当会関西本部では2021年2月2日にJRおおさか東線などで非協力乗車会を行いました。
このところ、新大阪駅のおおさか東線ホームでは駅員等による声掛けが必ずといって良いくらいあり、また、新大阪駅含めおおさか東線の各駅では拡大コピーされた巨大なポスターを貼りだして女性専用車の存在を周知し、「そこに男性は乗れない」と思うように仕向けるなど「男性を乗せない取り組み」に熱心です。
以下その報告です。
男性を乗せない取り組みに熱心な新大阪駅・おおさか東線
今回のルート
①大阪→新大阪(JR京都線)
②新大阪→鴫野(JRおおさか東線)
③鴫野→京橋(JR学研都市線)
④京橋→天満(JR大阪環状線)
JR京都線 大阪→新大阪
今回はJR大阪駅をスタート地点とした。
兵庫県内の大久保駅で非常ボタンが押されたとかで少々ダイヤが乱れている。
私達は19:32発の普通高槻行きに乗車することにした。
女性専用車の位置で駅員が2人で何か会話していたが、私達がその駅員達の前で女性専用車位置に並んでも声をかけてくることなく、2人ともその場を去って行った。
私達のことを避けたのか、それとも他に用事があって離れたのかは分からない。
しばらくしてホームに電車が入ってきて多くの乗客が入れ替わったが、女性専用車から降りてくる乗客の中に1人の男性客がいた。
私達はそのまま乗車し列車は大阪駅を発車したが特にこれといった事はなく、約3分ほどで次の新大阪駅に到着してからJRおおさか東線に乗り換えのため下車した。
下車するとちょうど目の前にエレベーターとエスカレーターがあり、女性専用車が一番便利な位置に停車するようになっている。
「JR西日本は意図的に女性専用車の位置に階段やエスカレーター・エレベーターを合わせている」ということを過去、当サイトで何度も言っているが、ここも恐らくは意図的にそうしているものと思われる。
前回の活動報告(2020年1月)のページでも紹介しているが、なぜ意図的と考えられるかの資料(2004年に大和路線と阪和線に女性専用車を導入した際、JR西日本が出したもの)をここに再度貼っておく。
JR西日本が男性客(障がい者・高齢者も含め)をいかに軽視しているか、非常に良く分かる。
JRおおさか東線 新大阪→鴫野(しぎの)
今回の乗車会の一番の目的は新大阪駅で声掛けがないかどうかの確認である。
というのも、新大阪駅(のおおさか東線ホーム)では駅員が女性専用車の位置におり、男性が女性専用車に乗車しようとするとほぼ必ず声をかけてくる。
どうやら新大阪駅はおおさか東線の女性専用車に男性を乗せないよう、取り組みを強化しているようだ。
そのため、ここ最近はJRで非協力乗車をする場合には出来るだけ新大阪を通るルートを設定するようにしている。
新大阪駅からは19:43発の普通・久宝寺行きに乗車した。
やはり駅員が女性専用車位置に立っており、私達が乗るとすぐに声かけしてきた。
駅員T氏:すみません、ここ女性専用車になるんですよ。
会員A:わかってます。
会員B:一体何を見て男性やと判断して声かけしてくるんですかね?
