2016年11月 関西本部:阪急京都線で非協力乗車会

活動履歴

当会関西本部では11月24日の夜、阪急京都線梅田~河原町間で非協力乗車会を行いました。

女性専用車については、関西ではJR西日本が群を抜いてトンデモぶりを発揮していますが、ここ数年、阪急も負けてはいません。

今回は、梅田~河原町間往復のルートとし、往路は先発隊と後発隊に分かれて乗車。

河原町で合流し、復路は参加者全員で河原町から梅田まで乗車しました。

以下、当日参加したメンバーからの報告です。


夜の阪急京都線を一往復

復路の桂駅で駅員2名が車内に乗り込み、電車を止めて声掛け

梅田~河原町(先発隊・往路)

今回は阪急梅田駅から、阪急京都線の終点である河原町駅まで行って、また梅田駅まで戻ってくる「京都線往復ルート」とした。

行き(往路)は、先発隊・後発隊に分かれ、先発隊は梅田18:20発の通勤特急に乗車。

後発隊はこの後、梅田19:00発の通勤特急に乗車する予定である。

当日の梅田駅ホーム(乗車会前に撮影)

私達(先発隊)は、18:20発の通勤特急に乗車するため、10分前くらいから梅田駅ホームの女性専用車乗車位置に並んだ。

私達の後ろに女性客が並んで列が出来たが、後ろの女性客は何気ないおしゃべりに華を咲かせており、私達が女性専用車両位置に並んでいること自体、全く気にしていない様子であった。

しばらくしてホームに列車が入線。

私達は乗車してすぐ、クロスシート(向かい合わせの4人掛けのシート)の座席に3人で着席した。

車内の乗車率は座席がほぼ埋まり、立ち客がパラパラといる程度。

4人掛けシートの一人分空いた席に、女性客が私達のことを気にする様子もなく着席した。それで良いのだ。

なぜなら、私達としても女性専用車(と名の付く車両)に男性がいても、別に特別なことではない状態になることを望んでいるからである。

いつも阪急京都線で非協力乗車を行うと、梅田駅停車中(発車前)に車掌が移動のため、女性専用車両を通りかかり、その際に必ず声をかけてくる。

しかし、今回は誰も声をかけて来なかった。

阪急と言えば少し前(2016年7月ごろ)に、乗車活動をしていた反対派に声をかけてトラブルになった阪急の車掌が、自らのフェイスブックに「拡散希望」として、そのトラブルの詳細を記載。

それがネット上のとあるサイトで、「女性専用車両に乗っておいて注意されたら逆ギレする馬鹿で最低な乗客」などというタイトルで紹介され、反対派がネット上で一斉に反論。ちょっとした騒ぎになるという出来事があった。

女性専用車両は、「専用」と言いつつも、実際は「任意協力」だからこそ、「公共の場での差別ではない」としてまかり通っているのだから、「乗っておいて注意されたら逆ギレする」などという表現は不適切である。

あくまで「お願い」しかできないのであって、「注意」ではない。また「お願い」であるのだから、拒否されればそれ以上は言うべきではない。

言うことに従うまでひたすら言い続けるのなら、お願いではなく事実上の強制である。

その後、会社から何か言われたのか、その車掌のフェイスブックは削除された。

そうしたこともあり、「男性が乗車しているのを見つけると必ず声掛けしてくる阪急も、少しはおとなしくなったか・・・」と思っていたのだが、これはこの後、京都・河原町からの帰りの車内で、実はそうではないことが判明する。

