福岡地区では、普段は地元の会員が時々、西鉄で個人的に乗車活動を行っている状態ですが、今回、久しぶりに関東・関西から会員が福岡に出向き、福岡地区の会員とともに、7月16日の朝、多人数で乗車会を行いました。
それに先立ち、関東・関西の会員と福岡地区の会員による、懇親会も行われました。
以下、その報告です
天神大牟田線で任意確認(非協力)乗車
西鉄柳川から天神まで、助役がずっと私達をマーク
夜の久留米で懇親会
当会の過去の活動報告をご覧いただけると分かるように、2009年・2010年に「福岡集会」として、他の地域から出向いたメンバーと福岡のメンバーが顔を合わせたり(この時は休日で、乗車活動は行われなかった)、2011年・2016年にはそれぞれ、福岡地区の会員と他地区の会員との合同で、西鉄での乗車会が行われたりするなどしたが、ここ数年は福岡地区の会員が時々、個人的に西鉄で任意確認(非協力)乗車している状態だった。
今回、また合同で西鉄での乗車会を行おうということで、福岡に当会の会員が集まったのだが、今回はそれに先立ち、夜の久留米で懇親会を行うことにした。
夜の7時に久留米に集合し、市内の居酒屋で焼鳥などを食べながらいろいろ語り合ったのだが、関東・関西の会員も地元福岡の会員もお互い普段からチャットなどでよく顔を合わせており、実際に直接会ったのは数年ぶりだが、全然そんな感じがしない、ついこの前も会っていたような感覚である。
当会は、北は札幌から南は福岡まで全国に会員がいるが、インターネットの普及によって、距離を意識せず、普段から接し合うことが出来るのである。
昔、インターネットが普及する前の世の中では考えられなかったことである。
関東・関西はもちろん、福岡・札幌・名古屋などでも会員募集をしているので、女性専用車両に疑問を持つ反対派の方は是非、入会申し込みいただきたい。
ただし、団体での行動になるので、最低限の協調性をもっている人であることが条件である。
内部でトラブルばかり起こすような人や自分は何もせずに、会に文句や注文だけ言うような人では困るのだが、そうでないなら是非、当会に入って単に活動するだけでなく、仲間の輪を広げていただけたらと思う。
居酒屋でいろいろ話をしている中で、各地の名物の話になった。
久留米と言えば、ラーメンがまず思いつくが、いま食べている焼鳥も久留米の名物とのこと。
確かになかなか美味しい焼鳥だ。
そして、楽しくワイワイと語り合って、気がつけば夜の9時過ぎ。
せっかく久留米まで来たので、居酒屋を出た後、地元福岡の会員の案内で近くのラーメン屋にも立ち寄ることにした。
こちらのラーメンもなかなかのものだったが、夜も遅くなってきたので、ここで解散することに。
そして、関東・関西のメンバーは宿泊先のホテル等に、地元の会員は自宅に、それぞれ帰っていった。
大牟田から西鉄に乗車
西鉄の女性専用車両は、平日の朝の上り(天神方面行)の急行・特急への設定である。
関西のJRのような、上下とも毎日終日実施などと言うとんでもないことはしていないが、一方でそのために普段、仕事などのある人は乗車活動がしにくいという事情もある。
もちろん地元福岡の会員も同じで、仕事などがあるため、いつでも乗車活動できるわけではない。
しかし、私達だって本当は乗車活動などしたくない。
通常の車両に乗るのと違い、やはり何かあったらすぐ対応できるよう、気を引き締めて乗車する必要がある。
乗車している間は気が抜けないのだ。
だが、何もしないでいて、ウソの塊である女性専用車両がますます「あって当たり前」になるのはもっと嫌だから、敢えて乗車しているのである。
今回は大牟田から乗車する、「大牟田組」と途中の久留米から合流する「久留米組」に分かれて乗車することにした。
「大牟田組」は朝、7時15分に大牟田駅集合。
7:34発の福岡(天神)行特急に乗車する予定である。
