2024年1月14日、朝の神戸市営地下鉄で乗車会を行いました。
前日の1月13日から大学共通テスト実施期間中であり、警備が強化されていると思われることから、男性への声かけがないかどうかのチェックの意味もあり、今回の実施となりました。
以下、その報告です。
大学共通テスト期間中の神戸市営地下鉄で非協力乗車
朝の三宮から
1月14日朝7時15分。普段は多くの人々で賑わう神戸の中心地である三宮もこの時間ではまだ行き交う人もまばらである。
今回は朝の神戸市営地下鉄での乗車会だ。
神戸市営地下鉄では過去に何度も乗車会を行ってきたが、そのほとんどが日中から夕方または夜間の時間帯であり、今回のように朝早い時間帯の神戸市営地下鉄での非協力乗車はこれまであまりやってこなかったように思う。
集合場所の地下鉄三宮駅の改札口に到着したが、やはりここも人の姿はまばらである。
今日が日曜日の朝だからということもあるかもしれないが、150万人都市である神戸の中心部の地下鉄駅とは思えないような静けさである。
今回も1日乗車券を使用する。これを使えば改札を出ずに同じところを何度往復しても不正乗車にはならない。
以前の乗車会でも1日乗車券を使用したが、今回も乗車券のデザインは同じで現在の神戸市営地下鉄北神線の前身である北神急行電鉄から受け継いだマスコットキャラクター達の絵柄である。
やがて7:30になり、参加予定者も全員揃ったので改札内に入ることにした。
三宮〜西神中央
1日乗車券を自動改札機に通して改札内に入ると、そこから長いエスカレーターを降りてまずは西神中央方面のホームへ。
私達がホームに降りると、すぐに7:34発の西神中央行きがホームに入ってきた。
今回の乗車ルートは以下の通りである。
- 三宮〜西神中央
- 西神中央〜谷上(途中、新長田、湊川公園で後続乗り換え)※谷上で休息
- 谷上〜西神中央 ※西神中央で昼食
- 西神中央〜新長田
- 新長田(海岸線)〜ハーバーランド
まず最初にホームに到着した7:34発西神中央行きに乗車した。女性専用車両内は空席が目立つ。両隣の車両も座席が埋まっている程度。見た限り男性は私達だけのようだ。
三宮駅を出て県庁前駅、大倉山駅、湊川公園駅と過ぎるごとに少しづつ人が降り、さらに空席が増えてきた。
新長田駅からは隣の車両に体育会系の部活動と思われるジャージ姿の女子学生グループが多数乗車してきた。
ホームに並んでいる時点でその位置にいたので、私達を避けたとかではなく最初からそこの車両に乗るつもりだったのだろう。
谷上寄り(進行方向後ろ)の隣の車両は新長田駅から乗車した女子学生グループも含め、かなり立ち客が多く混んでいる。こちら女性専用車両は相変わらず空席が目立つ。
板宿駅発車後に車掌が肉声で「車内での迷惑行為を見かけられましたら、乗務員までお知らせください」と短くアナウンス。
筆者は普段、通勤などで毎日この路線を利用しているわけではないので、普段からこの辺りで必ずこの放送をしているのか、それとも昨日(1月13日)から大学共通テストの期間のため、警備強化の一環でやっているのか、どちらかはわからなかった。
ここまでずっと地下を走り続けていたが、妙法寺駅のすぐ手前で地上に上がりそのまま到着。妙法寺駅は駅のホームの部分だけ地上で、発車するとすぐまた地下トンネルに戻る。
隣の車両の女子学生のグループはまだ乗っている。女性専用車両があるのにわざわざすぐ隣の車両に乗車するあたり、特に女性専用車両の存在を意識していないようだ。
インターネット上では「女性専用車両があるのに乗らない女性」に対して「専用車両行けや!」と怒鳴り散らかす男性がいるというような話がたまに出るので、一応念のために言っておくと当会は女性専用車両に乗らない女性がいるからといって「女性専用車両に行け!」などと命令するような団体ではない。
