※このページは2024年9月 名古屋コミティア65出展の報告の記事で触れた、ポストへの解説(場合によっては反論)です。
「女性専用車両に反対するのは痴漢がしたいんだろう」
まず、多かったのは「痴漢がしたいから女性専用車両に反対するんだろう」というもの。
当会の会員が痴漢で捕まったというようなことは過去に一切ないので、単なる心象を悪くする為のレッテル貼りがしたいだけだろうが、当然ながら当会をはじめとする反対派イコール痴漢ではない。
そもそも本当に痴漢がしたいのなら、そのために女性専用車両に反対する必要はない。
女性専用車両があると痴漢する者が痴漢できなくなってしまうわけではなく、女性専用車両があっても女性専用車両以外の他の車両で十分痴漢ができるので痴漢は何も困らない。つまり痴漢する者が女性専用車両に反対する理由はない。
現に女性専用車両が導入されても(他の車両で痴漢が起きるだけだから)痴漢が減っていないし、路線によっては逆に増加したケースまである。
それどころか理屈で考えれば、そもそも痴漢という犯罪は多くの男性に紛れて自分が犯人とわからないように息を潜めながら行われる犯罪態様であるから、痴漢する気でいる者がわざわざ自分が目立つ女性専用車両に乗るわけがない。女性専用車両では痴漢などすれば世間に痴漢イコール男という固定観念があることも相まって、その男性が痴漢をした者と決めつけられてすぐさま御用となってしまうわけだから、むしろ「女性専用車両に乗る男性」のほうが痴漢とは非常に程遠い存在と言えるであろうことは明白である。
よって、当会のことを「痴漢がしたいから反対しているんだろう」というのは完全な的外れ…どころか、むしろ逆なのである。
※ついでに言うと、女性専用車両が男性の痴漢冤罪防止になるというのも完全な的外れ
当会サイトをきちんと読んでいれば
「当会が痴漢を容認する団体でない」ことも
「女性専用車両が絶対唯一の痴漢対策ではない」ことも
「当会がより効果的かつ差別にならない痴漢対策を鉄道事業者に対して提案し続けている」ことも
分かるはずなのだが、こういう「痴漢がしたいから反対しているんだろう」などという投稿をしている時点で当会サイトもロクに見ずに批判している事が明白である。
本気で痴漢対策するなら車内防犯カメラをつけたほうが女性専用車両よりよほど効果的である(JR埼京線で痴漢6割減の実績がある)し、差別にもならない。また、駅や車内の監視強化を図ることで抑止力が働き、犯罪は起きにくくなるし被害者も被害を訴えやすくなる。
にも関わらず、「女性専用車両に反対=痴漢対策に反対」という考え方をするのはいかがなものだろうか。
また、女性専用車両賛成派の中には「女性専用車両を設ければそこでは絶対に痴漢が起きない」などと、非常に視野狭窄なことを言う人がいる。
女性専用車両が出来た分、痴漢被害は他の車両で今まで以上に発生している(下記画像の記事参照)わけだが、そういう人はなぜかそれについてはダンマリで、しかも「車内防犯カメラでは痴漢がゼロにならない」などと言う。
こうした賛成派の中には「女性専用車両を設けると痴漢冤罪の防止にもなって男性も救われる」などと、根拠もなく男性にもメリットがあるというデタラメを主張する者も少なくない(先にも述べた通り、女性専用車両を設けても痴漢が他の車両で悪さするだけだからそこで冤罪も発生する。よって冤罪防止には一切ならない)。
なんなら、にわかには信じがたいだろうが世の中には女性による女性への痴漢行為というものが存在する。
「痴漢は男性が女性に対して行うもの」という固定観念からか、このようにXで同性からの被害を訴えるのはごく一部だと思われ、ほとんどの被害者は被害を訴えるどころか、このようにXなどのSNSでポストすることもせず泣き寝入りしているだろうということは想像に難くない。
もちろんそうした女性から女性への性犯罪は女性専用車両では当然防げない(上記画像の痴漢被害も女性専用車両内)。しかしながら、車内防犯カメラなら男女間の痴漢等はもちろん、同性間のこうした犯罪も防ぐ効果が期待できる。もちろん女性専用車両のような差別にも当たらない。
