関西本部では、8月最終日(8月31日)に、JR西日本線で非協力乗車会を行いました。
今回もJR職員などからの声掛けはありませんでしたが、一部の女性客が侮辱発言をしたりするなど、まだまだ任意周知が必要と思われる状況もありました。
以下、その報告です。
女性客が「きしょー」と、侮辱発言
ホームの乗車位置に並んでいた私達を無視して割り込む女性客も
JR神戸線・大阪~尼崎
今回は19時に大阪駅に集合。
集合場所に会員が次々と集まってきて、集合時刻までに参加予定者全員揃ったので、19:08発の普通西明石行の女性専用車に乗車するべく、今回は6人で女性専用車位置に並んだ。
しばらくして列車が到着したので乗車すると、ドアのすぐ側に立っていた1人の中年女性が「女性専用車ですよ・・・」などと言ってきたものの、相手にするとトラブルになるので、無視してそのまま乗車。
いつも言っている通り、「非協力乗車は、トラブルを起こすのが目的ではない」
座席が空いていたため、一部のメンバーは着席。大阪駅で数分ほど停車時間があるが、平日の夜の割には比較的すいていた。
そのため、停車時間中に男性客が一人、私達の目の前を通り抜けしていった。
男性が女性専用車を通り抜けするのはもちろん、私達のように乗車しつづけても「乗るだけなら実は問題ない」ということは、インターネット上ではすでにかなり広く知れ渡ってきたところである。
また、今、私達が乗車しているJR西日本では、以前に比べ、JR職員や警備員からの声掛けも非常に少なくなった。
これ自体は、反対派にとっては良い傾向なのだが、しかしながらそこで止まってしまってはならない。
この先、もっと当たり前のように男性が乗車して、女性専用車を形骸化させる必要がある。
車内に男性がいると、それにつられて乗車する男性も出てくるし、また常に男性がいることで、女性専用車に男性がいること自体が珍しくなくなり、男性がいても特に気にしない女性の割合が増えることも期待できる。
逆に言うと、男性の乗車が少なくなればなるほど、形骸化からは遠ざかるのだ。
また、直接トラブルにならなくても、女性客が鉄道事業者に「男性が乗車している」などと苦情する場合がある。
しかし、公共交通の場では、そもそも男性を男性であるというだけで排除することは出来ないのだから、結局、鉄道事業者は、反対派と女性客の間で板挟みに遭い、「苦慮」することになる。
だから、非協力乗車して特に何事もないまま終わったとしても、それは決して意味のないことではない。
むしろ、根気よく続けることこそが重要なのだ。
先にも言った通り、「非協力乗車は、トラブルを起こすのが目的ではない」
さて、発車時刻になり、列車は大阪駅を発車。
発車してすぐに、「土日も含め、毎日・終日実施」を明言した車内アナウンスが流れた。
実際のところ、任意協力なのに「女性専用車」という名称で運行すること自体、乗客にウソをつき続けているようなものであり、実はとんでもないことなのだが、現状そうしたウソがまかり通るだけでなく、痴漢対策とはかけ離れた毎日・終日実施や女性専用車限定広告での金儲けまでもが、当たり前のようにまかり通っている。
JR西では声掛けが少なくなってきたとは言え、まだまだ乗車活動をやめるわけには行かないのだ。
列車は次の塚本駅に到着。いつものことだが、ここで早くも結構な数の乗客が降りる。
若干車内がすいてきた状態のまま、さらにもう一駅走って、列車は尼崎駅に到着。
JR東西線に乗り換え。
JR東西線・尼崎~京橋
いつも言っている通り、JR西日本の路線では、女性専用車が階段やエスカレーター・エレベーターのちょうど「ど真ん前」に来ることが多い。
それも偶然ではなく、意図的にそうしているようなふしがある(過去に、「女性客の利便性のために女性専用車を意図的に主要駅の階段に近い位置に設置したこと」を、わざわざパンフレットに書いていたこともある)
ここ尼崎も、女性専用車からだと、ちょうど目の前に階段・エスカレーターが来るし、また乗り換えのために一旦エスカレーターでコンコースに上がり、JR東西線の発着ホームに降りると、またまた降りたところがちょうど女性専用車の位置なのである。
JR西日本は、移動の困難な障がい者や高齢者の男性を差し置いて、完全に健常者の女性を優先しているのだ。
当サイトをいつもご覧くださっている皆様なら、JR西日本の女性専用車が明らかな「女性ウケ狙いサービス」であることはすでにご存知かと思うが、世間では今でもこれを痴漢対策だと思っている人は多いだろう。