公共交通機関において正当な運賃を支払っている以上は乗客がどの車両に乗ろうとそれは自由であり、女性が女性専用車両に乗らないからといって「女性専用車両に行け!」と命令するようなことは決してあってはならないと思っている。
もちろん男性についてもどの車両に乗車しようと自由であり、男性であるというだけで排除される謂れはないと考えている。だからこそ非協力乗車も行うのである。
妙法寺駅の次の名谷駅の手前で再び地上に上がり、ここからは終点の西神中央駅までずっと地上区間である。地上に上がると駅も車両も、もう地下鉄と言うよりどこかの私鉄路線のような雰囲気である。
名谷駅を発車すると高架に上がり、車内に朝日が差し込んできた。
地下区間を走ってきた後で車内に日光が差し込んでくるときに感じる開放感のようなものは一体何なんだろうと、ここを通る時にいつも思う。
先ほど乗車会の前に三宮の市街地を歩いていたときはまだ十分に日が昇っておらず寒かったが、しばらく地下にいる間にすっかり日が昇って辺りはすこぶる良い天気になっていた。
今は1月なので暖かくなってくるのはまだ先だが、何だかまるで春先のような雰囲気だった。
学園都市駅のホームには警察官がいた。おそらく大学共通テストシーズンだからということで痴漢防止のため配置され、警戒に当たっているのだろう。その次の伊川谷駅でもやはり警察官がいた。
私達も痴漢は卑劣な行為であると思うし、それに対する警戒を強化すること自体に異論はない。
むしろそういう輩はどんどん取り締まっていただきたいと思うが、大学共通テストシーズンに便乗して女性専用車両を新たに始めた都営大江戸線のような例は言語道断である。
女性専用車両は痴漢対策を建前にした差別であり、今回私達がこの日程で乗車活動をしているのも都営大江戸線のような便乗拡大などあってはならないと考えているからだ。
車内はだんだんと空いてきて、いつしか私達の他は女性客が10人くらいになっていた。
隣の車両の女子学生の集団はまだ乗車していたが、終点一つ手前の西神南駅で全員降りていった。
西神南駅を出てさらに神戸の郊外の山と住宅地と田畑が入り交じる風景の中を走って8:06に終点の西神中央駅に到着。列車はここで谷上方面行きとして折り返すが、私達はしばらく車内に留まり、乗務員が声をかけてこないか確認することにした。
終点で折り返しをする関係で車掌と運転士が場所を替わるためにホームや車内を歩いて移動するので、私達が乗車している女性専用車両の前や車内を通ることになるのだ。
しばらくして乗務員がやってきたが、素通りしただけで声掛けは無し。これで良いのだ。
西神中央〜谷上
トイレ休息を挟み、ホームに停車中の8:12発新神戸行きに乗車。
車内は私達以外に十数人程度で空いている。
先ほど西神中央駅に向かって乗車していた際も学園都市駅や伊川谷駅で警察官の姿があったが、ここ西神中央駅でも警察官が私達の前を通り過ぎていった。
その警察官も女性専用車両に乗車していた私達には声をかけてくることはなかった。
警察の方でも「女性専用車両は任意協力であり、男性の乗車を拒否できない」ということが情報として共有されているのかもしれない。何にしろこれは良いことである。
警察官が過ぎ去った後、私達の向かいの座席に座っていた女性客が「ここは女性専用車両です」と声をかけてきた。
会員達が各自「知っています、法律はないです」「(警察官が通られたので)警察に言われたら?」と言ったら「分かって乗っておられるならいいです」と言って引き下がった。
たまにこういうことを言ってくる人がいるが、この発言の意味が分からない。
分かって乗っているなら何がいいのか?逆に分かって無くて乗っていたら何が良くないのか(駄目なのか)?
