当会では、2016年6月17日に、京王線とJR埼京線で任意確認乗車会を行いました。
京王電鉄では、車掌が女性専用車両が「強制」と受け取れるアナウンスをしたため、調布駅で抗議(講義)を行いました。
その後、JR埼京線では、知らずに女性専用車両に乗車してきた男性客に、女性専用車両が任意であることなどを説明(周知)しました。
以下、当日の報告です。
京王の車内アナウンスに抗議
「女性のお客様専用の車両」はNG
京王線・新宿~調布
私達は、京王線新宿駅3番線・10号車の乗務員室付近の乗車位置に並び、20:27発の準特急を待ちました。
しばらくして準特急が入線してきたので、私達も乗車・着席しました。
怪訝な様子でこちらを見ている女性客がいましたが、女性客や車掌からの声かけはありませんでした。
地下から地上に上がって笹塚に停車。すると、すぐに車掌が女性専用車の案内放送を行いました。
これは私達に対するあてつけでしょうか?
本来なら、列車種別や行先を先に放送すべきでしょう。
しばらく走って、明大前に到着。明大前で一旦降車して後続の列車を待ちました。
いわゆる”自由が丘作戦”です。
当会サイトをいつもご覧頂いている人は既に知っているとは思いますが、一応解説しておくと、「自由が丘作戦」とは、当会をはじめとする一部の反対派の間で使われている用語の一つで、少しでも多く任意周知(私たちが女性専用車両にあえて乗るのは、「女性専用車両が強制力を持つものではなく、任意である」ということを周知するのも目的の一つです)するために、途中の駅で一旦降りて、後続の列車に乗り換えることを指します。
自由が丘とは、東急東横線の自由が丘のことですが、もともと関東で活動していた一部のメンバーが東横線でこれをやっていたために、「自由が丘作戦」と名前がつきました。
しばらくして後続の特急が入線したので、乗車しましたが、そこで「一番後ろの車両は、女性のお客様専用の車両とさせていただいております・・・」という案内放送が2度流れました。
女性専用車問題に関心のない人からすれば、何気なく聞き流してしまうアナウンスかもしれませんが、実はこれ、とんでもない虚偽アナウンスなのです。
当会サイトでもすでに、過去何度も言っていますが、「女性専用車両」といっても、実は名前だけで、実際は性別に関わらず誰でも乗れる車両です。
つまり、ほかの車両と何ら変わらない「ただの一般車両」に、「女性専用」と書いたステッカーを貼っているだけで、実際には何の効力も法的根拠もありません。
というか、公共の場である鉄道車両を本当に「女性専用」にしてしまうと、これは法的にもまずいので、名前だけは「女性専用」としながらも、実際には強制しない(協力するかしないかは男性客の任意であり、男性が乗ってはいけないというものではない)ということにして、法的な問題に引っかからないようにしているわけです。
言い換えれば、「女性専用車両は差別ではないか」と突っ込まれても、「強制していないので、差別には当たりません」と逃げを打てるようにしているわけです。
要するに、「女性専用という名前がついているだけで、実際には女性専用ではない」、ということですが、アナウンスで、「女性のお客様専用の車両とさせていただいております」と言ってしまえば、これは「単なる名前」ではなく、本当に「女性しか乗れない・男性は乗ってはいけない」という意味にしか取れず、乗客にウソを言っていることになります。
もちろん、この車掌に「ウソのアナウンスをしてやろう」などというような意図はないでしょう。恐らくは、何の気なしにそんな表現を使ったのでしょうが、女性専用車両が、「名前だけ」で、実際は「任意協力」であることを理由に、何とか「公共の場での差別ではない」としてまかり通っているという、法的にもグレーゾーンに位置する存在であることを考えれば、結果的に乗客が、「女性専用の車両だから男性は乗れない」と思ってしまいかねないような内容のアナウンスをすることは、やはり看過できません。
調布到着後、これについて車掌に問い質しましたが、停車時間もなく埒があかないため、駅務室で抗議することにしました。
助役を呼んでもらい、先ほどの車掌の案内放送や、笹塚での車掌の案内放送、その他女性専用車の問題全般について、しばらくの間抗議(講義)しました。車掌の案内放送については、担当部署に伝えるとの約束をしていただきました。
JR埼京線・大崎~赤羽~武蔵浦和
京王線の調布からJR大崎まで移動し、大崎で途中参加のメンバーと合流。
23:10発の赤羽行の10号車(女性専用車)に乗車しました。既に数人の男性客が乗っていました。
今回、埼京線では時間の都合上、途中で下車する、いわゆる「自由が丘作戦」は行いませんでしたが、
このところ、渋谷駅などで警備員が女性専用車位置にスタンバイしていて、ホームに並んでいる時点で男性客に声をかけて女性専用車両に乗せないようにしているという情報もあり、可能ならば渋谷駅で一旦下車したいところではありました。
新宿駅でも何人かの男性客が乗車しましたが、女性専用車の案内放送により、慌てて降りて隣の車両を目指す男性がいた一方で、降りようとしたものの発車間際だったため車内に留まった中年男性がいました。
その男性、私たちがいたため安心した面もあったのでしょうが、気にしている様子だったため、女性専用車は誰でも乗れることや、その他の問題について、こちらから説明してあげました。
特に反対派というわけではなさそうでしたが、私たちの話に納得している様子で、結局、赤羽まで一緒でした。
途中、1人の中年女性から、「ここ女性専用車ですけど大丈夫ですか」という声かけがありましたが、軽く論破したところ立場がなくなったのか、そっぽを向いてそれ以上は言ってきませんでした。
池袋駅では、「差別ネットワーク」のドクター差別氏のブログでも報告されているとおり、朝は駅員などによる大声での声掛けがかなりしつこいようです。
ただ、今回は時間帯が違うためなのか、池袋での大声での声掛けはありませんでした。
やがて私たちの乗った列車は、この列車の終点、赤羽に到着。ここで一部のメンバーが離脱。
上の写真は、当日の赤羽駅でのものですが、向かって左の専用車と、隣の車両の混雑差はご覧の通り一目瞭然です。
しかし、駅構内アナウンスでは、「少しでも空いている側へお回りください」などと、放送していました。
「少しでも空いている側へお回り」していただく必要があるのなら、他車両の混雑を上げる女性専用車両など廃止すれば良いと思うのですが・・・埼京線には「痴漢件数6割減」の車内監視カメラもありますし。
私は残りのメンバーとともに、次の大宮行でさらに武蔵浦和まで乗車しましたが、特に声かけ等はありませんでした。