2025年11月1日にJR学研都市線、大和路線、大阪環状線にて非協力乗車会を行いました。私達への直接の声かけは無かったのですが、車内トラブルなどいろいろ考えさせられることはありました。
「女性専用車は女性が唯一安心できる場所」は本当か?
今回のルート
今回はJR学研都市線、京橋駅に16:45集合。そこから以下のルートで乗車した。
- 学研都市線:京橋→木津
- 大和路線:木津→奈良→王寺(女性専用車無し)
- 大和路線:王寺→天王寺
- 大阪環状線外回り:天王寺→(大阪)→天満
学研都市線:京橋駅で
京橋駅ホームでは自動アナウンスで「この電車には女性専用車があります。ご利用のお客様は足元の女性専用車マークの位置でお待ちください。」と流されていた。今日はJR神戸線内で車両と線路の点検をした等で、各列車5分から10分くらい遅れて運転しているようだが、女性専用車は中止にはなっていないようだ。
列車が遅れているせいかどうか分からないが、京橋駅の学研都市線ホームには多くの人が列車を待つため並んでホームを埋めていた。


私達が乗車するのは16:51発の快速木津行きだが、この列車も遅れているようだったので、会員の1人がホーム最後部(北新地寄り)の端まで行き「あること」を確認した。
その「あること」とは、2017年にJR西日本が京橋駅にホームドアを設置した際に木津方面の列車の停車位置を約1両分、木津寄り(前)に移動したのだ。それにより木津方面行き列車の女性専用車が階段の目の前に停車するようになった。
この階段はホーム中程にあり、大阪駅方面からやってきた大阪環状線外回りからの乗り換え客が多数降りてくる、非常に重要度の高い階段である。


会員はホームの北新地側(後ろ)の端まで行って停車位置変更の名残を確認したのだ。具体的には1番後ろの車両よりさらに後ろには柵があり、柵の先にもう1つ別の階段がある。こちらの階段は先のホーム中程の階段と違い、行った先にはあまり利用者の多くない改札口があるだけで、京橋駅の中ではさほど重要な階段ではない。

かつては柵があるところに1番後ろの車両が停車していた。そして「最後部の階段」と「1番後ろの車両」との間が今のように空いていなかったのである。つまり、ホームドアの設置に合わせて女性専用車が一番便利の良い場所(中程の階段前)に停まるよう調整した可能性があるのだ。
JR西日本は当会が以前からお伝えしているように女性専用車を意図的に階段やエスカレーターの前に持ってきているようなふしがある。『お客様のわかりやすさとご利用の導線(ホームへの階段・通路位置など)を考慮し…』と言いつつ女性専用車の位置を決めていることからも分かるだろう。
それも平日の朝だけなどではなく、土休日も含めて毎日・始発から終電まで全時間帯で、である。
つまり、痴漢対策の名を借りた「女性優遇客寄せサービス」と化してしまっているのだ。世間が痴漢対策だと思って容認している状況の中で、男性客軽視も甚だしい差別的施策を(「任意協力」を抜け道にしながら、それを表だって言わず)未だに続けているのである。


また、最近(2025年10月14日)になって学研都市線でも一部の快速列車で「快速うれしート」(ラッシュ時でも追加料金を支払えば着席できる指定席サービス)が開始されたが、女性専用車と併設していると思われ、防犯対策として捉えるなら非効率的としか思えない。
しかも「快速うれしート」は平日のみだが、女性専用車は土曜休日ダイヤの日にも設けている(それも大抵ガラガラ)意味が不明である。