しばらくして発車時刻となり、列車は梅田駅を発車。

私達のほかに、発車直前になって、男性客が一人乗車してきたのを確認。

列車は淀川を渡り、ほどなくして次の停車駅十三(じゅうそう)に到着。

ここで多数の乗客が乗ってきて車内は結構な混雑になった。

しばらく夜の市街地を走り、右手から阪急千里線の工事中の高架が見えてくると、淡路。

ここは千里線と京都線がX字に交差しており、現在駅も含めて高架工事中。

私達の乗った通勤特急はその淡路駅をゆっくりと通過。

駅を通過してすぐに、こちらも現在工事中のJRおおさか東線と交差。

完成後はここにJRの淡路駅が作られ、阪急とJRで乗り換えができるようになる。

しかし、JR西日本は周知の通り、土日も含めて毎日終日女性専用車を実施しており、恐らくおおさか東線 放出~新大阪間開業の際も、初日から終日女性専用車を運行してくるだろう。

また私達が乗車している阪急京都線も京都線の特急関係は平日終日実施で、朝ラッシュ時よりも日中のほうが、女性専用車両のある列車の運行本数が多く、痴漢対策と称しながらガラガラの日中も解除しない、痴漢対策とはかけ離れた関西の女性専用車の異常さを物語る路線どうしがここで連絡し合うことになる。

南茨木駅を通過して高架に上ると、次の停車駅茨木市。

ここでややまとまった数の乗客が降りた。

茨木市から新たに会員1名が合流。合流してきた会員が私達のところにやってきて、「あそこ(の席)にいる男性の方々は会の関係者の方ですか?」と尋ねてきた。

私達はクロスシートに座っていたため気づかなかったが、どうやら他の座席にも男性客が複数乗車しているらしい。

その会員に、他の座席の男性が当会の関係者ではないことを伝えると、(当会以外にも男性が乗車していることは)「良い傾向だ」と言っていた。

非協力乗車会と言っても、クロスシートで私達メンバーどうしが向かい合わせだったことや、周囲の女性客も特に私達のことを気にしていないようだったので、ここからは終点の京都河原町まで、先発隊メンバー4人で女性専用車両やその関連の話題で盛り上がった。

途中の長岡天神では、メンバーの一人が、「長岡天神の”長”を”福”に変えたら西鉄の駅になる」などと言ったため、笑いが起きた。

時刻は19時前。予定通りなら今頃、後発隊は梅田19:00発の通勤特急を梅田駅のホームで待っている頃と思われる。

長岡天神から桂を過ぎ、西京極の先で地下に潜って、西院・大宮・烏丸と停車。

そして19:07に終点の京都河原町に到着。

ここで一旦解散して、19:47頃に河原町に到着すると思われる後発隊を待つため、19:45に河原町駅の改札前に再集合することにした。

河原町駅改札口

(復路)河原町20:10発、梅田行通勤特急に乗車

河原町で各自自由行動したあと、19:45に河原町駅の改札に再集合し後発隊を待っていると、しばらくしてホームから改札に向かってくる乗客の中に後発隊メンバー達がいるのを発見、私達は合流した。

後発隊メンバーの話によると、後発隊も予定通り梅田19:00発の通勤特急に乗車。

梅田駅で「ここ女性専用車やけど%#&*@・・・(解読不能)」などと、独りで声を張り上げる変な女性客が一人いたものの、それ以外は特に何事もなく無事だったとのこと。

合流して大幅に人数の増えた私達は、河原町20:10発の通勤特急に乗車することにした。

当日の河原町駅で

人数が増えたので、河原町駅のホームの女性専用車両位置に二手に分かれて並び、列車が到着すると、各自2~3人ずつのグループに分かれて、それぞれ別のボックス(4人掛けクロスシート)に座った。

車内は座席がほぼ埋まったが立ち客は少ない。

私(筆者)の座った座席から、通路を挟んで隣のボックスには老夫婦が座っており、さらに車内の遠くの方を見ると、他にも当会メンバー以外に2名ほど男性客が乗車しているようだった。

私達と合わせて10人以上の男性客が女性専用車両に乗車していることになる。

しばらくして車掌が通りかかり、その場で立ち止まらずに通り過ぎながら、「女性専用車にご協力願いま~す」と私達に声をかけてきた。

そして、向こうのほうに座っていた(当会メンバーではない)一般の男性客にもやはり同じように声をかけていたが、その男性客も全く移動する気配なし。

「任意であって移動する必要はない」ことを知っているのだろうか?

