当会関西本部では、12月2日に朝の近鉄奈良線と、そのあとJR西日本線で乗車会を行いました。
京阪や近鉄などの女性専用車両は平日朝のみの運行ですが、その分、普段は男性が乗車することが少ないせいか、最近では終日やっているJR西日本より、「朝だけ実施」の鉄道事業者のほうが、声掛けがうるさい傾向があります。
そのため、今回も近鉄は声掛けがうるさいだろうと予想していましたが、実際には予想とはちょっと違った展開になりました。
以下、その報告です。
近鉄、反対派への対応マニュアルを作成か?
以前ほどのしつこい声掛けは無かったが・・・
近鉄奈良~生駒
今回は午前8:15に近鉄奈良駅に集合。
近鉄奈良線では、今年の4月に当会で非協力乗車した際、奈良駅で乗務員や助役から非常にしつこく声をかけられたのと、その後も車内でこれでもかと言うくらい、自動放送の女性専用車両アナウンスを何度も流されたりしたので、私達としても要注意路線の一つとして認識していた。
今回も同じような対応を取るようなら、下車駅だけでなく、本社にも抗議しなければならないと思っていたところだが、実際に乗車してみると、(これについては改めて後述するが)乗務員などからの声掛けはあったものの、以前のようなしつこさはなかった。
しかし、本当は任意協力で誰でも乗れる車両に「女性専用車両」という名前をつけ、その上、任意であることを知らせずに男性乗客に声をかける以上は、抗議をやめるわけには行かない。
いつも言っているように、公共交通機関で生まれ持った本人の意思や努力では変えることのできない、人種や性別などの「属性」を理由に、同じ運賃を支払っている特定の乗客に不利益を負わせるようなことがあってはならない。
そういうと、「痴漢被害にあうのは圧倒的に女性なのだから仕方がないし、痴漢対策だから差別じゃない」などと言いだす者が出てくるが、そもそも痴漢対策は建前である。
また、痴漢対策であったとしても、同じ運賃を払っている者同士なのに性別で乗れる車両を制限するなど、サービスに差をつける差別であることに変わりはない。
過去に何度も言っている通り、女性専用車両がその導入当初(2000年ごろ)から政治的な力で推進されてきたのは周知の事実であり、特に公営の鉄道事業者(地下鉄)などには、公明党など一部政党が市議会などで何度も圧力をかけていたということもある。
また、2005年に関東の鉄道事業者のほとんどが同時に女性専用車両を導入するという、「関東一斉導入」があったが、その際も当時の国交省が鉄道事業者の幹部を集めて「女性等に配慮した車両の導入促進に関する協議会」なるものを数度にわたって実施したため、朝ラッシュ時の安全確保の問題や男性客からの反発が予想されることなどから導入を渋っていた当時の鉄道事業者も、イヤとは言えない状況になり、結局導入さぜるを得なくなったという経緯がある。
そして、その国交省に女性専用車両の導入を推進するよう、約7万6千筆の署名を集めて、当時の北側一雄国交相に提出していたのも公明党である。
現在でも公明党は選挙の度に「私達が女性専用車両を実現しました!」と、女性専用車両の導入推進を実績としてアピールしている。
また、実際に女性専用車両を運行している鉄道事業者も、現在では女性専用車両を営利目的に利用するなど、およそ痴漢被害者のことを思って女性専用車両を運行しているとは言えない実態がある。
●近鉄奈良線の女性専用車両が、公明党の働きかけで導入されたものかどうかは確認が取れていないが、過去に公明党が近鉄に女性専用車両の導入を要求していたことはある。
http://www.komei.or.jp/km/naracity-ookuni-masahiro/2007/01/11/
●近鉄では確認していないが、JR西日本や大阪メトロなど、女性専用車両限定広告などで、
女性専用車両を営利目的に利用している鉄道事業者は多い。
●なお、一部に誤解があるようだが、当会は、「鉄道事業者が広告料目的で女性専用車両を導入した」と主張しているわけではない。
先述の通り、主に公明党(及び当時の国交省)などからの圧力や、他社局が導入したのを見ての「横並び意識」からの導入がほとんどである。
(「鉄道事業者が痴漢被害者のことを思って女性専用車両をやっているわけではない」と、分かりやすく説明するために女性専用車限定広告などを例に取っているのであって、「それが導入理由だ」と言っているわけではない。)
さて、集合時刻も過ぎたので、私達は改札内に入ることにした。
私達が乗車するのは、8:27発の快速急行・神戸三宮行。
駅構内のアナウンスや掲示類などによると、今日は各列車とも数分程度遅れて運行しているとのことである。
雨のためだろうか、それとも他に理由があるのか、理由までは分からなかったが、この程度の遅れでは女性専用車両は中止にはならないだろう。
私達はホームに立って並んだ。
しばらくすると、私達が乗る予定の快速急行がやってきた。
直通乗り入れしている阪神の車両だ。
ドアが開いたので、早速乗車・着席した。
近鉄奈良線は、大阪難波方面行の最後尾車両が女性専用車両である。
そして、奈良駅は終点駅だから、列車はすべてここで折り返す。
つまり今、運転士が乗っている先頭車両が奈良駅で折り返し、今度は最後尾(女性専用車両)になるわけだ。
案の定、すぐに運転士と思われる職員が私達に声掛けしてきた。
運転士:すみません Ladies only car
会員一同:知ってます!