しかしながら、女性専用車も「快速うれしート」も防犯対策ではなく、旅客サービスと捉えれば合点はいく。
もちろん「快速うれしート」には差別的要素は無いが、女性専用車は明らかに差別的な施策であり、一般社会には「痴漢対策」で納得させ、差別であるとの意見には「任意協力」でその批判をかわしている代物である。
ここで私達が乗る1本前の16:45発の普通徳庵行きが遅れて到着。1人の男性客が女性専用車に乗っていったことを確認したが、別の男性客が階段から降りてきてすぐ目の前が女性専用車だったため、ホームを走って隣の車両に飛び込む姿が見られた。以前から言っているが、これは安全上も問題ではないか。
こういうと「駆け込み乗車をしないように余裕を持ってやってこない乗客が悪い」などと他責する者が出てくるが、そもそもJR西日本がわざわざ女性専用車を階段の目の前に持ってくるからこうなるのではないか?
JR学研都市線:京橋→木津
次が私達の乗る電車なのでホームに並んで列車を待つことにした。
私達の前に夫婦と思われる中年の男女が並んでいたが、女性専用車の表示を見て並んでいたのにわざわざ移動。
やがて、約3分遅れの16:54頃に私達が乗る16:51発快速木津行きがやってきた。私達の後ろにも多数の乗客が並んでいたため、乗車すると車内は結構な混雑になったが、周囲の女性客は特に私達に声をかけてくるような様子は無かった。
現時点ですでに3分遅れているが京橋駅で約3分停車して、結局約6分遅れの16:57に京橋駅を発車した。
京橋駅を発車してしばらくすると、車窓左から新大阪方面からの「おおさか東線」が合流してくる。
時刻はまだ17時だが暦はもう11月。すでに日はかなり短くなっており、外はまだ明るいもののかなり日が西に傾き、いかにも夕暮れ時といった光景である。ついこの前まで午後7時を過ぎても明るかったのがまるでウソのようだ。

鴫野駅を通過し、次の停車駅は放出駅である。おおさか東線からの乗り換え客が多数乗車してきて車内はさらに混雑した。ここでも私達には声かけは無かったが、近くで女性客同士が喧嘩を始めたようだ。
どうやらホームから乗車する際に割り込みの有無で揉めているようである。口論するうちにヒートアップしたのか、割り込みの有無とは全く関係のないことまで言い出し、さらには「これは侮辱罪ではないか?」と思うような問題発言も。
もちろん侮辱罪に該当するとしても、口論程度では(殴り合いなどにならない限り)警察は動かないが…
よく「女性専用車は女性が唯一安心できる空間。それを理解しない男が反対する」などと事実も確認せず先入観や思い込みで反対派を批判する人がいるが、実際には女性専用車を不快(または怖い)と感じ、女性専用車を避ける女性もいるのである。



「車内トラブルは別に女性専用車に限ったことではない」という反論もあるかも知れないが、ではなぜ「女性専用車をやめて明日から普通の車両にしよう」などという意見が出てくるのか。
つまりは女性専用車より「他の車両の方がマシ」だと感じているからだろう。
もちろん、女性専用車賛成派だけでなくマスコミでもこうした「女性専用車は女性が安心できる空間」「痴漢被害が深刻だから絶対必要」的な論調がある。しかしながらこれは読み手が気づかないうちに誘導(ミスリード)されてしまう。
以下の記事は一見、公平・中立な立場から女性専用車問題を論じているように見えるが、実は記事内のあちらこちらに「女性専用車は女性が安心できる空間」「痴漢被害が深刻だから絶対必要」というメッセージがちりばめられている。
「ここは女性専用車両です」「日本人として恥ずかしい」 SNS投稿“3500いいね”が映す集団心理と都市交通の摩擦(Merkmal) - Yahoo!ニュース10月下旬、あるSNS投稿が静かな波紋を広げた。いいねは3500件を超え、コメント欄には500を超える意見が寄せられた(10月31日時点)。 投稿者は30代の日本人女性。数年間カナダに滞在して(現在はリンク切れ)

もちろん、記事の主内容は「女性専用車に知らずに乗った男性を、女性が攻撃したり悪口を言うのは非難されるべきか否か」であり、それを記事の書き手が両者の間に立って中立に意見しているような内容になっている。
しかし、冒頭の方で早速
>海外では、ルール違反への指摘はあっても、陰口や集団的な非難はほとんど見られない。
と、(意図的ではないかも知れないが)遠回しに「女性専用は男性が乗らないのがルールである」と情報発信してしまっている。
実際には任意協力であり、男性の乗車を禁じるルールはない。むしろ男性の乗車を拒否するものではないからこそ女性専用車は「公共交通機関における差別ではない」ということになっているのである。逆に「男性が乗るのはルール違反だ!マナー違反だ!」と排除しようとする方がそれこそ「ルール違反」だろう。
女性「専用」と書いてあっても実際は「女性専用ではない」のである。
また、女性専用車は痴漢対策を表向きの理由として、実際には一部の政党が選挙対策などで進めてきたという事実がある。しかし、この記事に限らずマスメディアはその事実を決して報じない。
この記事でも女性専用車が全国的に広まった理由を以下のように述べている。
2000年代、痴漢問題が社会問題化するなかで京王電鉄が再び導入。2001年から本格化し、2005年前後には国交省の後押しもあって全国に広がった。その背景にあるのは、「痴漢被害の深刻さ」への対応である。
女性専用車が全国に広まったのは公明党や共産党による政治的な圧力によるところが大きい。そして、女性専用車両を自らの実績ですとアピールしながら「選挙区は〇〇へ」と投稿していることから、女性専用車は痴漢対策ではなく選挙対策であることが分かる。
そこに触れず「その背景にあるのは痴漢被害の深刻さへの対応である」というのはさていかがなものか。