だとすれば、これまでの反対派の活動の成果と言えるかもしれない。

この様子を見ていた隣のボックス席の老夫婦が、「女性専用車・・・?」と言いながら移動しようとしたので、私達から、「移動する必要はありません。専用という名前がついていても実際には強制力はありませんから」「痴漢でない、犯罪者でない男性が協力しなければならない合理的理由というものが全くないので、私達は協力していないんです」などと伝えた。

この老夫婦とはその場で他にもいろいろと話をし、その場は和やかな雰囲気となった。

結局、この老夫婦は梅田まで私達と一緒に乗車することになったが、もし私達がいなかったら多分(先に乗車して座席に座っていたにもかかわらず)移動して、梅田まで立って乗車していたことだろう。

やがて発車時刻となり、列車は河原町駅をゆっくりと発車。

桂駅で駅員が乗り込み、列車を止めて声掛け

河原町を出た列車は、地下を走って間もなく次の烏丸駅に到着。

ここで多数の乗客が乗ってきて、立ち客が多くなってきた。

さらに列車は大宮・西院と停車し、西院の先で地上に上がって西京極を通過。

ここまでは何事もなかったが、列車が桂駅に到着すると、駅員二人がホームの女性専用車両位置に待機しており、車内に乗車してきて、「こちら女性専用車となっていますので・・・」などと声をかけ、私達を移動させようとしてきた。

恐らく、河原町駅停車中に声をかけてきた、あの車掌が桂駅に通報していたのであろう。

本来なら桂駅での停車時間はわずかのはずだが、この駅員2人が車内にいる男性客に声をかけて回っている間、列車はずっと停車していた。

停まっていた時間は数分程度だったと思うが、鉄道ダイヤの世界では1分に満たない、数十秒程度の遅れでも遅延の扱いになる。

阪急は列車の定時運行よりも、実は任意協力でしかない女性専用車両から男性を排除することのほうが優先のようである。

当会メンバーからは、「何が目的で列車を止めているのか?」「定時運行してくださいよ。さっさと走らせてくださいよ」
「(阪急自身が)お体の不自由な方も乗れますと7月から言いだしたでしょう
(※これについては後で詳しく記述)」などと反論。

私達以外に乗車していた一般の男性客も、全く動く気配はない。

これが、以前のように「女性専用車両=任意協力でしかない」ということが知れ渡っていない頃だったら、恐らく声をかけられた一般の男性客は降りていただろうし、また周囲の乗客の目には、私達が電車を遅らせているように映ったことだろう。

この駅員達、結局、男性排除は諦めたものの、乗車してきた2人のうち1人が私達について乗車してきた。

以下、桂駅発車後の、当会メンバーと乗車してきた駅員とのやり取り。

会員:同乗ですか?迷惑ですよ。何が目的なんですか?

駅員:目的といいますか、当社では平日の特急・通勤特急のこの車両は女性専用車両として案内させて頂いていますので・・・

会員:営業規則上の根拠はあるんですか?

会員B:案内案内って、ちゃんと国土交通省から(任意だと)回答いただいているんですよ。分かってるんですか!
あなた方のやっていることは強制ですよ!

会員:ちょっと言わせてもらうと私、先日阪急の広報部に電話かけたんですよ。「(男性が女性専用車両に乗っていると)乗務員が乗ってきてまで、ご協力をお願いしてくるのはおかしいだろう」って言ったら、「さすがに今、そんなことはやってないんじゃないですか」って言ってたんですよ、広報部がね。やってるんですか?