運転士:・・・そうですか・・・(と言って立ち去る)
声掛け自体はしつこいものでは無かったが、任意協力であるということを一切言わずに声かけしており、これでは私達のように敢えて乗車している男性以外は、女性専用車両が強制力のあるものと勘違いして降りてしまうだろう。
これでは騙したも同然である。
その後、今度は車掌がやってきたが、私達が敢えて乗車しているのは分かっているからか、声かけはしてこず、そのまま車掌業務をはじめた。
また、以前は乗務員が声掛けして男性客が移動しなかったら、今度は駅の助役を呼んで来るという対応をしていたのだが、今回それはなかった。
どうやら私達のような、「敢えて乗車している乗客」には、しつこく声掛けはしないという方向で、対応を変えてきたようである。
それはそれで良いのだが、先にも述べた通り、乗務員が任意協力であるということを一切言わずに声かけしており、私達のような敢えて乗車している男性以外は騙されて降りてしまうだろう。
(そしてそれが、「男性が自分の意思で協力した」で、片付けられてしまうのである)
敢えて乗車する者にしつこく声をかけることはなくなったものの「任意なのに、女性専用」というウソはそのままになっているのだ。
やがて列車は近鉄奈良駅を発車。
車内は最ラッシュ時は過ぎているためか、まだ空席がある状態。
しばらく地下を走って、地上に上がる。
外はあいにくの雨模様。
地上に上がってすぐ次の駅、新大宮に停車。ここで座席がほぼ埋まった。
新大宮発車後、「この電車は大阪難波まで、一番後ろの車両は女性専用車両です」という自動アナウンスが流れた。
「今回も以前と同じようにしつこく放送をし続けるのか?」と思ったが、これも以前のようにしつこく流されることは無かった。
やがて列車は次の西大寺駅に到着。ここで車掌が交代した。
そして、西大寺から入ってきた車掌Nが、私達のところに来て声掛けしてきた。
車掌N:すみません、ここ女性専用車両ですので、前の車両に移っていただけますか?
会員A:それ、人権侵害ですよ。
車掌N:ご協力いただけませんか?
会員A:ご協力って何なんですか?
会員B:あくまでも任意協力ですよね?
車掌N:はい、そうですけど・・・
会員A:協力いたしかねます。
車掌Nは車掌室に戻っていったが、上記のやり取りからもわかる通り、任意協力であることは知っていながら、任意だと知らせずに男性を移動させようとしていたわけだ。
その後は特に何事もなく、学園前駅を過ぎ、生駒に到着。
生駒到着時点でも、車内は座席がほぼ埋まっているものの、立ち客はまばらという状況だった。
今回、私達はここで一旦下車して、「自由が丘作戦」を取ることにした。
普段、当サイトをご覧の皆様ならすでに知っていると思うが、自由が丘作戦とは、当会や差別ネットワークなど、女性専用車両反対団体の内部用語で、少しでも多く任意周知を行うため、途中の駅で降りて後続の列車に乗りかえることを指す。
以前、関東の東急東横線の自由が丘駅で、当会の関東のメンバーがこれをやっていたことが、その名前の由来である。
生駒駅のホームで
生駒駅に降り立つと、空はどんより曇っているものの、先ほど降っていた雨はやんでいた。
向こうには直通乗り入れしている、大阪メトロ中央線の車両も停まっている。
私たちは下車してすぐ並んだので、女性専用車乗車位置の一番先頭で並ぶことになった。
しばらくして後ろに女性客が並んできたが、その時は何も言ってこなかった。
すぐ、後続の準急がやってきたが、これは女性専用車両の設定がないので見送り、その次の8:53発、大阪難波行き快速急行を待つために引き続き並んでいると、後ろの女性客が声をかけてきた。
女性客:快速急行に乗られるんですか?