以前、当会サイトで「47歳の女が電車内で10代女性の耳を舐めて逮捕」というニュースを掲載したが、この事件も車内防犯カメラの映像が決め手となって犯人逮捕に至った。しかし、その手の賛成派はこれだけ防犯カメラの有用性を説明しても「防犯カメラがそんなに効果的だと言うなら、女性専用車両と防犯カメラを両方同時にやればいい」などと言い出す。
もちろん「女性専用車両が差別になる」という意見も完全に無視。
防犯カメラの導入がまだ進んでいなかった頃は女性専用車両賛成派は「防犯カメラは費用が莫大だから現実的ではない」「そんなに防犯カメラ防犯カメラ言うなら費用を出せ!出せないんだったら防犯カメラをつけろとか無責任なことを言うな!」などと防犯カメラ設置に猛反対していたのだが、実際に防犯カメラの設置が進みだすと、今度は「女性専用車両と防犯カメラを一緒にやれば良い」とは…
両方同時に推進すれば防犯カメラだけの場合よりもさらに費用はかかるのだが、両方併設した場合の費用については一切何も言わない。
結局、女性専用車両を自分達の既得権益と捉えて守ろうとしていただけであり、女性専用車両が防犯カメラに取って代わられないようにするため「費用!費用!」と吠えていただけである。
「『車内防犯カメラは費用が莫大』と言っていた賛成派と『女性専用車両とカメラを同時にやれば良い」と言っている賛成派は別人だ!』という反論もあるかもしれないが、防犯カメラが設置される前はあれほど「費用!費用!」と大合唱していたのに「女性専用車両とカメラの併設」となるとそうした意見が全く出て来ない時点で「車内防犯カメラのみの設置」に「費用を口実にして反対していた者」がいるのは明白である。
「痴漢被害者のことを考えろ!」という言葉もそういう人間(賛成派)にとっては被害者を慮るように見せかけて実は女性専用車両を維持するため、反対派を「被害者のことを考えられない奴」と決めつけて叩くための言葉でしかない。
「女性専用車両は御堂筋線事件から出来た」 ※デマ
「反対派は痴漢」と並んで多かったのが
「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけで出来た」
「どうして女性専用車両が出来たかを良く考えてください」
という勘違い意見である。
※御堂筋線事件とは
1988年に大阪市営地下鉄(現:大阪メトロ)御堂筋線車内で痴漢を注意した女性が下車後、逆恨みした痴漢達に連れまわされたうえ、マンション建設現場で暴行されたという事件。女性専用車両登場のきっかけとなったかのように言われているが、実は女性専用車両の導入とはおよそ無関係である。
「女性専用車両は御堂筋線事件という悲惨な事件がきっかけで出来たものなのに、それに反対するのは女性専用車両が御堂筋線事件から出来たという経緯も知らないからだろう」と言いたいのだろうが、これ自体「壮大な勘違い」である。
まず、これまで20年以上も女性専用車両問題に取り組んでいる当会が御堂筋線事件を知らないわけはない。
また、御堂筋線事件が女性専用車両導入のきっかけになったというのは、1988年の御堂筋線事件から30年近く、2001年に女性専用車両が実際に導入され始めてからでも15年以上経った2017年末ごろに突然現れて広まった【デマ】である。
実際に「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけで出来た」という情報は個人的なブログやサイト以外で、事業者が発信している公式なニュースやいずれの鉄道事業者のサイトでもそんな説明がされているものはない。そればかりか、鉄道事業者に問い合わせても否定されるか「知らぬ存ぜぬ」の回答をされてしまう。
もし仮に事実なら、そもそも現在の女性専用車両が導入され始めた2001年からSNSで「御堂筋線事件がきっかけ」などと言われ出した2017年の間に(女性専用車両に関する)報道記事や各種資料にちょこちょこ御堂筋線事件のことが出てくるはずであるが、それがまったくないのである。