その7:34発の特急であるが、発車時刻の20分以上も前、7:10ごろに大牟田駅に入ってきた。
ご存知の方も多いと思うが、西鉄は大牟田が終点であり、すべての列車がここで福岡方面に折り返す。
だから乗車予定の列車が早めに入線してくるだろうとは予想していたが、これほど早くやってくるとは思わなかった。
やがて、集合時刻が近づき、参加予定の会員が集まってきた。
乗車予定の列車はすでにドアを開けてホ―ムに停車しており、いつでも乗車できる状態である。
まだ発車まで時間があるせいで、車内はほとんど誰も乗っていないが・・・
改札口付近で駅員が「この電車の1番後ろの車両は女性専用車両とさせて頂いております。お客様のご協力をお願い致します。」というアナウンスを何度かしていたが、私達は構わず乗車。
駅員のいる場所と女性専用車両の位置が少々離れていたせいか、駅員は声をかけて来ず。
私達が乗車した時点でも、まだ車内は私達の他は女性客が数人ほどの状態。
西鉄の女性専用車両は最後尾の設定のため、車掌の目の届く場所ではあるが、発車まで時間があるためか、車掌はまだ乗務員室には入っておらず、また周囲の女性客も私達に声をかけてきそうな気配はなし。
発車時刻が近づくにつれ、少しずつ乗客は増えていったものの、大牟田発車直前でも座席がほぼ埋まる程度の乗車率。
時折、乗車してきて車内を通り抜けて隣の車両に行く男性客はいたものの、女性専用車両内で着席した男性客はゼロ。
発車する少し前に、車掌のU氏が車掌室に入り、女性専用車両の案内も含めたアナウンスをした後、予想通り、こちらに近づいて来て、声かけをしてきた。
U車掌:すみません、こちら女性専用車両になっています。
会員A:別に強制ではないのですよね?
U車掌:ああ…、わかりました。
福岡では、「女性専用車両=任意」というのがどれだけ周知されているか、未知数な部分があったので、ひと悶着あるかもしれないと少々身構えていたのだが、この車掌は任意だということは知っていたようで、すぐ引き下がった。
間もなく発車である。
大牟田~西鉄久留米(柳川から助役M氏が乗り込み)
電車は大牟田を定刻通りに発車。数分走ってすぐ次の新栄町駅に停車。
新栄町を出ると、列車は時速100キロは出ているであろう、かなりのスピードで田園風景の中を快調に飛ばし始めた。
朝のラッシュ時だが、まだダイヤには余裕がありそうだ。
途中の駅を次々と通過し、やがて列車は減速。柳川駅に到着である。
「ご乗車ありがとうございました。柳川、柳川です」とアナウンスが入った。
ここまで、特にこれといった事はなかったので、今回特に何事もなく終わるかと思ったが、柳川駅に停車すると、ホームに待機していた助役M氏が車内に入ってきて声かけしてきた。
恐らく、U車掌が柳川駅に連絡を入れていたのであろう。
M助役:すみません、こちら女性専用車両とさせて頂いております、ご協力をお願い致します。
会員A:さっきも車掌に言われて断りました。しつこいです。
この国では男女差別が禁止されてるから強制できないんでしょ?協力できません!
M助役:わかりました。
と言ってその場は引き下がったものの、そのまま助役M氏が乗った状態で電車が発車。
助役M氏は車掌室の前で、こちらを監視するかのように立っていた。
車内はちらほら立ち客も出はじめたが、まだそれほど混雑はしていない。
列車は引き続き田園風景の中を快調に飛ばし、途中の駅をいくつも続けて通過した後、次の停車駅、大善寺に到着。
助役M氏は降りることなく、車掌室の前で引き続きこちらをマークしていた。
大善寺を出て安武・津福と通過。
津福の先で線路は高架に上がり、このあたりから久留米の市街地に入っていく。
市街地の中を高架で進み、試験場前駅を通過。ほどなく次の花畑駅に到着。
ここでも引き続き助役M氏は降りることなくこちらをマークしている。
どこまでついて来るつもりだろうか?