駅員T氏:いや、ご協力をお願いしてるだけですので…。
そう言ってT氏は引き下がっていった。
すぐに引き下がりはしたものの、これは「大抵の乗客は声をかければ移動する」という前提での声掛けであろう。
いつも言っている通り、JR西日本の女性専用車は営利目的であり痴漢対策は真っ赤なウソである。
そして公共交通機関である以上、同じ運賃を取りながら「性別」という生まれ持った属性によって乗客に不利益を与えることは許されない。
だからこそ鉄道事業者は任意協力であるにもかかわらず「女性専用車」という強制力があるかのような名前をつけ、その上で任意協力だと知らせずに半ば騙すような形で男性を排除し、それを表向き「男性が自分の意思で協力くださっただけ」で片付けているのである。
これに対抗するにはやはり「敢えて乗車する男性」がもっと多くならないと、なかなか難しい。
以下の写真は新大阪駅のおおさか東線ホームの女性専用車位置で撮影したものであるが、女性専用車の位置の柱全てにでかでかと「女性専用車には以下の方がご利用出来ます 女性・小学生以下の男性のお客様・お体の不自由な男性のお客様、介護者を含みます」という内容のポスターを貼っている。
「女性専用車は子供と障がい者・介護者以外、男性乗車禁止」と利用客に勘違いさせるためのものだ。
「女性専用車は専用と名乗っていても、実は任意では無かったのか?」
「このポスターは嘘っぱちを平然と垂れ流してるのか?」
と言いたくなるが、よく見ると「○○は利用できる」と言っているだけで「○○以外」について「利用出来ない」とはひとことも言っていない。ただ「触れていないだけ」である。
「男性は乗れない」と言わずして、利用客に「男性は乗れないもの」だと勘違いさせることに成功しているのだ。
本当に男性乗車禁止なら「男性は乗車できません。但し以下の方々は例外とします・・・」と記せばよいのだが、なぜそうしないのかを考えてみれば良く分かるだろう。
ちなみにこのポスター、2年前くらい(2019年頃)に関西圏のJRの主な駅の多くで掲出されていたのだが、今ではもうほとんど見かけることはない。
しかし新大阪駅を含め、おおさか東線関係の各駅では今でもこのポスターがでかでかと貼られている。
それもポスター上の細かい文字がギザギザになっていることから見て、恐らくは目立たせるために拡大コピーをかけたものであろう。まさに反対派に対する挑戦である。
どうやら新大阪駅だけでなく、おおさか東線については(恐らく現場の独自の判断で)とにかく女性専用車に男性を乗せない取り組みを強化しているようである。
反対派の皆さんはもし関西で非協力乗車するなら、新大阪駅からおおさか東線に乗車してみてほしい。
強制できない女性専用車をあたかも強制であるかのように装っている鉄道事業者にとって、男性に意図的に乗られるのが一番困るのである。
そして不当な差別である女性専用車を正当化するための「痴漢対策」という理由が「実はウソ」だとばれるのが、やはり一番困るのである。
・・・さて、声掛けはあったものの電車は定刻通りに新大阪駅を発車した。
車内は座席がほぼ埋まる程度の乗車率で、帰宅ラッシュの時間帯ではあるがさほど混んでいない。
途中のJR淡路駅から男子高校生2人組が乗ってきて、そのまま車内にとどまった。
恐らく通学でいつもこのおおさか東線を利用しているのだろうが、ならば女性専用車と承知の上で乗車しているのか?
もしそうであれば私達的には望ましいことである。
城北公園通を過ぎてJR野江駅に到着した際に車内を見渡すと、先ほどJR淡路駅で乗車してきた男子高校生達はまだ乗車していた。
そのまま鴫野駅に19:57頃に到着し、JR学研都市線に乗り換えた。
JR学研都市線 鴫野→京橋
鴫野駅もエスカレーターを上がってすぐのところに女性専用車が停車する。
しばらく待って20:08発の普通京橋行きの女性専用車に乗車したが、車内はかなり空いていて私達以外には5人ほどの女性客しか乗っていなかった。
特にこれといった事はなく、約2分で次の終点の京橋駅に到着し、JR大阪環状線に乗り換えた。
JR大阪環状線内回り 京橋→天満
女性専用車位置に向かうため、京橋駅の大阪環状線ホームを歩いていると、こんなポスターが目に入った。
大阪環状線では環状線内を周回する列車(女性専用車あり)と、環状線から大和路線や阪和線に向けて直通する大和路快速・紀州路快速(女性専用車なし)がある。
以前は大阪環状線内だけを走る列車と、大和路快速・紀州路快速とでドアの位置や数が違ったため、環状線内の列車(4ドア車 女性専用車あり)乗車位置を〇印で、大和路快速・紀州路快速(3ドア車 女性専用車なし)の乗車位置を△印でそれぞれ表示していた。
しかし大阪環状線に新型の323系電車を入れてからはドアの数や位置が統一されたため、区別する必要がなくなった。
そのため、今年(2021年)2月5日までホームの電光掲示板での案内は全て「足元△印」になり、電光掲示板を見ただけでは次に来る列車の女性専用車の有無が分かりにくくなっていた。
恐らくJRはそれが男性の乗車につながっていると判断したのだろう。
だから女性専用車ありの列車乗車位置を○印、なしの列車乗車位置を△印と案内するようにしたのである。
JRが任意でしかない(強制できない)女性専用車になぜそこまでこだわるのかといえば、痴漢対策のためではなく女性客(正確には専用車賛成派の女性客と言うべきか・・・)に対するサービスダウンになるからである。
やがて20:24発の環状内回り列車が到着したので乗車すると、女性専用車の奥の方で既に1人の男性客が座っていたのを確認した。
車内で声かけなどはなく、20:28頃に天満駅に到着し、ここで解散した。