当会サイトで以前から、「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけというデマについて」という記事を公開しているのだが、当会にこういう「女性専用車両が御堂筋線事件から出来たのを知らないのか!」などという投稿をしてくる者はやはり当会サイトもろくに読まずに批判してきているのが丸わかりである。
そして、簡単にデマを真に受ける人間である(つまり、乗せられやすく騙されやすい)ということでもある。
こういうと「デマだなんて、どうせ女性専用車両に反対する会の言うことだから耳を傾ける必要なし。女性専用車両は御堂筋線事件から出来たに決まっている!」と、話も聞かずに切り捨てようとする人間が現れるが、これは当会が勝手に言っているのではない。
御堂筋線事件を機に発足し痴漢撲滅運動を続けてきた「性暴力を許さない女の会」つまり【当事者】が御堂筋線事件と女性専用車両の関係を全面的に否定している。
(下記資料参照)
ツイッター上で、女性専用車両は地下鉄御堂筋線事件が「きっかけ」で導入されたと言っている人が目に付く。わたしはこれに全く同意できない。「きっかけ」というからには、時間的接着性があるはずだ。地下鉄御堂筋線事件が起きたのは1988年。女性専用車両の試験導入は2000年暮れ、しかも、東京だ。大阪では、2002年にJR西日本が試験運行したのが最初である。御堂筋線事件が「きっかけ」ならば、事件から遠くない時期に、御堂筋線にまず導入されていたはずだ。
2018年に、地下鉄御堂筋線事件を機に発足した「性暴力を許さない女の会」の方たちにお話を伺った時のこと。女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけだったと言っている人がいるんですよ、と言ったなら、一笑に付された。時期が違う、と。そりゃそうだ。事件から干支が一回り以上(古い言い方でごめんなさいよ)たってからの導入を、事件がきっかけだったというのはあまりにも杜撰だ。
大阪メトロ御堂筋線で起きたレイプ被害について by 牧野雅子|LOVE PIECE CLUB(ラブピースクラブ)大阪メトロ御堂筋線で起きたレイプ被害について by 牧野雅子
当会はこれを言っているだけだ。
ウソだと思う人は(少し長いが)先ほどの「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけというデマについて」の記事をよく読んでいただきたい。
先ほども言った通り、女性専用車両問題に20年以上も取り組んでいる当会が御堂筋線事件を知らないわけがないのだが、X上では「女性専用車両はこんな悲惨な事件があったから出来たんですよ。よーく見てくださいね」と言わんばかりにウイキペディアのリンクを貼ってきた者(なおウィキペディアにそんなことは書かれていない【参照】<2024年10月時点>)や、当会が御堂筋線事件を知らずに女性専用車両に反対していると思い込んで当会に「この無知め!」と罵倒の言葉を投げつけてきた者もいる。
しかしながら逆に「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけ」がデマだと知らず、それを真に受けて当会にこんな投稿をしているこれらの投稿者こそ正真正銘の【無知】である。
まずウィキペディアは登録さえしていれば誰でも自由に編集できるので、事実ではないことを書き込むことも自由にできるのだが、その辺を全く考慮せず信じ込んでいるのは浅はかである。この様子だと恐らくは以下の事実(一部は当記事内ですでに触れたが)も全く知らないまま、「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけ」と信じ切っているのだろう。
- 御堂筋線事件を機に発足し、痴漢撲滅運動を続けてきた「性暴力を許さない女の会(つまり当事者)」が御堂筋線事件と女性専用車両の関係を全面的に否定していること。