なお、JR西日本については政党などから言われるまでもなく、自分からさっさと女性専用車を導入し、どんどん拡大して今では関西圏のほとんどの路線で毎日・終日運行している。しかし、こちらもガラガラの日中も含めた終日運行など、痴漢対策とはおよそ言えないような運行をしており、しかもその上意図的に女性専用車を一番便利な位置に停まるようにしたり、過去にも女性専用車を女性客寄せのウリにしているかのような宣伝を繰り返していたことから、やはり痴漢対策を表向きの理由にしているだけと言ってよいだろう。
当然それに対する批判の声もある。





また、「痴漢被害が深刻すぎる」のなら、なぜ多くの女性が(女性専用車があるのに)他の車両を選ぶのだろうか。
つまり、多くの女性客にとって女性専用車よりも、階段やエスカレーターなどに一番近い車両に乗る。つまり「痴漢対策云々より利便性の方が上」なのだ(JR西日本は女性専用車を一番便利な位置にしていることが多いが、それでも他の車両より空いていることが多い)。
そのためか、女性専用車以外に乗車している男性側から「女は女性専用車に行け」という文句が出ることもある。


当会は「公共交通機関において同じ運賃を支払っているのなら、男女問わずどの車両に乗車するのも自由であるべき」という考えであるから、このような「女性専用車があるのだから女はそちらへ行け、こっち(の車両)に乗ってくるな」という意見とは相容れないのだが、鉄道事業者が女性専用車のようなものを設けるから他の車両と混雑差が生じ、こうした声も出てくるのである。
そのほか、下記のような女性の意見もある。

また先ほども述べたように「女性専用車は決して安心快適な場所ではない」と認識している女性客が一定数いることも理由としてある。全ての女性が女性専用車を素晴らしいものだと認識しているわけではないのだ。
こうしてみると改めて、マスコミの「女性専用車があるのは痴漢被害が深刻だから」「女性専用車は女性が安心して乗れる場所」は(書き手にその意図のあるなしに関わらず)結果的に世論のミスリードになってしまっていることが分かる。
他にも突っ込みたいところはあるのだが、そこまで触れているとあまりにも長くなるのでこの記事についてはここではこのくらいにしておこう。
列車は放出駅を出たあと、ノロノロ運転でただでさえ遅れている上からさらに遅延を拡大させていた。先行列車も遅れて前につかえているのだろうか?
これは予定を変更した方がいいかもと思いはじめていると、徳庵駅の手前で思い直したように列車は突然加速。結構な速度で徳庵駅を通過。続いて鴻池新田駅も通過し、次の停車駅の住道駅に着いた。ここは大阪府大東市の代表駅で、かなりの乗客が混雑した車内からぞろぞろと降りて行った。
この駅も階段が女性専用車の目の前。

少し車内の混雑がマシになったが、まだまだ立ち客が多い。そのまま発車して遅れを取り戻すかのように加速して途中の野崎駅を通過。
列車は次の停車駅、四條畷駅に到着した。ここで先行の各駅停車に追いつき、連絡。
先ほどの住道駅ほどではないが、ここでもまとまった下車があった。
ちなみにこの四條畷駅は駅名から四條畷市にあると思われがちだが、駅自体は先の住道駅と同じ大東市内にある。
四條畷駅を発車。車内の乗車率はかなり下がったがまだまだ立ち客が多い。
四條畷駅を発車してすぐ、列車は四條畷市内に入る。そして忍ヶ丘駅を通過。辺りは日が暮れて徐々に暗くなってきた。