会員A:はい、そうですけど。
女性客:この時間は女性専用になるんですよ。
会員A:そうかもしれませんが、法的根拠はないです。
むしろ法的には男女差別はいけないことになっていますので・・・
こんなやり取りになったが、これもトラブルとまではいかないものの、やはり「女性専用車両」という名前に皆、騙されている。
この女性客はこれ以上は言ってこなかったが、よくネットでもリアルでも「法的に決まっていないからといって何をやってもいいというわけではない」等と言ってくる者がいる。
つまり、「女性専用」と書いてあるのだからそれに従うのが「当然の常識」であるというのだが、そもそもこういうことを言う人間は「なぜ女性専用車両に法的根拠がないのか」というところに気が行かないようだ。
これは単に、「法律がないから」ではなく、「法で強制できない」から女性専用車両に法的根拠を持たせることが出来ないのである。
それだけ、女性専用車両というもの自体が、実は法的にもとんでもないものであるということなのだが、「痴漢対策」と言われれば、そして「痴漢被害者のことも考えろ」ともっともらしいことを言われれば、大抵の人間は女性専用車両が正しいと思いこんでしまう。
実際には、「痴漢対策はうわべの綺麗事」であるというのは先に述べた通り。
ちなみに当会や多くの反対派は、女性専用車両ではなく、JR埼京線で「痴漢6割減」の実績のある車内監視カメラの導入推進や警備の強化、本当に電車を利用するのが怖い人のために、私服警官の付き添い乗車なども提唱している。
しかしながら、どうしたものか、「痴漢被害者のことも考えろ!」と、強く女性専用車両を推してくる者の多くは、監視カメラや私服警官などの施策には無関心で、中には当会が監視カメラや私服警官の同乗を提唱すると、あれこれ理由をつけ、なんとかしてそれを潰そうとする者までいる。
そして、導入後も痴漢の件数が減っているとは言えない女性専用車両を絶対唯一の痴漢対策であるかのように推してくる。
もうお分かりの方もいらっしゃるだろうが、この手の人達の目的は「痴漢被害者を守ること」ではなく、「女性専用車両を守ること」である。
「痴漢被害者を守るため」に、「女性専用車両という手段」を主張しているように見えるが、実際は逆になっている。
「女性専用車両を守るため」に、「痴漢被害者を盾に取るという手段」を取っているのだ。
つまり、手段(であるはずの女性専用車両)が目的化しているのである。
もちろん、当会は痴漢対策自体には反対ではないし、また痴漢は犯罪だと思うからこそ「痴漢対策は名ばかり」で、実際には政党の実績作りや選挙戦略、そして鉄道事業者の営利や一部の心無い女性客の特権意識を満たすものと化している女性専用車両ではなく、監視カメラや警備の強化、私服警官の付き添いなど、様々な施策を提案しているのである。
しかしながら、世間にはきちんとものを見ないで、「女性専用車両に反対する奴は痴漢」などと、頭の悪い発言をする者が少なくない。
全く持って嘆かわしい限りである。
また、この頃では女性専用車両そのものの賛否よりも、反対派を批判すること自体が目的になっている者もいるようだ。
ちなみに、後でツイッターを確認したら以下のようなものがあった。
内容や時間からして、恐らく私達の後ろに並んでいた女性客のうちの誰か一人がツイートしたものだろう。
「きもい」などと暴言を吐いて、「女性専用車両の利用客は清純な被害者」という、専用車賛成派にありがちな先入観を、図らずもものの見事に否定してくださっているが、この女性客もまた「女性専用車両」という虚偽の名称に完全に騙されているのだ。
女性専用車両と名前がついていても、実際は「そういう名前になっているだけ」で、実は「ただの一般車両」である。
これが他の車両なら、私達が先頭に並んでいるからといって、こんな反応にはならなかったはずであるが、女性専用車両という名前がついているだけで、「男性が並んでいるだけできもい」となるのである。
まあ、「女性専用が名前だけ」と分かっていて、「きもい」などと言っている可能性も無くはないが、もしそうだとしたら論外である。
生駒~大阪上本町
