2016年1月 関西本部:阪急宝塚線 非協力乗車会と阪急・JR西日本・南海本社訪問活動の報告②

2.阪急本社抗議

阪急宝塚線での乗車会を終えた私達は、阪急梅田駅から徒歩で阪急本社に向かいました。

そして、先ほどの乗車会で車掌の取った行動などについて抗議を行いました。

以下、参加したメンバーからの報告です。


ドクター差別氏・レノン氏・福山代表が阪急に直接抗議

車掌がレノン氏の腕に触ったことについては謝罪

梅田駅から阪急本社へ

阪急本社ビルは、梅田駅から阪急の線路沿いを少し十三寄り(京都・神戸寄り)に歩いたところにある。

阪急宝塚線での乗車会を終え、梅田から合流したドクター差別氏と当会会員K氏も含め、7人で線路沿いに鉄道高架下を歩き、阪急本社を目指した。

辺りは阪急梅田駅北側の茶屋町と呼ばれる一帯。

この日は朝からいまいちすっきりしない曇り空だったが、天気予報ではこの後、晴れるとのこと。

ドクター差別氏に先ほどの乗車会での状況などを話しながら歩いていると、携帯に電話が入った。当会会員のT氏からである。

T氏には、現在梅田駅から阪急本社に向かっていることを伝え、直接阪急本社まで来てもらうことにした。

歩き始めて7~8分ほどだろうか、目の前に本社ビルらしき建物が見えてきた。

さらに近づくと、建物の前に「Hankyu Corporation」と書かれた看板があり、ここが阪急本社と確認。中に入ることにした。

阪急本社ビル
看板

入り口を入ってすぐ右手の受付で福山代表が、「女性専用車両のことで、お聞きしたいことや申し上げたいことがあるが、今から対応してもらっても良いか」等と伝えると、「少々お待ちください」とのことで、全員ロビーへと案内された。

ロビーの椅子に全員で座って待っていると、先ほど電話してきたT氏が現れ合流。これで私達は全部で8人になった。

ただ、本社の前に、「多人数での抗議・陳情はお断りいたします」というような看板が立ててあり、8人全員で抗議をするのはどうやら無理そうだった。

しばらくして阪急側の社員が3名、私達の前に現れたが、やはり「応対する部屋が小さい所なので」ということで、結局、ドクター差別氏とレノン氏、福山代表の3人が抗議を行い、残りのメンバーはロビーで待つこととなった。

阪急本社社員に抗議

先に断わっておくが、「3月から阪急神戸線で女性専用車導入」という発表があったのが、この訪問(抗議)の数日後だった。

そのため、今回の抗議では神戸線関係の話は全く出ていない。

この時点で知っていれば、そちらについても阪急側に問いただしたところだが、タイミングの関係上、これは致し方ない。

恐らく、この抗議を行った時点で、すでに神戸線に拡大導入されることは決まっていたのだろうが・・・

以下、阪急社員とのやり取りから一部抜粋。

阪急:この後別件対応がありますので、お時間30分程度でよろしいでしょうか?

一同:はい

阪急:ではまず、受付のほうで女性専用車両のお話で、車掌の対応についてということで伺っておるんですけど。

ドクター差別:私ら二人(ドクター差別氏・レノン氏)は昨日東京から来まして、こちらの人(福山)が代表をしている団体の集会に参加して、こっちでも(女性専用車両に)乗車して・・・、同じ趣旨でやっている団体なんですけども・・・