続いて掘割の中にある寝屋川公園駅も通過し、その後、京阪交野線の線路と直角に交差して下をくぐるとすぐ次の停車駅の河内磐船駅である。


ここでもややまとまった降車。
河内磐船駅を発車して津田駅、藤阪駅も遅れを取り戻そうとしているかのように勢いよく通過し、17:25頃に長尾駅に到着。ホームでは列車遅延のお詫びの放送が流れていた。
そういえば、京橋駅で乗車してからここまで女性専用車の車内放送が無い。もちろん中止の放送も無い。
今日は列車が遅延しているから女性専用車の放送をしていないのだろうか?
JR西日本が女性専用車を中止にすることはめったに無いのだが、台風などが接近しているときや、今回のように列車に遅延が発生している場合など、(中止ではないが)女性専用車の放送が無くなることがある。今日もそうなのだろうか。あるいは女性専用車の案内放送を行うかどうかは車掌の個人的な裁量に任せられている(この車掌がたまたま案内をしなかっただけ)のだろうか。
なお、今年(2025年)10月18日の土曜日に「なにわ淀川花火大会」が開催された日の夜にJR西日本線に乗っていた会員によると、その日の21時から大阪環状線や神戸線など一部路線では女性専用車の設定を解除する旨の車内放送があったとのことだが、そもそも普段の土曜休日ダイヤの日にまで設定するから鉄道係員にとっても乗客にとっても余計にややこしいことになる。
長尾駅から先は快速も終点まで各駅に停まる。ここで初めて車内に一部空席が出た。
長尾駅を出てすぐ府境を超え、大阪府枚方市から京都府京田辺市に入る。すでに外は住宅などの明かり以外真っ暗だ。
そしてほどなく列車は次の松井山手駅に到着する。松井山手駅でしばらく停車。
学研都市線はここから先、単線になる。
辺りは新興住宅地だが、駅を出て少し走るとその明かりもなくなり、外は再び真っ暗に。
松井山手駅までは、結構な本数の列車が運転されていて乗客も多い学研都市線だが、ここまでくると大都市近郊の通勤通学路線というより、ややローカル線じみた雰囲気になってくる。次の大住駅で少なくなった乗客がさらに降りて車内はガラガラになってきた。
行き違い待ちのため2分停車。単線ならではの行き違い待ちである。
列車の本数も松井山手駅から先、日中は30分に1本、さらにこの先の同志社前駅を過ぎると日中60分に1本という、本当にローカル線のようなダイヤになる。
大住駅を出て列車は京田辺駅に到着。京田辺市の代表駅だが、近くにある近鉄の新田辺駅のほうが賑わっており、JR側は近鉄ほど利用者が多くない。ここで少ない乗客がさらに降りて車内はガラガラに。
車掌が「約7分程度の遅れになります。到着が遅れてしまい申し訳ありません。」と車内アナウンス。
ここも女性専用車が階段の目の前。

しばらく停車して私達の他、女性客が10人弱くらいの状態で発車。
この辺りから進行方向左側から近鉄京都線が寄ってきて、学研都市線と並行するようになる。真っ暗な車窓に少し離れたところを走る近鉄電車の姿が見えた。
同志社前駅からは何人か乗ってきた。乗車してきた中に1組の若い男女がいた。友人同士だろうか。
ふと見ると、両隣の車両は混雑はしていないものの、そこそこ座席が埋まっており、やはり多くの利用客が女性専用車を避けているのが分かる。
祝園駅からも女性客が何人か乗ってきた。
ふと車内を見ると女性専用車内は私達以外には女性客が8人。祝園駅で降りた人も結構いたようだ。いつのまにか同志社前駅で乗ってきた男女もいなくなっていた。
終点1つ手前の西木津駅では特に乗り降りもなく発車し、車窓左手からJR奈良線と大和路線が寄ってきて合流すると、まもなく終点の木津駅である。時刻は17:54になっていた。
到着直前になって車掌が車内に乗り換え案内の放送を流していたが、ここでも女性専用車には触れず。
理由は分からないが私達が乗車した京橋駅からここ終点の木津駅到着までの間にこの車掌は結局女性専用車の案内を一度も流すことはなかった。