JRに限らず、他の鉄道事業者もその多くが「障がい者男性の単独乗車」を一応、形式上は認めているが、実際には障がい者であっても、出来るだけ男性は乗せないようにしようとしている鉄道事業者は少なくない。
「障がい者は男性でも単独乗車が認められているんだから、階段のすぐそばに女性専用車が来ても別にいいじゃないか」という人もいるかもしれないが、実際には「女性というだけで、(男性の)障がい者よりも健常者を優先するのか」という批判をかわすために形式上、「男性の単独乗車も可能」としているだけだと考えておいたほうが良い。
もちろん、いつも当会サイトをご覧くださっている方には、わざわざ言う必要もないが、本当は「障がい者でなくても、性別に関係なく誰でも乗車可能」である。
尼崎からは、19:24発の松井山手行普通に乗車することに。
尼崎駅ホームではアルバイトらしき駅員がアナウンスしていたものの、私達には声はかけてこず。
しかし、乗車位置で並んでいる私達を無視して、1人の女性客が私達の前に割り込み、列の先頭に。
文句を言ってやろうかと思ったが、ここは当会内部のガイドラインで「乗車活動中、原則としてこちらから女性客には声をかけない」と定めている関係上、向こうから何か言ってこない限りは、相手にしないことにせざるを得ない。
何度も言うが、「非協力乗車は、トラブルを起こすのが目的ではない」
やがて、尼崎駅のホームに松井山手行が入ってきたので、私達も乗車。今度は車内数ヵ所に分かれて乗車した。
車内は立ち客が若干いる程度で、比較的空いていた。
そのままの状態で加島・御幣島と過ぎ、北新地駅手前までそのままの状態だった。
先にも述べた通り、車内数ヵ所に分かれて乗車していたため、筆者は気付かなかったのだが、途中の海老江で乗車してきた女性客が当会メンバーを見るなり、「きしょー」と侮辱発言し、隣の車両に移動して行くというようなことがあったらしい。
その女性客にしてみれば「きしょい(気色悪い)男がいたせいで、自分が車両を移らざるを得なくなった」と、自分が被害を受けたような気でいるだろうが、実際には「女性専用車」と表示していても、これは「ウソのステッカーを貼ってあるだけ」の「ただの一般車両」である。
つまり、ステッカーの無い車両と実は同じ、ただの一般車両なのだ。
しかし、JR西日本が「ウソのステッカー」を車両に貼りだして、特別な車両であるかのように装っているため、女性客がこういう侮辱行為を行うのである。
もちろん、これ(侮辱発言)だけで大きな問題にはなかなかならないが、もしこの女性客が侮辱発言だけでは済まずに、私達を追放しようとして手を出したりした場合は、この女性客が暴行罪で警察に突き出されることになる。
ウソのステッカーが女性客を犯罪者にしてしまうのだ。
どうも、JR西の職員や警備員などは、女性専用車に乗車する男性を排除できないことは認識しているようだが、女性客の中にはまだまだ女性専用車が「名前だけ」ということを知らない者が少なくないようである。
まあ、知っていて列に割りこんだり、侮辱発言をしていたのならとんでもない話だが・・・
大阪キタの中心部に近い北新地でまとまった乗車があり、車内は立ち客が多くなった。
そのまま大阪天満宮・大阪城北詰と過ぎ、列車は地上に出て京橋に到着。大阪環状線に乗り換えるため、私達はここで下車。
大阪環状線・京橋~天王寺~福島
先ほど、尼崎駅の階段・エスカレーターが、ちょうど女性専用車の位置に来ることに触れたが、ここJR京橋駅の東西線・学研都市線(木津方面)のホームでも、女性専用車から降りた目の前が階段で、やはり一番便利な位置に女性専用車が来る。
それも、以前は女性専用車と階段の位置が約一両分ずれていたものを、数年前から停車位置が変更され、階段の前に来るようになったものである。
これまでのJR西日本の振る舞いから考えて、これも意図的に女性専用車と階段の位置を合わせたものと疑われても仕方がないだろう。
京橋駅からは、19:56発の大阪環状線外回り列車の女性専用車に乗車。
車内は立ち客はそこそこいるという程度で、押し合いへし合いになるほどではなかった。
途中の森ノ宮駅停車中に1人の男性客が女性専用車を通り抜けて行った。
玉造・鶴橋と過ぎて、天王寺駅でまとまった降車があり、車内はガラガラに。
天王寺駅停車中にまた女性専用車アナウンス。
そこから先は、新今宮・西九条などで、男性の通り抜けがあった。
女性客やJR職員などからの声掛けはなく、福島駅で下車。ここで解散とした。
「女性専用車=痴漢対策」は、もはや過去の話か?
