2024年11月9日にJR西日本線で非協力乗車を行いました。
今回はJR京都線大阪駅から京都駅まで特急サンダーバードを利用。京都からJR奈良線(女性専用車の設定はないが「女性専用車」表示のある車両が走っている)にも乗車しました。
その後、JR学研都市線と大阪環状線にも乗車しました。
以下その報告です。
今回の乗車ルート
今回は13:45にJR大阪駅に集合。
これから以下のルートで乗車する予定である。
- 大阪→京都(JR京都線・特急サンダーバード)
- 京都→木津(JR奈良線・みやこ路快速、女性専用車なし)
- 木津→京橋(JR学研都市線・快速)
- 京橋→天満(JR大阪環状線内回り・普通)
JR京都線 特急サンダーバード:大阪→京都
今回はいつもと異なり、大阪駅から京都駅までは特急サンダーバードの女性専用席に非協力(任意確認)乗車である。
14:12発の特急サンダーバード27号・敦賀行きに乗車するべく、私達は大阪駅11番ホームに向かった。
通常の通勤用電車と異なり、特急サンダーバードは全席指定のため乗車にはあらかじめ指定券を購入する必要があるが、今回は参加者の分を事前に予約していた。指定券に「女性のみ利用可」とあるがもちろん法的根拠はない。
なぜならこれは公共交通機関での差別になりかねず、本当に強制すると法的にもまずいからである。
なお今回、指定券を購入しないメンバーは京都からの参加となる。
今回は大阪駅から大阪環状線の天満駅までの140円の切符を使った「大回り乗車」である(大阪から参加のメンバーに限る)
すでにご存じの方も多いと思うが、東京や大阪など大都市の近郊の区間のJRでは、途中で改札を出ず、かつ同じところを2度通らなければ、どのような経路を取っても特例として切符の値段は「乗った駅と降りた駅の最短ルート」で計算される。
だから今回のように大阪駅から京都駅・木津駅・京橋駅を経由して、最終的に大阪駅の隣の天満駅で降りるようなことをしても「特例」で初乗りの140円切符でもOKなのである。
しかし、鋭い人ならここで「確か大阪駅から京都駅までは特急サンダーバードに乗車だったはず。特急に乗るなら指定席特急券の他、大阪から京都までの乗車券(要するに普通の切符)も買わなければならないのでは?」と思われたことだろう。
ところが(これはあまり知られていないが)実は有効な特急券さえ持っていれば、大回りルートに特急を含めても先述の「乗車券の特例」の範囲内であり問題ないのである。
なお、過去にも何度か触れているがJR西日本の女性専用席も2007年に特急サンダーバードで発生した暴行事件の直後に設置されたので防犯対策だと思われがちだが、当のJR西日本自身が「以前から要望があり、サンダーバードの事件とは直接関係ない」とマスコミを通じて発言していたこと(情報元:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070823-00000923-san-soci=現在はリンク切れ)や、導入当初に女性専用席を『「あったらいいな」からできました。』などと宣伝していたことから、こちらもJR西日本の通勤電車の女性専用車と同じく、防犯対策の仮面を被った「女性客寄せサービス」であると思われる。
これでは事件に便乗して一部の女性客の我儘に応えた形で女性専用席を設けたと思われても仕方ないだろう。
JR西日本はこのとき同時に車内SOSボタンも設置している。こちらは事件を受けての対策と思われるが、女性専用席は上記の理由からおよそ防犯対策とは考えにくい。
大阪駅11番ホームに着いたが、まだ14:12の発車まで少し時間がある。
全車指定席のためか、ホームに乗車を待つ人の列ができることはなく、大阪駅11番ホームは人はいるものの比較的余裕があった。
10分くらい待っただろうか。
放送が入り、サンダーバードがホームに入線してきた。大阪駅始発なので当然ながら車内には誰も乗っていない。
私達は女性専用席のある3号車に、他の乗客とともに一斉に乗車。
特急サンダーバードの3号車はすべての座席のうち、敦賀寄りの16席が女性専用席となっており、座席のカバーの色が他と違う。
今回、多人数で女性専用席に着席したので、周囲の女性客や車内を回ってきた車掌など乗務員はどういう反応をするだろうか。
通勤車両の女性専用車ならこれまでこれまで数え切れないくらい乗車して勝手が分かっているが、女性専用席は乗車した経験が多いわけではないので、正直なところ少し緊張した。
しかし周囲の女性客からは特に何も声かけはなく、しばらく大阪駅に停車した後、列車は静かに大阪駅を発車していった。
大阪駅を出ると市街地をしばらく走ってから淀川を渡り、すぐ次の新大阪駅に停車する。新大阪駅でも少し乗客が乗ってきたが、私達に声をかけてくる者はおらず、新大阪駅も静かに発車。
新大阪駅を出ると次の停車駅は京都である。
途中、長岡京駅(通過)付近で車内を回ってきた車掌が私達のところで立ち止まったので「なにか言ってくるか?」と思ったのだが、しばらく立ち止まったあと何も言わずに去っていった。
近くにいた別の会員によると「(車掌が)手に持った機器を操作していた」とのこと。