レノン:今朝なんですが、宝塚線の川西能勢口8:27発の通勤特急梅田行の最後尾車両に、仲間と一緒に乗車していたんですが、車掌がですね、乗務員室から出てきて私に声掛けしてきたんですね。
「女性専用車両だから前の車両に移ってもらえないか」と言ってきたので、「なぜ移る義務があるのか」って言ったんですけど、しつこく言ってくるので、「ちょっと待って録画するから」って・・・
録画しても人は映していないし、映していたとしてもそれだけなら法的に問題はないんですが、嫌がる人もいるので人の顔は映さないようにしてたんですが、証拠保全のために録画しようとしたんですけど、そしたら腕に触ってきて、「録画はしないでください」って・・・
それこそこちらからすれば、何かやましいことでもあるんですか?っていう話なんですよね。
そしたら急に態度が変わって、「どこまで行かれるんですか?」って言ってきたんですが、だけどそんなの全員に聞いているんですか?って話で、いちいち答える必要があるんですか?ってことです。
介助をお願いしているわけでもないのに・・・

阪急:そうですね。お客様がご乗車なされるところまでは・・・

レノン:何がいただけないかといったら、直接腕に触ってきたということですよね。触るってのは、いけない・・・

阪急:そうですね。

レノン:そもそも、個別に声をかけるのもよろしくないし、女性専用車というのは、前提として誰でも乗れる車両ではないですか?

ドクター差別:ご存知かもしれませんけど、「女性専用車両から男性を強制的に排除するのは憲法に反するのではないか」という裁判で、大阪市交通局とJR西がその場で「女性専用車両に法的根拠がなく、男性に何らの義務を負わせることもない」という主張をして、裁判所も「そういうことであれば女性専用車両は問題ない」という判断を下したということで、それを踏まえれば、男性が乗っていたからといって、いちいち個別に声掛けをするのはいかがなものかということになるわけですよね。
乗客にはいろいろな人がいますが、中には内部障がいのある人や、性同一性障がいの人などもいるわけで、まだアナウンスなら個人を特定していないのでまだしも、そういう人に個別に声をかけるのは、掛けるほうからすれば、軽く声をかけたつもりでも相手にとってはそうではないこともあるし・・・という前提があるわけですね。
で、私達はそういうことはやめていただきたいと、東京なんかでも各社に訴えかけて・・・こちら(関東)のほうでは、個別には声掛けはしない方向になりつつあるんですが・・・

※この後も、主にドクター差別氏が阪急側に、女性専用車両の任意性や声掛けの不当性などについて、過去の裁判例や、国交省の見解なども交え、「講義」を行った。


福山:そうですね。

阪急:車掌がですね、あの、お客様のお体に触れるというのは、本当によくないと思います。
これはお詫び申し上げます。本当に申し訳ございません。
あの、やはりお客様方が仰っておられるように、女性専用車両には法的な罰則とか、根拠とかもないんですが、痴漢とか、女性のお客様からのそういうお声であるとか、女性のお客様以外でもご利用のお客様からいろいろなお声が寄せられる中で、女性専用車両というのものを設定させていただいている中で、男性のお客様のご協力あっての専用車両になっていますので、なかなか全てのお客様にご理解ご協力いただくことは難しいのですが、あの、個別にお声掛けをしていくというのも、ご協力をお願いするためのひとつの弊社としての施策でありますので、今、客様にお伝えできるのは、すべての客様にご理解ご協力いただくためのお願いをしているということでございます。
その中で、車掌がお客様の体に触れて、というのは良くないと思います。
これはお詫び申し上げるしかないです。申し訳ありませんでした。

※このように阪急側は一応謝罪はしたが、声掛けについては遠まわしながら、続ける意思を見せる。
そのため、この後もドクター差別氏が、「声掛けが、車内トラブルのきっかけになる」という趣旨で、さらに抗議(講義)。
過去に関東の活動で起きたトラブルについてや、もし乗客が手を出したりすれば警察を呼ばざるを得ないということなど、いろいろなことを伝えた上で、個別の声掛けはしないよう申し入れた。
そして、私達としては(女性専用車両は好ましくないが)、監視カメラなど、痴漢対策自体には決して反対ではないということも伝えた。


