2013年4月 関西本部:JR西日本線 非協力乗車会

実施区間:大阪~新今宮~久宝寺~放出~京橋~天満

当会関西本部では、去る4月14日にJR線で非協力(任意確認)乗車会を実施いたしました。

今回は女性客からの声かけはありませんでしたが、途中駅の天王寺で警備員2名による声かけがありました。

以下、参加したメンバーからの報告です。


天王寺で大声を出す警備員出現

車内まで乗り込んできて「女性専用車にご協力願いまーす」

大阪~新今宮

私達は大阪駅14:33発、大阪環状線内回り電車に乗車することにした。

まだ、その私達が乗る予定の電車まで10分ほど時間があったので、反対方向(外回り)の列車なども見てみたのだが、女性専用車両にも結構な数の男性客が乗車しており、大阪駅発車後も男性客を何人も乗せたまま発車して行った。

当日の大阪駅環状線ホームの様子
私達が乗車したのは14:33の列車
大阪駅ホームの女性専用車乗車位置表示

しばらくして、私たちが乗車する予定の内回り電車が到着。こちらも車内に男性客が何人もいた。

大阪駅では、ほとんどの乗客が入れ替わるのだが、大阪駅で、これまで乗車していた人がほとんど降りたあと、私たちも含めホームで待っていた乗客が乗車すると、車内は座席がほぼ埋まっているくらいの乗車率となった。

車内を見渡すと、やはり私達以外にも確認できるだけで4、5名の男性客が乗車していた。

この時間帯(ここでは14時台)の環状線の女性専用車は、(私達が見た限りでは)かなり形骸化が進んでいるようだ。

関西地区以外の人の中には、「女性専用車両って平日の朝だけなんじゃないの?」と思う人もいるかもしれないが、関西では多くの路線で女性専用車両の終日実施が行われている。

関西ではこのJR西日本のほか、神戸の地下鉄も全路線で土日も含め、女性専用車両完全終日実施である。

あと、平日だけなら大阪市営地下鉄御堂筋線や阪急京都線(の特急)なども終日実施である。

しかし、これらの路線が昼間でも痴漢が多発するくらい混雑するのかと言えば、全くそうではない。

当会の過去の活動報告でも報告している通り、JR西日本の普通列車の女性専用車など、昼間は乗車活動している私達以外、ほとんど乗客がいないという状態になることもしばしばである(そこまで行かなくても、普通列車で昼間に乗客同士で体が触れ合うほど混雑することは通常、まずない)。

つまり、痴漢対策など「ただの建前」なのである。

特に2011年春に行われたJR西日本の女性専用車完全終日化は、どう考えても痴漢対策とは到底思えない、何とも胡散臭いものであった。

(参考)JR西日本の女性専用車終日化に物申す

何度かリンクを貼っているページなので、すでに見た人もいるかもしれないが、最近になって当会サイトを見るようになった人もいると思うので貼らせて頂いている。

いつも当会サイトをご覧の方々にはそのあたり、ご了承願いたい。

また、いつも当会サイトをご覧の皆様も、もしよろしければ、JR西日本の女性専用車が痴漢対策ではないということを再認識していただく意味で、もう一度リンク先のページに目を通していただければ幸いである。

よく、「女性専用車両は痴漢対策なのだから差別じゃない。

差別だという奴は痴漢被害者のことを考えていない」などと言う者が世間には居るが、これなど「痴漢対策という、もっともらしく聞こえる建前」に完全に騙されている典型的な例である。

関東やその他の地区(札幌・名古屋など)では、女性専用車両は平日の朝のみか、平日の朝夕の実施であるが、これとて導入された背景などをよく調べれば、実は痴漢対策とは言いがたい代物であることが見えてくる。関東地区(の多くの路線)や札幌・名古屋の地下鉄の女性専用車両も、その導入には政治的な圧力が強く関わっているのだ。

なお、今回私たちが乗車活動を行ったJR西日本に関しては、自分から積極的に女性専用車を導入し、女性専用車内に鏡を取り付け、さらに駅構内のポスターやモニターで、「乗ってますか? 女性専用車」・「毎日・終日実施しているからいつでも乗れる」などと宣伝するなど、明らかに女性専用車を女性客向けの「ウリ」にしており、他の鉄道事業者の多くが女性専用車両の導入に難色を示しながらも結局、政治的圧力などで仕方なしに導入を決めたのとは全く事情が異なる。