先日、兵庫県のJR立花駅で元社員(解雇済み)が、酔っぱらった女性客に乱暴したとして逮捕されたというニュースがあった。
JR西日本では、これまでからも社員による痴漢や盗撮などの犯罪が多発しており、過去には滋賀県のJR野洲駅近くで、その日たまたま非番日だったJR車掌が、通学途中の女子高生に刃物を突き付けて脅し、公衆トイレに連れ込んで下着を脱がせるという事件もあった。
それでいて、JR西日本という会社は女性専用車には非常に熱心で、
●2004年に(先にも少し触れたが)JR阪和線と大和路線に女性専用車を設置した際、「天王寺駅での乗り換えに便利なように、女性専用車を階段の近くに設定しました」などという趣旨のことを、パンフレットに書いていた。
つまり、女性専用車を「やむを得ない痴漢対策」ではなく、明らかに集客効果を期待した「サービス向上策」と位置づけているのが分かる。
そして、同じ運賃を支払って利用している男性客の存在をどこまでも無視しているのも分かる。
さらにその後も、
●2011年には、「昼間や休日も、ラッシュ時と同じくらい痴漢が発生している」などという、明らかにおかしな理由づけで、女性専用車を毎日・完全終日化。
●そしてポスターやモニターで「私は乗る、女性専用車」「毎日終日実施しているからいつでも乗れる」「行きも帰りも女性専用車、もう私の習慣です」などと、女性専用車を売り物のように宣伝。
●その上、「女性しかいない場所に女性向けの広告を出すと広告効果が高い」ということで、女性専用車限定広告と称して、女性専用車のみ割高な広告料(広告一枚当たりの料金が他の車両の約4倍)で広告を募集し、こちらでも女性専用車を収益アップのために利用している。
JR西日本は痴漢対策に熱心なのではなく、「痴漢対策にかこつけた女性優遇サービス」に熱心なのだ。
つまり、「女性を優遇すれば儲かるだろう」という考えで女性専用車を運行しているのであって、女性に対する配慮や思いやりで運行しているとは考えにくい。
むしろ、「女など、喜ばせておけばいくらでも思い通りになる」と、女性を蔑んでいるのではないか?
JR西日本社員による性犯罪が後を絶たないことも併せて考えると、そんな気すらしてくる。
また、当日の乗車会の参加者の一人が、「阪急は言い訳くさいながらも一応、駅のポスターの案内で、女性専用車設置の理由を述べているが、JR西日本は、近年はポスターやモニターなどでの案内でも、女性専用車の設置理由が記されていない。『痴漢対策ならなぜ、土日祝日まで女性専用車を設けているのか?』などと、突っ込まれないようにするためではないのか?」というようなことを言っていた。
阪急も「痴漢対策」と言ったら突っ込まれるのを予想してか、女性専用車については、「迷惑行為防止の観点から、安心してご乗車いただくため」などと、痴漢対策という言葉を避けて、「迷惑行為防止」と言い換え、さらに「安心して乗車いただくため」と言いながら、「誰に安心していただくためなのか」を書かないなど、結構、狡猾ともとれる案内をしているが、一方JR西日本は、言われてみれば確かに、(少なくとも)駅のポスターやモニターなどでは、女性専用車の設置理由については全く触れていない。
やはり、痴漢対策と言えば、反対派からいろいろ突っ込まれるのと、導入されて年数が経ち、世間ではすっかり定着した(と、JRが見ているであろう)ことなどから、「導入理由には触れずに運行したほうが良い」と考えているということなのだろうか?
