当会会員が韓国・釜山へ行った際に会員がたまたま利用した釜山地下鉄1号線に女性専用車両の表示があるのを発見した。
駅構内での表示によると、運用時間帯は午前7時~9時、午後6時~8時で、ホームドアには女性専用車両の表示はあるものの、ホーム床面等に女性専用車両を殊更強調する表示はなく、またそれらしき放送も無かったとのこと。


釜山の「地下鉄1号線」は主要駅の釜山駅や繁華街である西面、国際市場などを通る主要路線の1つ。
女性専用車両の存在に気づいた会員はまずホームドアの表示を読んでみた。여성배려칸とあるが、そのうち여성は「女性」배려は「配慮」を意味する。どうやら여성배려칸で女性専用車両の意味になるらしい。
日本なら女性専用車両には法的根拠がなく、また国土交通省も直々に「女性専用車両は男性の任意協力であり、強制的に排除するのは不適切である」と認めているため、非協力乗車をしようと思えば可能だが、ここは日本国外であり、女性専用車両の法的・約款的根拠も日本とは異なるかもしれないので迂闊な行動はできない。
そこで、まずは韓国の女性専用車両がどの程度厳格に守られているのか観察することにした。
もし女性専用車両に女性しか乗っていないのであれば乗車するのはやめておこうと思っていたが、到着した列車の女性専用車両には多数の男性客が乗降していたため、会員も乗車することにした。
乗車した際の声かけなども無かったが、もし声をかけられたら謝って移動することも考えていたとのこと。しかしながら結局降りる駅まで何も言われることはなかった。

釜山でも女性専用車両に乗って問題なさそうだと判断した会員(男性)は、滞在中に再度女性専用車両に乗車した際、少し勇気を出して近くにいた男性客に「私はこのままこの車両に乗っても問題ありませんか?」と尋ねてみた。
するとその男性は即座に首を縦に振り、小さな声で「OK」と答えてくれたそうである。どうやら釜山でも女性専用車両は【名前だけ】になっているようだ。
ただその一方で、日本と同様に女性専用車両と両隣の車両で混雑差が見られるとのこと。
会員は帰国後「今回の私の体験はあくまで所用のついでの乗車に過ぎず、朝のラッシュ時の状況などは確認していませんので、実態の一面に過ぎないかもしれません」と述べたが、実際、会員が見たのは釜山の女性専用車両の実態のごく一部ではあろう。
しかしながら、男性が絶対に乗車できない状況ではないようだ。