福島・野田と過ぎ、車内に空席が目立ち始めてきた。

毎度のことながら、どう考えても(痴漢対策としての)女性専用車が必要な乗車率ではない。

やがて列車は新今宮駅に到着。

ここで関西線の王寺行き普通に乗り換え。

新今宮~久宝寺

関西線の列車は環状線の列車にもましてガラガラで、私たち以外ほとんど乗客がいない状態だった。

私たちは数人ずついくつかのグループに分かれ、車内にバラバラに乗車。

列車は次の天王寺駅に到着。

列車はここで数分停まることが多いが、この列車も天王寺で数分停まっていた。

天王寺から乗客が乗ってきて、車内の人数が少し増えたが、それでもまだ空席が目立つ。

すると突然ここでホームから警備員二人が車内に乗り込んできて、かなりの大声で

「こちらは女性専用車でーす」

「女性専用車にご協力願いまーす」

と声掛けしてきた。

少し離れたところにいた当会メンバーによると、「一瞬、酔っ払いが騒いでいるのかと思った」とのこと。

そんな大声で声掛けされたら、(意識して女性専用車に乗車している男性以外)大抵驚いて降りてしまうだろう。

もちろん私たちは意識して乗車しているので移動しなかったが、声掛けしても移動する意思がないと分かると、警備員は退散していった。

退散して行ったことから見て、この警備員たちも女性専用車が「任意協力」であることは知っている(知らされている)のだろう。

しかしながら、それでもあのような大声での声掛けは「大きな声で驚かせて、移動させる作戦だったのか?」と勘ぐりたくなってしまう。

「女性専用車両に何ら法的強制力は無く、あくまで任意協力に過ぎない」ということが広く世間に知られだしたのは比較的最近のことであるが、現在の女性専用車両が導入され出したころ(今から8~10年位前)にも、「女性専用車両が法的な強制力を持つものか否か」を鉄道事業者に問い合わせる人はいた。

それに対し、当時の鉄道事業者は大体どこも、「この回答は一切他には漏らさないように」と強く口止めした上で、「法的な強制力はない」と回答していた。

つまり、鉄道事業者は当時から、「女性専用車両を法的に強制できない」ということを知っていながら利用客にはそれを隠匿し、「女性専用」という、強制的なものであるかのような表示を出していたのである。

そして、利用客から直接問い合わせを受けた場合のみ、口止めをした上で、(仕方無しに)任意であることを回答していたのだ。

現在ではほぼ、どこの鉄道事業者も問い合わせを受ければ、女性専用車両は任意協力であることを認めるが、それでも実際には女性専用車両に男性が乗車すると、半ば強制的に降車させようとするケースが後を絶たない。

こういう鉄道事業者の態度からも、女性専用車両がいかにおかしいものかがよく分かろうというものである。

列車は空席を残した状態のまま、東部市場前・平野・加美と過ぎ、やがておおさか東線への乗換駅である放出に到着。

久宝寺~放出

おおさか東線は2008年に開業した比較的新しい路線。

しかし、JR西日本はそんなおおさか東線にも、痴漢件数のデータが無いはずの開業当初から女性専用車を設置している。

(参考)JR西日本 おおさか東線に関しての報告(2008年)

痴漢対策ではなくもはや、「あって当たり前」という感覚で設置しているとしか思えない。

その後、先にも触れたように、混雑のない昼間も含めて終日化したことや、女性専用車を「ウリ」にしているとしか思えないようなJR西日本の宣伝文句などから考えてもやはり、痴漢対策など「ただの建前」なのである。

放出と書いて「はなてん」と読む

もともとおおさか東線は、ほとんど混雑することがない路線であり、私達が乗車した列車も久宝寺から終点の放出まで、車内の人数を普通の数えられるくらいの乗車率でしかなかった。

また、おおさか東線内では、エレベーターがちょうど女性専用車の位置にくる駅が多く、これでは男性の高齢者や障がい者は利用しにくいであろう。

途中、JR河内永和駅で(お父さんと思われる男性も含めた)家族連れが乗ってきた。

「昼間は解除」と思っているのか。

それとも女性専用車が任意協力に過ぎないという事を知っているのか、いずれかは定かではないが、任意協力であると分かって乗車しているのなら結構なことである。

久宝寺から10数分で、終点の放出に到着。

片町線に乗り換え。

放出~京橋~天満

放出から、西明石行き普通列車に乗り換え。こちらでも私達は別々の乗客を装い、バラバラに乗車した。
特に何事もなく、列車はすぐ2駅先の京橋に到着。

大阪環状線に乗り換え。

そして大阪環状線でも特に何事もなく、2駅先の天満に到着。

ここで下車し、乗車会は解散となった。

時刻は16時になっていた。

このあと、希望者のみ集まって、天満駅近くの居酒屋で2次会を行った。

当会も結成されて10年。

古くからのメンバーも比較的新しいメンバーも、いろいろな話題で盛り上がり、飲食しながら楽しいひと時を過ごした。

今、これまで世間にほとんど知られていなかった、「女性専用車両が任意協力に過ぎない」という事実が、広く世間に知れ渡り始めている。

少しずつではあるが、状況は確実に動きはじめているのだ。

しかしながら、そこから女性専用車両を縮小・廃止に持っていくためには、一人でも多くの人が参加して、もっと反対運動を盛り上げていく必要がある。

今、このページをご覧の皆様の中で、女性専用車両に疑問をお持ちの方は是非当会に入会して、反対運動の力になってほしい。

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