ドクター差別:私達は別に、痴漢対策自体には反対しないが、現状、女性専用車両は男性を一人も乗せないことが目的化してて、痴漢対策から乖離している。

阪急:弊社においての女性専用車両というのは痴漢被害から逃れる空間を作るというのがあるんですけど、先ほどお話にもありました車内に防犯カメラというのもありましたが、弊社としては混雑した車内での防犯カメラの有効性や、プライバシーの問題とかいろいろ課題がある中で、痴漢が減らないという現状の中、何か手を打たなければならないということで・・・

福山:阪急さんのHP見させていただきましたら、女性専用車両のことを、「人にやさしい魅力ある鉄道サービスを実現するための、サービス向上策」と書いてあって、痴漢対策とは書いてないんですよね。
で、その人にやさしい「人」って、誰のことを指しているのかと・・・

阪急:ご利用になるお客様全てですよね。

福山:ならば足腰の弱った、歩くのも困難なお年寄りの男性や、男性の障がい者に女性専用車両がどうやさしいのですか?

ドクター差別:女性の安心安全は言うけど、男性には全くそうではない。女性の安心安全を確保するのは結構だが、男性の安心安全も確保していただきたい。

福山:阪急さんとしたら女性専用車両しかないというお考えなのですか?
監視カメラは混雑した車内での有効性やプライバシーの問題があって、と仰っておられましたが、JR埼京線では非常に混雑が激しい路線であるにもかかわらず、痴漢6割減という結果が出ているので、「混雑しているから監視カメラは有効でない」というのはおかしいのではないでしょうか?

それに、阪急でも駅構内に多数の監視カメラが設置されていますが、あれも費用が掛かっていると思うし、プライバシーの問題というなら、駅構内なら問題にはならなくて、なぜ車内の場合だけプライバシーが・・・という話になるのでしょうか?

ドクター差別:駅に安全のためのモニターとかありますけど、あれもプライバシーといえばプライバシーに関わってくるわけですから・・・

福山:女性専用車自体が目的になっているのではないですか?
本来公共交通にあるべきでないものを、痴漢対策のためやむを得ないと言って、押し通しているだけではないのですか?他がやっているからウチも・・・になっているのではないですか?痴漢件数も減ってませんし。

レノン:今の女性専用車は現状、痴漢対策ではなくて、男性対策だと思います。
男性がいなけりゃいいみたいな・・・

ドクター差別:韓国では、女性専用車は痴漢対策にならないから、監視カメラを設置して、保安員を乗せるということでやったんですよね。

阪急:弊社の場合は現時点では、監視カメラはその有効性というのがありますので、今のところ導入していないのですが・・・

ドクター差別:有効性を言うなら、今の女性専用車両は痴漢件数減ってないじゃない。

福山:本当に痴漢対策を真剣に考えているのなら、「埼京線で監視カメラで痴漢6割減」といえば、注目すると思いますが、なぜ先に「プライバシー」とか「費用」とか「混雑している車内での有効性が・・・」とか、そういう話が出てくるのですかね?

ドクター差別:ちゃんと痴漢対策として、痴漢被害が減る施策をやってくだされば納得しますよ私らは。
みんな多分、(女性専用車両で痴漢が)減っていると思っていると思う。

レノン:「男性に見える人」だけに不利益を押し付けるということがナンセンスだと思います。

阪急:本日いただいた内容は、承知いたしましたので、今朝の宝塚線の件については、本当にお詫びを申し上げます。

一同:ありがとうございました。

このような感じで、約45分間にわたって話し合い、最後は互いに礼を述べて阪急本社を後にしたが、先にも少し触れた通り、この数日後、阪急から「3月から神戸線にも導入」という発表があった。

阪急に関しては、今後も実際に乗車会を行ったり、場合によっては今回のように本社を訪れて抗議するなど、もっと対応していかなければならないだろう。


続いて、私達はすぐ近くのJR西日本本社に出向き、
2年前(2014年)8月のJR東西線御幣島駅でのことなど、いろいろ抗議を行いました。

続き

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