花畑を出ると、次の停車駅はすぐ隣の西鉄久留米である。
ここでは特急が2駅連続で停車する。
高架のまま列車は市街地の中をさらに進み、やがて減速。
西鉄久留米に到着である。
西鉄久留米~二日市(久留米からのメンバー達と合流)
西鉄久留米からは、「久留米組」の会員達が合流する予定だが、列車が西鉄久留米駅のホームに入る際、車内から「久留米組」の会員達がホームで並んでいるのが見えた。
ドアが開くと、「久留米組」の会員達が乗車。
まず車内で私達と「おはようございます」と挨拶を交わした。
そこへ近くにいたM助役が「こちら女性専用車両となっていますので、ご理解ご協力を・・・」と、早速声をかけに来たので、久留米から乗車した会員Kが「理解してますけど?」と返し、M助役の声掛けをかわした。
もちろん、「理解して協力(降車)する」という意味ではなく、「女性専用車両は任意協力でしかないということを理解している」という意味での「理解している」だが・・・
助役M氏はこれに対して、「はい」とだけ答えていた。
(恐らく、こう返すしか無かったのだろう)
久留米からは立ち客が増えたが、まだ押し合いへし合いにはなっていない。
しばらく列車は久留米の市街地を走った後、高架から地上に下り、周囲の風景は再び田園風景に戻った。
助役M氏は相変わらず、車掌室の前からこちらを見ている。
本当にどこまでついてくるつもりなのか?
関西の阪急などでも、助役などが乗り込んできて乗車活動している会員についてきたりということはあるのだが、せいぜい数駅程度である。
ここまでしつこくピッタリとマークしてくるケースは、少なくとも私達の知る限りでは初めてである。
特急は西鉄久留米を出ると、次は二日市まで停まらない。
列車は相変わらず時速100キロくらいで快調に飛ばしている。
辺りは田園風景から、少しずつ宅地などが目立つようになってきた。
やがて列車は減速し、次の停車駅である二日市駅に8:24頃到着。
二日市~西鉄福岡(後続の急行に乗りかえ)
西鉄二日市に到着した私達は、ここで「自由が丘作戦」をとることにした。
自由が丘作戦とは、当会や差別ネットワークでの内部用語で、少しでも多く任意周知するため、途中で列車を降り、後続の列車に乗りかえることを指す。
私達が下車したのを見て、柳川駅からずっとついて来ていた助役M氏も一緒について降りてきた。
本当にどこまでしつこいのか?
二日市駅のホームで会員同士、「どこまでついて来るつもりなんだ?」「ここまでしつこくついて来るのも珍しい」などと話していたのだが、助役M氏は私達から少し離れた場所で、携帯でどこかに連絡をしている。
会員Aが「(今回は)柳川からついて乗ってきましたからね」と言うと、地元福岡の会員Zが「100%無線ですね、これ・・・」
やはり、先ほどの特急のU車掌が無線で柳川に連絡していたようだ。
会員Zによると、柳川には乗務所があるので、そこの助役が出てきてもおかしくはないとのこと。
しかし、天神大牟田線は久留米を境にして、北側と南側で西鉄内での管轄が異なるらしい。
つまりM助役は、柳川から境界である久留米を超えて二日市までやって来たことになる。
普段、会員Zが個人的に(久留米以北から)非協力乗車する際、二日市か、遅くても春日原あたりから、ほぼ必ず助役がついて乗ってくるとのことだが、今回M助役が管轄を超えてやってきたことについては、会員Zも「管轄超えてるし・・・」と言っていた。
しばらく二日市駅のホームで待っていると、後続の二日市8:30発、急行・福岡(天神)行きが到着。
私達がその女性専用車両に乗車すると、助役M氏が私達に近づいてきて、また「あの、すみませんけど、こちら女性専用車両となっていますので・・・」などと声かけ。
これには会員Aも思わず、「ちょっと、何さっきからついて来てるんですか? しつこいです!!」
柳川や久留米で、すでにこちらから「移動する意思はありません」と伝えているにも関わらず、また同じM助役が再度声をかけてきたわけだが、このことからも分かるように、助役M氏が再度私達に声をかけてきたのは、私達を移動させるためではなく、周囲の女性客に「私達(西鉄)はきちんと仕事してます」とアピールするためである。
つまり、後続の急行の女性客にも「声掛けしているところを見せるため」に声掛けしてきたわけだ。
西鉄側は、女性客から「女性専用車両に男性が乗っているのに、西鉄は何もしようとしない(=ちゃんと仕事しろ!)」とクレームされるのを警戒しているのだ。