会員B:広報部の言っていることと違いますね。

駅員:とりあえずまずは、私達も全ていつも同じそういうご主張をされている方・・・

会員:主張も何も、公共交通なんだから(女性専用車両に)協力しなかったとしても当たり前でしょう。←※公共交通で本当の「女性専用」は出来ない

駅員:今日という、この車両の中で一応ご案内差し上げる・・・・

会員:案内は一回言って、相手が「嫌」といったら、それ以上はするもんじゃないでしょう。何でわざわざ乗ってくる必要があるんですか。

=====(中略)=====

会員:私達は痴漢じゃないんですよ

駅員:私達も強制するつもりはありませんので・・・

会員:何で強制できないんですか?そこなんですよ。
強制したら公共交通の公平性に関わって、まずいから強制できないんでしょ?

周囲の女性客は特に何も言ってこなかったが、あとでツイッターを確認すると、恐らく近くにいた女性客のものであろう、当会を非難する内容のツイートが見つかった。

現在そのツイッターアカウントは鍵がかけられて非公開になっており、閲覧することは出来ないが、内容的には、

阪急京都線通勤特急、男の人なのに、女性専用車両に団体で居座って、注意なさった駅員さんに わかってる あえて座ってる 絡むな とかすげー文句言いまくってる。国土交通省は任意だと言ってるとか書類振りかざして。ほんとありえない。 ルールじゃねぇ、モラルの話でしょ。信じられへん。ほんと 疲れてた女性みんな立たせて自分たち座って すごい剣幕で しかも本人たち動画とってるし 超カオスでした(o_o) ほんと人間のクズでした(o_o)

というような内容だった。

この女性客は、その場の感情に任せて書いたのかもしれないが、ツイートの内容から、無意識のうちに特権意識を持ってしまっている様子がうかがえる。

「男の分際で女性様の車両に立ち入った上に、女性様を立たせておいて自分たちが座席に座っている。何様のつもりだ!許せない!!」という風にも読み取れるからである。

疲れているのは男性も女性も同じ。

そして先に乗車した者から着席するのはどこの車両でも同じこと。

女性専用車両も「女性専用車両」という名前が付いているだけで、実はただの一般車両である。

女性専用車両だから女性だけが乗車する・着席する権利があるというものではない。

もちろん、私達も近くに高齢者や障がい者、また女性でも妊婦などの方などが近くに来たら座席を譲るが、これも女性専用車両(と名の付く一般車両)だろうと、それ以外の車両だろうと同じこと。

それに女性専用車両は名前だけで、実は任意協力である(=強制してはいけない)というのがルールなのだから、「ルールじゃなくてモラルの問題だろ」などと言うのなら、それは、「モラル」という言葉を都合よく使って、強制してはいけないものを事実上強制しようとしているわけで、「ルール破りを、モラルと称して正当化しているようなもの」である。