通常の事柄であれば『分かって乗っているのならいい』のであれば、それはすなわち『やっていいこと』であるわけだから『分かってなくて乗っても良い』はずである。
『分かって乗っているならいいが、分かってないなら乗っては駄目』などという理屈は通常ありえない。
今回は女性客がすぐに引き下がったからよかったものの、それが発端で大騒ぎになったらダイヤが乱れかねない。大学共通テストシーズン中でもあることから、テストに影響が出たらどうするのか。
そう言うと「乗る男性が悪い。男性が乗りさえしなければトラブルにならない」などと言い出す者が必ず出てくるが、これでは任意協力の車両に『【女性専用】車両』などという虚偽表示を出して、法に触れないようにしながら男性を完全に排除しようとする鉄道事業者の思う壺である。
また、仮にダイヤ乱れが生じたとしても原因は当会ではない。
任意協力で実は誰でも乗れるにも関わらず、鉄道事業者が『【女性専用】車両』などという表記を出して、いかにも「男性は乗車してはいけない」と乗客に勘違いさせるからトラブルになるのである。
当会としても今回の乗車会を行うに際しては少し気を遣ったものの、やはり先にも述べた通り「大学共通テストシーズンで痴漢を警戒しよう」というかけ声から「もっと女性専用車両を増やそう」とか「もっと男性が乗らないように声かけを強化しよう」につながるようでは困る。
だからこそ今回、乗車会を実行することにしたのだ。
列車は定刻通り西神中央駅を発車した。
次の西神南駅で10数人程度乗ってきた。まだ空席がある。
学園都市駅あたりから立ち客が出始めるが、今のところ両隣の車両も似たような乗車率。
名谷駅のあたりでもまだ立ち客は僅か。
妙法寺駅を出たあたりで「迷惑行為等を見かけられた場合は、非常通報装置でお知らせください」と車掌が肉声でアナウンス。
確か先ほどの西神中央行きの電車でも板宿駅を出たあたりでこういう放送をしていたが、やはり大学共通テスト期間中だからなのか。
新長田駅に8:32着。ここで後続乗り換えのため下車した。理由はいつも言っている通り、【少しでも多く任意周知するため】である。
新長田駅で後続列車を待っている間に反対方向(西神中央行き)の列車が来たが、空いている。
新長田駅からは8:38発新神戸行きに乗車した。こちらもそれほど混んでいない。
次の長田駅で空席が出たので着席した。隣の車両は立ち客の姿が見られる。
隣の車両には制服姿の女子学生の姿も見られた。
先ほど最初に乗車した三宮駅7:34発の列車でも、隣の車両に体育会系クラブ活動の女子学生と思われる集団が大勢乗っていたが、先にも述べた通り公共交通機関において定められた運賃を支払っている限りは男女問わず誰がどの車両に乗車しようと、それは自由であるべきである。
だから女性専用車両の隣の車両に女子学生が乗車することについても、当会は別に文句を言うつもりはない。乗りたい車両に乗れば良いのだから。
しかし一方で女性専用車両が比較的空いていて、隣の車両に女子学生が普通に乗車しているということは女性専用車両を痴漢対策として見るなら「極めて非効率である」ということだ。
当然、女性専用車両を導入しても痴漢は減らない。女性専用車両以外の車両で痴漢が起きるだけで犯行現場が変わるだけだからだ。
だからこそ、女性専用車両賛成派や一部の鉄道事業者は痴漢が減らなくても女性専用車両を正当化できるようにするため「女性専用車両は一時避難のシェルターだから痴漢が減る減らないは関係ない」などと言いはじめたのである。
しかもその上、本当に男性を乗車させないよう強制したら法的にもまずいので、鉄道事業者は『お客様の任意協力』ということにして法に抵触しないようにしながら、『【女性専用】車両』と表示して法的強制力があるかのように見せかけているのだ。
これだけ見ても女性専用車両というものがいかにおかしいか分かろうというものである。
世間は女性専用車両=痴漢対策で思考停止しているから、現在まで約20年間にも渡ってこのようなものが当たり前のように存在し続けることが出来ているのであろう。
そして現在でも、女性専用車両推進派の公明党や共産党などが「自らの実績」として女性専用車両の導入拡大を挙げている。
女性専用車両は痴漢対策と言いつつ、実際はそういう理由で推進されて来た経緯がある。そして鉄道事業者やマスコミは決してそのことを言わない。
そのためか現在でもX(旧ツイッター)などには「女性専用車両を無くしたいんだったら、痴漢をなくせば無くなりますよ。反対派はそんなことも分からないのですか?」などという情報弱者丸出しの(しかもその自覚が全くない)ポストが未だに散見される。