- 御堂筋線事件がきっかけという言説が1988年の御堂筋線事件から約30年、2001年に京王で女性専用車両が導入され始めてからでも15年以上経った後の2017年末に突然現れ、広まったデマであるということ。
- さらにはその発生源が(女性専用車両と御堂筋線事件が関連しているかのような記載のある)2016年の大阪府人権局の資料であり、それを見たある一般人が2017年の11月頃にマストドンというSNSに「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけ」と投稿したことから広がったということ。
- もともと女性専用車両を推していたのは公明党などの政党であり、痴漢対策と言いつつ実際には選挙対策や実績作りと化していること。(つまり女性専用車両は御堂筋線事件とはもともと関係ない)
これらのことも全く知らずに、当会に上から目線で「何で女性専用車両が出来たんだか知らないんだろ?無知め!」とは…もう笑うしかない。
「無知はどっちなんだよ」と。
本人は全く自覚がないのだろうが正直な話、見ているこっちが恥ずかしくなってくる。
女性専用車両に反対する会はミソジニー(女性嫌悪)だ
今回に限ったことではないのだが、当会を「女嫌いをこじらせたミソジニーの集団」などと吹聴する輩がいる。今回も当会をミソジニー呼ばわりするポストがいくつか見られた。しかしながら当会は鉄道事業者の女性専用車両というやり方に異を唱えているだけであって、女性を嫌悪しているわけではない。
当会は活動趣旨に賛同していただける方なら男性だけでなく女性も入会可能だし、実際に女性の会員もいる。そもそも当会がミソジニーなら女性を入会可にするわけがない。寝言は寝てから言ってほしいものだ。
「女性専用車両をなくしたかったら痴漢をなくせ」
「女性専用車両をなくしたかったら痴漢をなくせ」と言うのはこれまでに女性専用車両が導入された経緯を知らない無知から出る言葉である。
なぜなら
- 開業当初から女性専用車両を設置した路線がある
- 痴漢が減っていたのに女性専用車両を設置した路線がある
という事例がこれまであったからである。
前者の「開業当初から女性専用車両を設置した路線」は「つくばエクスプレス(TX)」である。
「痴漢被害が深刻だからやむを得ず女性専用車両が設置した」のなら、この「女性専用車両をなくしたかったら痴漢をなくせ」という言い分もわかるが、TXでは痴漢の発生が深刻だというデーターもない(開業当初だからあるはずもない)のに開業当初から女性専用車両を設置した。つまり痴漢被害が深刻だから設置されたわけではなく、最初から”標準装備”であるかのように設置されたものであるため、この言い分とは矛盾する。
後者の「痴漢が減っていたのに女性専用車両を設置した路線」は「都営大江戸線」で、感染症の大流行による自粛要請でテレワークが増えて混雑が減少し、そのおかげで痴漢が半減したら「今なら女性専用車両を設置しても混乱は最小限に留まるだろう」としてこれを女性専用車両導入の機会と捉えて導入されたからである。
感染症の大流行時はそもそも通勤ラッシュの混雑がだいぶ緩和され、それにより痴漢が半減(記事)したことは周知の事実であるからして、女性専用車両を本当に痴漢対策とみなすなら「混雑が緩和したから女性専用車両を導入しよう」というのは完全に本末転倒である。
都営大江戸線への女性専用車両導入には公明党や共産党が絡んでいたわけだが、要するに「混雑が減少して導入しやすくなったので『この機をとらえ』導入しよう」ということであり、表向き痴漢対策と言いつつ、実は「導入させることそのものが目的」だったわけである。
つまり「女性専用車両は痴漢対策ではない」
よって痴漢をなくしても女性専用車両はなくならないことはわかり切っているのである。