しばらくして後続の快速急行が到着、私達はそのまま乗車した。
車内は、先ほどの快速急行と同じく、最ラッシュ時は過ぎているせいか、座席は埋まっているが、立ち客はちらほら程度。
私達も全員立って乗車した。
女性専用車両が最後尾のため、私達が乗車したのが車掌の目にもはっきり分かったはずだが、この列車の車掌は声をかけてこなかった。
それで良いのだ。
生駒駅を出るとすぐ、長い生駒トンネルに入る。
数分かけて生駒トンネルを抜けると、大阪府に入り、石切駅を通過。
ここからはしばらく、高台から大阪の市街地が一望できる場所を走る。
昼間も良いが、夜にここを通りかかると車窓から素晴らしい夜景を見ることが出来る。
長い下り坂を降りて、瓢箪山駅を通過。
ここからは市街地の中を走り抜けていく。
そのまま東花園・河内花園・若江岩田・八戸ノ里と、次々に駅を通過し、列車は鶴橋駅に到着。
私達は次の大阪上本町まで行って、そこで「任意周知がなされていない=半ば乗客を騙した状態であること」などについて、抗議することにした。
鶴橋を出ると、列車はすぐに地下に潜り、ほどなくして大阪上本町駅に到着。ここで下車。
私達は駅事務室まで行き、ここで助役を呼んでもらい、抗議を行った。
助役を含め、2人の駅員が対応したが、私達が奈良駅や西大寺駅で乗務員から声をかけられたこと、および生駒駅で乗客から声をかけられたことについて一通り説明すると、形だけ「申し訳ございません」と詫びて、その後は「本日は、ご意見ありがとうございました」などと、さっさと片付けてきた。
どうやら、「専用車反対派が抗議して来たら、さっさと片付ける」というマニュアルが存在するようだ。
今年の4月に近鉄奈良線で乗車した際は、難波駅で抗議したが、そのような対応ではなかったので、恐らくその後、マニュアルが作成されたのだろう。
これは今後も地道に乗車していくしか無さそうだ。
またこれは乗車会後に気づいたのだが、近鉄はそのHPで、「快適に電車・駅をご利用いただくために」と称して、「女性専用車両はマナー」だと受け取らせようとしている。
https://www.kintetsu.co.jp/gyoumu/manner/
ちょっと考えればわかるが、女性専用車両はマナーではない。
過去には東京メトロが「女性専用車両がマナーであるということは考えておりません」と否定していたりする。
男性に「お前は存在自体がマナー違反だから、ここから出て行け!」と言っているようなものである。
「男性」を「黒人」に置き換えると良く分かるが、「黒人は存在自体が迷惑だから出て行け!」などと言っているようなものだ。
先述の通り、女性専用車両に法的根拠がないのは、法的根拠を持たせることが出来ないから。
そしてそれだけ女性専用車両が、公共交通機関において、実はとんでもないものであるということだが、「女性専用車両が法的に強制できない」と分かると、今度は「マナー」と称して、何とか男性排除を正当化しようとする専用車賛成派がいる。
これもこれで問題だが、ネット上の個人意見ではなく、公共交通機関である近鉄の会社のHPに女性専用車両はマナーだと受け取らせるような記載がされているのであれば、これはとんでもないことだ。
車内での喫煙や携帯電話での通話などは、個人の意思ですることもやめることも出来る「行為」だから、それを車内でやったらマナー違反だといわれても仕方ないが、逆に言えばそうした「行為」をしない限り、誰でもその車両には乗れる。
しかし、女性専用車両は「男性であるというだけ」で乗れない車両である。
(厳密には、女性専用車両は任意協力だから「乗れない」とは言わないが、事実上乗れなくしている。またそうすることで、鉄道事業者は法的な問題をすり抜けている)
車内での喫煙や携帯電話のような「行為」と違って、「男性である」ことは生まれつきの「属性」であり、本人の意思ではどうすることも出来ないものである。
そしてそれを理由に特定の車両から排除するようなことは差別であると言われても仕方がない。
差別とマナーを同列に扱っている時点で、「女性専用車両=マナー論」は間違いだと言える。
男性が痴漢するから悪い??