もしそうだとすれば、阪急とは別の意味で、狡猾であるといえる。
鉄道事業者にとっては、「女性専用車=痴漢対策」は、もうすでに過去のことなのかもしれない。
もちろん世間の多くの人々は今でも「女性専用車=痴漢対策」だと思っているだろうが・・・
鉄道事業者が「男性を一人も乗せないこと」に一生懸命になる理由
しかし、かつては男性が女性専用車にいると、時には力づくで強制排除していたJR西日本も、2014年の御幣島事件(=非協力乗車していた当会メンバー達の腕を引っ張って強制排除しようとしたJR職員が、のちに暴行罪で書類送検された事件)以来、職員による声掛けは非常に少なくなった。
これは反対派にとって、一歩前進であると思う。
一方、最近はよく、首都圏のJR東日本が、男性排除(声掛け)に非常に熱心だという話も聞く。
関東で乗車活動している市民団体、「差別ネットワーク」の動画を見ていただいてもお分かりいただけると思うが、男性が乗車しているからと、声をかけてくる鉄道員に男性が「私が痴漢だと思うから、出ていけと言っているのか?」と問い返すと、大抵「そのようには思っていない」と否定する。
ではなぜ、男性が乗車していると何としてでも移動させようとするのか?
簡単に言うと、女性専用車は痴漢対策ではなく、「男性がいないこと」自体をウリにした「サービス」だからである。
つまり、男性がいると、それだけで女性客に対するサービスダウンになるから、何としてでも排除したいのである。
男性が乗車していたら声をかけないと、女性客からクレームをつけられる」と言う鉄道員もいるようだが、それは任意協力でしかないのに、「女性専用車」などと、男性は乗車禁止であるかのような表示をするから、勘違いした女性客が「男が乗っている」などとクレームしてくるのである。
よって、これも事実とは異なる表示をする鉄道事業者が悪いのだ。
JR西日本に話を戻すと、先にも述べた通り、JR西日本も2014年の御幣島事件以前は「女性専用車に男性がいると、それだけで女性客に対するサービスダウンになる」とばかりに、女性専用車に乗車する男性には、しつこく声掛けをし、それでも降車に応じなければ力づくで引きずり降ろしたりするなどしていたことがあった。
先の「力づくで引きずり降ろしたりする」のリンクは2011年に起きた、JR宝塚(福知山)線での当会会員強制排除事件のもの(当会内で「塚口事件」と呼んでいる)だが、その中でもJR職員が「女性専用車に男性が乗っていると、うちが提供している女性専用車というサービスが提供できない」などと、女性専用車が痴漢対策ではなく、「男性がいないこと自体をウリにしたサービス」であることを明かしている。
今では、声掛けは少なくなってきたとは言え、現在も痴漢対策とはかけ離れた、女性専用車の毎日・終日実施や、出来るだけ階段などに近い便利な位置に女性専用車が来るようにするなど、男性客の存在・立場を完全に無視した、「露骨な女性優遇」を続けていることに、やはり変わりはない。
また、新型車両323系で、女性専用車だけ車内の照明の色を変えたり、あるいは車内のモニターなどで「乗車前に女性専用車のステッカーを確かめる」よう、”注意”を促す動画を流すなど、まだ「何とかして男性を少しでも乗せないようにすること」を諦めてはいない。
だからこそ、反対派としては、乗車活動はこれからも続けなければならないのだ。
そのためには、もっと今よりも人数が欲しいところである。
我こそはと思う方は、入会申し込みフォームより入会申し込みいただきたい。