札幌市交通局では、8月から9月にかけて、地下鉄南北線で女性専用車の導入実験を行い、期間中に利用者アンケートを取っていたが、この度、アンケートの結果が発表されると共に、女性専用車の正式導入も決定した。
まずアンケートだが、ネット上などでは「最初から賛成圧倒的多数の結果を出すためのアンケートだろう」と言われていたが、予想通り「圧倒的賛成多数(反対意見は2~3割前後)」の結果が発表された。
札幌の女性専用車に関するアンケートとしては、交通局の他、当ニュース2008年7月20日付の記事(札幌市営地下鉄南北線への女性専用車両の導入アンケート)でも紹介しているBNN社がアンケートを取っているが、こちらは「反対意見が過半数(約57.7%)」という結果が出ている。
同じことに関するアンケートで、なぜこんなに結果が異なるのだろうか?
BNN社が反対派だからではないのか? と思う人もいるかもしれないが、これはそうとは言えないと思われる。なぜならばBNN社は、アンケート結果が出た後、自社サイトで、(反対が過半数を占めたが)「女性専用車を望む声も一定数に達してきている」と、賛成派寄りとも取れるコメントをしているのだ。
女性専用車導入を行った鉄道事業者は過去、専用車アンケートで様々なイカサマまがいのことをしてきた。例えば、専用車導入に関するアンケートを取って「反対多数」という結果が出れば、再度アンケートを取り直して「賛成多数」という結果を強引に出したり(JR西日本・横浜市交)、あるいは専用車両利用客に重点的にアンケート用紙を配布して、最初から賛成多数という結果が出るような工作をしたり(神戸市交・相鉄)するなどしてきたのである。
そしてネット上でそれらのことが知れ渡り出すと、今度は鉄道事業者はアンケートを取った方法や男女比などを細かく公表し、いかにも「イカサマアンケートではありません」 と言わんばかりに、「賛成圧倒的多数」のアンケート結果を公表するようになった。(先の名古屋市交東山線のアンケートがそうだった。)
今回の札幌市交のアンケートでも、わざわざ男女比の他、アンケートを取った場所(南北線では駅改札口前)まで公表している。「女性に多く配布したり、女性専用車付近の乗客に重点的に配布するようなインチキはしていませんよ!」 と言わんばかりである。
しかしながら、札幌市交では過去にもアンケートを取っており、その際には「反対多数」で導入は見送ったという経緯がある。また、公明党に専用車導入の圧力をかけられていたという経緯もある。
これらのことを考え合わせると、札幌市交での専用車導入は試験導入やアンケートを取る前からの既定路線であり、このアンケートも、(外部からは伺い知ることの出来ない)何らかの手法をもって、賛成多数となるよう操作されたアンケート結果である可能性は否定できないだろう。
なお、正式導入が決まった女性専用車両は、12月中に南北線で朝ラッシュ時に、来年夏には東西線でも導入する予定。東豊線は4両編成と編成数が短いため導入する予定はない。
情報元:
読売オンライン 北海道発2008年10月11日付
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20081011-OYT8T00034.htm