先日、当ニュースでもお伝えした通り、8月より札幌市営地下鉄南北線において1ヶ月間女性専用車両が試験実施されることになったが、これについて、北海道のインターネットニュースサイト運営会社のBNN社(ブレーン・ニュース・ネットワーク)がネット上で、札幌市交通局南北線の女性専用車両試験導入についてのネットアンケートを行った。
現在、アンケートの募集は締め切ったが、結果は以下のURLより見ることができる。
http://www.bnn-s.com/enq/enqVote.php?enq_cd=163
回答者は以下の選択肢の中から、自分の考えに一番近いものを選ぶという方法。
・痴漢被害減少に効果が期待できるため必要
・痴漢に間違われる心配がなくなるので賛成
・痴漢被害の抜本的な解決策にはならず不要
・車両の先頭(または最後尾)では下車後の移動が不便なため反対
・どちらでも構わない
アンケートを取り始めた当初(7月7日午後10時現在)では、「痴漢に間違われる心配がなくなるので賛成」が84.1%と圧倒的多数だったが、その後「痴漢被害の抜本的な解決策にならず不要」の方が多くなり、最終的には「痴漢被害の抜本的な解決策にならず不要」が57.7%(352人=男性286人・女性66人)と、過半数を占め、「痴漢に間違われる心配がなくなるので賛成」は29.9%となった。
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なお、札幌市交通局も試験導入期間中に、女性専用車の是非について利用者アンケートを取るとのことであるが、反対派の方々ならすでに多くの人がご存知のように、今回の札幌市交通局の女性専用車両導入も、他地区同様、市議会等での公明党の圧力によるものであり、痴漢対策とは全く関係ないと言ってよいようなものである。
関東や関西で導入が進められていた頃(2003~2005年位)から、札幌市議会で公明党議員が交通局に、女性専用車導入について質問したりするようなことはあったが、交通局は女性専用車導入アンケートを取り、「反対多数なので導入しない」としていた。
しかし昨年、札幌市交東豊線で起きた、痴漢とはまったく関係のない、男女問わず誰でも被害者・加害者になりえる、車内での刃物による傷害事件を理由に、公明党が市長に女性専用車導入の要望書を手渡し、その後再度、交通局がアンケートを取り、前回のアンケートにあった、「性差別になるので反対」という選択肢をなくすなどして賛成多数という結果を出し、今回の試験導入に持ってきたものである。
また、傷害事件は東豊線で起きたが、女性専用車導入が決まった時点で、どの線区に導入するかなどが未定であり、南北線に試験導入と決まったのはその後である。それらのことからネット上では、「理由は何でも良いから、とにかく少しでも女性専用を拡大することが目的になっている。」というような意見も出た。
今回のBNNのアンケートでは結局反対多数となったものの、交通局が試験導入期間中に取る予定にしているアンケートではどのような結果が出るか。
一度「反対多数」で女性専用車の導入を見送っているにもかかわらず、再度アンケートを取り、女性専用車試験導入を決定していることなどから考えると、仮に賛成多数という結果が発表されたとしても、そのまま素直に信じてよいものかどうかという話にはなるかもしれない。