偏向マスコミや鉄道事業者の言うことしか見ず(聞かず)それを鵜呑みにしていればこんな風になってしまうのも無理はないだろう。
8:44に湊川公園駅に到着。ここでも後続列車に乗り換えを行った。
しばらくしてやってきた湊川公園駅8:48発の谷上行きに乗車。車内は座席が埋まっている程度。
そのまま数駅ほど過ぎて、三宮駅で多くの乗客が下車。車内は空席が多くなった。
次の新神戸駅で若干乗客が入れ替わるも乗車率に変化なし。
ここまで西神・山手線を走行してきたが、新神戸駅から先、谷上駅までは北神線となる。
新神戸駅から谷上駅までは1駅だが駅間距離は約8㎞近くもあり、ひたすら長い地下トンネルを走り抜けて谷上駅に到着する直前で地上に上がり、そのままホームに滑り込む。
9:04に谷上駅に到着。ホームに降りると目の前にホーム上連絡の神戸電鉄の三田方面行きが発車待ちしており、すぐに発車していった。
谷上~西神中央
谷上駅で下車した後、いったん改札を出てそこで各自自由行動とし、10:00にまた改札口に再集合することにした。
他のメンバー達がどこへ行ったのかは知らないが、筆者は谷上駅の周辺を軽く一周した後は改札内に戻り、駅のコンコースにある「日本一標高の高い地下鉄駅」の看板を見た後、暖房の効いたホームの待合室でスマホを見て過ごした。
「日本一標高の高い地下鉄駅」の看板には1日乗車券に描かれていたキャラクター達の他に今回は期間限定(?)でなぜか長野県のアルピコ交通(松本電鉄)のキャラクターが「登場」していた。
予定通り10時に再集合し、谷上駅10:11発の西神中央行きに乗車。
終着駅の折り返しのため、発車までしばらく時間がある。車内で乗務員などによる声かけが無いか見ていたが、乗務員は通り過ぎただけで何も言ってこなかった。これで良いのだ。
谷上駅発車後すぐ「この列車の前から4両目は女性専用車両です」と自動アナウンス。
神戸市営地下鉄は車内や駅構内での女性専用車両案内放送は基本していないが、谷上駅の構内放送と谷上駅発車直後の車内アナウンスだけは例外である。
長い地下トンネルを走り、次の新神戸で立ち客が出始めた。
しかし、新神戸駅からひと駅の三宮駅で多数降り、車内は再び空席が目立つようになった。
新神戸駅と言えば新幹線との連絡駅であるが、どうやら新幹線からの乗り換え客が神戸の中心地、三宮駅までひと駅だけ地下鉄を利用しているようである。
その後は特に何事も無く名谷駅から再び地上区間に上がって、快晴の神戸市郊外を駆け抜けた。
学園都市駅辺りからはさらに乗客が減ってガラガラになり、私達以外に数人程度女性客が乗っているだけになっていた。
10:54に終点の西神中央駅に到着。
西神中央駅で改札を出て、私達は近くのお好み焼き・焼きそばの店に入ることにした。
以前の乗車会でもこの店に入ったことがあるが、そのときに食べた焼きそばが美味しかったので今回もまた同じ店に入ることにした。
やはり、仲間が集まって食事しながらいろいろ話し出すと会話が盛り上がり、時の経つのも忘れてしまう。
最初に頼んだ焼きそばが無くなると追加でまたいろいろ注文し、気がついたらすっかり長居してしまった。
しかし、こういう楽しみがあるからこそ、また活動に参加しようと思うのである。
当会では随時新規入会者も募集しているので、入会希望者は入会申し込みフォームよりお願いしたい。
西神中央~新長田
美味い焼きそばで腹を満たした私達は西神中央駅に戻り、すでにホームに入っていた14:29発新神戸行きに乗車した。
車内は私達の他、女性客が4~5人程度乗車しているだけだった。
しばらくして発車時刻間際になると、次々と女性客が乗車してきて私達以外に十数人ほど乗車した状態で西神中央駅を発車した。
今度は途中の新長田駅まで乗車して、そこから海岸線に乗り換える。
しばらく地上区間を走り、名谷駅から地下に潜って新長田駅まで乗車したが特に何事も無し。
新長田駅には14:49到着。
新長田駅の西神・山手線ホームから海岸線のホームまでは地下通路を少し歩く。
新長田~ハーバーランド
しばらく歩いて海岸線のホームにたどり着くと、しばらくして15:00発三宮・花時計前行きが到着。
ホームにいた数人の女性客とともに乗車。
海岸線はここ新長田駅が終点ですべての列車が三宮・花時計前駅に向けて折り返す。私達はここでも乗務員の声かけがないか、車内で意識して見ていた。
しばらくして運転士と思われる職員が車内を通りかかったが、私達には何も言ってこなかった。これで良いのだ。
やがて発車時刻となり、列車は私達以外に3人の女性客を乗せた状態で新長田駅を発車した。