なお、上記で「階段が女性専用車の目の前である」と写真を出した京橋駅、住道駅、京田辺駅の他、ここでは写真を出していないが、鴫野駅(尼崎方面のみ)、放出駅、四條畷駅、忍ヶ丘駅、星田駅、河内磐船駅(木津方面のみ)、津田駅、藤阪駅、長尾駅、JR三山木駅も階段やエスカレーターが女性専用車の目の前である。
また、鴻池新田駅も階段が目の前ではないがエレベーターが女性専用車の目の前で階段等も女性専用車のすぐ近くである。
JR学研都市線では女性専用車が上下線とも階段やエスカレーターなどの目の前でない駅の方がむしろ少数派である。
JR大和路線普通:木津→奈良(女性専用車なし)
木津駅からは京都方面からやってきたJR奈良線の列車に乗って奈良駅まで移動。JR奈良線には女性専用車の設定はない。しかし、列車が大和路線と共通で運用されているため、車体に女性専用車ステッカーが貼ってある車両があり紛らわしい。
もし女性専用車ステッカーのある列車が来たらそれに乗ろうと思っていたが、やってきたのは大和路線(の奈良以西)に入ることのない205系車両。もちろんステッカーは無し。
ちなみに私達が今、乗車している木津駅~奈良駅の区間は大和路線の区間になるが、大和路線もこの区間には女性専用車の設定はない。大和路線で女性専用車があるのは奈良駅から大阪方面(JR難波駅)寄りである。
そして、奈良駅から先も女性専用車があるのは朝と夜遅くの一部列車だけ(大和路線で女性専用車があるのは6両編成の列車のみ)で、1日中女性専用車のある列車が走っているのは途中の王寺駅から先の区間である。
木津駅から2駅で18:10頃、奈良駅に到着。さらに奈良駅で大阪方面の大和路快速に乗り換えた。

JR大和路線:大和路快速奈良→王寺(女性専用車なし)
大和路快速は途中の王寺駅までは各駅に停まる。大和路快速にも女性専用車はない。先に述べたとおり大和路線で女性専用車があるのは6両編成のみであり、大和路快速は6両編成ではないからである。
日中、奈良駅から大阪方面に向けて発車する列車のほとんどが大和路快速のため、大和路線の奈良駅から王寺駅の区間も女性専用車のある列車が少ないのだ。
途中、大和郡山市の郡山駅や日中は観光客で賑わう法隆寺駅などに停まり、王寺駅には18:30頃に到着した。そして王寺駅始発のJR難波行き普通(女性専用車あり)に乗り換えるためここで下車した。
JR大和路線普通:王寺→天王寺
王寺駅で大和路快速を降りてホームを歩いていると、ちょうど18:35発JR難波行きになる列車が大阪(JR難波)方からホームに入ってくるところだった。
大阪(JR難波)方からやってきた普通列車の多くはここで折り返し、JR難波行きになる。
ここまで乗ってきた乗客が下車し、入れ替わりに私達と数人の女性客が乗車した。


車内はクロスシートのためわかりにくいが、ほとんどの座席が空いておりガラガラである。
王寺駅停車中に車内を清掃員が回ってきたが、私達の姿を見ても何も言ってこなかった。さらに車掌と運転士が場所を交代するためホームを歩いて通り過ぎていったが、こちらも私達には声かけなし。
やがて発車時刻となり、列車はゆっくりと王寺駅を発車した。
次の三郷駅を出てしばらくすると大和川を渡り、少し山っぽいところを走行するようになる。と言っても外は真っ暗で何も見えないが。ここで奈良県から大阪府に入り、山の中の河内堅上駅に停車する。
奈良~大阪方面間で多数の通勤通学客が利用する大和路線だが、この駅はまるでローカル線の駅のような雰囲気を醸し出しており、利用者数も少ない。もちろん大和路快速は通過する。
山を抜け、次の高井田駅を出たあたりから徐々に街中へと入っていく。近鉄大阪線と併走しながら列車は柏原駅に到着。
ここで乗車してきた乗客の中に男性客が1人いて、そのまま女性専用車内で着席。もう1人別の男性客も乗車してきたが、こちらはそのまま車内を通り抜けて隣の車両に行ってしまった。
(クロスシートで全体の乗車率が分かりにくいが)立ち客はほとんどいないものの、座席はほぼ埋まっているようだ。志紀駅、八尾駅ではあまり乗り降りはなかったが、久宝寺駅では乗っていた男性客も含めて多くの乗客が降りていった。
久宝寺駅では大和路快速の先発待ちのため数分停車。後からやってきた大和路快速が私達の乗った普通列車を追い抜いて先に発車していったが、大和路快速からの乗り換えはほとんどなく、ガラガラの状態で久宝寺駅を発車。
おおさか東線が次の加美駅手前で進行方向右手に分かれていき、私達の乗った列車は加美駅、平野駅、東部市場前駅と停車。いつしか車内はまた座席が埋まり、19:09頃に大阪環状線や阪和線等と接続する天王寺駅に到着、
私達はここで大阪環状線に乗り換えるため下車。ホームに降りると女性専用車のすぐ近くに階段があり、女性専用車からだと乗り換えにも非常に便利である。先にも書いたが、JR西日本が『お客様のわかりやすさとご利用の導線(ホームへの階段・通路位置など)を考慮』して女性専用車の位置を決めているからである。


