下田市の商業施設に侵入したとして、警察は25日、神奈川県に住む50代の女を逮捕しました。この女は、男子トイレなどコンセントの差し込み口に黒いテープを貼っていたとして、警察は、別の複数の施設でも発見されている同様の事件への関与も含めて捜査しています。
観光施設の男子トイレに侵入 女を逮捕 コンセントには黒いテープが・・・ 一連の黒テープ事件に関与か|Daiichi-TV NEWS NNN下田市の商業施設に侵入したとして、警察は25日、神奈川県に住む50代の女を逮捕しました。この女は、男子トイレなどコンセントの差し込み口に黒いテープを貼っていたとして、警察は、別の複数の施設でも発見されている同様の事件への関与も含めて捜査して...
商業施設の男性用トイレに侵入したとして、神奈川県に住む50代の女を逮捕したとのこと。
今回の逮捕の容疑である「異性トイレへの侵入」について考えてみたい。
トイレへの侵入と聞くと、「男性が女性用トイレに性犯罪目的で侵入」ことだというイメージが強いだろう。しかし、今回は男性用トイレに侵入したとされる女が逮捕された。
男性が女性用トイレに入ることと、逆に女性が男性用トイレに入ることについて、社会における反応は雲泥の差である。
高速道路のサービスエリアなどでは女性用トイレが並んでいるからという理由で「今だけ男」などと言って男性用トイレに平然と入る女性がいる。
しかし、どちらも清掃や設備の修繕など正当な理由による施設管理者から許可を受けない限り、入ることは建造物侵入罪にあたることには変わりがない。
にも関わらず、これまでそういった女性が警察沙汰になることがなかったのは男性利用者側や施設管理者の「男性は性犯罪を起こすが、女性は性犯罪を起こさない。だから女性が男性用トイレに入っても問題ない。」という偏った考えによるものだろう。
犯罪は性別関係なく、起こす人は起こすし、起こさない人起こさない、ただそれだけであり、個人で見るべきである。そうでないと先入観に囚われては犯人を逃してしまう可能性だってある。
もし男性が女性用トイレに入ったのであれば、それが性犯罪目的でなくとも間違いなく逮捕されるだろう。
それを裏付けるニュースとして、以下は腹痛による緊急避難行動だったのに男性が女性用トイレを利用してしまったがために逮捕されてしまった事例である(のちに裁判で無罪が確定)。
今回はこれまでそれほど問題視されてこなかった「女性による男性用トイレへの侵入」により逮捕者が出ることとなった。
なぜ今回の事件が逮捕に至ったのかについては、他にも黒いテープが貼られていたことと関わりがあると考えられたからというのもあるだろう。
しかし、「男性用トイレに侵入した女性が逮捕された」ことについては、男女平等に近づいたとして社会の進歩として受け止めるべきであろう。
昨年には旧ジャニーズ事務所での性被害問題が明らかとなり、男性への性被害がクローズアップされた。「男性=加害者であり、性被害に遭わない『特権』がある」という神話は崩れつつある。
異性の空間に侵入するのは男性だけではない、女性も異性の空間に侵入することもある。片方の想定だけの犯罪対策は間違っている。
先日、当会は名古屋市交通局を訪問した。名古屋市営地下鉄のトイレには女性用トイレにのみ防犯ブザーが設置されているが、これは「トイレで危険な目に遭うのは女性だけ」という誤った観念に基づいたものである。
「この性別は常に加害者側、この性別は常に被害者側」という意識では、その観念から外れた犯罪による被害者を救うことはできない。
誰もが安心して生活することができるようにするために犯罪対策は誰もが対象になる平等な方法で行う必要がある。
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