の印象をミスリードしてしまう可能性がある。

また、最後に「男性専用車両を取り入れるべき」という意見も紹介しているが、これも一見公平さを前面に出した、反対派寄りの意見のように見えて、実は女性専用車両賛成派の意見である。

これは記事で紹介された人物が女性専用車両のことを「いい案だと思う」としていることからも分かる。

しかし、「男性専用車両」を引き合いに出すと(鉄道事業者に全くやる気がなく、実現する見込みもほぼ無いにも関わらず)それだけで「女性専用車反対!」と言っている人間の怒りの感情を抑え、うまくコントロールできるのである。

また「男性専用車両があれば女性専用車両があってもいい」などと言っていると、「男性も男性専用車両が出来るように頑張ればいいのにそれが出来ないのは男性が頑張らないから」などと、男性専用車両が実現せず女性専用車両だけがある現状を全て「男性の自業自得」にされてしまうということも知っておいた方が良いだろう。なお日本において女性専用車両が実現したのは政治的な力が働いたからであり(一般の)女性が頑張ったからではない。

一応念のために言っておくが、当会はそれ以前の問題としてそもそも男性専用車両も公共交通機関においては不適切な差別に当たるなどの考えから、男性専用車両にも反対の立場である。

もちろん性犯罪やその対策を行うこと自体は必要ではあろう。しかしそれが女性専用車両でなければならないという理由はどこにもない。少なくとも現在の日本においては「痴漢対策」という導入理由は「女性専用車両を正当なもの」と社会に印象づけ、反対派を排除するための「方便」と化していることに気をつける必要がある。

情報元:ウクライナ鉄道、女性専用車両を導入 性犯罪対策で 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News

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