鉄道事業者が、実際には任意協力でしかないものを、「女性専用車両」と銘打って運行しているからこういう、無意識のうちに特権意識を持つ勘違い女性が出てくるのだ。

そして、こうした意識は放置しておけばいずれ、女性専用車両内に限らずどこでも、「男性は2級市民扱いされて当然」といった考え方にもつながって行くだろう。

阪急の女性専用車両は、痴漢対策とは似ても似つかない別物

また、阪急も女性専用車両を、防犯対策のためのやむを得ない施策としてではなく、「女性向け快適サービス」として運行している。

「女性の皆様、男がいない快適な車内環境を提供する阪急電鉄をどんどんご利用下さい」というわけである。

「何を言っているのだ?女性専用車両は痴漢対策に決まっているだろう」と思う人は、阪急がHPで堂々と公開していた以下の文章を見ればよい。

阪急の女性専用車両は、「人(男性除外)にやさしい、魅力ある鉄道サービス」と公言する阪急のHP

阪急は女性専用車両を「人にやさしい魅力ある鉄道サービス」と明言している。

つまり「女性様向け快適サービス」であって、痴漢が多発しているためにやむなく取った苦肉の策ではない。

しかも、「人にやさしい」と言いながら、男性客に対する配慮は全くなし(女性専用車両は痴漢冤罪対策にはならない)。

足腰の弱った高齢者の男性を差し置いて健常者の女性を優遇し、一体何が「人にやさしい魅力ある鉄道サービス」なのだろうか。

つまり、阪急は「人にやさしい」と言いつつ、男性の存在を完全に無視しているのだ。

当然、当会をはじめ、反対派が一斉に阪急に対して、「人にやさしいというなら、女性専用車両がどう男性にやさしいのか?阪急の言う”人”の中に男性は含まれないのか?」などと、何度も批判・抗議を行ったが、まともな回答が返ってきたことは一度もなし。

さらに、まともな回答がないばかりか、阪急はその後、駅の女性専用車両停車位置付近に以下のような案内を出し、わざわざ「女性専用車両は、車内における迷惑行為防止の観点からお客様に安心してご利用いただくため」などという、バレバレの【建前】をこれでもかとばかりに明記してくるなど、当会を含む反対派の抗議に対する、当てつけ的な対策を取ってきた(下の写真)。

女性専用車両は痴漢対策ではない

女性専用車両を、「人にやさしい魅力ある鉄道サービス」などと発表した結果、反対派から「阪急の女性専用車両は女性ウケ狙いのサービスであり、痴漢対策ではないことを公言しているようなもの」などと批判されたがために、その対策に出てきたと見ることも出来る。

「女性専用車両=痴漢対策」を疑う声が大きくなる前に、「もみ消し工作」に出てきたというわけだ。

しかも反対派から、「痴漢対策と言うなら、導入して痴漢が減ったのか?」と突っ込まれるのを予想してか、「痴漢対策」という言葉を使わず、「迷惑行為防止の観点から、お客様に安心して乗車いただくため」とすり替えるなどの徹底ぶり。

さらに、「(痴漢に限らず)迷惑行為防止と言うなら、何も迷惑行為は男性から女性に向けて行われるとは限らないだろう」と突っ込まれるのも予想してか、「お客様」という言葉の前に性別を限定する言葉を入れていない(つまり、「迷惑行為防止の観点から、女性のお客様に安心して乗車いただくため」とは言っていない)

阪急はそんなにしてまで女性専用車両を守りたいのだろうか?

ここまで言うと、このページを読んでいる人の中には、「HPに『人にやさしい魅力ある鉄道サービス』と書かれていたからと言って、それだけで『阪急の女性専用車は痴漢対策ではない』と言いきれるのか?」という人も出てくるかもしれない。

しかし、私達が「阪急の女性専用車両は痴漢対策ではない」と言う理由は、単にそれだけではない。

本当なら改めてここで詳しく書くべきところだが、長くなるのと、これまでの繰り返しになるので、これまでの当会と阪急とのやり取りを良く見てほしい(下記リンク)。

2015年1月 阪急電鉄への意見書(抗議文)提出の報告

2015年3月 阪急電鉄梅田駅への抗議の報告

阪急が「JR埼京線で痴漢6割減の実績のある監視カメラ」を、後付けの、言い訳にもならない口実で否定し、痴漢の減らない女性専用車両にどこまでも執着しているのがよくお分かりいただけると思う。

上記リンクの内容について、手短にまとめると、

「車内監視カメラは費用が莫大だから出来ない」と言いつつ、実際には阪急の駅構内に監視カメラが多数設置されていたり、また、島根県の一畑電鉄のような、赤字経営の地方ローカル線でも車内監視カメラを設置している事例があるなど、「車内監視カメラは費用が莫大で出来ない」などというのは、バレバレのウソ。

●監視カメラは、「設置位置の問題や、混雑した車内での防犯カメラの有効性等の課題があることから、導入は難しい」などと言っているが、実際には【混雑の激しい】JR埼京線で、痴漢6割減の結果が出ている。よって、これもバレバレのウソ。