いいえ、「痴漢対策は建前」であるということは、先ほど詳しく述べた通り。
仮に男性が痴漢をしたとしても、その痴漢した犯人個人が何らかの制限がされるなどの不利益を与えるのは合理的だが、その犯人と同じ「属性」だからといって犯人でもなんでもない者に一緒くたに不利益を与えることは非合理であり、差別です。
痴漢対策だから差別ではない??
いいえ、一歩譲って痴漢対策だったとしても差別であることに変わりはないし、他の方法で痴漢対策はいくらでも可能。
しかし、この近鉄のHPでのやり方といい、そして(過去の活動報告で取り上げているが)、阪急電車の、女性専用車両の案内の直後に「車内ではマナーを守り快適な車内づくりにご協力を~」と続けるアナウンスといい、本当にやり方が姑息である。
そんなにまでして男性を排除したいのか?
そして、そんなものが「痴漢対策」などとは程遠い、悪質な「差別の正当化」であることは言うまでもない。
JR難波~大阪~尼崎~北新地
上本町駅での抗議は、何か不本意な結果に終わってしまったが、仕方がない。
私達はそのまま近鉄で難波まで行き、そこからJR難波駅に向かった。
当サイトで何度も述べている通り、JR西日本では男性が乗車していても、職員から声がかかることは、非常に少なくなったが、終日実施の他、女性専用車が一番便利な位置に来る駅が多い。
ここJR難波駅も、エスカレーターを降りたすぐ目の前が女性専用車である。
ホームには10:00発普通王寺行の列車が停まっていた。
ラッシュの時間は完全に過ぎているし、またJR難波駅は始発駅でもあるので、車内はまだ誰も乗っていない。
とりあえず、私達で乗りこみ、全員着席した。
しばらくすると、ホームを駅員が歩いて通り過ぎていったが、こちらをちらっと見やるも、声はかけてこず。
発車時刻近くになって、女性客が数人ほど乗車してきたが、結局ガラガラのままJR難波駅を発車。
本当に痴漢対策なら、「こんな状態で女性専用車両が必要か?」という話である。
今宮を過ぎ、その次の新今宮で大阪環状線内回りに乗り換え。
こちらは先の王寺行よりは若干乗客が乗っていたものの、それでもやはり空いている。
周囲の女性客も声をかけてきそうな雰囲気はないので、私達はここでツイッターをチェックすることにした。
先ほど、近鉄生駒駅で並んでいる際に私達に「きもい」などと悪口を書いてきたツイートの他、いくつか新しいツイートが見つかった。
まず、上記左のツイートだが、これは誰かとの会話の一部だろうか?
「うちの路線は、女性専用車の時間帯でも男性がどんどん乗ってくる」とのことだが、これだけではどこの路線かは不明。
しかしながら、本来誰でも乗れるはずの車両を、鉄道事業者が「女性専用」と銘打って、まるで女性しか乗れないかのように、いわば「偽装」している車両だから、男性もどんどん乗ってくるのであれば、それは大いに結構なことである。
というか、鉄道事業者はいつまでウソをつき続けるのか。
あと、右のツイートは午前8:20のもので、ちょうど私達が近鉄奈良駅ホームで列車を待っているころ(私達の乗った列車は、近鉄奈良を8:30頃に発車した)で、また、私達が乗車した電車もさほど混んでいなかったことから、恐らく私達が乗車していた電車ではなく、どこか別の路線でのツイートだろう。
ただ、よく「女性専用車両に反対する奴は、優先座席にも任意だからと言って協力しないのだろう」などと言う者が世間には少なくないので、敢えて掲載した。
当会の過去の活動報告でも何度か、非協力乗車中に会員が高齢者などに座席を譲ったことを記載しているが、多分、私達がそのツイート主のいる場所に居合わせたら、座席は譲っているだろう。
そもそも、任意協力だといっても、専用車と優先座席では、その意味合いは大きく異なる。
少なくとも優先座席は専用車のようなウソの塊ではない。
その後、大阪駅に到着し、そこでJR神戸線(東海道線)に乗り換え、大阪から尼崎まで乗車。
車内はガラガラ。
さらに尼崎でJR東西線に乗り換えて、北新地まで乗車したが、こちらもガラガラ。
結局、乗務員や女性客などからの声かけはなく、無事終了した。