当会では今年2月に札幌市交通局を直接訪問し、全9ページにわたる意見書を提出してきました。
現在も札幌では現地会員が地下鉄で任意確認乗車活動を行っていますが、任意協力であるにも関わらず「男性は乗れません」などと断言する職員による個別声掛けがあったり、任意協力であることを知らない(?)女性客が多く、中には暴言を吐いたりする者がいるなど状況が悪化しているようです。
以下、札幌の会員からの報告です。
職員が(男性は)「乗れません」と断言
日付は2020年10月8日
北24条から真駒内行に乗車。
大通で私のほかに男性客が乗車するも、すすきの~中島公園間で
「1番前の車両は女性と子供の安心車両となっております。ご注意ください。」
との肉声放送がありました。
「久しぶりに肉声放送を聞いたな。」と思った矢先、目の前を走って先程の男性客が移動して行きました。
この後、終点の真駒内で降りてきた運転士が車両内に留まっていた私に対し「今、女性車両です。」との声かけ。
会員:乗れないのですか?
運転士:乗れません。
※札幌市交通局はホームページで女性と子どもの安心車両について、
「任意によるものなので、拒否することはできません。(中略)このため、男性のお客さまが乗車されましても、乗務員が直接注意を行うことはありませんが、案内放送によりご協力の呼びかけを行います。」
https://www.city.sapporo.jp/st/subway/anshin_syaro/anshin_syaryo.html
と明言しているのだが、この運転士は局の方針に背いて自分の勝手な判断で「個別声かけ」と「乗れない告知」という不適切な行動をとっている。
女性客:時間で乗れないんですよ。
会員:任意なので乗れます。
運転士:いいです。こう言う人は。
流石に聞き捨てならないため、一度下車しその運転士に詰め寄りました。
しかし、私の質問にろくに答えもせずどこかに行ってしまった為、駅務室で猛抗議。
真駒内から折り返しの際も隣の女性客から「ここ女性車両ですよ。」と声かけ。
「任意なので乗れます」と返すと、「そうですか、じゃあ好きにしてください」とのこと。
赤の他人に何故こんな嫌みな言い方をされないといけないのか、甚だ理解に苦しむ限りです。
「迷惑なので声かけしないでください」と告げ、引き続き乗車しました。
暴言を吐いた女子高生2人を通報
日付は2020年10月13日
さっぽろ駅から8:12発、真駒内行に乗車。
さっぽろ駅ホームにて並んでいると、女子高校生2人に後ろから聞こえる程度の声量で、
「安心車両って読めねーのかよ。」
「全身の関節を✕✕…。」
などと言ったような暴力をにおわせる暴言を浴びせられつつの乗車となりました。
乗車してからも色々と言っていたようですが、反対側の座席に座っていたために聞き取れませんでした。
その後も他の乗客からの視線などは気になりはしたものの、特に何もなく終了しました。
高校生の言動に関しては着衣に校名が記載してあった為、学校に通報しました。
他の地域では「若い女性は男性がいてもあまり気にしない人が多い一方、声をかけてくるのは大抵中高年」というのがあるようですが、札幌も普段は中高年の方からの声かけが大半であり、今回に関してはレアケースだと思います。
「暴力をにおわせる暴言」の部分は別として、彼女らが全て悪いとは言いません。
「男性は乗れない」と誤認させるような交通局や職員にこそ問題があるのです。
学校側としてはHR時に各担任を通して全クラスに周知するとのことです。
============(札幌会員からの報告、ここまで)============
当会からも札幌市交通局に抗議
地元の現在の女子高校生は年齢的に見て考えると、物心ついた時には既に女性と子どもの安心車両があったはずである。
少なくともその暴言を吐いてきた女子高校生らは無意識(?)に、男性本人の努力では変えられない【属性】による差別に加担しているわけだから、女性と子どもの安心車両という存在は教育的に考えても非常に良くない。
札幌の会員からの報告を受け、他の当会メンバーが次々と札幌市交通局に抗議の電話などを行った。
(抗議先:総務課 0118962708 イタズラ電話厳禁)
抗議した会員のうちの一人からの報告によると、「女性と子供の安心車両」そのものについても抗議したが、この事については「ご意見として受け止めさせていただきます」の一点張りで、しかも何度か(3回くらい)一方的に電話を切ろうとしたとのこと。
その担当者がたまたまそうだったのか、札幌市交通局全体にそのような男性客の意見軽視の傾向があるのかは分からないが、印象はとても悪かったそうだ。
さらに、「他にも女性専用車両に関する同様のご意見を何件かいただいているが、お客様は北海道の方でしょうか?」という質問もしてきたらしい。
道外の人間だったら、どうだというのだろうか?
ちなみに電話をした会員は当該の札幌会員とも良く交流している人物であり、「今回の件で不適切対応をされた男性の友人である」とはっきり相手に伝えているにもかかわらずである。
先日の熊本の女性専用車の件でマスコミがこぞって「反対意見の大半が県外」などと報道し、「部外者が騒いでいるだけで、地元は女性専用車両を好意的に受け止めている」(※実際は熊本県内からも批判はあるが、黙殺されている)という印象操作の道具に使ったが、札幌市交通局も女性専用車(安心車両)の反対意見を「道外だから」と切り捨てようという考えなのか?
鉄道事業者もマスコミも「女性専用車両は差別だ」という声を無効化し、切り捨てるうまい口実を思いついたものだ。
つまり、都道府県外からの批判は「部外者が騒いでいるだけ」と切り捨て、県内からの批判は「黙殺」するというわけである。
しかし、特定の路線の運賃設定やダイヤの問題とは異なり、「女性専用車両が公共の場における差別」だというのは特定の地域・路線の問題ではない。
よって、「県(道)外だから」と排除しようとするほうがおかしい。
ちなみに下記FNNプライムオンラインの記事によると、熊本市交通局には9月1日から17日までに131件の意見が寄せられ、その85%に当たる111件が反対意見だったとのこと。
さらに「反対とする意見は男性からが多く」ということは、少数ながら女性からの反対意見もあったということであろうか。
(情報元)
市電の『女性専用車両』 反対意見が多数【熊本】(FNNプライムオンライン)
https://www.fnn.jp/articles/-/86552(現在はリンク切れ)
熊本市交通局はこの後独自にアンケートを取って正式導入するか決めるとしている。
しかし、過去に女性専用車両を導入した鉄道事業者が女性専用車両の利用者に重点的にアンケート用紙を配るなど、最初から賛成多数の結果を出すための「出来レース」のアンケートを取ったケースもある。
仮に「賛成多数」の結果が出たとしても、やはり疑ってかかる必要があるのだ。
また、反対多数の結果が出ても「アンケート以外の要素も含め、【総合的】に判断しました」などとして、結局正式導入したケースが少なくない。
アンケートなどあってないようなもので、いずれにしても要注意なのだ。
そしてもしアンケートで賛成多数となれば、今度はマスコミが「やはり地元は好意的に受け止めていた」「反対していたのは部外者だけだということが明らかになった」などとやりかねない。
熊本市交通局の女性専用車両試験導入を受け、当会サイト上に「熊本など九州地区の新入会員を募集します」と掲載したところ、実際に熊本からの新規入会があった。
現在も募集しているので、熊本の方も札幌の方も女性専用車両(札幌では女性と子どもの安心車両)に疑問や不満があれば是非、当会に入会申し込みしていただきたい。