なお、この項の冒頭で紹介したポスト主(=女性専用車両なくしたいなら、女性専用車両が出来た原因の痴漢撲滅をしたら良いのにね)も含め、当会サイトもろくに読まず「女性専用車両に反対する会は痴漢対策には全く無関心で、女性専用車両に反対だけしている」と思い込んでいる者が少なくないと思われるので、ここでも言っておくが、
当会はあくまで、女性専用車両は差別になるから反対しているだけで、痴漢対策自体に反対しているわけではない。女性専用車両以外の方法で痴漢対策はどんどんやれば良い。
さらに当会はいろいろな(女性専用車両以外の)痴漢対策を主張するだけでなく、実際に鉄道事業者に直接提案もし続けている。
当会サイトをきちんと読んでいれば「女性専用車両なくしたいなら、女性専用車両が出来た原因の痴漢撲滅をしたら良いのにね」などという発言は出てこないはずである。
「痴漢がいなくなれば女性専用車両も必要なくなる」
「痴漢がいなくなれば女性専用車両も必要なくなる」というのも実はおかしな主張である。
なぜなら(実際に痴漢が減る・減らないは別にして)もし「女性専用車両が痴漢を減らすもの」だと仮定するならば「女性専用車両をなくせば、それは即ち同時に痴漢を減らす効果もなくなる」ということにもなるからだ。
もし仮に痴漢がゼロになったとして「痴漢がなくなったから女性専用車両も必要ないので無くす」のであれば、無くした後は痴漢がまた増えることとなり(個人発信の場が少なく、オールドメディアが強かった2001年頃ならいざ知らず)個人発信が容易になった昨今において、痴漢が再度増加したからといって女性専用車両を再設置することは現実的にほぼ不可能だからである。
つまり前述の「女性専用車両が痴漢を減らすもの」という仮定を前提として「痴漢がいなくなれば女性専用車両も必要なくなる」と言う者は、それこそ内心では「女性専用車両では痴漢をゼロにすることはできない」と思っていて、女性専用車両を維持するための方便として「痴漢がいなくなれば女性専用車両も必要なくなる」と言っているわけである。
「痴漢をゼロにすることなんて出来るわけないんだから『痴漢がなくなったら女性専用車両もなくなりますよ』とさえ言っておけば、反対派は何も言い返せなくなってギャフンと黙るだろう」という魂胆があるからこそ、そういう事を言うのである。
また前述の「女性専用車両が痴漢を減らすもの」という仮定を前提とするならば、「痴漢がゼロになったら、それは女性専用車両の効果だ」と認められるということでもあり、また先述の通り、痴漢が再度増えたとしても再設置はほぼ不可能なわけだから、本当に痴漢撲滅や女性のことを慮っているならば、痴漢がゼロになったあとでも女性専用車両を廃止せよとは誰も言わないはずである。
万引きがなくなったからといって店内監視カメラの設置をやめたお店なんて聞いたことがないのと同じである。
「男性専用車両を作るべき」
この他にも「女性専用車両を廃止するのではなく男性専用車両も作れと言うべき」という意見も多かった。
そもそも当会は女性専用車両だけでなく男性専用車両にも反対の立場である。
当会がなぜ男性専用車両を求める活動をしないのかについては当会サイトの「当会について」に理由を書いているので、知りたい人はそちらを見てほしい。
それに加えて言えば、そもそも鉄道事業者も男性専用車両など全くやる気がないし、仮に作っても女性専用車両と同じく「専用という名前だけど任意」でしか作れない。また朝のラッシュ時に女性専用車両1両だけでも他の車両の混雑を激化させて「お客様混雑のため」として度々解除になっている(当会としてはなぜこういう解除には賛成派が鉄道会社に一切文句をつけないのか不思議ではあるのだが)のに、その上から男性専用車両を追加など現実的に見てもほぼ不可能。
また、「男性専用車両も作ればいいのに」と言っている者の中には「どうせ男性専用車両など実現できないだろう」と見くびった上で、女性専用車両に異論を唱える者を黙らせるため「男性専用車両も作ればいいのに」と言っている者もいるということもある。
そういう人間は実際に男性専用車両が出来そうになったら途端に手のひらを返して猛反対し始めるであろう。