●阪急が本当に効果的な防犯対策・痴漢対策をやりたいのなら、監視カメラに飛びつくはずだが、実際には監視カメラを徹底拒否。

●(上記リンクページ内では触れていないが)ついでに言うと、阪急はこのようなことをして、女性専用車両を体の良い金儲けに利用している。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001020.000002504.html

●上記のことなどから結局、阪急は「女性専用車両がやりたいだけ」で、痴漢対策・防犯対策など単なる口実なのである。

さらに、阪急は2016年3月に神戸線に女性専用車両を導入した際、痴漢対策でもない女性専用車両導入のために、かなり強引なことをやっていたことも判明している。

阪急は何が何でも女性専用車両を導入したかったようだ。

阪急神戸線の女性専用車両は平日朝・上下線とも設定がある。

そのうち上り(梅田方面行)の女性専用車両設定列車は、「神戸三宮駅始発の10両の特急・通勤特急」であるが、阪急は女性専用車両を設定するために、

●平日朝7時台の新開地発、梅田行の特急・通勤特急を7本から4本に減らし、
さらに、途中の神戸三宮駅で8両に2両増結して10両にする列車を6本から3本に減らした。

●そして、上記の結果捻出された2両編成の車両を全て、神戸三宮始発の女性専用車両設定列車に回した。

●さらに、新開地からの特急・通勤特急の減少分を通勤急行に差し替え(通勤急行という速そうな名前がついているが、実際はほとんど各停同然)その結果、新開地方面から梅田方面に向かう乗客の利便性を大きく損ねることとなった。

痴漢対策に抜群の効果・実績を残した監視カメラは拒否して、女性専用車両導入にここまで執着する阪急は一体何を考えているのかと言いたくなるところだが、実は阪急のトンデモなさはこれだけではない。

先の、桂駅で乗車してきた駅員と当会会員とのやり取りの中で少し出てきたが、阪急はこれまで、「女性専用車両には、目の不自由なお客様に限り、男性も単独で乗車できます」としていて、それ以外の男性障がい者の単独乗車は認めないような案内をしていたが、2016年の7月ごろから、車体や駅のステッカー・ポスターなどを一斉に張り替え、「障がい者は男性でも単独で乗車できます」とした。

貼りかえられた、阪急の女性専用車両案内

これは、総務省・近畿管区行政評価局に、「障害を持つ男性や、その介護者も女性専用車両を利用可能ということをもっと告知してほしい」という、男性障がい者サイドからの相談が寄せられたことから、それを受け、近畿管区行政評価局が鉄道事業を所轄する、国交省・近畿運輸局に対して改善を求めたことから、実現したもの。

【参考記事】
http://www.asahi.com/articles/ASJ2S6WWVJ2SPTIL027.html(アーカイブ)(現在はリンク切れ)

これだけを見ると、「障がい者の男性を差し置いて、健常者の女性を優遇するおかしな状況」が改善されたかのように見えるが、問題はその後である。

阪急はその、「男性障がい者やその介護者が女性専用車両に乗れる条件を緩和したこと」について、プレス発表などは一切行わず、いつの間にか人々が知らない間に「こっそりと」やってしまったのだ。

つまり、「これまで視覚障がい者以外の障がい者男性を排除してきたこと」や「それを改めざるを得なくなったこと」を利用者などに悟られないよう、こっそりとやったのである。

そして、「障がい者男性も単独で女性専用車両に乗車しても良い」という事実が、できるだけ利用者に伝わらないようにしたのである。

普段、阪急をよく使う当会会員も最初は気付かず、しばらく経ってから気付いたその会員が阪急電鉄に問い合わせて初めて、2016年7月にポスターやステッカーなどを一斉に張り替えていたことが判明したという次第。