しかし、専用でもないのに「女性専用車両」などという名前で運行し、しかも任意であることを言わないのだから、女性客も本当に専用だと思いこんでクレームしてくるのである。
だからクレームされたとしてもそれは、真実を言わない西鉄側の自業自得だろう。
急行も立ち客は多かったが、最ラッシュ時は過ぎているためか、押し合いへし合いするような混雑にはなっていなかった。
先ほどの大牟田からの特急と異なり、こちらは途中駅からの乗車のため、私達は全員つり革をもって、立って乗車。
周囲からの視線は感じたものの、こちらの列車でも女性客からの声掛けはなかった。
急行は下大利・春日原と停車。
このあたりは現在、高架化工事中で駅も現在は仮駅舎で営業中である。
工事のためか、列車は少し速度を落として運転していた。
このあたりまでくると、福岡の都心も近い。
那珂川を渡り、高架に上がると、近年特急も停まるようになった大橋駅に到着。
大橋を出ると、高宮・西鉄平尾を通過し、薬院駅に停車。
辺りはすっかり都会の風景である。
薬院を出て少し走るとすぐに終点、西鉄福岡(天神)駅である。
ここで今回の乗車会は終了だが、結局、助役M氏は、終点の天神までついて来てしまった。
西鉄側は、女性客からのクレームを相当恐れているようだ。
西鉄福岡(天神)駅のホームで「今回のこと、抗議に行くか?」と参加メンバーどうし、その場で少し話し合った。
今日は平日なので、本社も営業しているはずである。
ただ、福岡の会員Zによれば、現在西鉄本社は博多に移転しているとのこと。
ここ天神からだと、地下鉄に数駅ほど乗る必要がある。
助役M氏のマークはしつこいの一言だったが、女性客からは特に声掛けなどはなく、何か特別大きなトラブルになったわけでもないので、今回は本社ではなく、西鉄福岡駅の駅事務室に抗議・申し入れを行うことにした。
西鉄福岡駅で抗議
西鉄福岡駅の改札を出て、すぐ近くの駅事務室に入り、中にいた女性の係員に事情を話し、助役を呼んでいただくことにした。
しばらくしてやってきたのは、男性のK助役。
まずは私達から、女性専用車両は任意かどうか、確認するために質問を投げかけてみた。
最初、K助役は「女性専用になっていますので・・・」などと答えたため、会員Fが「それは法的根拠に基づくものですか?」と返すと、法的根拠がないことは認めた。
さらに今度は会員Aが「女性専用車両を設定している根本的な理由は何なのですか?」と問うと、K助役はその場で黙りこみ、しばらくウーンと考え込むような動作をしたあと、「私は答えかねますので、ちょっと確認させてもらっても良いですか?」と言って、事務室の奥に引っ込んだ。
「反対派に下手なことを言って、言質を取られてはまずい・・・」と思ったのだろうか。
しばらく経ってから戻ってきて、「痴漢や性犯罪への対策としてさせて頂いております」と答えた。
会員A:では、痴漢件数がゼロになったり減ったりでもしたのですか?
助役K:ゼロにはなっていませんね…。(・・・実際はゼロどころか、減ってすらいない路線が多い。西鉄はどうなのだろうか)
そのあと、もう一人助役(O助役)がやってきて、今度はO助役が受け答えする側に回り、K助役は私達とO助役のやり取りをメモする側に回った。
恐らく、O助役のほうがクレーム対応を得意としているのだろう。
こちらからは、
「任意なのに専用と表記するのは、公然とウソをついているようなもの」
「そういうことをするから、女性客にいちいち言い訳しなければならなくなるのでは?」
「見た目で判断して、個別に声掛けしないでいただきたい」
等、いろいろと突っ込んだが、助役O氏からは「これからも会社として声かけはさせて頂きます」
など、とても納得できないような回答ばかりが返ってきた。
そして、「会社として、そのような方向性になっているので、我々(西鉄社員)はそれに従って行動するしかない」というようなことを繰り返し強調していた。
まあ結局はそういうことだろう。
これ以上やり合っていても、埒が明かないので「今回のことは本社に伝える」ということで、とりあえず抗議はここで終わりにした。
抗議を終えた後、私達は近くの喫茶店に入り、そこで今回の乗車会を振り返った。
今回の対応などから考えて、やはり西鉄についても、出来れば今後も継続的に非協力乗車などを行い続けたいところである。
福岡周辺でお住まいの方で、女性専用車両に反対の皆様には入会申し込みフォームより、申し込みをお願いしたい。