恐らく私達のことを「座席指定券を買わずに飛び乗って女性専用席だと気づかず座っている乗客」と思ったのではないか?とのことだった。
京都駅の手前で列車の速度が落ちて停車。車掌が「前を走っている列車が遅れておりますため・・・」とアナウンスをしていた。
京都駅には定刻の14:39より少し遅れて14:41頃に到着。
私達は奈良線に乗り換えるため降車した。
JR奈良線 みやこ路快速:京都→木津
JR奈良線はJR京都駅から同じ京都府内の木津駅までの路線で、よく「奈良県内を通らない奈良線」などと言われる(列車は木津駅から大和路線に乗り入れ奈良駅まで直通)。
このJR奈良線には女性専用車の設定はない。しかし設定がないにも関わらず「女性専用車」のステッカーが貼られた電車が多数走っている。
これは女性専用車の設定があるJR大和路線や和歌山線(王寺~高田間など)と車両を共通で運用しているからである。
以前、JR大和路線では201系という電車のみに女性専用車があり、同じく大和路線に入っている221系には女性専用車の設定はなかった。
しかし、国鉄時代からの「年代物」である201系が引退することになり、大和路線は普通も含めすべての列車が221系で統一されることになった。
そのまま行けば大和路線から女性専用車がなくなるところ、女性専用車を残すためこれまで女性専用車のなかった大和路線の221系(6両で運行される列車のみ。8両の大和路快速は対象外)にも女性専用車が設定されたのである。
先述の通り221系は大和路線・和歌山線だけでなくJR奈良線でも共通で運用されているため、JR奈良線にも女性専用車ステッカーの付いた221系が入ることになった。
そのついでに奈良線にも女性専用車を導入するということまでは流石にしなかったものの、これでJR奈良線では女性専用車がないにも関わらず、女性専用車ステッカーの付いた列車が多数走るという、ややこしい事になったのである。
私達はJR京都駅15:06発、JR奈良線みやこ路快速奈良行きの3号車、つまり女性専用車のステッカーがある車両に乗った。
京都駅始発で、発車までまだ10分以上時間がある。
駅ホームの電光掲示板には「一部の電車に女性専用車の表示がございますが、JR奈良線には女性専用車の設定はありません。あらかじめご了承ください。」という字幕が流されていた。
私達の乗車した「女性専用車と表示されている車両」には男性客もそれなりに乗っていたものの、その一方で「女性専用車」の表示を見て勘違いして隣の車両へ入って行った恋人同士と思しき男女もいた。
やがて発車時刻となり、列車はゆっくりと京都駅を発車。
次の東福寺駅は停車駅なので停車し、更にその次の稲荷駅にも(本来は快速通過駅だが)今日は休日で伏見稲荷大社への観光客が多数いたことから停車したのだが、これらの駅でもやはり女性専用車の表示を見て、乗車せずに避けて行く乗客の姿が見られた。
そこからJR藤森駅・桃山駅を通過し、次の停車駅は六地蔵駅。
六地蔵駅を発車後に車掌が肉声で「3号車に女性専用車の表示がありますが、JR奈良線に女性専用車の設定はありません。」とアナウンスしていた。
最初からそういう紛らわしい表示を貼らなければ良い話だが…
その後は宇治駅、城陽駅、玉水駅と停車し、学研都市線との乗換駅である木津駅には15:44に到着。ここで下車した。
JR学研都市線 快速:木津→京橋
木津駅からは15:59発の新三田行き快速に乗車する。
しばらく時間があるのでトイレ休憩なども挟んでホームで待っていると、発車時刻の5分くらい前に折り返し列車として到着。
女性専用車内は私達の他には女性客が数人いるだけでガラガラ。
木津駅停車中に乗務員がホームを歩いて通り過ぎるも、私達には声かけなし。
その後、1人の男性客が乗ってきてそのまま着席した。
発車時刻になったが、ここで接続予定の加茂行の大和路快速が遅れていたため、この列車も約5分遅れの16:04に木津駅を発車した。
発車後もガラガラのまま西木津駅を過ぎ、途中の祝園駅で乗っていた男性客は降りて行った。
祝園駅辺りから京田辺駅付近まで近鉄京都線と並走するが、途中のJR三山木駅付近で近鉄の新車である8A系電車が車窓に現れた。
途中の京田辺駅で座席がほぼ埋まる程度にまで乗客が乗ってきたが、周囲の女性客らは何気なく会話を続けており私達のことを気にするような様子は無し。
途中の四条畷駅あたりで多くの乗客が乗ってきて、立ち客が目立つようになった。
その後も声かけ等は全くなく、そのまま住道駅・放出駅を過ぎ16:52頃に京橋駅に到着してから降車。
JR大阪環状線内回り 普通:京橋→天満
京橋駅学研都市線ホームから階段を上り、大阪環状線ホームに移動すると16:55発の環状内回り電車が停車していた。
女性専用車に乗ると車内はやや混雑していたものの、その中に確認できただけで5~6人ほどの男性客が乗っていた。
両隣の車両はもっと混んでいるように見えたので、各車両の混雑率をアプリで見てみた(下画像)
やはり女性専用車の両隣が混雑している。
こちらも声かけ等は全くなく、16:59頃に天満駅に到着して降車。解散した。