2023年3月6日、近く新横浜線が新規に開業し、相鉄や東京メトロ線と直通運転を開始する東急電鉄の本社を当会として訪問し、東急目黒線・東京メトロ線直通の列車には女性専用車を今後も導入しないよう、要望書を提出してきました。
以下その報告です。
渋谷の東急電鉄本社を訪問
当会代表・副代表が東急電鉄の担当者と直接対談、要望書を手渡す
東急電鉄本社を訪問した理由
2023年3月18日から新たに「新横浜線」を開業し、相鉄や東京メトロと直通運転を開始する東急電鉄に対し、直通開始後も女性専用車を導入しないよう、当会ではその12日前の2023年3月6日に東急電鉄本社を直接訪問して要望書を提出した。
その3月6日の東急電鉄本社訪問の直前、東急から発表があり「3月18日の改正では目黒線(と、その先の東京メトロ線・都営線)直通の列車には女性専用車を導入しない」とのことであった。
現在、直通先の東京メトロ南北線などでは列車の8両化を進めているところであり、今は6両と8両が混在している状態だが、8両に統一されたときに東急目黒線も含め導入されるのではないかという懸念がある。
そこで今回はそのあたりも含めて申し入れを行うことにした。
東急電鉄本社を訪問。その前に千代田線で任意確認乗車。
本社への訪問予定時刻は午前10時であるが、当日はそれよりも早く、朝8時過ぎ頃に北千住の駅に集合し、そこから東京メトロ千代田線で任意確認乗車を行った。
これは会としての正式な活動ではないので詳しくは書かないが、結論から言うと特に何事もなかった。
それにしても東京の朝ラッシュはやはりすごい。
ぎゅうぎゅうの車内でドアに押しつけられながらの乗車となった。
途中いくつかの駅で一旦下車し、後続に乗り換えるなどして任意周知を行っていった。
そして明治神宮前から副都心線に乗り換え、午前9時頃に東急電鉄本社のある渋谷に到着。
そこで東急電鉄側に提出する要望書の印刷を人数分近くのコンビニで行い、そこから徒歩で本社に向かうことにした。
渋谷駅から東急電鉄の本社へはちょっと距離がある。
スマホで場所を調べつつ、約10分かけて本社まで歩いて到着した。
東急電鉄側が提示してきた人数制限は2人なので、集まったメンバーの中から代表と副代表が本社に入り、他のメンバーは近くの喫茶店で待つことにした。
東急電鉄本社でのやりとり
東急電鉄側で当会に応対したのはH氏。感じの良い年配の男性の方である。
東急電鉄側はH氏ともう1人の2名に加え、記録役が1人の計3名。
こちらは先述の通り、代表と副代表である。
ここで、東急電鉄側に提出した要望書を貼っておこう。
36f1eb60044b384393e01f05f58265fe請願書2ページ目の「請願事項1」(目黒線に導入しないでください)について、東急電鉄側からの回答は「現時点ではまだ何も決まっていないし、他社様も関係するので、現時点ではなんとも言えません」とのこと。
これは予想通りの回答であった。
東急電鉄側としても現時点ではこう答えるしかないだろう。
請願事項2・3(既存の女性専用車についても縮小廃止を検討してください)についてもこれは東急電鉄側としても今すぐにどうこうできることではないだろう。
それは承知だが、こちら側の意向を伝えるため、あえてこれも請願書に盛り込んだ。
そして請願事項4・5・6(女性専用車によらない痴漢対策を強化してください等)について話をする中で、当会としても「痴漢対策については決して反対するものではない。むしろ大々的にやってほしい」と伝えた上で、「女性専用車は公平性が求められる公共交通機関において不適切である」「監視カメラの方が痴漢対策としてより効果的である」と伝えた。
東急電鉄でも監視カメラはすでに導入されている。
また、女性専用車があることで、勘違いした女性がツイッターなどに「臭いオヤジがいなくて快適」などとひどいツイートをしたりすることもあることも伝えた。
さらに(これは過去、東急東横線であったことだが)女性専用車の優先席に知らずに座っていた90歳くらいの高齢男性に警備員が移動するように言ったが、その高齢男性が耳が遠かったのか、なかなか移動しなかったため、半ば無理矢理隣の車両に移動させるようなこともあったと伝えた。
また、当会では東急・相鉄直通開始直後「女性専用車の前に警備員などを置いて声かけする」という情報をつかんでいたので、それについて質問したが、これは東急電鉄側から「これはどこからの情報ですか?」と逆に尋ねられた。
どうやら、声かけを行うのは相鉄線だけのようで、東急線側ではそうしたことは行わないようだ。
これについてはこちらの調査不十分だったため「これは失礼しました」とお詫びした。
結局、時間は30分弱ほどだったが、こちらの伝えたいことは十分伝えられたと思う。
先日は東京都交通局を訪問したが、それに比べると東急電鉄は誠意のある対応であった。
東急電鉄も過去に「菊名問題」で強い非難を受けたことがある。
菊名問題とは東横線の菊名駅がホームの最も横浜寄りの1カ所にしか階段がない構造で、しかも当時その「最も横浜寄りの車両」を上下両方向とも平日・終日女性専用車(各駅停車除く)にしていたという問題である。
そのせいで、利用客からの非難・苦情が東急電鉄に多数寄せられた。
その結果、後になって「平日の始発から午前10時までの上下両方向と18時以降終電までの下り(渋谷から横浜方面行き)」の設定に縮小され、さらに女性専用車の位置も最も横浜寄りの車両から中間の車両に変更された。
さらにその後、渋谷で東京メトロ線に乗り入れるようになった関係で、設定は「平日の朝ラッシュ時のみに縮小」され、設定車両も今度は「最も渋谷寄りの車両」となった。(一方で、それまで設定のなかった各駅停車にも設定されるようになった)
訪問を終えて、代表・副代表は東急電鉄本社を後にし、他のメンバーが待つ近くの喫茶店に向かった。
そしてそこで待っていた他のメンバーに、代表と副代表が東急電鉄側の対応や話した内容について説明した。
願わくは今後、東急電鉄においては今以上の女性専用車の拡大を行わず、将来的には女性専用車を廃止の上、それによらない痴漢対策を行うようにしていただきたいものだ。