札幌市営地下鉄南北線での女性専用車両の正式導入日が決定

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札幌市交南北線での女性専用車正式導入が、2008年12月15日からと発表された。また、札幌市交では「女性専用車」という呼称は使用せず、「女性と子どもの安心車両」という呼称を使用するということも発表された。

これについて、ネット上では様々な意見が出ているようだ。
「女性専用という、強制性のある名称を改め、より任意性の高い名称にしたのは評価できる」 という意見がある一方、「反対派を黙らせるための、小手先のごまかしではないか?」・「名称を変えても、男性=悪・加害者という観点に立っていることに違いはない」など反対派の間でも見解は分かれている。
なお、当記事では今回、札幌市交が導入する「女性と子どもの安心車両」について、名称が長いことと、名称を変えただけで事実上は女性専用車両と同じようなものであることから便宜上、「女性専用車両」等と表記させていただく。

札幌市交側は、女性以外の乗客、つまり男児や男性の障害者などが乗車しにくいため、名称を変更したとしているがこれまでの経緯、つまり、

  • 元々、首都圏や関西圏などに比べ、地下鉄の混雑率は低く、痴漢被害も特に多かったわけではないこと。
  • また、痴漢とは何の関係もない、刃物による傷害事件が今回の導入のきっかけとなっていること。
  • そして、すでに他地域で導入された女性専用車両の痴漢対策としての矛盾(導入後痴漢件数が減っていない・関西などで見られる、閑散時も含めた実施など。)が指摘され、鉄道事業者側が「女性に安心してご乗車いただくため」と、導入理由を摩り替えているという状況の中での女性専用車新規導入であること。

これらから考えれば、「痴漢対策としての女性専用車両」 では説明がつかなくなる点が多々出てくるため、最初から、「女性に安心して乗車いただくための車両」 として導入するということではないのか? と見ることも出来なくはない。

また、女性専用車両に男性が協力することの任意性について、札幌市交は「任意によるものなので、拒否することはできません。」と、一応認めてはいるが、これは札幌市交のサイトにひとこと記載されているだけであり、札幌の地下鉄利用者全体からみれば、交通局のサイトを見る人は恐らく少数と思われ、またその中で専用車に反対の意思を示し「任意なのだから乗らせてもらう」という人はさらにその中の一部である。

さらに実施後は、

  • 案内放送により、協力の呼びかけを行う。(知らずに女性専用車に乗車する男性客が出ないようにするためと思われる。つまり女性専用車内に男性がいると、それを見て他の男性客も乗車してくるため女性専用車の形骸化につながる。だから、それを防ぐためではないかと思われる。)
  • ホームに警備員を配置する。(警備員を配置しているだけで、男性乗車禁止のように見える。)

ということが既に予定されており、これらのことから他地区同様、札幌でも女性専用車が任意協力と言いつつ「事実上の強制」となる可能性は高いと思われる。

札幌市交が駅の放送やポスター等で「任意協力」を明記・明言するのならともかく、そうでない限りは、大多数の人は、女性専用車への協力が任意であるということも知らないまま「男性が乗車すること自体、絶対してはいけないこと」と認識することであろう。

ネット上では、「札幌市交が女性専用車の任意性を認めた。一歩前進だ。他の鉄道事業者よりもずっといい。」と、大きく評価する声もあるが、果たして本当にそうなのか、今後もその動向をよく見ていく必要があると思われる。

情報元:(札幌市交通局サイト)
http://www.city.sapporo.jp/st/anshin_syaryo/anshin_syaryo_donyu.pdf

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