全くもって狡猾と言うほかない。

「女性専用車両に障がい者男性が乗っても良いことになっている」のは、障がい者男性に配慮してのことではなく、「障がい者の男性よりも、健常者の女性を優遇するのか」というクレームをつけられた場合に、「うち(鉄道会社)は男性の障がい者の乗車は認めていますので、問題ありません」とうまく逃げられるようにするためのものであるということは、当会サイトでもこれまで繰り返し何度も述べてきたことであるが、今回もまさにその鉄道事業者の本質が出た形である。

このことからもお分かりいただけるように、阪急が男性障がい者の単独乗車を認めたと言っても、これは男性障がい者に対する配慮などでは決してない。

「単なるクレーム対策で、形式上認めているだけ」であり、これから先も、「男性の障がい者が女性専用車両に単独乗車しても良い」という事実(※実際は障がい者や介護者でなくても、男性も誰でも乗れる)を阪急は可能な限り、「なるべく知られないようにし続ける」であろう。

そして、「男性の障がい者も乗って良いというから、女性専用車両を利用しているのに、女性客から攻撃される。男性障がい者が乗っても良いという事実をしっかりと告知してほしい」という男性障がい者の声を、阪急はこれからも蔑ろにし続けるであろう。

「男性の障がい者の乗車は認めていますので、問題ありません」とうまく逃げられるように、「形式上認めているだけ」 だから。

ここで改めて、阪急が女性専用車両を、「人にやさしい魅力ある鉄道サービス」などとHPに掲載していたことを思い出していただきたい。

何度も繰り返し述べているように、女性専用車両は「痴漢対策のためのやむを得ない措置」ではなく、「女性のためのサービス」なのだ。

女性専用車反対派の皆様なら、阪急に対して、改めて「ふざけるな!」という怒りがこみ上げてくるのではないだろうか。

ちなみに、女性専用車を毎日終日実施しているJR西日本は、2011年に女性専用車を終日化した際に、男性の障がい者の単独乗車も可能としたが、この時は(プレス発表しなかった阪急とは異なり)一応HPなどでプレス発表したものの、何だか完全終日化への反発を抑えるために、男性の障がい者の単独乗車を認めたような感がしないでもなかった。

そして現在、女性専用車内に男性も乗車することがある旨のステッカーを貼ってはいるが、女性専用車の各車端部に一枚ずつ貼っているだけであり、車両や駅のホームなどでしつこいぐらいに「女性専用車」などと表記しているのとは対照的である。

JR西日本の男性障がい者の乗車等についての案内ステッカー

梅田駅で抗議

結局、桂で私達について乗車してきた駅員は、次の停車駅の長岡天神で降りて行ったが、私達は内心、怒り心頭だった。

しかし、私達以外に乗車していた男性客も、声掛けにもかかわらず全く移動しなかったのは幸いであった。

すっかり打ち解けた、隣の席の老夫婦とも話が弾み、気がつけば十三。

ここで多数の乗客が降りて、車内は一気に空いたが、隣の席の老夫婦は梅田までの乗車だったので、引き続き話を続けた。

そして、淀川を渡ってほどなく終点梅田に到着。私達もその老夫婦も下車した。

ホームを歩きながら、その老夫婦の旦那さんのほうが私達に「頑張って!」と激励下さり、私達はがっちりと握手して、「ありがとうございます」と一礼。

ここでお別れとなった。

今回、またも駅員が車内に乗車して、列車を止めてまで声掛けしてきたことについて、やはりここまでされたのだから、これは抗議しないわけには行かない。

梅田駅のインフォメーション(案内所)に出向き、そこにいた駅員に、河原町からの帰りの車内でのことを話し、その上で、今後こうしたことのないよう抗議を行った。

梅田駅案内所

そして、今の阪急の姿勢から考えて、実行に移すとは考えにくいものの、女性専用車両から監視カメラへの移行(女性専用車両と監視カメラの「併設」ではない)を要請し、案内所を後にした。

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