というのも以前、現在の女性専用車両がまだ導入され出して間もない頃、ネット掲示板などで「男性専用車両も導入すべきだ」というような書き込みがあると、それに男性専用車両に反対する返信が山のように付いていたからである。
今では鉄道事業者に男性専用車両を導入するつもりが全くないと分かったからか「男性専用車両を導入しろ」という者がいてもそれほど叩かれなくなったが、こうしてみると「女性専用車両には賛成だが、男性専用車両は一切認めたくない」という層もいるようだ。
当会はもちろん「どちらにも反対」だが。
「女性専用車両は男性の痴漢冤罪対策にもなるのになぜ反対するの?」
「女性専用車両があっても他の車両でいくらでも痴漢行為が出来てしまうので痴漢は何も困らない」ということは先程、このページの【女性専用車両に反対するのは痴漢がしたいんだろう】の項で解説したが、賢い人ならそこからさらに
「女性専用車両があっても男性の冤罪防止には全く効果がないどころか、下手をすれば女性専用車両が出来た分、他の車両に痴漢被害がしわ寄せされていることから、他の車両にいる男性が冤罪に遭う可能性が却って上がっている可能性すらある」
ということを理解できるものだが、世の中にはそれが理解できない人が少なからずいる。
今回も「男性の痴漢冤罪対策にもなるのになぜ反対するの?」と、本気で女性専用車両が男性の痴漢冤罪対策になると思い込んでいるポストがX上に散見された。
女性専用車両を導入しても痴漢する輩の人数自体が減ることはないし、また痴漢が「女性専用車両があるからこの路線ではやめよう」などと思うはずがない。そう思っている御仁には逆に聞きたいのだが、なぜ痴漢をする犯罪者の性善説を信用しているのか。
上記の通り、痴漢犯は他の車両に移動して痴漢をするだけである。
実際に女性専用車両導入後、痴漢の件数が逆に増えてしまった路線は少なくない(上記の記事でも導入後、痴漢が増えたとある)。
そして男性が乗っているのは通常その「他の車両」であるから、女性専用車両以外の車両では、女性専用車両が導入される前より痴漢や冤罪のリスクが上がっているとさえ言える。
女性専用車両が出来たからといっても女性に「女性専用車両に乗るよう」促しているわけでもないのだから女性がみんな女性専用車両に行くということもなく、女性専用車両以外の他の車両から女性がいなくなるわけでもない。もちろん女性専用車両によって痴漢冤罪が何件減ったとか何%減ったというデーターなども一切ない。
しかし、この手のポストをする人の頭の中では「女性専用車両には男性の痴漢冤罪を防ぐ効果があって当然」になっているのである。
こういう「女性専用車両で男性も冤罪から守られる」などという主張をする人間がいかに現実を見れていないか、よく分かるだろう。
「女性専用車両をなくしたいなら女性専用車両に乗り込んで女性に抗議するんじゃなくて鉄道会社に乗り込んで抗議しろ」
これも当会サイトを良く見ていればすぐ分かることなのだが、当会は女性専用車両で乗り合わせている女性に抗議するために女性専用車両に乗っているのではない。
女性専用車両に乗っているのは、それこそ鉄道事業者は女性専用車両に男性が乗ることを嫌がっているわけなので、その鉄道事業者に対して男性が乗っているアピールをし、更にはそれを目撃している他の男性にも女性専用車両に男性が乗れることをアピールするための活動である。
にも関わらず、一部の乗り合わせた女性が私達の活動の邪魔をして降ろそうとするから、面前で発生した活動の障壁を排除するために活動の邪魔をしてきた女性に抗弁しているだけである。
そもそも私達から何もしていない女性に声掛けすることはない。
しかも、当会は鉄道事業者にアポを取って訪問し、直接面談して話し合い、抗議書や要望書を提出してもいる。
最近では名古屋市交通局に訪問した。
このことは当会サイトの活動履歴にも載せているのだが、それを全く見ていないからそういうこと(=女性ではなく鉄道会社に抗議しろ)を言うのだろう。
当会としては溜め息が出るばかりである。