ちなみにここでは写真を出していないが、大和路線JR難波方面行きでは奈良駅、大和小泉駅、法隆寺駅、王寺駅、三郷駅、八尾駅、久宝寺駅、JR難波駅なども階段やエスカレーター(またはエレベーター)が女性専用車の目の前である。
また柏原駅も(奈良方面ホームのみだが)女性専用車が階段の目の前である。
その他、女性専用車が階段などの目の前ではないが「すぐ隣」にある駅もいくつかある。
JR大阪環状線外回り普通:天王寺→(新今宮・西九条・大阪経由)→天満
大和路線ホームから階段を上り、大阪環状線ホームまで移動。


階段を降りてJR大阪環状線外回り普通列車が停まる14番ホームに降り立つと、そこへちょうど天王寺止まりの大阪環状線列車が入ってきて、その女性専用車から降りてくる乗客の中に2人ほどの男性客がいた。
ここ(天王寺駅大阪環状線ホーム)もまた、階段を降りたところが女性専用車位置である。
ホームの発車標の電光掲示板にはテロップで「ご案内●大阪環状線では、足元の乗車位置表示○印(銀色とオレンジの帯の車両)の列車に女性専用車を設けております。ご理解とご協力をいただき、ありがとうございます。」
と流れていた。

先の学研都市線に乗車した時点では列車が遅れており、車掌も女性専用車のアナウンスを全くしなかったが、女性専用車が中止されていたわけではなかったようだ。
さらに天王寺駅ホームの自動アナウンスでも、
「この電車の前から5両目・4号車は女性専用車です。皆様のご理解とご協力をお願いします。」
と流れていた。


私達はしばらくしてやってきた19:27発の普通外回り(新今宮・西九条経由)方面の女性専用車に乗車。
車内はあまり乗客が乗っておらず空席が目立つ状態。男性は私達だけのようだ。
特に何事もなく新今宮駅、今宮駅と過ぎ、その次の芦原橋駅停車中にふと車内を見渡すと、離れた座席にいつの間にか男性客が着席していた。
大正駅を出て、弁天町駅に停車した時に1組の男女が女性専用車を避けるためホームを走って隣の車両から乗車した。やはり女性専用車は駆け込み乗車を誘発しており、安全面で疑問に思う。
西九条駅ではゆめ咲線からの乗り換えと思われる多くの乗客が乗ってきてガラガラだった車内が賑やかに。恐らくUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)からの帰りの人々だろう。その中に1人の男性客がおり、扉付近で立って乗車。そのまま列車は発車した。
西九条駅からは他にも1組の男女が乗ってきて、こちらも車内でそのまま立って乗車していた。
野田駅ではあまり乗降はなかったが、その次の福島駅から更に2人の男性客グループが乗ってきた。これで車内の男性客は私達以外に計5人に。
周囲の女性客も何気ない会話を続けており、女性専用車に乗っている男性客のことを特に気にしているような様子はなし。
福島駅の次は大阪駅である。
大阪駅に到着すると、乗っていた男性客5人も含めてほとんどの乗客が降りていき、入れ替わりに乗ってきた女性客に混じって男性客4人程度が新たに乗車してきた。
車内は座席がほぼ埋まり立ち客もそこそこいるくらいの乗車率。
数分程度の停車時間の後、大阪駅を発車し数分で次の天満駅に19:51頃に到着。
解散した。