発車後隣の車両を見てみたが、そちらもやはりガラガラのようである。
今回の乗車会はこの先、海岸線のハーバーランド駅で終了の予定である。
しばらく走って駒ヶ林駅、苅藻駅と過ぎていったが、若干の乗り降りがあるだけで車内がガラガラであることに変わりは無い。
御崎公園駅辺りから、ややまとまった人数乗車してくるようになったが、それでもまだ女性専用車両は空席が多い。隣の車両も半分くらい座席が埋まった程度のようだ。
和田岬駅では結構な数の人がホームに列をなしていて、そのほとんどが女性専用車両以外の車両に乗った。女性専用車両に乗ってきたのは女性客が1人だけ。女性専用車両は相変わらずガラガラだが隣の車両は立ち客も出始めているようである。混雑とまではいえないものの、乗車率の差がはっきりとしてきた。
さらに中央市場前駅では女性専用車両にも女性客が5~6人くらい乗車してきた。隣の車両はさらに立ち客が増えたようだ。
今回、西神・山手線や北神線も含め、ここまで私達以外の男性客の乗車を全く確認していない。
結局、私達以外の男性客の乗車を全く確認できないまま、列車は乗車会終了予定のハーバーランド駅に到着。私達は全員下車した。
乗車会終了後にとんでもないことが判明
今回の乗車会では男性の乗車は確認できなかったものの、声かけについては西神中央駅で停車中に女性客が声をかけてきたこと以外は特に何事も無かったわけだが、私達はここでとんでもない事実を知ることになる。
メンバーの一人が降りたホームで何気なく列車の発車時刻案内を見ていると、その下に張り紙があるのに気づいた。張り紙自体は別に珍しくないので最初は特に気にとめていなかったのだが、よく見ると・・・。
「安全確保のため女性専用車両の扱いを12時00分~19時00分の間中止いたします」・・・
つまり今、新長田駅から私達が乗ってきた列車についても女性専用車両は【中止】されていたのである。
私達はそれを知らず、ハーバーランド駅で下車してから気づいたのだ。
はあ・・・?
女性専用車両が中止されていたのは海岸線だけであり、西神山手線や北神線では女性専用車両は運行されていたので、今回の乗車会がすべて「空振り」だったわけではないのだが、それにしても・・・
中止されていたことに気づかず、乗車を終えてから気づいたというのは多分、今回が初めてではないだろうか。
神戸市営地下鉄では先ほども少し触れたとおり、谷上駅の構内放送と谷上駅発車直後の車内アナウンスを除き、放送による女性専用車両の案内は基本していない。
だから今日、海岸線で女性専用車両が日中解除になっていることも張り紙のみで告知していたのかもしれないが、恐らく私達だけでなく、他の乗客もこのことは全く知らなかったと思われる。
女性専用車両に男性は私達以外誰も乗らず、しかも途中駅から明らかに女性専用車両だけが空いている状態になっていた。
神戸市交通局側も沿線イベントによる混雑を予想して日中の女性専用車両を中止しているのだろうが、そもそも痴漢対策というなら「混雑するから中止」というのでは本末転倒である。
ましてや張り紙の中止理由が『「安全確保」のため』と書くということは、裏を返せば普段は『混雑時の安全確保と女性専用車両が相容れないものと承知しながら実施している』と堂々と言っているようなものであって、何をするにしても『安全第一』が徹底される昨今の社会において、これはとんでもない話である。
さらには解除・中止になっていることを(恐らくは)誰も知らず、女性専用車両だけが空いている状態であった。
今回、乗った列車は全体の乗車率はそれほど高くなかったが、仮にこれが安全確保が難しいレベルの混雑になったとしても、やはり多くの乗客が女性専用車両を避けて乗ることになるだろう。
また海岸線では普段、特に日中はほとんど混雑しないにも関わらず、わずか4両編成の列車に土休日も含めて毎日・終日女性専用車両が設定されている。
それなのに「混雑が予想される時だけ中止」では、一体何のための女性専用車両なのか分からない。
「痴漢対策をするな」とは当然言わないが、もはや何のためなのか分からなくなっているような女性専用車両は廃止するべきだ。
いつも当会が述べている通り、女性専用車両は一部の政党や政治家の実績作り、選挙アピールのためのものとなってしまっている。
神戸市営地下鉄の女性専用車両もそうした背景があるが、こうしてみる限り痴漢対策を名目に一部政党の人気取り政策として導入された女性専用車両が、およそ痴漢対策とは思えないような状態で存在し続けているように思う。
ハーバーランド駅の改札を出て地上に上がると、すぐ目の前にJR神戸駅がある。
今回の乗車会はここで終了・解散とした。